木走日記

場末の時事評論

科学

「日本には実験なしで核兵器開発できる能力がある」(中国メディア)は本当か?

中国メディアの環球網は8日、日本は核実験なしで核兵器を作る技術力があり、短期間で中国以上の核兵器大国になる能力があるとの考えを示し、警戒を呼び掛ける論説を掲載いたしました。 日本には「実験なし」で核兵器開発できる能力がある!=中国メディア h…

■細胞の老化:原因は遺伝子の「メチル化」記事の解説を試みる〜読み物として楽しんでほしい(間違ってても大目に見てほしい)

さて今回は時事を少し離れて久しぶりに科学的話題を取り上げてみたいと思います。 9日付けの毎日新聞の科学記事から。 ■細胞の老化:原因は遺伝子の「メチル化」 筑波大など発表 毎日新聞 2015年06月09日 12時30分 細胞の中で酸素からエネルギーを生産する…

「ゼロリスクを求めては車は走れず航空機も飛べない」(産経新聞)にそっと反論してみる〜それはそうだが、私たちは人の作るシステムのその科学的限界性についてもう少し謙虚にあるべきではないのか?

産経新聞がお怒りです。 この二日連続で社説にて「高浜原発差し止め」の今回の司法判断を取り上げています。(参考記事) 【15日付け社説】 高浜原発差し止め 「負の影響」計り知れない http://www.sankei.com/column/news/150415/clm1504150002-n1.html …

組織防衛に走る理研の姿勢を強く批判する〜これでは科学の名を借りた前時代的な「公開裁判」だ!

BLOGOSより。 STAP細胞 再現できず。小保方氏は退職STAP細胞をめぐる検証について、理研は19日に再現ができないことから検証実験を中止すると発表した。小保方氏自身による実験でもSTAP細胞の作製が出来なかった。小保方氏はこれを受け理研を退職、野依良治…

小保方博士論文:納得しがたい「実験結果の部分に盗用はない」という早稲田の判断

7日付け朝日新聞電子版速報記事から。 早大、小保方氏の博士号を取り消し決定 1年の猶予つき 2014年10月7日16時17分 早稲田大は7日、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子ユニットリーダー(31)に2011年に授与した博士号の取り消しを6日付で決定…

火山噴火の予知の困難性について考察する

今回の御嶽山の水蒸気爆発を予知することはできなかったのか、ネット上ではさまざまな議論が起こっています。 今回当ブログとしては、火山噴火の予知の困難性について、できるだけ「科学的」に考察を試みたいです。 27日付けNHKニュース記事から。 御嶽山…

早稲田調査のアクロバティックな非科学的な論理〜「過失」による剽窃(ひょうせつ,Plagiarism)行為など有り得ない

当ブログでは過去数回に渡り小保方晴子さん及び理研の対応を厳しく批判してまいりました。 2014-03-12 学生時代からの剽窃常習犯である小保方晴子さんは完全にアウト http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140312 2014-03-16 深刻なモラルハザードを招きかねな…

「小保方氏STAP検証実験参加」理研の決定に強く反対する〜これでは科学の名を借りた前時代的な「公開裁判」となってしまう

30日付け読売新聞記事から。 小保方氏、STAP検証実験参加へ…理研発表 2014年06月30日 22時50分 理化学研究所は30日、STAPスタップ細胞の2本の論文に関し、追加調査を始めたと発表した。 4月までの調査で、画像データの捏造ねつぞうなど2件の…

笹井氏に反論する〜現段階でSTAP細胞は「科学的信ぴょう性ゼロ仮説」である

17日付け読売新聞記事から。 笹井氏STAP説明に、同僚「理解できない」 2014年04月17日 10時04分 笹井氏の記者会見は、神戸市の理研発生・再生科学総合研究センターでも同時中継され、報道陣約20人が集まった。 同センター研究者らも会見の模様をイン…

小保方論文は"全否定"しなければならない

3月12日の時点で当ブログとして、小保方晴子さんは科学者として完全にアウトであるとエントリーにて指摘しています。 2014-03-12 学生時代からの剽窃常習犯である小保方晴子さんは完全にアウト http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140312 小保方晴子さん…

我々は子どもを「群れ」で育てる宿命にある〜ベビーシッター事件に思う社会的な啓蒙としての生物学的考察

若年の母子家庭においてまたしても痛ましい事件が起こってしまいました。 20日付け毎日新聞記事から。 シッター逮捕:弟にも複数のあざ 別の男児、やけど毎日新聞 2014年03月20日 07時00分(最終更新 03月20日 07時44分) 埼玉県富士見市のマンションで、預…

深刻なモラルハザードを招きかねない理研の記者会見

12日の時点で当ブログとして、小保方晴子さんは科学者として完全にアウトであるとエントリーにて指摘しています。 2014-03-12 学生時代からの剽窃常習犯である小保方晴子さんは完全にアウト http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140312 小保方晴子さんの、…

学生時代からの剽窃常習犯である小保方晴子さんは完全にアウト

12日付け産経新聞電子版記事から。 小保方氏の博士論文 20ページが米NIHサイトとほぼ同じ 2014.3.12 00:54 万能細胞「STAP細胞」の論文を執筆した理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが、博士号を得るため早稲田大に提出した英語の博士…

 「福島原発汚染水対策」は最悪のシナリオに耐えうる計画を〜マンモスタンカーによる浮体式汚染水貯蔵設備を提案

あまりにも遅すぎではありますが、ようやく政府の基本方針が示されました。 福島原発、汚染水対策に470億円 政府が基本方針 遮水壁、建設前倒し http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF03004_T00C13A9MM0000/ 470億円の内訳ですが、柱は2つです、凍土壁の…

韓国には言わせておけばいい、飛べ、日本のイプシロン!〜潜在的な意味で日本の安全保障上のカードにもなり得るすばらしい技術

実に不愉快な、28日付け韓国の朝鮮日報記事タイトルであります。 「ロケット打ち上げの革命」イプシロン、ピクリともせず http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/08/28/2013082800573.html 記事より抜粋。 27日午後1時45分、鹿児島・内之浦…

福島第一原発放射能汚染水大量海洋流出〜東京電力の科学的にまったく不誠実な態度が今日の事態を招いたのだ!!

長文にて失礼します。 8日付け朝日新聞記事から。 海に汚染水1日300トン 福島第一原発 政府、国費で対策 東電任せ、破綻 東京電力福島第一原発の建屋近くの地下水から高濃度の放射性物質が検出されている問題で、政府の原子力災害対策本部は7日、1日…

首都東京『千年猛暑』をデータ徹底検証〜すでに7月で138年間の観測史上初の連続猛暑

15日に早くも東京で今年5回目の最高気温35℃以上の「猛暑日」を記録しました。 どうも下記週刊誌記事の「この2013年の夏は、とんでもなく暑いらしい」との予測が早くも的中し始めたようです。 2013年07月05日(金) 週刊現代 特別レポート40度も!最悪の…

東電にとって実に『不都合な真実』(An Inconvenient Truth)が現出するのか!?〜福島第一で放射能汚染の海洋流出が止まっていない可能性が浮上

東京電力福島第1原発付近の観測用井戸から高濃度の放射性物質が検出されている問題について最近の報道を時系列でまとめておきます。 6月19日、「東京電力は19日、福島第一原子力発電所の2号機タービン建屋東側(海側)にある観測用井戸の水から、法定…

我々は子どもを「群れ」で育てる宿命にある〜社会的な啓蒙としての生物学的考察をこころみる

今回は大阪で起こった痛ましい母子餓死事件から、社会的な啓蒙としての生物学的考察をこころみたいです。 23日付けの読売新聞科学記事が興味深いのです。 ネアンデルタール人、乳離れ早い…1歳2か月で 現代の人類とは別種のネアンデルタール人は、1歳2…

IAEA調査団にハッキリ駄目出しされた東京電力の危機管理能力〜「東電には不具合を迅速に突き止める能力とそれに対応する能力がない」

東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取り組みを調べていた国際原子力機関(IAEA)の調査団(団長はファン・カルロス・レンティッホ核燃料サイクル・廃棄物技術部長)は22日、増え続ける汚染水の管理が「最大の難題」として、より信頼性の高い…

メディアが報じない内閣府の南海トラフ巨大地震の非科学的想定〜原発事故リスクは一切想定しない中央防災会議作業部会

内閣府の中央防災会議作業部会が南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)をまとめました。 経済的被害は最悪の場合、約220兆円に上るという数字を受けて、各紙の社説は一斉にこの「南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)」を取り上げています。…

もっと注目されるべき福島第一原発の高濃度汚染水〜捨て場のない放射能汚染物質に対し備えがない日本

福島第一原発事故の復旧作業においては、まず事故を起こした原子炉を十分に安全になるまで大量の水で冷やし続けることが肝心です。 東電は溶融した260トンの核燃料を取り除くことが可能になるまで放射能レベルが低下するには8年かかるとみていますが、米ス…

「原子力規制委 断層調査の暴走が心配だ」(産経社説)に反論する〜「変動地形学」を避けてきた今までの調査方法こそ問題だったのではないか!?

30日付け産経新聞社説から。 原子力規制委 断層調査の暴走が心配だ 2012.12.30 03:22 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121230/plc12123003230006-n1.htm この産経社説は原子力規制委員会の断層調査が「暴走」していると批判しています。 社説は冒…

経済立国、日本には「防衛軍」などいらないということ〜レアメタルを使わない画期的革新が続く日本技術の頼もしい底力を見よ

これは地味ですがすばらしいニュースですね、13日付け朝日新聞記事から。 有機ELの新発光材料開発 レアメタル不要、コストも減 【中村浩彦】スマートフォンのディスプレーなどに使われている有機ELの新しい発光材料を、九州大などの研究チームが開発し…

日本人とチベット人が持つ漢民族に対する宿命的な「血」のつながり

1日付け朝日新聞記事から。 アイヌ民族と沖縄の人、遺伝的な特徴に共通点 【波多野陽】北海道のアイヌ民族と沖縄の人たちは、遺伝的な特徴が似ていることが、国立遺伝学研究所などの解析でわかった。本州、九州などでは、縄文人と大陸から来た弥生人との混…

「南海トラフ巨大地震」政府公開資料徹底検証〜災害死亡率で阪神・東日本大震災と比較してみる

29日付け読売新聞紙面記事から。 南海トラフ地震、死者32万人全壊238万棟か 東海、東南海、南海地震などが同時発生するマグニチュード(M)9級の「南海トラフ巨大地震」について、国の二つの有識者会議は29日、被害想定などを公表した。 死者数は…

エコな燃料電池車とエコじゃない水素ステーション

27日付け日経新聞記事から。 水素ステーション市街地OK 燃料電池車普及促す 政府、立地規制を緩和 2012/5/27 2:03 政府は次世代エコカーの本命である燃料電池車の燃料を供給する水素ステーションの整備に乗り出す。6月中に立地規制を緩和し、2015年まで…

稼働させればさせるほど、再処理すればするほど最終処分費用は膨らむ〜核燃料サイクル技術等検討小委員会レポート徹底検証

16日、政府の原子力委員会の小委員会が政策の選択肢と評価をまとめました。 原子力発電による使用済み核燃料の最終処理方法の政策の選択肢と評価(費用)をまとめたものです。 大変興味深い内容なのですが、なぜかマスメディアで詳細の報道がほとんどなさ…

原子燃料コンスチペーション〜使用済核燃料は完全に糞詰まり状態

天然ウランが鉱山で採掘されてから原発(軽水炉)で発電に使用されるまで大きく七つの工程があります。 工程1:ウラン鉱山で採掘 工程2:精錬工場で天然ウラン鉱石をウラン精鉱(イエローケーキ)に濃縮 工程3:転換工場でイエローケーキを六フッ化ウラン…

あと何年で全原発を廃炉するのかいくつか試算してみる

・はじめに 2012年4月9日現在、日本の実用発電用原子炉54基のうち、稼動しているのは北海道電力泊原子力発電所3号基のみであり、全原発の発電能力4884.7万kwのうち91.2万kwを発電しているのに過ぎず、原発稼働率は1.8%にまで落ち…