早稲田調査のアクロバティックな非科学的な論理〜「過失」による剽窃(ひょうせつ,Plagiarism)行為など有り得ない
当ブログでは過去数回に渡り小保方晴子さん及び理研の対応を厳しく批判してまいりました。
2014-03-12 学生時代からの剽窃常習犯である小保方晴子さんは完全にアウト
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140312
2014-03-16 深刻なモラルハザードを招きかねない理研の記者会見
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140316
2014-04-10 小保方論文は”全否定”しなければならない
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140410
2014-04-17 笹井氏に反論する〜現段階でSTAP細胞は「科学的信ぴょう性ゼロ仮説」である
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140417
2014-07-01 これでは科学の名を借りた前時代的な「公開裁判」となってしまう
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140701
この問題が騒がれ出した3月12日の時点で「学生時代からの剽窃常習犯である小保方晴子さんは完全にアウト」であり、「早稲田大学の調査を待たなければなりませんが、STAP細胞論文の取り消しどころか博士号の取り消しも視野に入っていることでしょう」と結論づけています。
早稲田大学は博士論文に引用剽窃チェッカーをかけなかったのでしょうか、初歩的な疑問なのです。
いずれにしても私の経験上の印象では、小保方晴子さんは学生時代からの剽窃常習犯であると思われます。
学生時代からの剽窃手法を今回のSTAP細胞論文でも犯していたのならば、完全にアウトです。
技術的内容の正誤の以前の哲学・マナーの問題で、科学者としてアウトです。
早稲田大学の調査を待たなければなりませんが、STAP細胞論文の取り消しどころか博士号の取り消しも視野に入っていることでしょう。
7月17日早大調査委は問題の小保方さんの博士論文を「不正あったが学位取消に該当せず」と結論を出しました。
<小保方博士論文>「不正あったが学位取消に該当せず」早大調査委・配布資料(全文)
http://blogos.com/article/90730/
ポイントは、「本件博士論文は公聴会時論文以前の博士論文の草稿である」と推認したことです。
つまり問題の論文は「本物」ではなかったとしたのです。
その上で、むしろ責任は「主査としての義務違反があり、非常に重い責任がある。」、「「副査としての義務違反があり、重い責任がある。」と大学側の指導過程に認定しています。
結論部分。
・転載元を表示せずに他人作成の文書を自己が作成した文書のようにして利用する行為は、研究に携わる者が作成する論文等において、決して許されない。小保方氏について、学位取り消し要件に該当しないと判断したことは、この問題点の重大性を一切低減するものではない。
早稲田大学がひとたび学位を授与したら、それを取り消すことは容易ではない。それほど学位の授与は重みのあるものである。早稲田大学において学位審査に関与する者は、その重さを十分に認識すべきである。
うむ、小保方論文自体は科学的には博士論文としては全く認められないがそれは草稿であって本物ではなかった、本人に「故意の作為」はなく「過失」によるものだから学位取消には該当ぜず」、そのような論文に学位を与えてしまった大学側の指導過程にこそ責任がある、との結論です。
実にアクロバティックな非科学的な論理です。
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私は非常勤講師の立場で工学系大学で学生のレポートや論文のチェックを長年してきましたが、私の経験から判断して、学生時代からの剽窃常習犯である小保方晴子さんは科学者として完全にアウトです。
小保方晴子さんの、博士号を得るため早稲田大に提出した英語の博士論文の冒頭部分が、米国立衛生研究所(NIH)のサイトの文章とほぼ同じだったことが判明したのは3月11日のことです。
20ページがほぼ同じ記述ということは、これは完全に剽窃(ひょうせつ,Plagiarism)であります、他人の技術的成果物をクレジット表示することなく論文に取り込むという、学術論文では絶対にあってはならない禁じ手であります。
この冒頭部分以外でも論文本体や写真、background(引用論文一覧)など多数の箇所に剽窃やデータ偽造が発覚しています。
下のまとめサイトが技術的にもよくまとめられていますのでご紹介。
小保方晴子の博士論文の疑惑まとめ
http://stapcells.blogspot.jp/2014/02/blog-post_2064.html
はっきりいって「過失」による剽窃(ひょうせつ,Plagiarism)行為など有り得ません。
いわゆるコピペによる他人の技術的成果物をクレジット表示することなく論文に取り込む剽窃(ひょうせつ,Plagiarism)行為というものは、ほぼ100%悪意ある意志をもった不正行為です。
剽窃(ひょうせつ,Plagiarism)行為は本人に強い悪意がなければ絶対発生しません、とくに「過失」を認める交通事故とはまったく異なります。
おそらくこの科学的単純な事実は、今回の早大調査委のメンバー自身が一番認識していたのでしょう。
だからこそ今回の論文は草稿であって本物ではなかった、その間違い自体に本人に「故意の作為」はないと推測できる、したがって「過失」によるものではない、というアクロバティックな「非科学的」論理展開をするしかなかったのでしょう。
長年、大学・大学院の理工系教育に関わるものの一員として、強く主張いたします。
「過失」による剽窃(ひょうせつ,Plagiarism)行為など有り得ません。
そして何箇所も剽窃や改竄箇所が指摘されている科学的には全く認められない「論文」を、「草稿と推認」と問題視すること自体を放棄した早大調査委の判断は、まったく非科学的であり極めて「政治的」意図を感じます。
一歩譲って「草稿」段階だったとしてもあれだけ悪意ある剽窃や改竄箇所があった論文が「本物」になるまでに短期間に一気にすべて浄化されることなど、私の経験からいって絶対にありえません。
科学論文における剽窃(ひょうせつ,Plagiarism)行為はすべて悪意ある不正行為です。
誤って剽窃(ひょうせつ,Plagiarism)を含む「草稿」を製本してしまったとしても、そのミスも含めてすべて悪意ある不正行為です。
「過失」による剽窃(ひょうせつ,Plagiarism)行為など有り得ないのです。
(木走まさみず)