木走日記

場末の時事評論

『菅外交』の今後の優先順位がわかりやすく出現している電話会談の順番が興味深い

菅電話会談外交が始まりました。

どの国の首脳とどの順番で会談するのか、その電話会談の順番が興味深いのです。

検証いたしましょう。

まず20日、同盟国・米と準同盟国・豪の首脳を皮切りにいたします。

(関連記事)
モリソン豪州首相及びトランプ米国大統領との電話会談についての会見
https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202009/20kaiken.html

首相が初日の相手として会談を申し入れた米国は同盟国であり、外交・安全保障政策の基軸と位置付けています。

20日の会談で首相が「日米同盟は地域や国際社会の平和と安定の礎であり、日米同盟をトランプ氏とともに一層強化していきたい」と呼びかけると、トランプ氏は「全く同感だ」と応じています。

オーストラリアも米国の同盟国であるだけでなく、安倍晋三政権で安全保障協力が大きく前進した準同盟国であり、安倍前首相は価値観を同じくする国との連携を重視して「自由で開かれたインド太平洋」を推進、菅首相も安倍路線の継承を掲げています、10月にはインドを加えた日米豪印4カ国の外相会議を、東京都内で開催する方向で調整しています。

同盟国・米と準同盟国・豪を外交的に優先することで、安倍政権の『自由で開かれたインド太平洋』政策を継承している『菅外交』を内外に印象付けました。

次に自由と民主主義の価値観を共有する友好国、まず、22日にドイツのメルケル首相、続いてEUヨーロッパ連合のミシェル大統領とも電話で会談いたします。

(関連記事)
菅首相が独首相と電話会談新型コロナ対策などで連携確認
2020年9月22日 20時38分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200922/k10012630121000.html

興味深いのは報道によれば、日独両首脳は、新型コロナウイルス対策をはじめとした国際社会の課題への対応や、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて、引き続き緊密に連携していくことを確認しています。

菅外交は欧州でも「自由で開かれたインド太平洋の実現」を全面に押し出していることが見受けられます。

さらに、菅首相は、23日午後にIOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長とイギリスのジョンソン首相と相次いで電話で会談いたします。

さてここで、台湾をめぐって中国とひと悶着がありました。

7月に死去した李登輝元総統の告別式に参列するため訪台した森元首相は18日、蔡総統と会談し、機会があれば電話などで話したいとの菅首相の言葉を伝えました。

これに中国が敏感に反応します。中国外務省は19日夜、日本側に説明を求めたところ、そのようなことは「決して起きない」との説明があったと、わざわざ記者会見で内外に明らかにします。

台湾の蔡英文総統も20日、菅氏との電話会談は予定していないと述べます。

(関連記事)
台湾総統菅首相と電話会談予定せず 森元首相発言に中国が懸念
https://jp.reuters.com/article/taiwan-japan-china-idJPKCN26C0IT

米中対立が激化する中で、本件により中国政府は電話会談による『菅外交』、菅内閣が継承する「自由で開かれたインド太平洋」政策を、反中国包囲網外交政策としてナーバスになりはじめます。

これを受けて、菅義偉(すが・よしひで)首相が中国の習近平国家主席と首相就任後初の電話会談を25日に実施する方向で最終調整していることが22日、分かります。

(関連記事)
菅首相習近平中国主席と25日に電話会談へ 就任後初
2020.9.22 20:49国際中国・台湾
https://www.sankei.com/world/news/200922/wor2009220032-n1.html

『菅外交』のここまでの動きを整理するとなかなかしたたかです。

まず20日「自由で開かれたインド太平洋」の要である、同盟国・米、準同盟国・豪と会談を行います。

続いて22、23日、欧州などの友好国、独・EUIOC会長をはさんで英首脳と会談いたします。

同盟国・準同盟国・欧州友好国と固めた上で、台湾関係でナーバスになっている中国の国家主席と25日電話会談することを決定します。

この段階で、『菅外交』の電話会談の順番は、見事に、同盟国・準同盟国>友好国>ナーバスになっている中国と、並んでいるのです。

しかしここで中国を会談予定にいれてしまったことで、大きな問題が発生しました。

「自由で開かれたインド太平洋」政策ではほとんど期待していない、アジアにおける日本の「友好国」である韓国が会談予定からオミット(除外)されてしまう形になってしまうからです。

そこで、中国国家主席との会談を25日に決定した後、日本政府は面子を重んじる韓国政府のために、最後の最後に、韓国大統領との電話会談を24日午前に滑り込ませます。

(関連記事)
【独自】日韓首脳 24日電話会談へ 2019年12月以来
https://www.fnn.jp/articles/-/87682

いかがでしょう。

菅電話会談外交が始まりました。

どの国の首脳とどの順番で会談するのか、その電話会談の順番が興味深いのです。

検証したとおり、電話会談は、

米国・豪州>独・欧州・英国>韓国>中国の順番です。

『菅外交』の今後の優先順位がわかりやすく出現していると思いました。



(木走まさみず)

安倍前首相「仮病説」に反論する~個人的所感だが心情的に「仮病」に使うようなやわな病気ではない

小ネタです。

メディアが安倍前首相、「多い会食機会」の不自然で「仮病説」と報じています。

NEWSポストセブン
2020年09月18日 09:18 (配信日時 09月18日 07:05)
安倍前首相、「多い会食機会」の不自然 仮病説も流れる
https://blogos.com/outline/485486/

記事によれば安倍首相は最近「コース料理を食べてワインまで飲んでいた」と指摘しています。

「辞任を決めて吹っ切れたのでしょうか。すっかり元気を取り戻していますよ。9月11日には、谷口(智彦内閣官房参与)さんや鈴木(浩外務審議官)さんたち外務省関係者を呼んで慰労会を開き、コース料理を食べてワインまで飲んでいた」

記事は「普通に会食できるなら、職務は続けられるのではないか」と疑問を呈します。

「また国の首脳が職務を投げ出さざるを得ない重病が、なぜこうも簡単にマスコミに漏れてきたのか。それ自体、異常というほかない。」と結ばれています。

 むろん調子のいいときも悪いときもあるだろう。半面、普通に会食できるなら、職務は続けられるのではないか。また国の首脳が職務を投げ出さざるを得ない重病が、なぜこうも簡単にマスコミに漏れてきたのか。それ自体、異常というほかない。

潰瘍性大腸炎」という難病で第一次安倍政権時わずか1年で辞任し、今回も同じ持病が悪化しつつあること理由に7年8ヵ月の長期政権を辞任したわけですが、辞任表明したら急に元気が出てきて「コース料理を食べてワインまで飲んでいた」安倍首相なのであります、メディアは、そんな元気いっぱいの安倍さんを見て「仮病」だったんじゃないのか?と疑っているわけです。

私は安倍さんは仮病などしていないのではないかと思っています。

私事で恐縮ですが、実は私もストレス性過敏性腸症候群という持病を大腸に持っていまして、日常生活でも生活の質(QOL)を著しく損なうほど苦労をしています。

原因は不明で血液検査や内視鏡検査でも異常は見つからず、ストレスで症状が悪化することから心身症の一つと診断されていますが、過敏性腸症候群を発症する原因は、はっきりとはわかっていません。

ただ最近の研究では、何らかのストレスが加わると、ストレスホルモンが脳下垂体から放出され、その刺激で腸の動きがおかしくなり、過敏性腸症候群の症状が出るといわれています。

私の場合、大学で講師をしておりますが、板書を伴う一コマ(90分)の授業では、体調が悪いと90分間立ち続けることができません。

放っておくと猛烈な腹痛が波のように押し寄せる感じになり、何も手を付けれず授業どころではなくなってしまうのです。

ひどいときには10分おきにトイレに駆け込みます。

健常者の人に説明するのが難しいのですが、猛烈な下痢のような腹痛が絶え間なく続き、トイレに駆け込みますが、便はほとんど出ず、血便や腸内の体液のような液状物が出るだけです。

体調の悪いこんなときは永久に続くと思われる便意との格闘で、本当に気力も体力も失せていくのでした。

仕事どころではないのです。

そこで私は授業のある日の前日に、食事を断つことで症状を起こす元である便そのものを、授業のある日に発生させないことで、授業中に症状が悪化することを防いでいます。

効果があるので今も実践しています。

こんなことをしていると当然痩せていきます。

しかしこの病気が誤解を受けやすいのは体調がいいときは、基本的に胃など大腸から上の消化器系は健康そのものですから、食欲はあるわけです。

私もステーキを食したりうな重をいただいたりするのは大好きで、家族で焼肉屋さんに出かけてビールを飲み飲みカルビやロースなど何人前もいただいて最後にビビンバでしめることもあります。

これはもちろん翌日に授業がない日に限られますが、ビールを飲んだり焼肉を食している私を見れば、誰が私がストレス性過敏性腸症候群であると信じましょう?

難儀なことであります。

症状に個人差も当然あるのでしょうから私の症状が基準にはならないかもしれませんが、日本国首相という大変な重職から解かれた安倍さんが、抱えてきたストレスから解放され潰瘍性大腸炎の症状が劇的に改善されたとしても、私は驚きません。

十分にあり得ると思います。

それにストレス性の大腸炎を一度経験した者からすれば、この地獄のような苦痛の病気を指して「仮病」することはありえないと確信します。

首相を辞めるために元気なのに「仮病」をしたのではなく、辞めたらストレスから解放され、病気だったことが嘘のように快方に向かった、ということでないでしょうか。

同じ病気を持つものとして、潰瘍性大腸炎などストレス性腸症候群で「仮病」など、考えられないのであります。

あくまで私の個人的所感でありますが、あの激痛は一生忘れることはできません、心情的に「仮病」に使うようなやわな病気ではないのであります。



(木走まさみず)

管政権もやる限りは短期ではなく本格政権を目指すべき~安倍政権の在任期間「7年8ヶ月」は、国際的には決して長期ではない

さて、菅新総裁選出を受けて、15日付け朝日社説はさっそく社説を掲げます。

(社説)菅新総裁選出 総括なき圧勝の危うさ
2020年9月15日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S14621933.html?iref=pc_rensai_long_16_article

(安倍)「長期政権の総括」がない、つまり安倍政権の「おごり」に対する反省が足らないとさっそく管新政権に注文をつけています。

 安倍首相の突然の辞意表明を受け、公式に名乗りをあげてからわずか10日余り。7年8カ月に及ぶ長期政権の総括も、この国の将来像をめぐる政策論争も不十分なまま、菅義偉官房長官が次の首相となる自民党の新総裁に決まった。

ここ一か月、朝日新聞社説は何度も繰り返し安倍「長期政権のおごり」を批判してまいりました。

朝日社説を列挙すると・・・

 巨大与党に支えられた長期政権のおごりや緩みは明らかで、一向に自浄作用は働かない。論戦回避、国会軽視も相変わらずで、憲法に基づく臨時国会の召集要求もたなざらしが続く。コロナ対応を含め、政策面での迷走や行き詰まりも目立つ。

(社説)野党の合流 「元のさや」超える姿を より
2020年8月21日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S14593331.html?iref=pc_ss_date

 退陣の直接の理由は、わずか1年で政権投げ出しと批判された第1次政権の時と同じ持病である。しかし、長期政権のおごりや緩みから、政治的にも、政策的にも行き詰まり、民心が離れつつあったのも事実である。

(社説)最長政権 突然の幕へ 「安倍政治」の弊害 清算の時 より
2020年8月29日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S14602533.html?iref=pc_ss_date

 首相にまつわる疑惑にふたをする一連の対応は、長期政権の「おごり」そのものだ。
 とりわけ、前代未聞の公文書改ざんは、政治史に負の遺産として刻まれる。

(社説)森友・加計・桜 説明なき退陣ありえぬ より
2020年9月4日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S14609539.html?iref=pc_ss_date

 期せずして、7年8カ月に及んだ安倍政権の終わりと重なった。「弱い野党」の存在が、国会の行政監視機能の低下を招き、長期政権のおごりや緩みを許した側面は否定できない。次の首相が誰になるにせよ、政治に緊張感を取り戻すうえで、野党第1党の役割は大きい。

(社説)野党合流新党 なれるか国民の選択 より
2020年9月11日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S14618195.html?iref=pc_ss_date

朝日新聞は安倍「長期政権のおごりや緩み」をやたらと強調して批判しているわけですが、それほど「おごりや緩み」が目立つのならば、なぜ辞意表明した瞬間、世論調査で7割を超える国民が安倍政権を評価しているのでしょうか。

(関連記事)
安倍政権を「評価する」が71% 朝日新聞世論調査
https://www.asahi.com/articles/ASN937F3RN92UZPS005.html

朝日新聞世論調査でも安倍政権の評価する政策を選んでもらうと、「外交・安全保障」の30%が最も多かったわけです。

安倍外交が国際的にも評価されているのは、政治家安倍晋三の持って生まれた外交力によるところなのは言うまでもないことですが、やはり7年8ヶ月の在任期間により、国際政治上のその存在感が増していったことが大きいのでしょう。

他の総理大臣を見ても、安倍さんほどに国際社会の中で日本の立ち位置を強くした方はいません。

サミットG7などをみても、日本の首相はほぼその立ち位置は国際社会で孤立しており、その存在感は極めて希薄でありました、国際社会で日本の存在感がなかなか見えない時代が長かったのです。

サミットでも日本の首相は1年か2年でコロコロ変わりますから、発言の重みもないし、そもそも顔すら覚えてもらえなかったのです。

安倍さんはそれを見事に克服して、日本の存在感を出し、孤立どころか国際社会が日本の意見を聞いたり日本の動向を考えるようになりました。このようなことをできる政治家がほかにいるだろうか、と多くの人が考えたと思います。

「7年8ヶ月」を朝日新聞や野党は「長期政権」と否定的なニュアンスでとらえようと必死ですが、そもそも国際比較で言えば、「7年8ヶ月」など決して長期とはいえません。

サミットG7が1975年以来45回開かれています。

各国の参加首相を一覧で確認します(ゲスト参加とロシアを省きます)

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※『木走日記』作成

字が小さく見づらいかもしれませんが、この45年間のサミット参加首脳人数ですが、左から仏6人、米8人、英9人、独4人に対し、日本は20人と突出しております。伊18人、加8人と続きます。

仏や米などの任期が固定の大統領ではなく、日本と同じ首相が参加しているドイツは45年間で4人だけです、日本がその間20人も入れ替わっているのにです。

この45年の各国首脳一人当たりのサミット参加回数を計算すれば、日本の首相の参加回数の少なさが突出していることがわかります。

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※『木走日記』作成

昨年まで7回連続でサミットに参加してきた安倍晋三首相なのであります。

たかだか「7年8ヶ月」を朝日新聞や野党は安倍政権を「長期政権のおごり」と否定的なニュアンスでその在任期間を批判していますが、逆に日本の歴代総理大臣の在任期間が短すぎて国際的には相手にされてこなかった点は重要です。

民主党の鳩山政権などは1年持たず瓦解、サミットに1回も参加していません、国際的には存在していないも同然でした(鳩山政権の場合、サミットデビューしなくて結果的に日本の国益が逆に守れたと私は考えていますが・・・)。

朝日新聞の安倍政権批判はいつもある種の視野狭窄に陥っているのではないかと疑ってしまいます。

安倍政権の在任期間「7年8ヶ月」は、国際的には決して長期ではないと思われます。

管政権もやる限りは短期ではなく本格政権を目指すべきです。



(木走まさみず)

菅氏は容赦なく早ければ今月中に解散総選挙に打ってでる

さて前代未聞の世論の異例の動向が明らかになってきました。

安倍内閣の支持率は、新型コロナウイルス感染拡大後、政府の対策への不満などから低迷が続いていました。

しかし、健康状態の悪化に伴う辞任表明を受け、長期政権の実績が再評価されたとみられ、支持率が反転急上昇しています。

政権末期に支持率が大幅に上昇したのは、過去に例がありません、歴代内閣の中でも異例中の異例です。

各メディアの世論調査によれば、安倍内閣の7年8か月の実績を「評価する」とした人は、読売で74%、朝日で71%、JNNでも71%と、軒並み7割を越えています、驚異的な数値です。

(関連記事)
安倍政権を「評価する」が71% 朝日新聞世論調査
https://www.asahi.com/articles/ASN937F3RN92UZPS005.html
朝日新聞世論調査―質問と回答〈9月2、3日実施〉
https://www.asahi.com/articles/ASN937CXXN93UZPS001.html?iref=pc_extlink
JNN世論調査内閣支持率62.4%
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4071657.html
安倍内閣「支持」52%、政権末期に異例の大幅上昇…読売世論調査
https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20200906-OYT1T50187/

と同時に次期首相候補に菅氏がトップに躍り出ました、読売世論調査で46%、朝日で38%(前回3%)、JNNでは48%を占め、支持急上昇です。

(関連記事)
次期首相ふさわしいのは「菅氏」最多 朝日新聞世論調査
https://www.asahi.com/articles/ASN9373YCN92UZPS004.html
次の首相、菅氏がトップ46%…読売世論調査
https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20200906-OYT1T50185/

この急激かつ驚異的な世論動向により、政党支持率も過去に例を見ないほど大きく変動いたします、自民党支持率が急上昇、野党支持率が急落です。

たとえば朝日新聞世論調査ではこんな感じです。

◆あなたは、今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
 自民党40(30)
 立憲民主党3(5)
 国民民主党1(1)
 公明党2(3)
 共産党3(2)
 日本維新の会1(2)
 社民党0(1)
 希望の党0(0)
 NHKから国民を守る党0(0)
 れいわ新選組0(1)
 その他の政党1(0)
 支持する政党はない41(47)
 答えない・分からない8(8)

ご覧の通り、朝日新聞世論調査では自民党支持率が前回の30ポイントから10ポイント増の40ポイントへ、反転浮上しています。
読売新聞世論調査でも自民党支持率が前回の33ポイントから8ポイント増の41ポイントへ、と同様です。
JNN世論調査に至っては。自民党の支持率が43.2%と、第二次安倍政権発足後、最も高い数字となっています。

・・・

さて、次期自民党総裁世論調査通り菅氏が選出されると仮定してです。

この世論の異例の動向、すなわち安倍政権7年8ヶ月の実績が7割以上の国民に評価され、自民党支持率が第二次安倍政権発足後、最も高い数字を記録(JNN世論調査)している今、躊躇なく解散総選挙をすれば結果は自民党の圧勝でほぼ決まりでありましょう。

菅氏は、テレビ番組で早期の衆議院の解散・総選挙について、「新しく首相、総裁になった人が判断する」と述べています。

同時に、「官房長官として『首相が“解散する”と言えば解散、しなければしない、それ以上でもそれ以下でもない』と申し上げてきた」と含みを持たせています。

(関連記事)
衆院解散・総選挙 菅氏「新しい首相が判断」 早期観測受け“動き”も
https://www.fnn.jp/articles/-/81803

ズバリ予測いたします。

菅氏は今月中にも解散総選挙に打ってでるはずです。

この世論の状況(圧倒的追い風)を利用しないとしたならば、逆に政治家として失格でありましょう。

コロナ禍であることは承知のうえです。

菅氏は容赦なく早ければ今月中に解散総選挙に打ってでるでしょう。



(木走まさみず)

寝業師二階氏を中心にした見事な派閥談合政治を見よ~全国自民党支持者も仰け反る(のけぞる)ほどの「昭和臭」

自民党総裁選挙をめぐり、自民党内では、麻生派二階派に加え、最大派閥の細田派も幹部が菅官房長官を支持する方針を確認するなど、菅氏への支持の広がりが雪崩を打って加速しています。

(関連記事)
自民党総裁麻生派二階派に加え細田派も菅官房長官支持
2020年9月1日 4時34分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200901/k10012593901000.html

議員総数395名の支持の内訳はグラフで示すと・・・

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※『木走日記』作成

各派構成議員全員が足並み揃えて支持するとしてですが、菅氏支持が241名/395名と、すでに国会議員の6割を超えているわけです。

党員投票をするならば地方票395票のゆくえでまだわずかながら逆転の可能性はありですが、党員投票を省略し両院議員総会を開いて投開票を行うならば、地方票は141票しかなく、それがすべて菅非支持票だったとしてもほぼ逆転の可能性はないのであります。

やれやれ、戦う前に大勢が決してしまいました、総裁選の勝負の行方がほぼ決まった状態になったわけです。

私は安倍政権を支持してきましたしその官房長官である菅氏を政治家としてその手腕を高く評価してきた者の一人です。

しかしながら、この展開、党を挙げて「勝ち馬に乗る」、有利な方につく、勝った方に味方して便乗する、力のある人の側について恩恵を受けようとする、この群れなす体質。

そして古い自民党体質を代表するような政界寝業師二階氏を中心にした見事な派閥談合政治、全国自民党支持者も仰け反る(のけぞる)ほどの「昭和臭」であります。

自民党の古き悪しき体質が全開した雪崩を打つ菅官房長官支持なのであります。

いやはやなんとも、有権者にとって面白くない展開であります。

ふう。



(木走まさみず)

朝日新聞社説などの安倍批判論説の知的視野の狭さを検証〜起こってきた(いる)現実を自己都合で選択して都合良く無視して論に利用する

29日掲載の朝日新聞社説を取り上げます。

(社説)最長政権 突然の幕へ 「安倍政治」の弊害 清算の時
https://www.asahi.com/articles/DA3S14602394.html?iref=pc_rensai_long_16_article

社説は冒頭、今回の「「安倍1強」と言われた長期政権の突然の幕切れ」を「深く傷つけられた日本の民主主義を立て直す一歩」と辛辣に定義します。

 首相在任7年8カ月、「安倍1強」と言われた長期政権の突然の幕切れである。この間、深く傷つけられた日本の民主主義を立て直す一歩としなければならない。

「退陣の直接の理由は、わずか1年で政権投げ出しと批判された第1次政権の時と同じ持病である」と見下したうえで、「長期政権のおごりや緩みから、政治的にも、政策的にも行き詰まり、民心が離れつつあったのも事実」だと指摘します。

 退陣の直接の理由は、わずか1年で政権投げ出しと批判された第1次政権の時と同じ持病である。しかし、長期政権のおごりや緩みから、政治的にも、政策的にも行き詰まり、民心が離れつつあったのも事実である。

続いて、桜を見る会、公文書改竄含む森友問題、河井克行前法相夫妻の買収事件、廃案に追い込まれた検察庁法改正案など政権の抱えた問題を列挙します。

 先の通常国会では、「桜を見る会」の私物化が厳しく追及された。公文書改ざんを強いられて自ら命を絶った近畿財務局職員の手記が明らかになったことで、森友問題も再燃した。

 河井克行前法相と妻の案里参院議員による大規模な買収事件が摘発され、選挙戦に異例のてこ入れをした政権の責任も問われている。検察官の独立性・中立性を脅かすと指摘された検察庁法改正案は、世論の強い反対で廃案に追い込まれた。

加えてコロナ禍への対応も、「広がらないPCR検査」、「世論と乖離(かいり)したアベノマスクの配布」、「「Go To トラベル」の見切り発車」と、「後手後手、迷走」したと批判します。

 それに加え、コロナ禍への対応である。首相が旗を振っても広がらないPCR検査、世論と乖離(かいり)したアベノマスクの配布、感染が再燃するなかでの「Go To トラベル」の見切り発車……。多くの国民の目に、政権の対応は後手後手、迷走と映った。

初期の「アベノミクス」の経済効果を認めつつ、現在は「コロナ禍の影響もあり、良好な経済という政権の金看板も色あせつつある」と断定します。

 アベノミクスのもとで株高が進み、企業収益や雇用の改善につながったことも事実である。ただ、賃金は伸び悩み、国民が広く恩恵を実感できる状況ではない。内閣府は先月、12年12月に始まった景気拡大が18年10月に終わり、翌月から後退局面に入ったと認めた。コロナ禍の影響もあり、良好な経済という政権の金看板も色あせつつある。

巨大与党の「数の力」で、「安全保障法制や特定秘密保護法」、「「共謀罪」法など、世論の賛否が割れた法律を強引に成立させ」てきたと糾弾します。

 衆参の国政選挙では6連勝を果たした。しかし、その政治基盤を活用して、社会保障改革や少子高齢化対策などの難題に道筋をつけるまでには至らなかった。むしろ、巨大与党の「数の力」を頼んで、集団的自衛権行使に一部道を開く安全保障法制や特定秘密保護法、「共謀罪」法など、世論の賛否が割れた法律を強引に成立させた。

外交・安全保障分野では、「北方領土交渉は暗礁に乗り上げ、拉致問題も前進はみられなかった」と指摘します。

 外交・安全保障分野では、首脳間の関係を深めるのに長期政権が役立った側面はあるが、「戦後日本外交の総決算」をスローガンに取り組んだ北方領土交渉は暗礁に乗り上げ、拉致問題も前進はみられなかった。

朝日社説は、最後に「安倍政権の政策的な評価のみならず、その政治手法、政治姿勢がもたらした弊害」を厳しく糾弾します。

 今回の総裁選では、安倍政権の政策的な評価のみならず、その政治手法、政治姿勢がもたらした弊害もまた厳しく問われねばならない。

安倍政権は「野党やその支持者など、考え方の異なるものを攻撃し、自らに近いものは優遇する「敵」「味方」の分断」、「官僚の忖度(そんたく)がはびこり、財務省の公文書改ざんという、民主主義の土台を崩す前代未聞の事態を招いた」と断罪します。

 野党やその支持者など、考え方の異なるものを攻撃し、自らに近いものは優遇する「敵」「味方」の分断。政策決定においては、内閣に人事権を握られた官僚の忖度(そんたく)がはびこり、財務省の公文書改ざんという、民主主義の土台を崩す前代未聞の事態を招いたことを忘れるわけにはいかない。

朝日社説は「安倍政権の功罪がしっかり検証されず、政策論争そっちのけで、数合わせに走るようなことがあってはならない」と結ばれています。

 懸念されるのは、安倍1強が長く続く中、自民党内で闊達(かったつ)な論議がすっかり失われたことだ。首相と石破茂元幹事長の一騎打ちとなった一昨年の自民党総裁選では、大半の派閥が勝ち馬である首相に雪崩をうった。

 最大派閥出身の首相の影響力に遠慮して、安倍政権の功罪がしっかり検証されず、政策論争そっちのけで、数合わせに走るようなことがあってはならない。国民の信頼を取り戻せるか、自民党にとってまさに正念場である。

・・・

この論説は、冒頭から結語まで、社説タイトルにもあるように今回の退任を「「安倍政治」の弊害 清算の時」と勝手に決めつけ、結びまで「安倍政権の功罪がしっかり検証されず、政策論争そっちのけで、数合わせに走るようなことがあってはならない」とその功罪を検証しろと要求しています。

しかし「功罪の検証」とは名のみで、この論説自体は、その「功績」には全く触れず、その「弊害」のみを徹底的に列挙し、ときに「民主主義の土台を崩す前代未聞の事態を招いた」政権と、言葉の限り安倍政権を痛罵しています。

朝日新聞社説は、しかし不思議なことに、このような「民主主義の土台を崩す前代未聞の事態を招いた」政権が、なぜ7年8カ月という憲政史上最長の長期にわたって、国民の圧倒的支持を受けてきたのか、一切その理由を示しません。

朝日新聞論説室には、宿敵安倍政権の7年8カ月の「弊害」しか見えず、なぜ7年8カ月も続いたのか、その「功績」が一切見えていないのです。
この傾向は朝日新聞論説室だけではないようです。

内田樹氏は、ネットで「安倍政権7年8カ月をどう総括するかと問われたら、私は「知性と倫理性を著しく欠いた首相が長期にわたって政権の座にあったせいで、国力が著しく衰微した」という評価を下す」と断じています。

内田樹
2020年08月29日 14:13
安倍政権の7年8カ月
https://blogos.com/article/481319/

失礼して冒頭部分を抜粋ご紹介。

 安倍政権7年8カ月をどう総括するかと問われたら、私は「知性と倫理性を著しく欠いた首相が長期にわたって政権の座にあったせいで、国力が著しく衰微した」という評価を下す。

その安倍政権批判は朝日新聞と見事にシンクロしています、功績には一切触れず、「国民を支持者と反対者に二分し、「反対者には何もやらない」ことによって権力を畏怖し、服従する国民を創り出そうとしてきた」と独裁者のごとくの批判です。

氏は結びで「国際社会において誰からも真率な敬意を示されることがなくなった」と決めつけています。

安倍政権は国民を支持者と反対者に二分し、「反対者には何もやらない」ことによって権力を畏怖し、服従する国民を創り出そうとしてきた。だから、彼が権力基盤を強固にするにつれて、日本人はどんどん「リアリスト」になり、誠実や正直や公平といった「きれいごと」をおまめに鼻先でせせら笑うようになり、そしてまさにそうした態度を通じて、国際社会において誰からも真率な敬意を示されることがなくなったのである。

しかし、ここでも安倍政権に対する一方的負の決めつけのみが語られ、「国際社会において誰からも真率な敬意を示されることがなくなった」という事実とは完全に乖離した偏った評価になっています。

現実には、安倍首相の辞任表明に対する海外の反応は、歴代のどの日本首相辞任のニュースより、「爆発的」に取り上げられています。

安倍首相 辞任の意向 各国や地域の反応
2020年8月29日 6時04分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200828/k10012588951000.html

安倍総理大臣が辞任の意向を固めたことについて各国首脳の反応を上記NHK記事より抜粋します。

米政府高官「傑出した指導力を発揮 感謝したい」

中国外務省 「両国関係が改善・発展に向けて進むことを望む」

韓国大統領府「両国関係発展の役割を果たしてきた」

台湾 蔡英文総統「台湾に友好的だった」

マクロン大統領「悲しく思う 回復を祈りたい」

メルケル首相「辞任を残念に思う」

英 ジョンソン首相「両国の関係 強力になった」

EU「多国間の協力関係の柱に」

ロシア大統領府 報道官「非常に残念だ」

インド モディ首相「両国関係は深く強くなった」

豪 モリソン首相「インド太平洋地域の繁栄と安定に寄与」

トルコ外相 日本語で「感謝の意」投稿

イスラエル ネタニヤフ首相「両国関係の強化に感謝」

イラン外務省「関係発展に価値ある貢献」

その国際貢献にこのような大きな「称賛」を得た総理大臣は安倍首相ただ一人です。

もちろんそこには外号儀礼的賛辞も含まれていることでしょう、がこの厳然たる事実も、内田樹氏にはまったく見えていないのです。

ただ、「(日本は)国際社会において誰からも真率な敬意を示されることがなくなった」と現実逃避的な氏の理想とする明後日を志向する分析あるのみです。

朝日新聞社説にしろ、内田樹氏にしろ、安倍政権を批判する論説をこの退任のタイミングで掲げること自体、何も問題ではありません、この国には言論の自由があります。
しかし、安倍憎しの一念からか、安倍政権の功績を一切認めないという、起こってきた(いる)現実を自己都合で選択して都合良く無視して論に利用するから、非常に知的視野の狭い論にならざるをえないのでしょう。



(木走まさみず)

安倍首相緊急退任表明、日本の保守政治にとって大きな痛手〜この国の外交・安全保障政策は、また長期の停滞を余儀なくされる

驚きました。

14時06分NHKが速報を報じています、「安倍首相 辞任の意向固める 」です。

安倍首相 辞任の意向固める 持病が悪化したことなど理由に
2020年8月28日 14時06分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200828/k10012588071000.html

安倍総理大臣は、ことしの夏は、新型コロナウイルスへの対応などで、連日、総理大臣官邸に入り、執務にあたりました。

今月16日からは3日間夏休みを取り、都内の自宅で過ごしましたが、17日には東京・新宿区の慶応大学病院におよそ7時間半滞在して日帰りの検診を受けました。

この頃は一部報道で、移動時に足取りもおぼつかなくなり壁に手を添える場面なども確認されています。

1週間後の24日にも再び慶応大学病院を訪れ、およそ3時間半滞在したあと「17日の検査の結果を詳しくうかがい、追加的な検査を行います。

安倍総理大臣は、検査の結果、持病の「潰瘍性大腸炎」が悪化していることが分かったことなどから国政に支障が出る事態は避けたいとして、総理大臣を辞任する意向を固めました。

・・・

第1次政権とあわせた通算の在任期間は去年11月に憲政史上最長となっていて、今月24日には、連続の在任期間も2799日となり、歴代最長となっていました。

このタイミングでの安倍首相辞任表明であります。

さてこれからポスト安倍政局となり、次の自民党総裁をいつどうやって選ぶのか、あるいは衆議院解散はあるのか、新型コロナウイルス禍のもと、早くも日経平均株価が600円以上の値下がりです。

本日、午後5時の会見に着目いたしましょう。

前回(第一次安倍政権2007年)時の突然の病気退任、その際の「政権投げ出し」批判を非常に気にしていたと言います。

今回は十分な退任後善後策を図った上での、つまり退任までの政治日程を自ら提示し、国民の不安を払拭して、余裕を持っての退任表明を意識したのだと思います。

この異常時コロナ禍のもと、政治的空白は許されません。

それにしても、政治家としての悲願であった憲法改正を見ずしての病気を理由の緊急退任、誠に残念であります。

安倍首相に変わり国会において憲法改正発議までもっていく政治力を有する政治家は、自民党内を見渡しても皆無であります。これでこの国の外交・安全保障政策は、また長期の停滞を余儀なくされることでしょう。

安倍首相緊急退任表明、日本の保守政治にとって大きな痛手であります。



(木走まさみず)