木走日記

場末の時事評論

はたして日本で「感染者爆発」は起こるのか?〜感染者が爆発する直前だとの見方もできる?

私が外来講師をしている学部から、4月からの授業開始を5月12日以降に延期する旨のメールが届きました。授業再開のメドがたてば追ってメールにて通知しますとのことでしたが、状況によってはさらなる延期の可能性もあるようです。

おそらく、ほとんどの東京の大学や短大・専門などが、授業開始を1ヶ月以上延期することになることでしょう。

さて31日に、1日当たり242人と、過去最多の感染者数が確認されました。

推移を図で確認しましょう。

■日本国内の感染者数<日別>
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※『木走日記』データ集計・作成

明らかに日本国内の感染者数は増加傾向にあります。

当然ながら日々の発生数の積み重ねである感染者数<累計>も急速に増えつつあります、31日現在、2千人を突破し2214人となりました。

■日本国内の感染者数<累計>
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※『木走日記』データ集計・作成

いかに増加ペースが加速しているか、500人増えるのに要した日数をご覧ください。

最初の感染者が国内で発覚した1月16日から、500人を突破するのに54日を要したのに、次の1000人突破は11日、1500人突破は7日、2000人突破は4日と、明らかに増加ペースが加速しているのが見て取れます。

さてこのまま「指数関数」的に増加し続けると、この日本でも、ある日を境に「感染者爆発」を起こしてしまい「医療崩壊」が起きてしまうのでしょうか。

まず実際の指数関数のグラフはこちら。

■指数関数のグラフ例
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Pythonプログラムで『木走日記』作成

明らかに日本国内の感染者数<累計>のグラフより、爆発的に急拡大していますね。

日本は未だ指数関数的な感染者爆発には至っていないことが理解できます。

しかしです。

数学的にはもう一つの見方も可能です。

日本の現状のグラフは指数関数のこの部分だとすれば、話は変わります。

■指数関数のグラフ例2
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Pythonプログラムで『木走日記』作成

つまり感染者が爆発する直前だとの見方です。

個人的には1日の感染者発生数が500人を超えてしまえば、「赤信号」だと考えています。


数学的には、この一週間ではっきりすると思われます。



(木走まさみず)

都知事が言いたいことは「30代〜50代のオヤジたちよ、当分夜の街に繰り出すな」だ〜東京都が公開している感染者属性情報を検証

30日も小池都知事は会見で平日夜間の外出自粛を都民に要請しています。

東京都、平日も夜間外出自粛など要請
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3943294.html

都知事がここまで繰り返し「平日夜間の外出自粛」の警鐘を鳴らしているのは、理由はもちろん、29日、新たに68人の感染が確認されて感染者の数としては、28日の63人を上回る過去最多になり、東京都の感染者数が急増しているからです。

それにしても、都知事が繰り返し都民に「平日の夜間外出自粛」を要請し続けているのは、なぜなんでしょうか。

その理由を分析してまいりましょう。

東京都の新型コロナウイルスの『都内の最新感染動向』サイトは、とてもよくデータがまとまっています。

都内の最新感染動向
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

サイトでは感染者全員の「陽性患者の属性」情報までcsvファイルでダウンロードできますので、それを利用してデータを分析してみます。

まず日別発生数をまとめます。

図1:東京都陽性者発生数<日別>(3月29日現在)
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※東京都公開データより『木走日記』作成

ここ5日間で、41、47、40、63、68人と感染者数が毎日のように過去最大を記録し急増していることがわかります。

結果、感染者累計は430人にまで膨らんでいます。

図2:東京都陽性者発生数<累計>(3月29日現在)
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※東京都公開データより『木走日記』作成

次にこの430人の感染者の年齢をグラフにしてみます。

図3:東京都陽性者世代別発生数(3月29日現在)
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※東京都公開データより『木走日記』作成

着目すべきは、ピークが40代の82人、次が30代の72人と、もっと高齢だと想像してたのですが、東京都の感染者年齢は高齢層というよりも壮年層が中心と言えそうです、ちなみに感染者430人の単純平均年齢は51.3歳でありました。

もうひとつ興味深いのが東京都感染者430人の性別です。

図4:陽性者発生数<性別>(3月29日現在)
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※東京都公開データより『木走日記』作成

男女比はきれいに2:1です。男性が多いのでありますね。

整理します。

おそらく都内では、繁華街にある夜間営業の飲食店などでクラスター=感染者集団が発生しているとみられます。

そして、東京都知事は、それを裏付ける詳細な情報が非公開ながら入手している可能性が大です。

小池都知事は「感染爆発を抑止できるギリギリの局面」とし、「ロックダウン=都市封鎖を防ぐために冷静に行動してほしい」と呼びかけています。

この「冷静な行動」の意味することは、当ブログの分析によれば

「30代〜50代のオヤジたちよ、当分夜の街に繰り出すな」

ということのようです。



<修正 2020/03/31 5:30>

都知事が30日20時30分に緊急会見をして、そのものずばり「夜間から早朝にかけて営業する接客を伴う飲食業」が感染源と認めました。

www3.nhk.or.jp

このエントリーは都知事の最後の会見前に分析したものですので、「ということのようです」と推測で結んでいましたが、なにか気が抜けた炭酸水のような間抜けな結論(苦笑)になってしまったので「ということです」と言い切りに修正しておきます。なお、エントリーの内容(分析)は間違っていないと思われますので、そのままといたします。
読者にはどうでもよろしい瑣末なことですが、私にとってこだわりの重要なことなので繰り返しておきますが、このエントリーは都知事の会見の半日前に分析しエントリーしたものです。



(木走まさみず)

BCGワクチンが新型コロナウイルスに有効「仮説」について

あくまで現段階では「仮説」であることをお断りしておきます。

報道によれば、オーストラリアの研究機関は、新型コロナウイルスに有効かどうかを確認するため、結核予防に使われるBCGワクチンの臨床試験を行うと発表しました、臨床試験は、オーストラリア各地の医療従事者4000人を対象に行われます。

豪 BCGワクチン 新型コロナウイルスに有効か臨床試験
2020年3月27日 22時56分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200327/k10012354671000.html

BCGワクチンは、人間の免疫機能を高める作用があるということで、これまでの研究では、類似したウイルスに感染した人にBCGワクチンを使うと、ウイルスの数を減少させる効果が認められたとしています。

もしも、新型コロナウイルスにBCGワクチンの有効性が確認できれば、これは画期的なことです、一気にこの世界を覆わんとしている新型コロナウイルスの惨禍を一網打尽し劇的に事態を改善できる可能性があります。

少し調べたら現在世界で使用普及しているワクチンに使用されているBCGの菌の株は何種類かあるのですが、その中にBCG Tokyo 172という日本株があり、この株を用いたワクチンの効用について注目されているようです。

以下の小レポートはBCGワクチンにおける日本の医学者と培養株の世界貢献がたいへんわかりやすくよくまとめられています、お時間のある読者は一読の価値ありです。

結核ワクチンBCG─日本の貢献
日本BCG研究所 戸井田一郎
https://www.kekkaku.gr.jp/pub/Vol.86(2011)/Vol86_No6/Vol86No6P603-606.pdf

さて、なぜこのタイミングでBCGワクチンが新型コロナウイルスに有効なのではないか、この「仮説」が注目されているのでしょうか。

統計的事実から押さえておきましょう、外務省が公開しているデータから最新の各国の感染者数を確認します。

各国・地域における新型コロナウイルスの感染状況
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https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/country_count.html

米国やイタリヤがものすごい勢いで中国を抜いて拡大していることがわかります。
スペイン、ドイツ、フランス、イラン、英国、スイスが続いています。

次に世界各国のBCGワクチン接種を義務付けているかどうかの地図を確認します。

国別のBCGワクチン接種方針を示す地図
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※ A:BCGワクチン接種国  B:BCGワクチンを現在は推奨していない国  C:一度もBCGワクチン接種を推奨していない国
https://www.researchgate.net/figure/Map-displaying-BCG-vaccination-policy-by-country-A-The-country-currently-has-universal_fig2_50892386

さきほどの感染者爆発を起こしている各国をこの地図でチェックするとほぼすべてBかCの国であること、ほぼ見事に相関していることに着目してください。

初期の頃、感染者爆発した中国や韓国でその後収まっているのも、この地図で説明可能です、BCGワクチン接種が功を奏してきたのだと推測できます。

さらに細かくチェックするといくつかの謎が氷解するのですが、ひとつは陸続きのポルトガルとスペインでスペインでは感染者爆発が起きていて隣のポルトガルでは起きていないのですが、この地図で納得できます、ポルトガルはBCGワクチン接種を実施していたのです。

次のドイツの感染者拡散図はさらに印象的です。

2020 coronavirus pandemic in Germany
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https://en.wikipedia.org/wiki/2020_coronavirus_pandemic_in_Germany

明らかに旧西ドイツ側で感染者の発生数が多く、旧東ドイツ側では少ないのが見て取れます。象徴的なのは旧東ドイツ側で例外的に感染者数が多い地域がありますが、ベルリンですね、旧西ベルリンがあった場所です。

この違いは、旧西ドイツ側と東ドイツ側で使われていたワクチンの株のちがいではないか、ソ連から導入された日本型のBCGを義務づけていた旧東ドイツ地域では感染率が低かったのではないのかと推測されています。

さらに感染者が少ないイラクと隣国の感染者爆発したイランの違いも注目しましょう。

世界各国のBCGワクチンの株種
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https://www.jsatonotes.com/2020/03/if-i-were-north-americaneuropeanaustral.html

感染者爆発したイランはパスツール1173株で、隣国イラクは東京172株であります。

イラクは長い戦乱によりイラン以上に医療体制は貧弱なのですが、この新型コロナウイルスの惨禍から逃れているのです。

幸いアフリカ諸国で感染の広がりが抑えられているのもBCGワクチンを義務化していることと関連があるかもしれません。

以上、あくまでも仮説ですが、BCGワクチンが新型コロナウイルスに有効である可能性がこれまでの多くの統計データから推測できるのです。

なかでも日本株の有効性が、ドイツやイラクの状況から強く示唆されています。

さて、現在、WHOの事前認定を受けUNICEFにBCGワクチンを供給しているBCG製造所は、日本BCG研究所、デンマークのStatens Serum Institut(SSI)、インドのSerum Institute of India,Ltd.(SII)、ブルガリアのBB-NCIPD,Ltd.の 4 製造所だけであります。

欧米諸国が相次いでBCGワクチン製造から撤退したため,自国で製造できない世界の国々へBCGワクチンを提供する日本の責務はますます重大であろうと思います。

そもそも日本株は、用量あたり生菌数が多く(力価が高い),副反応が少なく安全な、耐熱性の高いワクチンであることはWHOにも認証されていることです。

今回は、BCGワクチンが新型コロナウイルスに有効かどうか、この「仮説」について取り上げてみました。

本エントリーが、本件に関する読者の知見が深まる一助になれば幸いです。



(木走まさみず)

NYT東京支局長の遠まわしに意地悪く日本を非難する報道姿勢

新型コロナウイルス対策により週末の在宅要請でお時間のある読者も多いことでしょう。

今回は新型コロナウイルスに絡んで、ニューヨークタイムズ(NYT)東京支局の反日記事の影響力をじっくりリテラシーしましょう。

お時間の許す読者は、読み物のひとつとしてお付き合いください。

ニューヨークタイムズ(NYT)東京支局の所在地は東京都中央区築地5丁目3−2、朝日新聞本社にあります。

NYT東京支局の記者構成は、支局長モトコ・リッチ氏、経済担当ジョナサン・ソーブル氏、通訳を兼ねた日本人記者である上乃久子氏の3名です。

さてNYTは日本政府の政策にしばしば批判的な報道を繰り返しているのですが、メディアとしてのその影響力は非常に大きくNYT記事が世界中で引用されることが多々あり、NYTの反日記事が拡散されることもしばしばです。

新型コロナウイルスに関して、NYT東京支局長モトコ・リッチ記者は、1月30日付けで世界にショッキングな記事を発信します。

As Coronavirus Spreads, So Does Anti-Chinese Sentiment
https://web.archive.org/web/20200205024357/https://www.nytimes.com/2020/01/30/world/asia/coronavirus-chinese-racism.html?searchResultPosition=3

この記事はタイトルからして、"As Coronavirus Spreads, So Does Anti-Chinese Sentiment"、日本で「コロナウイルスが広がるにつれて反中国感情が広がる」との事実無根の「虚偽」を掲げています。

この記事では「日本では、ハッシュタグ#ChineseDon'tComeToJapanがTwitterでトレンドになっています」という文言から始まり、新型コロナウイルスによって人種差別が広がっているという主旨の内容になっています。

まず日本でコロナウイルスが広がるにつれて反中国感情が広がった事実は、3月下旬の今に至るまで全くなかったことははっきりしており、本記事の虚偽性は明白ですが、そもそも「日本では、ハッシュタグ#ChineseDon'tComeToJapanがTwitterでトレンドになっています」との根拠そのものも、いくつかのサイトから「捏造」だと検証されています。

(参考サイト)
ニューヨークタイムズのモトコリッチ「日本Twitterで中国人は来るながトレンド」と捏造か?
https://www.jijitsu.net/entry/motoko-rich-NYT-netsuzou

しかしこのフェーク記事を根拠に権威ある医学雑誌に反日記事が掲載されてしまうのです。

医学雑誌Lancetで「新型コロナに関して日本で中国人差別」との内容が書かれます。

2019-nCoV, fake news, and racism
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(20)30357-3/fulltext

この医学雑誌記事の冒頭は次の書き出しです。(文中の太字は『木走日記』付記)

The novel coronavirus (2019-nCoV) outbreak has had a significant impact on global health. As a neighbour country to China, Japan has been heavily affected by the spread of 2019-nCoV. As of Feb 10, 2020, 161 people (including 135 passengers and crew members on a cruise ship quarantined in Yokohama, Japan) have been confirmed to have the 2019-nCoV infection in Japan—the second largest number followed by mainland China.1, 2 The emergence of misinformation and racism against patients and Chinese visitors are also reaching critical levels.

太字部分で、日本において「患者と中国人訪問者に対する誤報と人種差別の出現もまた、危機的なレベルに達している」と断定しています。

しかしこの記事が根拠としているNYT記事そのものがフェークニュースなのですから、この医学雑誌記事自身も根拠のないフェークと成り下がっています。

(参考サイト)
医学雑誌Lancetで「新型コロナに関して日本で中国人差別」:NYTのモトコリッチの記事ベースに
https://www.jijitsu.net/entry/lancet-coronavirus

NYT東京支局発信の記事は反日記事が多いのですが、事実の検証が弱い記事が少なくなく、全てとは言いませんが、特派員がある方向性を持って事実を都合良く選択(最悪の場合今検証したように「捏造」)して記事を起こしているケースがあるわけです。

しかしNYT記事の影響力は強く、広く世界に発信され世界中で多くのメディアがNYT記事を無防御に引用します、結果、NYT発信の多くの反日記事が広まってしまうわけです。

さて3月26日付けで、NYTは以下の記事を世界に発信します。

Japan’s Virus Success Has Puzzled the World. Is Its Luck Running Out?
Motoko Rich and Hisako Ueno
https://www.nytimes.com/2020/03/26/world/asia/japan-coronavirus.html

モトコリッチ支局長・上乃久子記者の連名記事ですが、例によってタイトルからして"Japan’s Virus Success Has Puzzled the World. Is Its Luck Running Out?"(日本のウイルス対策成功が世界を惑わしている。でもその運も尽きたか?)と、日本のこれまでのウィルス対策の方針を批判的にとらえています。

記事中で、コロンビア大学のジェフリー・シャーマンは、日本のアプローチは「ギャンブル」であると言い切っています。

当該箇所を抜粋(文中太字は『木走日記』付記)

But Jeffrey Shaman, an epidemiologist at Columbia University and the senior author of a report that projected five to 10 undetected cases for every confirmed infection of the coronavirus based on data from China, said Japan’s approach was a “gamble.”

“The risk is that things may be brewing underneath the surface that you don’t recognize until it’s also a little bit too late,” Dr. Shaman said.

しかし、コロンビア大学の疫学者であり、中国からのデータに基づいてコロナウイルスの確認された感染ごとに5〜10件の未検出の症例を予測した報告の筆頭著者であるジェフリー・シャーマンは、日本のアプローチは「ギャンブル」であると述べた。

「リスクは、少し手遅れになるまで、あなたが認識できない表面下で物事が発生している可能性があることです」とシャーマン博士は言った。

長文の記事ですが、本記事の論旨は、今まで日本の感染者がその人口に比較して少なすぎるのは、他国に比べて検査回数が少なく抑えてきたからではないか、との疑問を欧米の専門家の意見を載せながら呈しつつ、最近オリンピックが延期になったあと、急に東京都など感染者が増えてきたとし、タイトルの"Is Its Luck Running Out?"つまり、世界を惑わしてきた日本もその運が尽きようとしている、と論を展開しています。

本記事は、日本のウイルス対策に関して批判的に取り上げ、これまでの感染者数など日本の統計数値を疑問視しつつ日本のウイルス対策はギャンブルみたいでありそのメッキが剥がれつつあると皮肉っているわけです。

この記事には最初のフェーク記事に見られた明白な事実誤認はありません、逆に事実を捉えている側面もあることでしょう。

ただどうにも香しいのが、日本に徹底的に批判的である論調、 直接的にではなく遠まわしに意地悪く日本を非難する姿勢が、モトコリッチ支局長の記事には一貫しているわけです。

さて本NYT記事はやはり世界に発信されたわけですが、NYT掲載のこの反日記事は速攻で韓国・中央日報が飛びつきます。

NYT「日本の新型コロナ対応は『賭け』…『コロナ成功』運尽きたか」
https://japanese.joins.com/JArticle/264206?sectcode=A00&servcode=A00#none

「韓国のように大々的な診断検査と先制的隔離・治療をすることもなかったのに、病気の拡散を阻止したようにみえる」と誇らしげにNYT記事を引用しています。

NYTは日本が新型コロナ大流行を体験している他のアジア諸国と対照的だと指摘した。中国のように都市を封鎖することもなく、シンガポールのように先端監視技術を適用することもなく、韓国のように大々的な診断検査と先制的隔離・治療をすることもなかったのに、病気の拡散を阻止したようにみえるという点からだ。

「韓国が36万5000人余りを検査した反面、日本は今までたった2万5000人しか検査していない」と続けます。

特に韓国と比較して日本統計の弱点を間接的に浮き彫りにした。同紙は日本の人口の半分にもならない韓国が36万5000人余りを検査した反面、日本は今までたった2万5000人しか検査していないと指摘した。

今回は、NYT東京支局長の遠まわしに意地悪く日本を非難するその報道姿勢もあらわな反日記事と、その影響力をリテラシーしてみました。

その影響力は大きく、「新型コロナに関して日本で中国人差別」(医学雑誌)とか、「日本の新型コロナ対応は『賭け』」(韓国メディア)とか、フェークも含めて世界中に拡散を繰り返しているのでした。

それにしてもです。

首都東京の感染者が急増している現在、嬉々として「日本の新型コロナ対応は『賭け』」とNYT記事を引用している韓国メディアを見ると、少し不快に思うのは私だけではありますまい。


(木走まさみず)

新型の疫病に対して歴史的愚挙の自民案〜新型コロナウイルスに対して、外食しろ、旅行行け、和牛食え、世界中見渡してもこんなアホな家庭支援策、日本だけ

24日付け読売新聞朝刊が、複数の政府関係者があきらかにしたとする具体的な対策案を報道しています。

ネットでは会員限定記事ですが一応リンク。

(関連記事)
【独自】商品券で家計支援…政府、現金給付は「貯蓄に回る」
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20200324-OYT1T50039/

「商品券」方式とし、現金の一律給付は見送る方向です。

現金一律給付は、政府は貯蓄に回る可能性が高いとして否定的で、一律での給付は実施しない方向で調整しているのだとあります。

家計支援策の柱が「商品券」だというのです。

家計支援策では、外食や観光に使途を限定した期限付きの商品券やクーポン券などを配布して消費を下支えするとしています。

報道によれば和牛限定の「お肉券」も自民で浮上しているとのことです。

牛肉振興へ「お肉券」構想 経済対策、自民で浮上―新型コロナ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020032501310&g=eco

テレワークを推奨し、学校も休校、平日夜間も外出を控え、お花見などのイベントも中止し、首都東京では週末の外出自粛を要請している今、自民党の家計支援策が、外食や観光に使途を限定した期限付きの商品券、クーポン券配布であります。

自民党・二階幹事長によれば、旅行券の名称は『希望割』だそうです、「これまでの『ふっこう割』の規模を超える『希望割』を創設する」のだそうです。

「希望割」提案 災害の「ふっこう割」をさらに拡充[2020/03/25 17:40]

「ふっこう割」をさらに拡充する「希望割」を提案しました。

 自民党・二階幹事長:「これまでの『ふっこう割』の規模を超える『希望割』を創設する」
 政府はこれまでにも、2016年の熊本地震など自然災害の際に旅行代金を最大7割助成する、ふっこう割を導入してきました。自民党の二階幹事長は、対象も全国に広げて割引率もさらに上げる希望割を提案しました。新型コロナウイルスが収束後、すぐに運用できるように制度設計を進めたい考えです。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000180000.html

ふう。

自民党さん、一言よろしいでしょうか?

ふざけていますか?

それともただただ頭が良くないのですか?

自民案ですが、聞いている我々国民の頭のほうがクラクラしてしまいます。

新型コロナウイルスが猛威を振るわんとしている今、政府や自治体の要請を受けて国民が苦労して自宅で閉じこもり我慢している今、「外食や観光に使途を限定した期限付きの商品券」をばらまいてどうするのですか?

観光業界や外食業界を支援するのならば、各業界を個別にダイレクトに支援するべきです。

新型コロナウイルスに対して、外食しろ、旅行行け、和牛食え、世界中見渡してもこんなアホな家庭支援策、日本だけです。

生活に困窮しつつある世帯に、「お肉券」「外食券」「旅行券」ですと。

当ブログは、自民党安倍政権を支持しています。

しかし、この家庭支援策はまったくダメダメです。

まずは全国旅行業協会会長の二階幹事長など、党内の特定業界利権代弁者を黙らせるべきです。

新型の疫病に対して歴史的愚挙です。



(木走まさみず)

都知事「首都の封鎖=ロックダウン」の可能性言及〜無症状感染者がオーバーシュートを引き起こす可能性

東京都の公式サイト「都内の最新感染動向」の公開データによれば、23日の都内感染者数は過去最高の16人となりました。

都内の最新感染動向
最終更新 2020/03/23 22:40
f:id:kibashiri:20200324111016p:plain
https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

23日の小池都知事の会見は「首都の封鎖=ロックダウン」という言葉も飛び出す緊迫したものになりました。

新型コロナ、小池都知事「首都の封鎖あり得る」

 東京都の小池知事は、新型コロナウイルスの大規模な感染拡大が認められた場合は、首都の封鎖=ロックダウンもあり得るとして、都民に対し、大型イベントの自粛などを改めて求めました。

 「この3週間オーバーシュートが発生するか否かの大変重要な分かれ道であるということです」(小池百合子 東京都知事

 小池都知事は、23日から3週間、イベントなど人が密集する空間への外出を控えるよう都民に呼びかけました。都内で大規模な感染拡大が認められた際には、東京都を封鎖する「ロックダウン」も検討するとしています。

 また、小池知事は、海外から帰国後に感染が確認されるケースが多くなっていることから、羽田空港の検疫の状況を自ら確認することを発表。さらに、東京には大学も多く、症状の軽い人たちが感染を広げないように、若者にメッセージを出すことを明らかにしました。

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3936286.html

うむ、都知事のこの緊迫した会見は、先週大阪兵庫で往来の自粛騒ぎが起きた関西圏もですが、首都圏においても厚労省から非公開の予測資料が自治体側に示された結果だと思われます。

読売新聞が厚労省からの非公開予測資料の内容をスクープしています、「厚生労働省クラスター対策班が、東京都内での今後2週間の感染者が500人規模に達する恐れがあると試算していること」を報じています。

【独自】都内500人感染試算...今後2週間、厚労省 都は緊急対策へ〔読売新聞〕
2020年03月23日 13:05

 感染拡大が続く新型コロナウイルスを巡り、厚生労働省クラスター対策班が、東京都内での今後2週間の感染者が500人規模に達する恐れがあると試算していることがわかった。東京都の小池百合子知事は感染抑止対策の強化を急ぐ必要があると判断。専用病床を将来的に4000床態勢まで増やすことなどを柱とする緊急対策を23日にも公表する。

 関係者によると、専門家でつくる対策班では新たな対策が講じられなかった場合、都内で4月8日までに判明する感染者は約500人に上り、うち重篤に陥る患者も約40人に上ると分析しているという。

(後略)
(2020年3月23日 読売新聞)
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0323524740/

この狭い国土です、首都圏でもし感染者爆発(オーバーシュート)が起こってしまえば他地域に波及していくのも時間の問題だと思われます。

都知事も会見で話していましたが、東京特有のリスクとして、3月4月は全国から東京に若い人たち流入してきます。

東京に大学や学校が集中しているからですが、この元気で無垢な若者たちがリスク因子になってしまうというのです。

元気な彼らが症状はでないが、いやでないから余計活動的に移動して、無症状の感染者として都市部にウイルスを拡散させる可能性があるというのです。

私事で恐縮ですが、4月から都内キャンバスで講義をする予定の私なのです。
18、9才の、全国から集結した元気な新入生数十人に囲まれて、50代持病持ちの私が教室内(窓があかないのでほぼ密室)で授業をする、都知事の緊迫会見のあとでは、想像するだにあまり気持ちは宜しくはない(苦笑)シチュエーションなわけです。

さて、首都圏に関する危惧は当ブログでも20日付けエントリーで指摘させていただきました。

首都圏・東京でメガクラスター(巨大集団感染)が発生する可能性は無視できない
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/03/20/151003

エントリーより抜粋。

米国の9倍を筆頭に欧米ではいわゆる感染者爆発(オーバーシュート)が起こっていると推測されます。

欧米で起こっていることは、クラスター(集団感染)がさらなるクラスター(集団感染)を複数発生させ、巨大なるメガクラスター(巨大集団感染)を発生させている状態だと推測されます。

さて、この9日間の感染者数増加率1.609倍の日本についてです。

疫学的に日本は、すばらしく感染者数を抑制していると評価できると思います。

そのうえでですが、もし日本でメガクラスター(巨大集団感染)が発生するとすれば、人口密度・日別人口流動を考えれば、間違いなく首都圏・東京が心配されます。

東京で感染者爆発(オーバーシュート)が起こってしまえば、欧米ですでに起こっているように日本全体に感染者が広まってしまう可能性が大です。

あえてこのタイミングで、読者のみなさまに最悪の可能性を提示しておきます。

油断大敵という意味を込めてです。

海外では、ニューヨークやパリ・ロンドンなどで相次いで都市封鎖=ロックダウン政策が強行されています。

「この3週間オーバーシュートが発生するか否かの大変重要な分かれ道であるということです」(小池百合子 東京都知事

「首都の封鎖=ロックダウン」が日本で起こらないことを願っています。

それにしても読者のみなさん。

オーバーシュートだのロックダウンだの、こんな言葉誰も知りませんでした、よもや日常にこのような物騒な言葉が飛び交うことになろうとは、都知事が首都封鎖の可能性を口にする、こんな日が来るとは、だれも思ってもいませんでした。

世界中で日々急展開しながら発生し続ける想像を超えた現実に、ちょっと脳みそがついていけない感じです。


(木走まさみず)

ミドル・シニア世代のための『機械学習はじめの一歩の一歩のそのまた一歩』その2〜Pythonで放物線を描いてみる

私は長年工学系の学校で外来講師をさせていただいていますが、ここ何年か今はやりのAI・機械学習の講義を受け持たせていただいておりまして、その関係もあり、一般の人(特にミドル世代からシニア世代(40代〜60代以上))から、機械学習を学習したいのだがどうすればよろしいのか、といった質問をよくいただいたりします。

機械学習を学習したい』との意味を、その原理からすべて理解したいととるならば、線形代数、ベクトル、行列、微積分、偏微分などの数学知識が必須となります、もちろんプログラミングの知識も必要です、一般の人にはハードルがやや高いのです。
ですがやる気のある人には、私は『ぜひ機械学習を学習してください、もし習得できればあなたの将来は、人生は大きく開けます、その可能性を広げることでしょう』と励ましたいです。
そこまで大袈裟にしなくても、老後のボケ防止(苦笑)には機械学習習得は最適です。

そこで前回は、『機械学習はじめの一歩の一歩のそのまた一歩』と題しまして、読者のみなさまが機械学習の学習に踏み出す準備のエントリーをさせていただきました。

ミドル・シニア世代のための『機械学習はじめの一歩の一歩のそのまた一歩』
kibashiri.hatenablog.com

「このエントリーの内容が理解できれば、あなたはすでに『機械学習』を学習する準備ができていると私・木走が保証いたしましょう」と生意気な言い切りをしたエントリーでしたが、なぜか一部の読者から熱狂的な支持をいただきました。

そこで本エントリーは機械学習の学習第二段としまして、AIやディープラーニングで注目されているプログラミング言語Python(パイソンと発音します)、を読み物として一から学習いたします。

読み物としてエントリーを楽しんでください。

ただし中学数学や高校物理の教科書レベルの数式は登場しますのであしからずです。

もしこのエントリーが好評でしたら、『ミドル・シニア世代が一から学ぶ機械学習』と題してシリーズ化してもよいかもと考えています。

以下のメールアドレスにレスいただければ、励みになりますので幸いです。

木走正水のメールアドレス
mkibashiri@gmail.com

プログラムで「かめ」(turtle)モジュールを使用してアルゴリズムを学習します。

何はともかくPythonプログラムをご紹介。

from turtle import *
forward(0)
done()

このプログラムを解説するとこんな感じ。

f:id:kibashiri:20200302183007p:plain

一行目は、今から「かめ」で遊ぶぞ宣言です。
三行名は、プログラムがここで「おしまい」の意味です。
実質の命令は二行目だけです、「かめ」よ、まっすぐ前に0歩進め、というコマンドです。
0歩だから「かめ」は動きません。
実行結果はこんな感じ。

f:id:kibashiri:20200302183025p:plain

拡大するとこんな感じです、「かめ」はちっともかめじゃない、可愛くありませんw。

f:id:kibashiri:20200302183046p:plain

亀を200歩前進させ、その後進行方向左に90°顔をフラしましょう。

from turtle import *
forward(200)
left(90)
done()

こんな感じです。

f:id:kibashiri:20200302190828p:plain

200歩進んでは左向くを4回繰り返します。

from turtle import *
forward(200)
left(90)
forward(200)
left(90)
forward(200)
left(90)
forward(200)
left(90)
done()

正方形が描画されます。

f:id:kibashiri:20200302191232p:plain

いくつか応用。

from turtle import *
forward(200)
left(120)
forward(200)
left(120)
forward(200)
left(120)
done()

正三角形

f:id:kibashiri:20200302192344p:plain

では、星形。

f:id:kibashiri:20200302192613p:plain

このプログラムはこうなります。

from turtle import *
forward(200)
left(144)
forward(200)
left(144)
forward(200)
left(144)
forward(200)
left(144)
forward(200)
left(144)
done()

さらに応用を考えます。
五歩前進したら2°左を向きます。これを15回繰り返します。

from turtle import *
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
forward(5)
left(2)
done()

2°×15回、つまり30°の円弧が描かれます。

f:id:kibashiri:20200302194715p:plain

180回繰り返せば、円の出来上がりです。

from turtle import *
forward(5)
left(2)
・・・ 180回繰り返す
forward(5)
left(2)
done()

f:id:kibashiri:20200302195132p:plain

しかし、forward(5)とleft(2)を180回繰り返すのはかったるいですね。

そこでPythonでは繰り返しをするコマンドが用意されています。

from turtle import *
for i in range(180):
  forward(5)
  left(2)
done()

解説するとこうです。

f:id:kibashiri:20200302200910p:plain

さて「かめ」は自分の移動した軌跡を描いていきますが、軌跡を描かないで移動することもできます。
「かめ」をペンとすれば、up()コマンドでペンを上げ(軌跡を書かない)、down()コマンドでペンを下ろし(軌跡を書く)ます。

次のプログラムは直線を描くことと描かないことを20回繰り返します。

from turtle import *
import math
for i in range(20):
  forward(10)
  up()
  forward(10)
  down()
done()

つまり破線が描かれます。

f:id:kibashiri:20200306002138p:plain

では応用です、破線で円を描くにはどうしましょうか。
もう一度円を描画するプログラムを見てください。

from turtle import *
for i in range(180):
  forward(5)
  left(2)
done()

5歩進んで2°左を向くを180回繰り返していますね。
実は for i in range(180): の i は繰り返しのカウンタの役目を持っています。
0 から 179 に繰り返すたびに1づつ自動的にカウントアップしていきます。
そこでiが偶数のときペンを下ろし、奇数のときペンを上げるようにすれば、
破線で円が描けるはずです。
次のプログラムがそれを実現しています。

from turtle import *
for i in range(180):
  if(i%2==0):
    down()
  else:
    up()
  forward(5)
  left(2)
done()

if〜elseコマンドを覚えましょう。
もし条件が成立したらdown()を実行、そうでなければup()を実行します。
条件は(i%2==0)です、意味は(iを2で割った余りが0と等しい)つまり、iが偶数であることです。
説明するとこんな感じ。

f:id:kibashiri:20200306014306p:plain

実行すれば円が破線で描かれています。

f:id:kibashiri:20200303054707p:plain

さて、「かめ」を使ってグラフを描いていきましょう。

まずはx軸とy軸を描きましょう。

goto(x,y)コマンドを使います。

goto(x,y)コマンドは、「かめ」をその座標まで動かします。

x軸を(-300,0)から(300,0)、y軸を(0.-300)から(0,300)として描くとすると次のようになります。

from turtle import *
up()
goto(-300,0)
down()
goto(300,0)
up()
goto(0,-300)
down()
goto(0,300)
done()

up()とdown()を駆使していますね、結果はこんな感じです。

f:id:kibashiri:20200306160511p:plain

この座標空間はx軸方向で-300〜+300、y軸方向でも同じく-300〜+300の大きさであることを留意しておきます。

さてこの空間に、直線 y=2x + 100 を描きましょう。

ここで、y=300を代入すると、x=100ですね。(100,300)

次にy=-300を代入すると、x=-200です。(-200,-300)

この2点を結べば、直線 y=2x + 100が描けるはずです。

color(’色’)コマンドを使って直線は赤、color('red')としましょう。

from turtle import *
up()
goto(-300,0)
down()
goto(300,0)
up()
goto(0,-300)
down()
goto(0,300)
color('red')
up()
goto(-200,-300)
down()
goto(100,300)
done()

実行結果です。

f:id:kibashiri:20200306162207p:plain

さてプログラムも長くなってくると読みづらくなります。
コメント(注釈)を付けてあげましょう。
Pythonでは先頭に#を付ければ、そこに説明を付けられます、こんな感じ。

from turtle import *
#x軸描画
up()
goto(-300,0)
down()
goto(300,0)
#y軸描画
up()
goto(0,-300)
down()
goto(0,300)
#直線 y=2x + 100を描画
color('red')
up()
goto(-200,-300)
down()
goto(100,300)
done()

さてここからいよいよ放物線を描いていきましょう。

放物線は第一象限だけ使いますので、まずは原点座標を左下に移動して、x軸とy軸を描きます。

#初期座標
x0 = -450
y0 = -350
#x軸描画
up()
goto(x0-20,y0)
down()
goto(500,y0)
#y軸描画
up()
goto(x0,y0-20)
down()
goto(x0,400)
done()

実行結果です。第一象限だけ大きく確保できました。

f:id:kibashiri:20200319192550p:plain

さて放物線を描くには、三角関数を使用します。

点(x0,y0)から初速V0で角度θで物体を投げるとします。

重力加速度をgとすれば、t秒後の位置 ( x(t) , y(t) ) は次の式で表せます。

f:id:kibashiri:20200319193037p:plain

プログラムを説明しましょう。

f:id:kibashiri:20200322202230p:plain

まず2行目ですが数学系の関数を使うための宣言です。

その後、x軸とy軸を描画してますね。

ではプログラムの続きを解説しましょう。

f:id:kibashiri:20200322203715p:plain

重力加速度9.8を変数Gにセットします。

次に放射角度60°を変数DEGにセットします。

さらに初速度100を変数V0にセットしています。

このように重要な数値を変数にセットしておくと、プログラムのメンテナンス性が高まります。

例えば放射角度を45°に変更するのは変数DEGに45をセットすれば、プログラム全体が変更されるのです。

さて放射角度θのsinとcosを計算している2行は少し解説が必要です。

実はPythonで用意されている三角関数sinとcosは角度を度(60°とか)ではなくラジアンπ/3とか)で管理しています。

そこでmath.radians関数で変数DEGをラジアンの変換した上でmath.sinやmasth.cosの三角関数を呼び出しています。

次に時刻tを0秒にセットし、最後に初期座標に移動して準備完了です。

さて放物線を描いていきます。

f:id:kibashiri:20200322210312p:plain

時刻を1秒経過させ放物線を赤色で描いています。

実行結果です。

f:id:kibashiri:20200322210425p:plain

10秒後まで繰り返して描いてみましょう。

ここまでのプログラムをまとめておきます。

from turtle import *
import math
#初期座標
x0 = -450
y0 = -350
#x軸描画
up()
goto(x0-20,y0)
down()
goto(500,y0)
#y軸描画
up()
goto(x0,y0-20)
down()
goto(x0,400)
#重力加速度
G=9.8
#放射角度θ
DEG = 60
#初速度
v0=100
#放射角度θのsinとcos
sinDEG = math.sin(math.radians(DEG))
cosDEG = math.cos(math.radians(DEG))
#時刻初期値
t=0
#ペンを上げて初期座標に移動
up()
goto(x0,y0)
down()

color('red')

t = t + 1
x = x0 + v0 * cosDEG * t
y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
goto(x,y)
t = t + 1
x = x0 + v0 * cosDEG * t
y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
goto(x,y)
t = t + 1
x = x0 + v0 * cosDEG * t
y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
goto(x,y)
t = t + 1
x = x0 + v0 * cosDEG * t
y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
goto(x,y)
t = t + 1
x = x0 + v0 * cosDEG * t
y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
goto(x,y)
t = t + 1
x = x0 + v0 * cosDEG * t
y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
goto(x,y)
t = t + 1
x = x0 + v0 * cosDEG * t
y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
goto(x,y)
t = t + 1
x = x0 + v0 * cosDEG * t
y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
goto(x,y)
t = t + 1
x = x0 + v0 * cosDEG * t
y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
goto(x,y)
t = t + 1
x = x0 + v0 * cosDEG * t
y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
goto(x,y)

実行結果です。

f:id:kibashiri:20200322212330p:plain

10回繰り返し部分をfor文ではなくwhile文を用いて簡潔にしましょう。

f:id:kibashiri:20200322212905p:plain

while文は継続条件を指定してブロックを繰り返します。

while文を用いて20秒後まで描いてみましょう。

from turtle import *
import math
#初期座標
x0 = -450
y0 = -350
#x軸描画
up()
goto(x0-20,y0)
down()
goto(500,y0)
#y軸描画
up()
goto(x0,y0-20)
down()
goto(x0,400)
#重力加速度
G=9.8
#放射角度θ
DEG = 60
#初速度
v0=100
#放射角度θのsinとcos
sinDEG = math.sin(math.radians(DEG))
cosDEG = math.cos(math.radians(DEG))
#時刻初期値
t=0
#ペンを上げて初期座標に移動
up()
goto(x0,y0)
down()
color('red')
while ( t <= 20 ):
  t = t + 1
  x = x0 + v0 * cosDEG * t
  y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
  goto(x,y)

実行結果です。

f:id:kibashiri:20200322214829p:plain

おお、ついに放物線が描けました。

しかし右下に着目するとy<0の範囲まで落下していて、最後は描画枠からはみ出して終わっています。

これはかっこ悪いですね。

最後に無限ループとbreak文を学習いたしましょう、なかなか高度なテクニックです。

f:id:kibashiri:20200322221239p:plain

細かい説明は省きますが、放物線を最後x軸に交わるまで描画しています。
そのとき無限ループから脱出してプログラムは終了します。

実行結果です。

f:id:kibashiri:20200322223016p:plain

放物線が完成です、以下が最終プログラムです。

from turtle import *
import math
#初期座標
x0 = -450
y0 = -350
#x軸描画
up()
goto(x0-20,y0)
down()
goto(500,y0)
#y軸描画
up()
goto(x0,y0-20)
down()
goto(x0,400)
#重力加速度
G=9.8
#放射角度θ
DEG = 60
#初速度
v0=100
#放射角度θのsinとcos
sinDEG = math.sin(math.radians(DEG))
cosDEG = math.cos(math.radians(DEG))
#時刻初期値
t=0
#ペンを上げて初期座標に移動
up()
goto(x0,y0)
down()
color('red')
while 1:
  t = t + 1
  x = x0 + v0 * cosDEG * t
  y = y0 + v0 * sinDEG * t - 0.5 * G * t * t
  if(y < y0):
    ye = y0
    te = v0 * sinDEG * 2 / G
    xe = x0 + v0 * cosDEG * te
    goto(xe,ye)
    break;
  goto(x,y)

いかがでしたでしょうか。

これがPythonのプログラムです。

多くのPythonの学習書はPCにPythonの開発環境をインストールするところから説明が始まります。

そしてキーボードでプログラムを自ら打ち込み、プログラムを実行することで学習を進めるように構成されています。

私はミドル・シニアのプログラミング学習方法はこの方法ではダメだと見切っています。

初めに開発環境をインストールでもしようものなら、多くの真面目な読者は妙に構えてしまい、習得しなければならないと力んでしまうのです。

最初は、軽い読み物として学習すればよろしいのです。

そのうえで関心が持てればインストールをすればよろしいのです。

多くのテキストではPythonは文法が優しい、初心者でも覚えやすいと記述されています。

これも「真っ赤な嘘」です、ミドル・シニア世代の錆び付いた(失礼)頭脳のサビを落とすのには、Pythonの学習は最適ですが、決して優しくはないのです。

まずは、読み物としてこのエントリーを理解してください、すべてはそこからです。

このエントリーの内容が理解できれば、あなたはすでに『機械学習』を学習する準備ができていると、長年『機械学習』を学生に教育指導してきた私・木走が保証いたしましょう。

いかがでしたでしょうか。



(木走まさみず)