木走日記

場末の時事評論

感染者爆発の韓国と日本が実は人口あたり感染者数がほぼ同じという推測

さて韓国の感染者数の増加が止まりません。

前回、前々回のエントリーの続報です。

【前回】
2020-02-22
4日間で11倍超の感染爆発、韓国で今何が起こっているのか検証
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/22/130108
【前々回】
2020-02-21
韓国で感染者数が3日間で5倍増と尋常じゃない件
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/21/170643

韓国では、24日、感染者数は全体で763人に増え、死亡者も1人増え7人になりました

(関連記事)
韓国、新型肺炎患者161人増えて763人に…死亡者は7人に
https://japanese.joins.com/JArticle/262905

これまでの日本と韓国の感染者数の推移の最新グラフです。

■日本と韓国の感染者推移(2月24日現在)
f:id:kibashiri:20200224121719p:plain
※『木走日記』作成

韓国のこの感染者数爆発でありますが、日本と比較してPCR検査数の差に着目したいのです。

厚労省が公式にプレスリリースしている「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」を参照すれば、日本におけるPCR検査実施人数は20日で1432人、21日現在で1522名とあります。

PCR検査実施人数1432人(2月20日現在)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09670.html
PCR検査実施人数1522人(2月21日現在)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09690.html

1日当たり検査実施数が20日から21日では90件、おそらく今現在(24日)のPCR検査実施件数は累計で2000件には至っていないことでしょう。

一方韓国聯合ニュースによれば 中央防疫対策本部によると、23日午前9時現在、6039件の検査が進められていて、1日約5000件の検査能力を上回る件数だそうです。

さらに「検査能力1日1万3千件を目指す」としています。

(関連記事)
新型コロナ検査能力 1日1万3千件に拡大へ=韓国
記事一覧 2020.02.23 13:23
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200223000700882?section=search

韓国のCDC(疾病管理本部)が発表している検査実施数によると、2/19・16時=11173件  2/20・09時=12161件 2/20・16時=13202件2/21・09時=14816件 2/21・16時=16400件  2/22・09時=19621件。2/23・16時の発表では、2万件を超えています。

(韓国のCDC公式サイト)
KCDC leads the world free of diseasesSNS
https://www.cdc.go.kr/cdc_eng/

ようするに、韓国は少なくとも日本の10倍の検査を実施していることになります。

あらためて23日までの日本の感染者数の推移を細かくグラフ化してみましょう。

■日本の感染者推移(2月23日現在)
f:id:kibashiri:20200224070811p:plain
※『木走日記』作成

韓国の十分の1の検査数を考えると、日本の実態は10倍の1470人と推測することが可能でしょう。

だとすれば、日本の人口が韓国の2倍であることを考慮すると、韓国763人、日本147人*10倍の1470人、あくまでもアバウトな推測値ですが、人口10万人当たりの感染者数は、現状1.2人とほぼ同じであると推測できます。

本エントリーが、読者のみなさまのこの問題を考察する際の参考になれば幸いです。



(木走まさみず)

4日間で11倍超の感染爆発、韓国で今何が起こっているのか検証

昨日21日のエントリーの続報です。

昨日一気に156名にまで急増した韓国の感染者数を取り上げました。

韓国では18日に30人だった感染者数が、19日に51人、20日に104人、21日に156名と、この三日間で30人から156名と実に5倍に増えています。

韓国で感染者数が3日間で5倍増と尋常じゃない件 より
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/21/170643

ところが21日のうちにさらに48人増え204人になります。

新型ウイルス、韓国でさらに48人の感染確認 計204人に
https://www.afpbb.com/articles/-/3269529

さらに22日、速報で朝鮮日報が「新たに142人の感染確認=計346人」と報じます。

新型肺炎 韓国で新たに142人の感染確認=計346人
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/22/2020022280018.html

驚くべきスピードです、わずか一日で156人から346人と倍増以上のペースで感染者数がふえています。
まずは昨日のグラフです。

■日本と韓国の感染者推移(2月21日現在)
f:id:kibashiri:20200221164126p:plain
※『木走日記』作成

次が最新のグラフです。
グラフも縦軸を20人刻み160人MAXから、50人刻み400人MAXに更新しました。

■日本と韓国の感染者推移(2月22日現在)
f:id:kibashiri:20200222114254p:plain
※『木走日記』作成

さすがにNHKなど日本のメディアも報じ始めました。

新型ウイルス 韓国の感染者346人に 死者は2人
2020年2月22日 10時30分

韓国の保健福祉省は22日、新型コロナウイルスの感染者が新たに142人増えたと発表しました。142人のうち126人が、韓国南部テグ(大邱)にある教会と、その周辺にある病院の関係者だということです。
これで韓国で感染が確認されたのは合わせて346人となり、このうち2人の死亡が確認されています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200222/k10012297111000.html

それにしてもです、18日に30人だった感染者数が22日に346人と、わずか4日間で11倍超の急増です。

気になるのは一日当りの感染者増加数で、21人、53人、100人、142人と勢いを増しています。

韓国で何が起こっているのか、検証いたします。

上記グラフでも確認できるとおり2月20日までは感染者数30人と抑えられており、2月13日には、文大統領は「新型コロナは遠からず終息する」と断言し、韓国国民に向かって正常な日常に戻らなければならないと呼びかけていました。

文政権の経済副総理である洪楠基(ホン・ナムキ)企画財政部長官も、過度な恐怖心と不安が消費者心理を萎縮させているとし、「(自営業者を助ける気持ちで)行事や集まり、昼休みには最大限外部の食堂を利用してほしい」と促します。

さらに19日には、出入国管理の主務部処長官の秋美愛(チュ・ミエ)法務長官が、米国が政治的な理由で中国人たちの入国を遮断したとし、「我が国(韓国)は静かながらもとても合理的かつ客観的な方法で実効的な遮断をした。科学的に対処している」と自画自賛します。

与党の共に民主党は、中国人入国を制限すべきだという医師協会の主張に対し、「政治的な判断」と非難しています。共に民主党からは「わが政府の対応が世界的な模範ケースとして認められている」という出張も出ます。

韓国メディアも、日本や米国などの海外マスコミが韓国の新型コロナ対応態勢を絶賛しているとし、文在寅政権を大いに称えていました。

特に日本の対応に対しては、「日本、感染病後進国で恥さらし」(中央日報)と嘲笑していました。

関連エントリー
「日本、感染病後進国で恥さらし」(中央日報)だと?〜これだけ事実を捻じ曲げた反日記事は珍しい、 反日なら何でも許されるのか?
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/08/125127

そんな韓国内の感染が急速に拡大し始めたのは19日、韓国の南東部にある大邱(テグ)地域で国内31番目の感染者が確認されて以降です。

この感染者が新興宗教「新天地イエス教会」の信者で、大邱市の大邱教会で行われた礼拝に参加し、集会の参加者たちを対象に検査を実施したところ、19日当日だけでおよそ14人の感染者が確認されるなど、この感染者が訪れた場所を中心に大邱市内のいたるところで新型コロナの感染者が続出する事態となります。

さらに事態を悪化させているのは、新天地の信徒らは全国の教会を巡りながら礼拝を行っているため、大邱教会を訪れた全国の信徒の間で感染者が続出していることです。

最初の死亡者が発生した慶尚北道・清道(キョンプッド・チョンド)地域の某病院では、新天地幹部の葬式が行われたことが確認されています。

(参考記事)
日本超えた韓国の感染者、背景に新興宗教信者の暴挙
日本を冷笑していた韓国、あっという間に中国に次ぐ感染大国へ
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59456

まとめます。

日本の感染者増加のペースも上記グラフでご覧のとおり日々悪化しており決して油断することができない事態なわけです。

感染ピークをいかに遅らせてその山を低くなだらかなものにするか、それとも対策に後手を踏みピークが早まり高くなってしまうか、今が重大な局面なのです。

専門家はここ半月が勝負どころといいます。

19日までは、「わが政府の対応が世界的な模範ケースとして認められている」(共に民主党)と自画自賛し、その政策に自信を示し「行事や集まり、昼休みには最大限外部の食堂を利用してほしい」(韓国政府高官)と国民に外食を促し、さらには「日本、感染病後進国で恥さらし」(中央日報)と対策に失敗したと日本を嘲笑。

そこに慢心はなかったか。

今回の韓国の感染爆発が、韓国の「油断」のようなものが招いたとすれば、日本にとってもこれを「他山の石」として、気を引き締めてまいりたいです。



(木走まさみず)

韓国で感染者数が3日間で5倍増と尋常じゃない件

なぜか日本であまり大きく報道されませんのでトピックとして取り上げます。

海外報道によれば、21日、新型コロナウイルスで韓国の感染者156人に急増、中国本土以外で最多となりました。

(関連記事)
新型コロナウイルス、韓国の感染者156人に 中国本土以外で最多
https://www.afpbb.com/articles/-/3269439

AFP通信記事より。

【2月21日 AFP】(更新)韓国当局は21日、新型コロナウイルスによる感染者が新たに52人確認されたと発表した。韓国での感染者は計156人となり、中国本土以外の国・地域別では最多となった。

韓国では18日に30人だった感染者数が、19日に51人、20日に104人、21日に156名と、この三日間で30人から156名と実に5倍に増えています。

(関連記事)
新型コロナウイルス感染者数(COVID-19)推移
https://note.com/entamenodendo/n/n312ffa50f3cf
日本を冷笑する韓国メディア、感謝する米国
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59398
新型コロナウイルス、感染者が確認された国と地域(12日0時30分現在)
https://www.afpbb.com/articles/-/3267819
世界の新型コロナウイルス拡大状況
https://jp.yna.co.kr/view/GYH20200205000900882?section=image/graphics
新型コロナウイルス、これまでの感染状況
https://jp.reuters.com/article/china-health-virus-idJPKBN1ZQ0DZ

20日に日本を抜き21日現在97名の日本の感染者数の1.56倍にまで急増しています。

ここまでの感染者推移をグラフでまとめてみましょう。

■日本と韓国の感染者推移(2月21日現在)
f:id:kibashiri:20200221164126p:plain
※上記関連記事より『木走日記』作成

日本の感染者増加のペースもご覧のとおり日々悪化しており決して油断することができない事態なわけですが、それにしても韓国の増加ペースは、3日間で5倍と尋常ではありません。

つい半月前には「日本、感染病後進国で恥さらし」(中央日報)と日本を嘲笑していた韓国なのでしたが・・・

関連エントリー
「日本、感染病後進国で恥さらし」(中央日報)だと?〜これだけ事実を捻じ曲げた反日記事は珍しい、 反日なら何でも許されるのか?
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2020/02/08/125127

この感染者急増を受けて韓国メディアの論調は劇的に変化します。

21日朝鮮日報は「中国人を全面入国禁止にしなかった韓日のみ感染者急増」を掲げます。

中国人を全面入国禁止にしなかった韓日のみ感染者急増
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/02/21/2020022180093.html

記事では、韓国と日本を並べて「中国に次いで新型コロナウイルス感染者数で世界2位と3位になった」と指摘しています。

中国・湖北省からの外国人だけを入国禁止対象にするなど、生ぬるい対処をしたと指摘されている韓国は感染者数が20日現在で106人、日本は同93人と急増しており、中国に次いで新型コロナウイルス感染者数で世界2位と3位になった。中央アジアカザフスタン政府とキルギス政府は20日から韓国または日本に行って戻ってきた人に対しても2週間、自宅隔離措置とすることにした。

今回の感染者急増で、韓国メディアから日本の対応を嘲笑する論調が一瞬にして消え去りました(今のところですが)。

ことは互いの国民の命にかかわることなのです。

この局面で、韓国が冷静になることは有意義でありましょう。

今回は韓国で感染者数が3日間で5倍増と尋常じゃない件を取り上げました。



(木走まさみず)

この局面で新型コロナウイルスで政府批判する一部メディアの報道姿勢に疑問

朝日新聞が20日付けで「クルーズ船対応 ケアと検証を確実に」とのタイトルの社説を掲げます。

(社説)クルーズ船対応 ケアと検証を確実に
https://www.asahi.com/articles/DA3S14372129.html?iref=editorial_backnumber

社説は冒頭「乗客の下船が始まった」ことにふれ、しかし「今月5日以降も、船内で広がった疑いがある」とし、「おととい現場に入った国内の専門家からは、感染防御の対策が取られていなかったという厳しい指摘も出ている」とします。

 新型コロナウイルスの集団感染が起きた大型クルーズ船で、政府による14日間の留め置き措置が終わり、検査の結果が陰性で、かつ症状のない乗客の下船が始まった。

 感染が確認された乗客・乗員は600人を超えた。乗客に個室での待機を求めた今月5日以降も、船内で広がった疑いがある。おととい現場に入った国内の専門家からは、感染防御の対策が取られていなかったという厳しい指摘も出ている。

ここから「この間、政府の方針は二転三転した」と日本政府批判に論を転じます。

 この間、政府の方針は二転三転した。当初、症状のない人はそのまま下船させる予定だったが、横浜港に入った直後の検疫で感染者が見つかると、方針を変えて船内待機を求めた。その後、感染者がほぼ連日見つかるなか、持病を悪化させて救急搬送される人も出るようになった。14日からは高齢者らの下船を認めることにした。

「無症状で元気な人や、検査で陰性だった人まで船内にとどめる必要があるのか、疑問の声はあった」と指摘、「水際で阻止するという方針にこだわり、事態の悪化を招いた面はないか」と政府のとった方策に疑義を挟みます。

 ウイルスの検査態勢が整わず、対応に一定の制約があったにせよ、無症状で元気な人や、検査で陰性だった人まで船内にとどめる必要があるのか、疑問の声はあった。疑いのある者は上陸させず、水際で阻止するという方針にこだわり、事態の悪化を招いた面はないか。

「乗客・乗員への情報提供のあり方にも課題を残した」とし、「今回の政府の一連の措置が、こうした国々の信頼を得られているとは言い難い」と国際的にも日本政府の信頼を失ったと批判します。

 また、持病薬の提供を含む日常生活のサポートや、乗客・乗員への情報提供のあり方にも課題を残した。あわせて検証の対象にしてもらいたい。

 船には、日本以外にも55の国・地域の乗客と乗員が乗っていた。今回の政府の一連の措置が、こうした国々の信頼を得られているとは言い難い。

国際的にチャーター機が「帰国後、改めて14日間の隔離を実施している」ことを挙げ、「今月5日以降新たな感染は起きていないという、厚労省の見解が受け入れられていない証左」だと批判します。

 米国はチャーター機を派遣して自国民を退避させたが、帰国後、改めて14日間の隔離を実施している。今月5日以降新たな感染は起きていないという、厚労省の見解が受け入れられていない証左だ。対策の足並みをそろえるためにも、船内の実態の解明を急ぐ必要がある。

社説は「国境を超えたルールの整備が急がれる」と結ばれています。

 検疫・治療の態勢や費用分担のあり方について、国境を超えたルールの整備が急がれる。

タイトル「クルーズ船対応 ケアと検証を確実に」と結び「国境を超えたルールの整備が急がれる」との建設的な意見ですが、今検証したとおり、その論説の大半は、日本政府の対応ミスの羅列・批判に終始しています。

朝日新聞社説が指摘している日本政府の施策のミス・問題点を列挙します。

・当初、症状のない人はそのまま下船させる予定だったが、横浜港に入った直後の検疫で感染者が見つかると、方針を変えて船内待機を求めたこと
・その後、感染者がほぼ連日見つかるなか、持病を悪化させて救急搬送される人も出るようになったこと
・14日からは高齢者らの下船を認めることにしたこと
・無症状で元気な人や、検査で陰性だった人まで船内にとどめる必要があるのか、疑問の声はあったこと
・疑いのある者は上陸させず、水際で阻止するという方針にこだわり、事態の悪化を招いた面はないのか疑義が残ること
・持病薬の提供を含む日常生活のサポートや、乗客・乗員への情報提供のあり方にも課題を残したこと
・日本以外にも55の国・地域の乗客と乗員が乗っていた。今回の政府の一連の措置が、こうした国々の信頼を得られているとは言い難いこと
・米国はチャーター機を派遣して自国民を退避させたが、帰国後、改めて14日間の隔離を実施している。今月5日以降新たな感染は起きていないという、厚労省の見解が受け入れられていない証左なこと。

これらの指摘に当ブログとして反論はありません、ほぼ事実であると思われます。

ミスはミスとしてしっかり検証して今後の施策に生かすことは重要でしょう。

政府は、とった対策とその過程をしっかり国民に説明する情報開示を徹底し、そして政策のTransparency(透明性)をしっかり確保していただきたいと思います。

しかしです。

このウイルス拡散期を迎えるかどうかの重大局面において、政府の対応のミスを列挙し批判する朝日新聞のその報道姿勢には疑問を持たざるを得ません。

人類が未だ経験したことのない新型ウィルスが襲来したのです。

その対応にミスが伴ったことは必然とも言えましょう。

ミスの無い100%の対応などどの国だって不可能なことです。

ミス・問題点を指摘することは大切なことです。

しかしそのミスをことさら取り上げて政府の策をこまごまと批判するのでは、そのことが現場で苦労されている乗客や乗組員そして医療関係者のマインドにどう影響するか、考えてみていただきたいです。

この局面で、タイトルや結びの文で建設的論説の形をとりつつ、その中身は、日本政府のとった施策ミスや問題点を細部に渡って列挙して批判する朝日新聞社説なのです。

繰り返しますが、現在は日本でウィルス拡散するか否か、この国の新型コロナウイルス防疫対策の重大局面です。

この局面では政府・各自治体・国民、国一丸で対応すべきであります。

朝日新聞だけではないのですが、この問題をいたずらに政府批判などの政局に利用するように報じる一部メディアの報道姿勢には疑問を持たざるを得ません。



(木走まさみず)

政府が下船を判断した根拠が科学的事実とてらして非常に疑わしい件

さて19日から、クルーズ船の乗客の下船が始まりました。

バスで公共交通機関ステーションに移動し、そこから各人交通機関を利用し、それぞれ帰宅するということです。交通機関利用の制約はなく、ただし数日間、体調等を電話連絡を求めモニターしていくとのことです。

官房長官は、午前の記者会見で「本日から1日数百人ずつ、3日間で下船してもらう方向だ。乗員については、乗客の下船の状況を踏まえつつ個室管理下での健康状態の監視などの対応を、これから行っていく」と述べました。

クルーズ船 「下船は1日数百人ずつ」 菅官房長官
2020年2月19日 12時30分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200219/k10012291771000.html

さて今、下船を判断した根拠が大きく揺れています。

日本政府は、下船を判断した根拠については、チャーター機で帰国した人たちへの対応を踏まえ、国立感染症研究所から14日間の健康観察期間中に発熱などの症状がなく、ウイルス検査の結果が陰性であれば、経過後に公共交通機関などで移動しても差し支えないという見解が示されたことから、方針を決めたと説明しています。

この点で、菅官房長官は、「今月5日以降、感染を予防する行動を徹底し、乗客に自室で待機してもらうなど、感染リスクを下げたうえで、症状がある人や高齢者など優先度が高い人からできるかぎり検査を進め、必要な方は医療機関に搬送するなど、乗員・乗客の健康確保に最大限配慮して対応してきた」と強調しました。

つまりチャーター機で帰国しホテル三日月で14日間経過観察した件でその後の経過も含めて「国立感染症研究所から14日間の健康観察期間中に発熱などの症状がなく、ウイルス検査の結果が陰性であれば、経過後に公共交通機関などで移動しても差し支えないという見解」が出たため、クルーズ船においても「今月5日以降、感染を予防する行動を徹底し、乗客に自室で待機してもらうなど、感染リスクを下げた」ので14日経過したこの19日から陰性の人々の下船を認めたということです。

これは現在のクルーズ船の感染者は、全て今月5日以前に感染したのであり5日以降は感染は新たに広まっていないことが前提になっています。

しかしこの前提がいくつかの科学的事実とてらして非常に疑わしいわけです。

ひとつは、感染症対策に詳しい神戸大学の岩田健太郎教授が、新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船で適切な感染対策が行われていないと批判していることです。

岩田教授が、船内で、感染の危険性が高い場所と安全な場所が区別されていないと指摘しており、感染は今も続いている可能性を、強く示唆していることです。

BLOGOSでも医師の中村ゆきつぐ氏が警鐘を鳴らしています。

中村ゆきつぐ
2020年02月19日 06:56
大変なことがやはり起きていたようです。ダイヤモンド・プリンセスの感染拡大は人災?
https://blogos.com/outline/437081/

2月5日以降も、感染者数は一向に収束せず、逆に日を追ってクルーズ船の感染者が増え続けている事実も、統計的には、5日以降も感染が止まっていない可能性が高いことを強く示唆しています。

さらにアメリカや韓国をはじめクルーズ船の乗客を自国に帰国させるチャーター機を用意している各国は、日本政府のクルーズ船では5日以降感染が広まっていないという情報に関わらず、帰国後14日間米軍基地などに隔離する方針です、オーストラリアは20日間です。

つまり各国の方針はクルーズ船の感染は5日以降も止まっていないこと前提にしているのです。

そしてその前提は正しい可能性が高いことが海外から報じられています。

BBCニュースによれば、早くも「米政府チャーター機、米国到着 14人の感染を確認」とあります。

米政府チャーター機、米国到着 14人の感染を確認
2020年02月18日
https://www.bbc.com/japanese/51540561

記事より。

国務省によると、クルーズ船のアメリカ人乗客300人以上が自発的に送還を選んだ。このうち14人について、移動中に行われたウイルス検査で陽性反応が出たとの報告があり、ほかの乗客から隔離させていたという。

乗客は全員、クルーズ船内での隔離期間に加えて、さらに14日間の隔離措置を受けることとなる。

米当局者はその後、感染の「危険性が高い」と考えられる乗客13人について、ネブラスカ大学(ネブラスカ州オマハ)の特別施設へと移送したと述べた。

ここで重要な事実は、これら14名は1日前の日本での検査ではまだ陰性であったことです、その時点での陽性者はチャーター機には乗れず日本での治療が優先されるからです。

・・・

まとめます。

以上の事実から、日本政府が下船を判断した根拠(=クルーズ船で2月5以降は感染は広がっていないという前提)は、いくつかの科学的事実の前に大きく揺れています。

日本政府の陰性乗客下船方針に関して、それ自身を批判するつもりはありません。

クルーズ船に大量に感染者が発生している現状から、クルーズ船がホットスポットとなっていることは明らかであり、国際的にも注目されている中で、健康な陰性者の下船を実施したのでありましょう。

それは理解します。

しかし陰性と確認されている下船者の中で、アメリカ帰還者14名のように発症する可能性がある者が含まれている科学的事実は、国民に明言すべきではないでしょうか。

500名の下船者の中から今後陽性者が一人も発現しない可能性はあるのでしょうか?

彼らは政府お墨付きで、電車や新幹線や飛行機などの公共交通機関で帰宅するのです。

そこに感染拡大のリスクはないのか、大きな疑問が残ります。

私は日本政府のクルーズ船の対応をすべて失敗と決めつけることはいたしません。

ただ、政府のとった対策をしっかり国民に説明する、政策のTransparency(透明性)をしっかり確保していただきたいと思います。



(木走まさみず)

常識的に言って首相の国会答弁は非常に苦しいと思う

17日の衆院予算委員会で、安倍晋三首相と立憲民主党など野党共同会派が首相主催の「桜を見る会」を巡り応酬します。

立憲民主党辻元清美幹事長代行は、桜を見る会前夜の夕食会会場となったANAインターコンチネンタルホテル東京とのメールの内容を明らかにしました。ホテル側から2013年以降のパーティーや宴会に関し「主催者に見積書や明細書を発行しないことはない」との回答があったと主張します。

同ホテルは13年以降に開いた夕食会のうち計3回の会場でした、首相は4日の衆院予算委で「ホテル側から夕食会の明細書は受け取っていない」と答弁していました。

首相は自身の事務所が改めて事実確認したところ、ホテル側から「辻元氏にはあくまで一般論で答えたもので、個別の案件は営業の秘密に関わるため、回答には含まれていない」との説明を受けたと強調します。「事務所の職員は明細書などの発行は受けていない」と繰り返しました。

辻元氏はホテル側が「宛名のない領収書は発行しない」とも回答しており、従来の首相の主張と食い違っていると指摘します。首相は「一般的に『上様』として発行する場合があり、夕食会でも上様としていた可能性があるとのことだった」と反論しました。

BLOGOSにて辻元清美氏は強く首相に反発しています。

辻元清美
2020年02月17日 14:02
桜を見る会・前夜祭に関する安部総理の答弁に反する回答が、ANAインターコンチネンタルホテル東京から出ました
https://blogos.com/article/436718/

辻元清美
2020年02月17日 21:59
私が聞いたのは「一般論」ではなく「ファクト」です――ANAインターコンチネンタルホテル東京からの回答文書と2/17 予算委員会 辻元清美 質疑全文
https://blogos.com/article/436798/

辻元氏はホテルの回答(メール)もPDFファイルで公開しています。

PDFファイルの回答部分を抜粋して参照。

f:id:kibashiri:20200218163553p:plain
https://www.kiyomi.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2020/02/20200217.pdf

さて、朝日新聞は独自取材でホテル側が首相答弁を否定していることを報じます。

ANAホテル「申し上げた事実はない」 首相答弁を否定
2020年2月17日 23時18分
https://www.asahi.com/articles/ASN2K7QW2N2KUTFK02L.html

記事より。

 「桜を見る会」の前日に開かれた夕食会をめぐる安倍晋三首相の答弁に関して、「ANAインターコンチネンタルホテル東京」の広報担当者が17日夜、朝日新聞の質問に回答した。野党が示したANAホテルの見解について、首相は同日の衆院予算委員会でホテルへの照会結果として「個別の案件については営業の秘密にかかわるため、回答に含まれない」と答弁し、夕食会が見解の対象外とする見方を示したが、ANAホテルはこの部分を「申し上げた事実はございません」と否定した。

本件ではANAインターコンチネンタルホテル東京外資系なので「忖度してくれない」というぼやきが自民党界隈から聞こえています。

(関連記事)
ANAホテルもう使わない」自民恨み節 野党「敬服」
2020年2月18日 11時39分
https://www.asahi.com/articles/ASN2L3RLLN2LUTFK009.html?iref=com_alist_8_02

記事より。

 ただ、首相側近は「なんで(ANAホテルは)回答を出したんだろう」と困惑し、自民党幹部の一人は「もうANAホテルを使うのはやめよう」。同党ベテランは「ANAホテルは外資系だからかな。(対応が)スッキリしている」と述べ、忖度のない対応だと感想を漏らした。

これですね、私はあながちはずれていないのではないかなと感じています。

昨年11月に、当ブログは個人的経験から本件に関して「ホテル側の価格『忖度』があったかもしれない」と推測しています。

未読の読者は是非ご一読あれ。

2019-11-19
パーティ代一人5000円について愚考する~ホテル側の価格「忖度」があったかもしれない
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2019/11/19/112802

このエントリーで私は「内閣総理大臣後援会に対して、ホテル側の価格「忖度」があったんじゃないのかなあと、疑っている」と明言しています。

私が知っている政治家の立食パーティーは、用意する会場の広さと、食事のグレードと数量でほぼ決定されますが、上述したように5千円ぐらい、一万にも満たないのが普通です。
数千名のキャパシティの大会場ならともかく、たかだか800名ほどの会場ならば安く設定できると思います。

だがしかしです。

大切な後援会のメンバーに人数分より少ない食事で原価を抑えることは可能なのでしょうか?

不可能ではないです、しかしそれは現実的には可能性ないでしょう。

ならば、内閣総理大臣後援会に対して、ホテル側の価格「忖度」があったんじゃないのかなあと、疑っている私です。

いずれにせよ、ちっこい話なのです。

今回の件、おそらくホテル側の回答が正しい可能性が高いと思われます。

理由は簡単です。

山口から団体ツアーのように観光バスで東京に大挙押しかけた800人の安倍後援会の参加者の立場で考えてみるとです。

往復のバス代やホテル宿泊費はすべて参加費費用にパッケージされている中で、前日パーティー費用だけが、別途個別に会場にて個人現金負担って実に非効率極まりなく、普通は主催者側(その存在そのものが議論されていますが)が一括でホテル側とお金のやり取りするはずです。

当然ですが、このケースなら往復のバス代やホテル宿泊費はすべてパッケージされているのですから、当然このパーティー費用もパッケージに含めておくべきですし、そうするのが自然だと思います。

一歩譲ってパーティー費用だけは会場で参加者が払ったのが事実だとして、多くの参加者が5000円払って見返りにほしいのは、個人参加者にとって領収書ではありません、パーティー参加券のみです。

私はこの種の政治パーティに何回か参加していますが、会場現場で参加者が直接現金を払っている場面を見たことがありません。

常識的に言って首相の国会答弁は非常に苦しいと思われます。

いずれにせよ、ちっこい話なのです。



(木走まさみず)

新型コロナウイルスの屋形船関連のヒトヒト感染の経緯を検証

ここに来て新型コロナウイルスの感染力について想定外に強い事例が出現してきました。

そこで、現段階で比較的事実関係のトレースがしやすい、新型コロナウイルスの屋形船関連のヒトヒト感染の経緯を検証しておきます。

屋形船関連記事のいくつからまとめてみました。

(関連記事)
感染の屋形船従業員、武漢からの旅行者接客…新年会100人出席
2020/02/15 00:20
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200214-OYT1T50276/
“屋形船で感染拡大か” 新型ウイルス 東京で新たに5人感染
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200216/k10012288171000.html
新型コロナ 屋形船新年会で感染急拡大 関係者以外も確認 都「市中感染前提で対策」
https://mainichi.jp/articles/20200216/k00/00m/040/154000c
感染、始まりは雨の屋形船 窓閉め切って宴会2時間
https://www.asahi.com/articles/ASN2H72S5N2HUTIL01F.html
新型ウイルス 相模原市の病院職員1人 感染を確認
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200217/k10012288691000.html

報道をまとめると、始まりはこの屋形船で新年会が開かれた1月18日とされていますが、その数日前にこの屋形船で武漢市出身数名(一部報道は8名か)を含む中国人団体観光客を受け入れている時点までさかのぼります。

この時少なくとも1名(もしくは2名)の屋形船従業員が感染したと推測されてます。

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※『木走日記』作図

そして18日、東京・城南地区の個人タクシー組合支部が屋形船で新年会を開きます。
ここで参加者9名(もしくは+従業員1名)が一気に感染します。
不運にも当日は天候が悪く船の窓はすべて閉められていた、つまりほぼ密閉空間であったわけです。

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※『木走日記』作図

ここまでで、本件のヒトヒト感染は、中国人観光客ー>屋形船従業員(一次)ー>新年会参加者(二次)、と二段階で感染が拡大したことが推測されます。

時間の経過とともに、参加者以外に感染が広がっていることが確認されます。

ひとつは、新年会に参加したある運転手の親族の看護師(50代女性感染者)の職場の同僚である60代男性医師の感染が確認されています、報道によれば医師は看護師らと食事を共にしていたとのことです。

ふたつめは、感染が判明している70代運転手の妻(非感染者)の母親が、感染し2月13日に死亡しています。
このケースではさらに、母親を看護した病院職員(女性)の感染も判明しています。

みっつめは、新年会には参加しなかった個人タクシー組合支部職員の50代女性が、感染ルートは明確ではないですが、おそらく運転手らとの接触で感染したと推測されています。

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※『木走日記』作図

ここまでで、本件のヒトヒト感染は、死亡した母親のケースでは、中国人観光客ー>屋形船従業員(一次)ー>新年会参加者(二次)ー>母親(三次)ー>看護担当職員(四次)とウイルスが伝播したと推測されます。

こうして屋形船関連を事実検証してみると、この新型コロナウイルスのやっかいなヒトヒト感染力が浮き彫りになります。

最初に感染したと推測される屋形船従業員(男性)ですが、報道によれば現在まで無症状であるとのことです。

すなわちこの従業員自身は無症状のまま、18日の新年会にて感染者を拡大してしまいます、結果日本人初の国内死亡者を出してしまい、現在四次感染まで拡大を許してしまっています。

この新型コロナウイルスは、高齢者や持病のある者は重篤になる可能性が高まるようですが、症状はそれほどは重くならないようです。

しかしながら、感染しても無症状のままであったり、軽症者(風邪のような症状を発症するもすぐ回復)であったりの者が、本人の自覚なしにウイルスを撒き散らしてしまう危険性があるわけです。

ウイルスの立場でいえば、無症状者に潜伏しつつ二次三次の感染のタイミングをうかがうことになります。

これはなかなか厄介なヒトヒト感染力であると思いました。



(木走まさみず)