木走日記

場末の時事評論

ふざけるな!これ以上日本政府の外交方針を完全に逸脱し韓国に媚びる河村建夫日韓議連幹事長の暴言を許してはならない

ついに河村建夫日韓議員連盟幹事長が、徴用工賠償問題で、日本国民と日本企業が金を出すことを、韓国で公(おおやけ)に、発言しました。

本件に関して完全に日本政府の外交方針を逸脱しております。

ソウルを訪問中の16日、河村建夫日韓議員連盟幹事長が韓国の保守派最大メディア朝鮮日報のロングインタビューを受けています。

(該当記事)

「平昌五輪に安倍首相が行ったので東京五輪には文大統領に来てほしい」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/01/17/2020011780003.html

記事より河村建夫発言を全文抜粋。

文在寅ムン・ジェイン)大統領が今夏の東京五輪に出席すれば、両国関係改善のきっかけになるかもしれない。特に五輪・パラリンピックを一つの出発点として首脳会談を開き、交流・協力問題を話し合うのが望ましい」

「日本側からは(2018年の)平昌冬季五輪に安倍晋三首相が出席しただけに、当然、今回は文在寅大統領が出席してくれることを期待している」

「文喜相議長に会って関連法案の進捗状況や苦情を聞くために来た。韓国の総選挙が目前なのでそれに対する気がかりもあるが、文喜相議長は非常に努力している」

「徴用被害者を支援する人々や団体の90%くらいから(法案の)賛成を得た。残りの10%の賛成も得るために説得していこうとしていると聞いた」

「日本企業の資産が売却されれば、両国関係を元に戻すのが難しいので、急いで解決しようと努力している」

「徴用賠償問題は1965年の請求権協定で解決したというのが日本政府の基本的な立場だ。日本も過去のことを忘れてはならないと考えるが、徴用問題でも未来志向的な韓国政府の姿勢が必要だ」

「文喜相案が国会を通過し、そうした対話が行われれば、安倍首相も両国関係を戻すのに何の問題もないだろう」

ホワイトリスト問題(輸出規制問題)はかなり協議が進んでおり、協議がなされれば復元はそう難しくない」

「文喜相案が国会を通過するなら、日本企業や国民も(基金を)出すと思う」

「例えばユニクロなど、両国間貿易で利益を得ていた企業は多いが、そうした企業は出すだろう」

ユニクロ側に(基金を出すか)聞いてはいないが、韓国でたくさん売り上げたので両国関係が早く良くなることを願っているだろう」

「(大法院判決の)対象となる企業は払うのが難しいと思う」

株主総会や株主から『払わなくてもいい金をなぜ払うのか』と訴訟を起こされる可能性がある」

「1998年の金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相=いずれも当時=が行った『韓日共同宣言(21世紀に向けた新たな韓日パートナーシップ)』を復活させる必要がある」

金大中大統領は当時、『50年にもならない不幸な歴史のために、1500年にわたる(韓日間)交流と協力の歴史全体を無意味にするというのは、全く愚かなことだ』と語った。我々も文在寅・安倍の新たなパートナーシップ宣言をできたらいいと思う。日本は米国と戦争をして原爆も投下されたが、未来のためにそうした問題を克服した」

「政府の努力に加え、韓国のスポーツファンの皆さんも、五輪開催時に日本を訪問してくれれば日韓関係改善に役立つだろう」

日本政府方針を完全に逸脱している暴言の数々に「ふざけるな」と言いたいです。

特に越権的な問題発言なのは次の点です。

東京オリンピック文在寅大統領を勝手に招待していること。
「日本側からは(2018年の)平昌冬季五輪に安倍晋三首相が出席しただけに、当然、今回は文在寅大統領が出席してくれることを期待している」

・日本政府が否定しているのに韓国の文喜相案を勝手に支持していること。
「文喜相案が国会を通過し、そうした対話が行われれば、安倍首相も両国関係を戻すのに何の問題もないだろう」

・文喜相案が通れば、日本企業や国民も(基金を)出すと日本政府方針を完全に無視して勝手に決めつけていること。
「文喜相案が国会を通過するなら、日本企業や国民も(基金を)出すと思う」

ユニクロなど具体的企業名を出し、基金に金を出すと勝手に決めつけていること。
「例えばユニクロなど、両国間貿易で利益を得ていた企業は多いが、そうした企業は出すだろう」
ユニクロ側に(基金を出すか)聞いてはいないが、韓国でたくさん売り上げたので両国関係が早く良くなることを願っているだろう」

・日本政府方針を逸脱し『韓日共同宣言』を復活させる必要を勝手に説いていること。
「1998年の金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相=いずれも当時=が行った『韓日共同宣言(21世紀に向けた新たな韓日パートナーシップ)』を復活させる必要がある」

この河村建夫幹事長の暴言といい、日韓議員連盟の一連の動きは看過できません。

基金創設案は、「完全かつ最終的に解決」とした1965年の日韓請求権協定に反することになり、日本は政府も企業も一円も出さないという安倍政権の基本方針と乖離しています。

河村幹事長がさらにたちが悪いのは、安倍首相も文喜相氏の案を肯定的に受け止めたように韓国メディアに間違った印象を誘導している点です。

韓国メディアは、日韓議連の誤ったメッセージを大きく報道しています。

日韓議連がこのタイミングで日本政府の意向を無視して韓国に親しいシグナルを送っているとすれば大問題です。

賠償請求問題は1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決された」と明記されました、それが国家同士の約束事であります。

日本が供与した無償3億ドルには徴用の未払い賃金や被害補償問題の解決金も含まれているのです。

個人で請求したいなら、相手はあくまで韓国政府なはずです。

日韓議員連盟よ、あなた方が過去韓国をさんざん甘やかしてきた主犯なのをおわすれではないでしょうな。

このような暴言を繰り返すならば、我が国にとりその存在価値はありません。

百害あって一利なしです。

すみやかに解散すべきです。

これ以上、日本政府の外交方針を完全に逸脱し韓国に媚びる河村建夫日韓議員連盟幹事長の暴言を許すことはできません。



(木走まさみず)

東京・豊島区は新成人4割が外国人〜この流れは不可避だ、現状を肯定的に受け入れよう

今回は小ネタです。

私は長年IT関連の教育機関で外来講師をさせていただいています、でその関係で何十年もほぼ毎週豊島区の池袋当たりを通っているわけですが。

何年か前からでしょうか、ここは日本なのかはたまた中国なのか、いや東南アジアか、通行する人々のルックス、会話する言語、いや文化の多様化ここに極まれりといった感のある「池袋文化圏」ともいったありようになってきたわけであります。

インバウンドで訪日者も東京では増えているわけですが、豊島区(池袋)で文化多様化が進行しているのは観光客だけでなく、留学生など若者中心に外国人「定住者」も増えているからなのでありますね。

毎日新聞記事によれば、豊島区の新成人の4割が外国人なのであります。

「KIMONO、うれしい」 東京・豊島区は新成人4割が外国人

 成人の日の13日、各地で成人式が開かれた。新成人の約4割が外国人の東京都豊島区では無料で着物を貸し出して着付ける取り組みがあり、留学生らが振り袖や、はかま姿で式典に臨んだ。

 区内の外国人の新成人の割合はこの20年間で10倍になったが、文化の違いなどから参加するのは数%にとどまる。立教大の中国人留学生、呉若嵐(ご・じゃくらん)さん(20)は振り袖姿で「日本で20歳を迎えられて、うれしい」と笑顔。「大人になったという自覚がわいた」と気持ちを新たにした。上智大のフランス人留学生、ローレン・コーナーさん(20)も「着付けしながら日本の美の意識を垣間見られた。日本に少し溶け込めたよう」とはにかんだ。

 総務省によると、新成人の人口は推計122万人で前年比3万人減。総人口に占める割合は10年連続で1%を下回った。【稲垣衆史】

https://mainichi.jp/articles/20200113/k00/00m/040/170000c

うーむ。

この記事は実感がありますなあ。

私が教育機関に講師に行くときに良く利用する池袋のコンビニにはよくある風景ですが無料のタウンワークが積まれているわけです。

場所柄「池袋周辺版」です、表紙はこんな感じです。

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※『木走日記』撮影


求人広告はこんな感じなのです。

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※『木走日記』撮影

「アリガトウゴザイマス」「日本語での日常会話、あいさつができれば」「警備の仕事で活躍できます」のところに着目してください。

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※『木走日記』撮影

興味深いですよね、池袋ではバイトの求人も外国の人を無視してはもはや成立しない時代が来ているわけです。

池袋だけではないのでしょうが、池袋(豊島区)では工事現場の作業員も警備員もコンビニ店員も飲食店店員も外国人の方の割合が高いわけです、場所によっては5割近くが外国人の方だったりしています。

現状を肯定的に受け入れましょう。

少子高齢化の進行する中でこの池袋(豊島区)の姿は5年後10年後の日本の姿を先行して出現させているとはいえまいか?

この流れは不可避なのでしょう。



(木走まさみず)

社説で海自の16条旭日旗を否定する朝日新聞の社旗は八条旭日旗

11日付け朝日新聞社説が興味深いです。

(社説)東京五輪の年に 旗を振る、って何だろう
2020年1月11日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S14322936.html?iref=editorial_backnumber

社説は問いかけから始まります、あなたは旗をふったことがあるか?と。

 あなたはこれまで旗を振ったことがあるだろうか。

 運動会の応援やスポーツ観戦、あるいはイベントやデモに参加したとき……。

 いったい旗とは何か。米国では、星条旗をこう表現するそうだ。「あなたの信じるすべてのものになりうるだろう」

 今年は東京五輪が開かれる年である。多くの人が多くの旗を掲げる機会がありそうだ。メダルを胸に旗を誇らしげに見上げる人もいるに違いない。

 そんな年の始まりに、少しだけ考えてみたい。そもそも人はなぜ、旗を手にするのか。

で、嫌な予感のとおり、日の丸と旭日旗に論は展開していきます。

スポーツ観戦に「旭日旗」を持ち込むことを、「快く思わない人たちがいることがわかっている旗を意図的に振る行為に、「政治的主張」はないといえるのだろうか」と否定します。

 「日の丸」に対しても、複雑な感情を抱く人々がいる。

 戦後75年が過ぎても、そうした人々から見れば、日の丸を掲げる行為そのものが、侵略戦争の暗い記憶を呼び起こすものにほかならない。

 東京五輪で旭日(きょくじつ)旗を振るのを禁止すべきだ――。最近、韓国の人々からは、そんな声も伝えられる。旭日旗は旧日本陸海軍の旗であり、いまも海上自衛隊自衛艦旗である。

 日本政府は「(旭日旗が)政治的主張だとか軍国主義の象徴だという指摘は全く当たらない」と反発している。

 そう簡単に言い切れるものだろうか。

 昨年のラグビーW杯の観客席でも一部で旭日旗が振られた。わざわざ国際競技の場に持ち込む人の目的は何だろう。快く思わない人たちがいることがわかっている旗を意図的に振る行為に、「政治的主張」はないといえるのだろうか。

 旗がまとう背景や、使う人の意図によって旗は色々な意味を映す。受け止める人次第で見え方が正反対になることもある。

朝日社説は「旗の数だけ、それぞれの思いがあっていい」と結ばれています。

 なぜ、旗を掲げるのか。五輪を前に一人ひとりが立ち止まり、自由に考えてみるのはどうだろう。歴史を学ぶ、他者を尊重する、平和の尊さを発信する。旗の数だけ、それぞれの思いがあっていい。

※以下、画像はすべてパブリックドメインとして使用フリーで公開しているウィキペディアとアンクロペディアから引用しています。

少し旭日旗について。その歴史も含めて確認しておきます。

旭日旗、実は色々種類があるのですが、正統派としては、旧大日本帝国海軍の「軍艦旗」であります。

大日本帝国海軍軍艦旗

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Naval_Ensign_of_Japan.svg

旭から伸びる線の数が16本なので「16条旭日旗」と言われています。

で、この大日本帝国海軍軍艦旗は、戦後2つの軍と一つの民間組織に継承されます。

まず旧海軍軍艦旗の「16条旭日旗」をそのまま継承したのが海上自衛隊の「自衛艦旗」であります。

海上自衛隊

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E6%B5%B7%E4%B8%8A%E8%87%AA%E8%A1%9B%E9%9A%8A%E6%97%97.jpg

で、陸自では「八条旭日旗」が採用されています。

陸上自衛隊
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Flag_of_JSDF(20070408).jpg

民間団体では、我らが朝日新聞旭日旗に「朝」の漢字を施して戦前より、この21世紀に至るも、威風堂々、社旗として掲げております(苦笑)、変形八条旭日旗です。

朝日新聞社社旗

http://ja.uncyclopedia.info/wiki/%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E8%81%

この社旗を有する朝日新聞が、社説にて旭日旗を批判する、なんだかなあ「近親憎悪」的展開なのであります。

そもそも「旗(はた)」の起源はどこから来ているのでしょうか。

当ブログには旗の起源に関する正確な知識はありませんが、想像するにおそらく古代から洋の東西を問わず戦さのときの敵・味方の区別に使用されてきたことに由来するのではないでしょうか。

そもそも旗の役割は、ある価値観(ときに部族、ときに民族、ときに宗教、ときに国家、ときにイデオロギー)に基づく味方集団の象徴的な印・記号としての役目だったのでしょう。

ある人間集団を特徴付け、その集団の内なるモノと外なるモノ、敵・味方を区別するための閉鎖的側面を「旗」自体が有しているのでしょう。

作家、城山三郎氏の次の詩は、まさにそのような旗の持つ「閉鎖性」を喝破しています。

「旗」

旗振るな 旗振らすな 旗伏せよ 旗たため

社旗も 校旗も 国々の旗も 国策なる旗も 運動という名の旗も

ひとみなひとり ひとりには ひとつの命

(後略)

「支店長の曲り角」城山三郎著より
http://www.bk1.co.jp/product/863099

ここでは「国旗」も「社旗」も「運動という名の旗」もすべて否定されています。

具体的に例えば、「旭日旗」も「朝日新聞社旗」も「あか旗」もと言い換えるとまたおしかりいただきそうですが・・・

旗を掲げるという行為には、ある種の集団を記号化した旗のもつ宿命的属性としてのその閉鎖性を指摘することは間違ってはいないでしょう。

では、国旗を否定する城山は左翼なのかといえば、それは間違いで、左翼・右翼のイデオロギー的なカテゴリーではくくれない、ディメンジョン(次元)の違う考え、あえてカテゴライズするとすれば、アナーキストといえましょう。

アナーキズムつまり無政府主義は、「未来に於て国家の存在することを否認する」だけでなく、あらゆるヒエラルキーと呼ばれるような階統的な秩序に対して反対する概念です。

無権力ないし無支配を追求し人間個々が階級を持たず自由であるべきとの考えであるアナーキズムは、平等を追求するという意味では左翼思想と親和性はあるのですが、城山の詩にもあるように「運動という名の旗」も否定している点で、共産主義とは一線を期しています。

群れるな、群れたらそこには必然的にくだらない階級が生まれてしまう、強烈な個人主義が根底にあるわけです、それがアナーキーな人々の主張の特徴です。

さて朝日新聞です。 
 
旭日旗を振ることが政治的メッセージを意味するとの理不尽な論説を堂々と社説に掲げる朝日新聞です。

その乱暴な社説で海上自衛隊の16条旭日旗を否定するとするならばです。

筋論として同じ旭日旗系である自らの社旗(八条旭日旗)を降ろさなければなりません。

もしかして旭の射す数(条数)で、8本は良い旭日旗で16本は悪い旭日旗である(苦笑)とかでも思っているのでしょうか?

アホらしい理屈です。

ふう。



(木走まさみず)

石油中東依存率88.25%の日本と1.76%のアメリカ

日本とアメリカにおける取るべきエネルギー安全保障政策について、直近の信頼できるデータを用いて検証してまいりましょう。

少し長くなります、お時間のある読者はどうかお付き合いくださいませ。

イラン情勢をめぐる緊張が続く中、安倍総理大臣は今週末から予定していた中東3か国への歴訪について、アメリカ、イラン双方が事態の悪化を避けたいという姿勢を示していることを踏まえ、予定どおり実施する意向を固めました。

安倍総理大臣は、11日からサウジアラビア、UAE=アラブ首長国連邦オマーンの3か国を訪問いたします。

安倍総理大臣としては、今回の歴訪で3か国をはじめとする関係国に、事態の安定化に向けた外交努力を尽くすとする日本の立場を明確に示すとともに、中東地域への自衛隊派遣の目的も丁寧に説明して理解を求めたい考えです。

(関連記事)

安倍首相 予定どおり中東3か国訪問へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200109/k10012240211000.html

野党や一部メディアからは、中東地域への自衛隊派遣やそもそもの今回の首相中東3か国訪問自体に反対意見があるわけですが、少し冷静にこの訪問を日本政府のエネルギー安全保障政策の一環として俯瞰してみたいです。

まず、今回の歴訪3ヶ国を地図で確認しておきます。

■図1:安倍首相歴訪3ヵ国とイラン・イラク
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※『木走日記』作成

サウジアラビア・UAE・オマーンの三ヶ国はサウジアラビアを中心に、親米・反イランの国であり地政学的にはペルシャ湾を挟んでイランと対峙しております。

さて、経済産業省は以下サイトで直近(平成30年)の日本の国別原油輸入量のデータを公開しています。

経済産業省
石油統計
統計表一覧
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/index.html

それによれば、サウジアラビア・UAE・オマーンの三ヶ国は、日本の国別原油輸入国の、それぞれ第1位、第2位、第9位にあることがわかります。

■図2:日本の原油輸入国ベスト10(2018年)
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https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/index.html
経済産業省石油統計データより『木走日記』作成

グラフでは、アメリカ(青)とロシア(青)以外、3国(緑)を含め中東諸国(赤)が上位8ヵ国を占めていることが確認できます。

あらためて経済産業省石油統計データより、地域別の原油輸入量を図表にしてみましょう。

■表1:国別原油輸入量(2018年)(単位:kl/Unit:kl)

国名 輸入量 中東諸国
カザフスタン 01,512,802
ベトナム 00,471,604
マレーシア 00,777,150
ブルネイ 00,170,784
インドネシア 01,225,348
イラン 06,664,356
イラク 02,595,566
バーレーン 03,356,177
サウジアラビア 67,695,379
クウェート 13,466,843
カタール 14,202,518
オマーン 03,284,662
アラブ首長国連邦 44,894,178
イエメン 00,083,352
ロシア 07,785,624
アメリカ合衆国 04,176,553
メキシコ 01,470,603
コロンビア 00,265,915
エクアドル 01,684,704
アルジェリア 00,358,340
アンゴラ 00,387,291
タンザニア 00,011,619
オーストラリア 00,472,545
パプアニューギニア 00,028,940

経済産業省石油統計データより『木走日記』作成
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/index.html

■図3:国別原油輸入量(2018年)(単位:kl/Unit:kl)
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経済産業省石油統計データより『木走日記』作成
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/index.html

わかりやすく我が国の原油輸入先の中東依存率を円グラフにしてみましょう。

■図4:国別原油輸入量(2018年)と中東依存率(単位:kl/Unit:kl)
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経済産業省石油統計データより『木走日記』作成
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sekiyuka/index.html

日本の石油中東依存率は、156,613,048 / 177,477,098 = 0.8825153252585689、すなわち
88.25%に及んでいるわけです。

さてアメリカです。

米国の原油生産量が2018年に45年ぶりに世界首位になったことが昨年3月、米エネルギー情報局(EIA)の報告書で明らかになりました。

シェールオイルの増産により生産量が17年から約2割増え、世界首位の原油生産国になったのであります。

ここ10年で、アメリカが原油大量輸入国から逆に大量輸出国へと急激に変貌を遂げようとしている、いわゆる「シェール革命」です。

(参考サイト)

資源エネルギー庁
第1節 米国の「シェール革命」による変化
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/1-1-1.html

興味深いのは原油生産量が世界一になっても、大量消費国アメリカですから国内需要を満たせてはいません、原油の輸出量を増やしながらですが、原油の輸入も続いております。

ひとつにはアメリカが生産するシェール石油が軽油中心であり必要な重油を補うことができないからだとされています。

さて、アメリカの石油中東依存率を、やはり直近の信頼できるデータを用いて検証してまいりましょう。

ここに合衆国エネルギー情報局(EIA)の公式サイトがあります。

アメリカ合衆国エネルギー省 エネルギー情報局(U.S. Energy Information Administration (EIA))
https://www.eia.gov/

サイト内のレポートを少し調査してみますと、米国石油輸出入の直近のデータを扱っている興味深いレポートがありました。

Oil: crude and petroleum products explained
Oil imports and exports
https://www.eia.gov/energyexplained/oil-and-petroleum-products/imports-and-exports.php

このレポートによれば、直近2018年のアメリカにおける原油消費の国産(domestic)と輸入(imports)の割合は、国産が86%、輸入が11%であることがわかります。

■図5:アメリカにおける原油消費の国産と輸入の割合(%)
f:id:kibashiri:20200109183520p:plain
https://www.eia.gov/energyexplained/oil-and-petroleum-products/imports-and-exports.php
※合衆国エネルギー情報局(EIA)レポートより『木走日記』作成

また、レポートでは"In 2018, about 16% of U.S. petroleum imports came from Persian Gulf countries"、2018年では米国の石油輸入の約16%が中東(ペルシャ湾岸諸国)からのものであることがわかります。

全消費量の11%にあたる輸入の中でその16%が中東諸国であるわけですから、
米国の石油中東依存率は、
0.11 * 0.16 = 0.0176、つまり1.76%であることがわかります。

■図6:アメリカにおける原油消費の中東依存率(%)
f:id:kibashiri:20200109182726p:plain
https://www.eia.gov/energyexplained/oil-and-petroleum-products/imports-and-exports.php
※合衆国エネルギー情報局(EIA)レポートより『木走日記』作成

日本では数値データとしてはほとんど報じられていませんが、今検証したとおりアメリカにおける石油の中東依存率は2%を割り込んでいます、88.25%の日本から見ると羨ましい数値です。

この事実は、日本とアメリカにおける取るべきエネルギー安全保障政策が当然ながら大きく異なることを意味します。

アメリカは中東で何があろうとも「アメリカはもはや、中東の原油に依存していない」ために「ルールが変わった」のだとBBCニュースは指摘しています。

中東で軍事的危機が発生しても石油供給という点で以前より価格の影響が出にくくなったというのです。

BBCニュース
【解説】 もしも戦争になったら石油はどうなる? イラン司令官殺害

(前略)

ルールが変わった

アメリカの無人機(ドローン)がイラン革命防衛隊の精鋭コッズ部隊を長年指揮してきたソレイマニ司令官を殺害したというニュースに、3日のブレント原油価格は69.5ドルと4%上昇した。

これに合わせ、英BPやロイヤル・ダッチ・シェルといった石油メジャーの株価も1.5%ほど上がった。

バンク・オブ・アメリカコモディティー戦略に携わるマイケル・ウィドマー氏によると、2004年から現在にかけて石油市場を変えた最大の要因は、アメリカが自国で十分な石油を生産し、輸入に頼らなくなったことだという。

アメリカはもはや、中東の原油に依存していないのだ。

「これが実質的なルールを変えた」とウィドマー氏は指摘する。

たとえば、昨年9月にサウジアラビアの石油施設がドローンに攻撃された事件などは良い例だ。

昨年9月にサウジアラビアの石油施設がドローンに攻撃され、同国は一時的に石油の生産を停止した

「石油供給という点では、世界の石油市場にとって最大の事件のひとつだったが、持続的な影響はなかった」とウィドマー氏は話した。

攻撃当日、原油価格は1バレル当たり10ドル近く上昇したが、その後は大きな出来事はなかった。

(後略)

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-50991053

BBCニュースはトランプ氏の8日の声明を分析しています。

BBCニュース
「イランは戦闘態勢から引く様子」とトランプ氏 追加制裁の方針示す
https://www.bbc.com/japanese/51036827

着目すべきは、トランプ氏が「アメリカがエネルギー独立を実現したため、もはや中東の石油に依存していないと主張」し、「北大西洋条約機構NATO)に、これまで以上に中東情勢に関わるよう求める方針」と発言していることです。

北大西洋条約機構NATO)に、これまで以上に中東情勢に関わるよう求める方針も示した。

トランプ氏はさらに、自分の手腕により米経済がかつてなく強くなり、アメリカがエネルギー独立を実現したため、もはや中東の石油に依存していないと主張。また自分の政権によって米軍は刷新されて強力になり、今回の攻撃も被害を最小限に食い止めることができたと述べた。

その上でトランプ氏は、「アメリカの軍事力と経済力が最善の抑止力」だとして、「素晴らしい軍事力と装備を持つからと言って、その力を使う必要もないし、使いたいわけでもない」と強調した。

また、イランがいずれ世界の国々と協調して繁栄する、本来あるべき素晴らしい未来を実現するよう期待すると述べ、「合衆国は平和を求める全ての相手と、平和を受け入れる用意がある」と主張した。

この発言を、ジョナサン・マーカスBBC防衛担当編集委員はこう分析しています。

アメリカがエネルギー独立を達成したと強調し、NATO諸国に「中東のプロセスにもっと関わる」よう呼びかけた。この発言は当然ながら、やはりアメリカは中東での役割にもうくたびれてしまったのだと、そういう意味だと受け止められる。そしてそれは、中東の同盟諸国もNATO加盟各国も、決して歓迎しない。

歴史的に欧米諸国は地下に眠る石油資源その利権目当てに中東諸国に深く関わってきました、多くの血を流し現地で人工的な国境を引いてまで強く干渉してきました。

その中でアメリカが中東石油依存から脱却しつつあり、そこに米軍を駐留させ続ける本質的理由を失いつつあることは重要です。

石油中東依存率88.25%の日本は、今後アメリカが中東においてどう動くのか注意深くその動向を見守りながら、しかし日本として独自の外交チャンネルを中東諸国と保つことが重要だと思います。

幸い日本は中東において過去一滴の血も流していません、中東諸国に親日国が多いのも非白人国として経済的に成功し独自のポジションを築いた日本を好意的に見てくれているのが理由です。

この度の自衛隊派遣をイラン大統領でさえ好意的に理解してくれているのも象徴的です。

(関連記事)

イラン大統領自衛隊派遣に理解示す 安倍首相、核合意停止に懸念
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019122000781&g=pol

今回は、日本とアメリカにおける取るべきエネルギー安全保障政策について、直近の信頼できるデータを用いて検証してまいりました。

中長期的にはアメリカは中東への関わりを薄めていくことは必定でありましょう。

そこに守るべきアメリカの国益がなくなりつつあるからです。

しかし日本はアメリカに追随して中東諸国と距離を置くというわけにはいかないのです。

資源の乏しい日本の国益を俯瞰して捉えれば、このたびの安倍首相中東3国歴訪及び自衛隊中東派遣は、十分に日本のエネルギー安全保障上、国益を守るための外交的布石として支持できます。

同盟国とはいえ、石油を中東に大きく依存する日本は、もはや石油では中東を必要としないアメリカとは、そのエネルギー安全保障政策は異なって当然なのだと考えます。

石油中東依存率88.25%の日本と1.76%のアメリカ、この現実をしっかり踏まえておきたいです。



(木走まさみず)

「ゴーンに選ばれし事実に客観的な唯一の新聞、それは朝日新聞」だと?〜軽くめまいがするほどのタチの悪い笑えないギャグだ

さて、カルロス・ゴーン被告のベイルートにおける会見ですが、興味深いのはゴーン広報側はこれは「会見」ではなく「懇親会」であるとして、招待状を送った各国のメディアだけが選別されて参加できたことでした。

日本のメディアには特に厳しくて、招待状を受け取って参加できたのは3社だけでした。

テレビ東京小学館朝日新聞です。

テレビ局ではテレビ東京のみです。

テレ東が選ばれたのは、看板番組『ガイヤの夜明け』で何度もゴーン氏の特集を組んできた実績や、親会社の日本経済新聞と連携した経済番組などで、逮捕以前から何度もインタビューを行い、その報道姿勢が、ゴーン側に評価されたものと言えます。

定時ニュースで繰り返し鋭く報道していたNHKや、ワイドショーであることないこと面白おかしく報道していた民報他局は全滅というわけです。

出版系では小学館のみです。

興味深いのは、小学館記者から、なぜ一部日本メディアを招かなかったのかと聞かれると、ゴーン被告は「私は日本メディアを差別していない。日本のメディアだけを閉め出したわけでない」としたうえで、「あなたが参加できているのは、客観的な見方ができる方と判断されたからです。正直に言って、プロパガンダを持って発言する人たちは私にとってプラスにならない。事実を分析できない人たちはプラスにならない」と発言しています。

(関連記事)

ゴーン被告 朝日新聞テレビ東京小学館などを入れた訳
https://news.livedoor.com/article/detail/17637749/

新聞社では朝日新聞のみです。

なぜ朝日が選ばれたのか、ライバルの読売が苦々しい記事をおこしています。

過去の報道内容などをチェックした上で、出席を認めるメディアを選別したのだといいます。

読売新聞も出席を申し込んだが、「ゴーン氏に攻撃的な記事を書いている」(ゴーン被告の弁護団の一人)として拒否されたのだそうです。

読売新聞記事より。

過去の報道内容でメディア選別、朝日新聞テレビ東京小学館には出席許可

 【ベイルート=倉茂由美子】ゴーン被告の記者会見場となった報道機関の連盟が入る建物の前には、土砂降りの雨の中、各国の報道陣が大勢詰めかけた。警備員や迷彩服姿の警察官らが厳重な警備を敷き、ゴーン被告を乗せたと思われる車が到着する度にカメラマンらが車を取り囲むなど、物々しい雰囲気に包まれた。

 記者会見は、ゴーン被告側が選んだ一部のメディアだけが出席を許され、拒否されたメディアの記者らは、スマートフォンなどで中継を視聴した。

 出席が許されたのは、レバノンやフランスのテレビ局などで、日本のメディアは多くが出席できなかった。関係者によると、過去の報道内容などをチェックした上で、出席を認めるメディアを選別したという。読売新聞も出席を申し込んだが、「ゴーン氏に攻撃的な記事を書いている」(ゴーン被告の弁護団の一人)として拒否された。朝日新聞テレビ東京小学館は出席した。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20200108-OYT1T50253/

新聞で朝日新聞だけが選別されたのは、当ブログとして一部納得できます。

他紙に比べ朝日新聞の報道はゴーン被告に対してなぜか消極的だと感じていたからです。

ゴーン被告批判より、朝日新聞お得意の角度を付けての、検察・裁判所やひいては政府を含むこの国の体制のあり方批判に明らかに報道の偏りが見られたからです。

例えば、昨年暮れに電撃的に日本脱出を成功したゴーン被告に対して新聞主要5紙はどう報じたか、社説で検証します。

2日付けで社説に掲げたのは日経新聞でした。

【日経社説】日本の主権揺るがすゴーン被告の逃亡
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54013040S0A100C2SHF000/

3日付けで産経新聞が続きます。

【産経社説】ゴーン被告逃亡 保釈を認めたのが誤りだ
https://www.sankei.com/column/news/200103/clm2001030002-n1.html

5日付けで、読売新聞、毎日新聞が続きます。

【読売社説】ゴーン被告逃亡 逃げ得を許してはならない
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200105-OYT1T50054/
【毎日社説】ゴーン被告の国外逃亡 司法の基盤揺らぐ事態だ
https://mainichi.jp/articles/20200105/ddm/005/070/038000c

この段階で朝日新聞社説だけがゴーン被告を取り上げていませんでした。

これだけの大事件なのに朝日新聞だけが一週間も社説で取り上げないのは、少し奇異にうつりました。

今回の会見前、ゴーン前会長側の弁護士は、参加メディアは前会長が選別すると話し、レバノン国外のメディアが参加する場合、招待状が必要とされました。

多くの日本メディアには、この招待状が届かず、参加できなかったわけですが、ゴーン前会長は「日本のメディアが少ないのはなぜか」との質問に答えて「日本のメディアの多くは日産と検察当局の言い分を垂れ流してきた」と批判しています。

それはともかく、おそらく朝日新聞に招待状が届いたのは、今年に入り8日に会見することが決定されてからゴーン側が各国メディア選別したうえで各社に送ったはずです、まあ前日ということはないでしょうから1月1日〜6日ごろに招待状が各社には届いたと推測できます。

朝日新聞はようやく、会見前日の7日付けに社説を掲げます。

(社説)ゴーン被告逃亡 身柄引き渡しに全力を
https://www.asahi.com/articles/DA3S14317743.html?iref=editorial_backnumber

ゴーン被告側になにを忖度したのかしなかったのか知りませんが、朝日新聞社説の結語は意味深長です。

 日本では容疑を認めない人を長く拘束する悪弊が続き、国内外の批判を招いていた。それが裁判員制度の導入などを機に見直しが進み、保釈が認められるケースが増えてきている。ゴーン被告の処遇は象徴的な事例の一つであり、運用をさらに良い方向に変えていくステップになるべきものだった。その意味でも衝撃は大きいが、だからといって時計の針を戻すことはあってはならない。

 捜査・公判の遂行と人権の保障。両者のバランスがとれた保釈のあり方を模索する営みを続けるためにも、今回の逃走の徹底した検証を求める。

今回のゴーン被告逃亡でもって「時計の針を戻すことはあってはならない」とし、「捜査・公判の遂行と人権の保障。両者のバランスがとれた保釈のあり方」を模索していくべきとあります。

「逃げ得を許してはならない」(読売社説、産経社説)などとする他紙社説の結論に比べて、確かに朝日社説の結論はゴーン氏個人への批判は薄れているようにも読めます。

ゴーン氏に「事実を客観的な見方ができる」と評価された唯一の日本の新聞メディア、それが朝日新聞なのでした。

これですね、「事実を客観的な見方ができる」との評価は大いなる誤解です。

朝日新聞だけは本件である「角度」でもって報道する傾向があっただけなのです。

つまり、朝日報道は7日付け社説でも見られるとおり、ゴーン被告に対する個人批判(「逃げ得を許してはならない」(読売社説、産経社説)など)よりも、日本国の有り様、つまり政府や検察や裁判所など日本の法制度に対する批判に、比重が重かっただけなのです。
つまり、ゴーン氏の訴える日本の裁判制度批判と、朝日の報道の偏向した「角度」がたまたまシンクロしただけなのです。

朝日ほど事実を主観的に「角度」を付けて報道する新聞はありません。

「ゴーン被告側に選ばれし事実を客観的な見方ができる唯一の日本の新聞メディア、それは朝日新聞」だと?。

軽くめまいがするほどのタチの悪い笑えないギャグなのです。

ふう。



(木走まさみず)

安倍批判に執着するその異様さが浮き彫りになる【朝日社説】〜米イラン緊張で社説5紙読み比べ

社説読み比べです。

中東の緊張が高まっています。米トランプ政権がイランの革命防衛隊司令官を隣国イラクの首都バグダッドで殺害しました。対してイランは報復を宣言し、軍事衝突の危険が増しています。

これを受けて各紙社説が一斉に取り上げています。

【朝日社説】米イラン緊迫 報復の連鎖を避けよ
https://www.asahi.com/articles/DA3S14316528.html?iref=editorial_backnumber
【読売社説】米イラン緊張 強硬策の応酬に歯止めかけよ
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20200106-OYT1T50249/
【毎日社説】米のイラン司令官殺害 湾岸危機あおる身勝手さ
https://mainichi.jp/articles/20200107/ddm/005/070/061000c
【産経社説】米イラン緊迫 大規模紛争を封じ込めよ
https://www.sankei.com/column/news/200107/clm2001070002-n1.html
【日経社説】中東での報復の応酬回避に全力あげよ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54072830W0A100C2SHF000/

まず、各紙のアメリカ・トランプ政権との距離感が見事に出ています、反米の色彩の強い論説から並べると、【毎日社説】>【朝日社説】>【日経社説】>【読売社説】>【産経社説】となります。

【毎日社説】は、「なにより問題は、トランプ氏の短絡的ともみえる意思決定」と断罪します。

【毎日社説】
 トランプ政権は「差し迫った脅威への自衛手段」と攻撃の正当性を強調する。だが、脅威の詳細を明らかにしていない。米議会から法的根拠への疑問が出るのは当然だろう。

 今回の攻撃にイラクは「主権侵害」と反発し、議会は米軍撤退を求めた。イラクの承諾なしに武力行使したなら国際法違反の疑いが生じる。

 なにより問題は、トランプ氏の短絡的ともみえる意思決定だ。

【朝日社説】も「この人物が米軍の最高司令官を務めている危うさを改めて痛感」とトランプ氏を強烈に批判します。

【朝日社説】
 空爆の現場はイランの隣国イラクの首都で、イラク首相は「主権の侵害だ」と反発している。米軍は、脅威に対応するため3500人を中東に増派するというが、反米感情をあおっているのは米国自身である。

 秋に大統領選を控えるトランプ氏は、自らの弾劾(だんがい)から国民の関心をそらす狙いではないか、との見方もある。真相がどうあれ、この人物が米軍の最高司令官を務めている危うさを改めて痛感せざるをえない。

一方、【日経社説】は「バグダッドの米国大使館が受けるデモや攻撃などの背後にいるとみられてきたのが、殺害された司令官」と米国の判断に理解を示しつつ、とはいえ「危うい選択だと言わざるを得ない」と危惧を示します。

【日経社説】
イランはイラクレバノン、イエメンなどで、同じイスラムシーア派武装勢力を通じて影響力を広げている。そうした工作活動の責任者で、バグダッドの米国大使館が受けるデモや攻撃などの背後にいるとみられてきたのが、殺害された司令官である。

とはいえ、軍事組織幹部の殺害によるイランの反発を米国がどこまで予見し、対応を覚悟したうえでの判断だったのか。危うい選択だと言わざるを得ない。

同様に【読売社説】も、英仏が米国との連帯を表明した事実にふれ米国の行動に理解を示しつつ、しかし大統領選をにらんで「国民に「強い大統領」をアピールする狙いを優先したのなら批判は免れまい」と危惧を示します。

【読売社説】
トランプ米大統領は、自らが殺害作戦を指示したとし、司令官は「テロの首謀者」だとして正当性を強調した。ジョンソン英首相は「彼の死を悼むことはない」と同調し、マクロン仏大統領も米国との連帯を表明した。

 問題は、司令官殺害がイランやイラク反米感情を煽あおり、情勢悪化を招くリスクを、トランプ氏がどこまで認識していたかだ。11月に大統領選を控え、国民に「強い大統領」をアピールする狙いを優先したのなら批判は免れまい。

最後に【産経社説】は「米国にすれば、国民の安全を守るためのやむを得ない措置として司令官の殺害に踏み切った」と理解を示し、「トランプ米政権が今回、米国を脅かす行為をもはや容赦しないという姿勢を明確にした」のだとその行動を肯定いたします。

 昨年暮れにはイラク駐留米軍武装組織の攻撃を受け、米国人軍属も死亡した。米国にすれば、国民の安全を守るためのやむを得ない措置として司令官の殺害に踏み切ったのだろう。

 見逃してはならないのは、トランプ米政権が今回、米国を脅かす行為をもはや容赦しないという姿勢を明確にしたことである。

ご覧のとおり、トランプ政権に対して【毎日】【朝日】は批判、【日経】【読売】は危惧、【産経】は無批判です、綺麗に各紙のスタンスが出ていますね。

さて、このような国際問題を社説で取り上げるときに、日本のメディア社説には、「テンプレート」と言いますか「ひな形」「決められた様式」があります。

社説の結語に日本はどうすべきかに軽く触れて、各紙の論説を結ぶことです。

そして興味深いのは、この社説の結びでは、各紙の日本・安倍政権との距離感が見事に出るのです、親安倍の色彩の強い論説から並べると、【産経社説】>【日経社説】>【読売社説】>【毎日社説】>【朝日社説】となります。

【産経社説】は「米国、イランの双方と強いつながりを持つ日本が担うべき役割は大きい。仲介役として積極的に関わっていくべき」と、安倍外交を支持します。

【産経社説】
 英国とフランス、ドイツの3首脳はイランに合意の順守と暴力行為の停止を求める共同声明を出した。米国、イランの双方と強いつながりを持つ日本が担うべき役割は大きい。仲介役として積極的に関わっていくべきだ。

【日経社説】も安倍晋三首相は年頭記者会見に触れながら「衝突の回避へ両国の橋渡し役となる努力が今こそ、求められている」と安倍外交を支持いたします。

安倍晋三首相は年頭記者会見で「すべての関係者に外交努力を尽くすことを求める。地域の緊張緩和と情勢の安定化のために、これからも日本ならではの外交を粘り強く展開する」と述べた。

日本は米国、イランともに良好な関係にある。衝突の回避へ両国の橋渡し役となる努力が今こそ、求められている。

二紙に比べて【読売社説】は消極的です、「日本を含む全ての関係国が重大さを認識し、事態収拾に努めるべき」と仲介役からは一歩引いています。

【読売社説】
中東の混乱は原油高を招き、世界経済に悪影響を及ぼす。日本を含む全ての関係国が重大さを認識し、事態収拾に努めるべきだ。

対して【毎日社説】は、「護衛艦を予定通り派遣する」より、「双方に自制を促す努力こそ最優先にすべきではないか」と、やんわり安倍外交に否定的な見識を示します。

【毎日社説】
 日本は中東で情報収集する護衛艦を予定通り派遣するという。緊張緩和に向けて双方に自制を促す努力こそ最優先にすべきではないか。

さて最後に【朝日社説】です。

いかなるときも安倍政権批判を忘れない朝日新聞なのですが、今回も【朝日社説】だけは、社説全文で「日本」という国名が一回も出現しません、代わりに社説の結びで「安倍政権」「安倍首相」と名指しで批判します。
「安倍政権は先月に国会論議もしないまま決めた」「反米勢力からは米軍と一体と見なされても不思議ではない」と批判した上で、安倍首相には「国民に正面から説明する義務がある」のだと、義務を課します。

【朝日社説】
 その中東近海に自衛隊を派遣することを、安倍政権は先月に国会論議もしないまま決めた。米主導の「有志連合」には加わらないとはいうものの、反米勢力からは米軍と一体と見なされても不思議ではない。

 外交の常識では予測できないトランプ氏のふるまいに、ただ追随するリスクは明らかだ。安倍首相は中東情勢の緊迫をめぐる見解を示したうえで、何のために自衛隊を派遣し、どんな危険を伴うのかを、国民に正面から説明する義務がある。

おかしなことです。

朝日新聞は 中東近海に自衛隊を派遣することを「反米勢力からは米軍と一体と見なされても不思議ではない」と決めつけます。

しかしながら先月20日、安倍晋三首相はイランのロウハニ大統領と首相官邸で会談、首相が中東への自衛隊派遣計画について説明したのに対し、ロウハニ師は「自らのイニシアチブにより、航行の安全確保に貢献する日本の意図を理解し、透明性を持ってイランに説明していることを評価する」と明言しています。

(関連記事)

イラン大統領自衛隊派遣に理解示す 安倍首相、核合意停止に懸念
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019122000781&g=pol

「反米勢力」のコアであるイラン大統領から「日本の意図を理解し、透明性を持ってイランに説明していることを評価する」と全面的な支持を得ているのです。

朝日社説は、安倍首相なりにしっかり根回ししてイランの理解を得る努力をしてきたことを、一切触れていません。

米イラン緊張も安倍批判に繋げる朝日新聞なのでした。

こうして社説を読み比べてみると、【朝日社説】が如何に安倍批判に執着しているか、その異様さが浮き彫りになります。



(木走まさみず)

パチンコチェーンストア協会政治分野アドバイザーから名前が消えた二人の自民党議員

さて国会議員逮捕者(秋元司容疑者)を出している日本でのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件でありますが、ついに大臣経験者である大物政治家の名前が報道されました、岩屋毅前防衛相であります。

報道によれば贈賄の疑いが持たれている中国企業「500ドットコム」側が現金各約100万円を渡したと供述した衆院議員5人の中の一人であります。

(関連記事)

カジノ汚職聴取の衆院議員5人判明 自民前防衛相ら
[2020年1月4日2時18分]
https://www.nikkansports.com/general/news/202001030000509.html

岩屋毅前防衛相は4日午前に記者会見を開き事実関係を全面的に否定いたします。

岩屋毅
2020年01月04日 13:26
1月4日 記者会見の要旨について
https://blogos.com/article/427481/

その100万円は「同僚議員の地元の政治資金パーティーで、私が講演したことへの感謝の気持ちを込めて、寄附」されたものであると弁明いたします。

【記者会見要旨】

報道にて、中国企業が私を含む5人の衆議院議員に100万円ずつ渡し、IR議連幹部側に工作したとする記事が出ました。

まず、はっきりと申し上げますが、私が中国企業から金銭を受け取った事実は断じてありませんし、まして工作を受けたこともありません。政治資金規正法上も外国企業から寄附を受けることなどあり得ません。

報道によれば、同僚議員の政党支部からの寄附100万円が中国企業からの寄附ではないかとのことです。しかし、この寄附は、平成29年8月の同僚議員の地元の政治資金パーティーで、私が講演したことへの感謝の気持ちを込めて、寄附をしたいとの申し出が同僚議員からあり、平成29年10月5日に政党支部自民党北海道第4選挙区支部)から政党支部自民党大分県第3選挙区支部)へ寄附していただいたものです。

(後略)

ただただ胡散臭い言い分です。

本件は「IR議連」に注目が集まっていますが、その真の裏の繋がりは主要登場人物が「パチンコ」議員であったことです。

事実だけ、粛々と整理しておきます。

昨年5月に当ブログは、当時の韓国擦り寄り発言が止まらない岩屋毅防衛相を批判するエントリーをしています。

この局面で韓国擦り寄り発言が止まらない「パチンコ」議員岩屋毅防衛相
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2019/05/20/162447

岩屋毅防衛相は自他共に認める「パチンコ」議員であります。

岩屋氏は大学在学中は早稲田大学雄弁会に所属し、また選挙でのアルバイトを通じて故鳩山邦夫衆議院議員の事務所に勤務し、大学卒業後は鳩山氏の秘書を務めています。

鳩山邦夫氏といえば、パチンコチェーンストア協会の重鎮の政治分野アドバイザーでありました。

で、岩屋氏は鳩山氏死去後、パチンコチェーンストア協会政治分野アドバイザーを引き継いでいます。

昨年五月時点のパチンコチェーンストア協会政治分野アドバイザーを当時のエントリーで紹介しています。

ご覧のとおり、自民党議員政治分野アドバイザー(25人)の中でナンバー3です、IR議連幹事長でもあります。
f:id:kibashiri:20200104144525p:plain
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/2019/05/20/162447

ご覧のとおりパチンコアドバイザー自民党議員25名の中に、岩屋毅前防衛相の名前も今回逮捕された秋元司容疑者の名前も存在していたわけです。

で、今日確認してみればご覧のとおりです。

f:id:kibashiri:20200104145100p:plain
http://www.pcsa.jp/member.htm

逮捕されて自民党を離党した秋元司容疑者の名前がないのは当然ですが、パチンコ議員ナンバー3だった岩屋毅防衛相の名前も偶然なのでしょうか、消去されています。

二人とも「パチンコアドバイザー」をこのタイミングで離職しております。

この表でも確認いただけますが、IR議連の議員の全てではありませんが、逮捕された秋元司容疑者や岩屋毅前防衛相など多くの「パチンコ」議員達がギャンブル繋がりでIR議連で熱心に活動してきた事実があります。

当ブログは「パチンコ」議員たちを8年前から着目しております。

関連エントリー

政治家やマスメディアが絶対触れない深刻でダークなパチンコ業界問題
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/20120527/1338106493

岩屋毅前防衛相も秋元司容疑者も、ただただ胡散臭い「パチンコ」議員繋がりなのでありました。

今回はなぜか同時期にパチンコチェーンストア協会政治分野アドバイザーから名前が消えた二人の自民党議員について取り上げました。



(木走まさみず)