木走日記

場末の時事評論

首都東京『千年猛暑』をデータ徹底検証〜すでに7月で138年間の観測史上初の連続猛暑

 15日に早くも東京で今年5回目の最高気温35℃以上の「猛暑日」を記録しました。

 どうも下記週刊誌記事の「この2013年の夏は、とんでもなく暑いらしい」との予測が早くも的中し始めたようです。

2013年07月05日(金) 週刊現代
特別レポート40度も!最悪の猛暑に備えよ 超異常気象がやってきた
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36292

 記事冒頭から。

「実は、もう日本は1000年に一度の『千年猛暑』の時代に入っているかもしれないのです」

 天気予報でもおなじみの気象予報士森田正光氏はこう警告する。

「'10年、東京では最高気温が30度を超える真夏日が71日もありました。過去に例のない現象だったのですが、調べてみると平安時代にも真夏日が突出して多い時期があったことが分かった。それで私は、これを『千年猛暑』と呼びました。

 しかしそれ以降、'11年、'12年も真夏日が60日を超える年が続いている。夏が非常に暑い時代に突入したのかもしれない」

 森田氏が懸念するこの現象、肌感覚では、すでに多くの人が感じているのではないだろうか。この頃、どうも気候がおかしい。とくに夏は、異様なほど暑い。

 なかでも、この2013年の夏は、とんでもなく暑いらしいのだ。その兆候はすでに日本全国さまざまなところにあらわれている。

 うーむ、森田正光氏は「日本は1000年に一度の『千年猛暑』の時代に入っているかも」と警告するのですが、『千年猛暑』だか何だか知りませんが、不肖・木走は一応工学系人間なので、『千年猛暑』だの『超異常気象』だの、科学的根拠無く煽ることには与しません。

 記録的猛暑といえば3年前の2010年でしたが、今年2013年が2010年と比べても「なかでも、この2013年の夏は、とんでもなく暑いらしい」と言えるような傾向があるのか、東京地域において徹底的にデータで分析・検証してみたいと思います。

 ・・・

 さてまずは史上最高の暑さを記録した2010年夏のデータを検証しましょう。

 気象庁の公式サイトで観測地点別の過去の気象データを確認できます。

気象庁
過去の気象データ検索
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php?prec_no=44&block_no=47662&year=&month=&day=&view=

 ここから2010年7月、8月、9月92日分の東京の最高気温を拾ってグラフ化してみました。

◆図1:2010年夏の東京の最高気温推移

 9月下旬になるまでほとんどの日が最高気温30℃以上の「真夏日」で、中に35℃以上の「猛暑日」が12回も記録されています。

 「真夏日」と「猛暑日」の分布状態と各日の最高気温が視覚的に見やすいようにグラフを変えてみます。

◆図2:2010年夏の東京の最高気温推移2

 うむ、こうして今グラフ化してみても2010年夏が観測史上最高の猛暑であったことがよく理解できます。

 さてここで2013年7月1日〜15日までの東京の最高気温と2010年のそれを比較して見ましょう。

◆図3:2010年と2013年夏の東京の最高気温比較

◆図4:2010年と2013年夏の東京の最高気温比較2

 ・・・

 うーむ、夏季を7月8月9月の3ヶ月92日とすれば、まだ最初の6分の一を過ぎただけですから、この後のデータをしっかり見守らなければなりませんが、明らかに今年の猛暑のほうがスタート時からターボが掛かっているのが見て取れます。

 ちなみに東京で7月上旬に「猛暑日」が3日以上続くのは、1876年(明治9年)の統計開始以来、初めてなのだそうです。

 東京は138年間で初の連続猛暑をすでにこの7月で記録しているのです。

 うむ、暑いわけです。

 今検証したとおり、『千年猛暑』かどうかは根拠不明ですが、138年間の観測史上初の連続猛暑であることは間違いないようです。

 この夏、日本列島はどこまで暑くなるのか、しっかり見守りたいです。

 読者のみなさん、熱中症には気をつけて、こまめに水分補給してくださいませ。

 ふう。



(木走まさみず)