ホリエモンに政治ができるはずがない〜これは自民の自爆行為だ!
当ブログのここ数日のエントリーに関してですが、自分で振り返って読み直してみても、これはマジメなテキストなのか与太話なのか区別に困るような内容が続いております。
正直、[与太話]にカテゴリーしようかと悩んだエントリーもありましたが、内容は事実に基づいた記述であるとの自負心もあり、やはり[政治]カテゴリーでまとめてきました。
逆説的な言い方になりますが、それほど今の政界に起こっている現実が、奇妙きてれつで笑えることばかりで、与太話化しているということの証でもあると思いました。まあ、読者のみなさまにはどうでもいい話ではあります。
少し真剣に今政界で起こっている騒動について考察したいと思いました。
●「郵政改革を推進したい」〜ホリエモン吠える!
さきほど掲載された朝日の速報から・・・
「郵政改革を推進したい」 総選挙巡り、堀江社長が発言
自民党が衆院選で擁立する方針を示しているライブドアの堀江貴文社長は19日午前、東京都内で記者団に対し、「今回(の総選挙)は郵政民営化が焦点になると思うので、改革を推進していきたいと思っている」と述べた。総選挙に出馬する場合は、郵政民営化を争点に戦いたいとの意向を示唆したものとみられる。
堀江氏の扱いをめぐっては、小泉首相が18日夜、「『ぜひとも広島の選挙区をと希望している』と聞いている」と述べ、堀江氏の希望が亀井静香元自民党政調会長の地元、広島6区からの出馬であることを示唆した。首相発言について記者団からただされた堀江氏は「ああ、そうなんですか」とだけ答えた。
2005年08月19日11時57分 朝日新聞
http://www.asahi.com/politics/update/0819/003.html
ライブドアの堀江貴文社長が「今回(の総選挙)は郵政民営化が焦点になると思うので、改革を推進していきたいと思っている」と述べたのだそうですが、どうなんでしょう、誰がどのような主張をしてどこで立候補するのももちろん、ご当人の自由でしょうが、私としてはまったくもって暗澹たる気持ちになってしまうのです。
よりによって堀江氏を擁立するとは・・・
●「刺客」騒ぎ 何でもありなのか
今日の朝日新聞社説から・・・
「刺客」騒ぎ 何でもありなのか
政治家になりたい。なってもいい。そう思っている人がこんなにいるとは。そう驚いた人が多いのではないか。
郵政民営化法案に造反した議員の小選挙区に対立候補をぶつけ、比例区に著名人を立てる。小泉首相と自民党執行部の要請に、官僚や大学教授、料理研究家、さらにライブドアの堀江貴文社長らが次々と出馬の構えだ。
堀江氏といえば、ニッポン放送株の買い占め問題で、自民党幹部が「カネさえあれば何でもいい、という考え方」と批判を浴びせていた相手である。
首相周辺や執行部が片っぱしから声をかけ、脈があるとみれば首相が自ら口説き、テレビカメラに決意を語らせる。こんな「劇場型」の擁立は確かに目新しい相の「刺客」と話題も呼んだ。
今回の衆院解散を世論は支持し、内閣支持率も上向きだ。自民党が多くの候補者を引き寄せるのは、郵政民営化に賭ける首相の執念とともに、政権党の求心力があるからだろう。
綿貫民輔元衆院議長らの「国民新党」に加わらなかった大半の造反議員たちにも、政権党を離れたくない思いが強い。無所属で当選すれば、いずれ復党もあり得るとはじいているのだ。
私たちは2年前の総選挙で、自民党候補の3人に1人が世襲である実態について「政治は伝統芸能じゃない」と指摘した。今回、公募組も含め多彩な人々が政界をめざすことは大いに歓迎したい。
とはいえ、今回の「刺客」騒ぎになんの違和感もないと言うことはできない。
著名人ならだれでもいい。なりふり構わぬ擁立に、そんなあざとさを感じる有権者もいるだろう。忙しい仕事を持っている人に、どれだけ国政に専念する覚悟があるのか。従来のタレント候補とどう違うのか。そうした疑問もある。
造反議員全員に対立候補をぶつけたとしても、300小選挙区の1割に過ぎない。自民党全体が「世襲王国」から脱皮するわけではない。引退する橋本元首相は次男に3代目を継がせようとする。擁立を主導する首相も安倍晋三幹事長代理も祖父の代からの3世議員である。
政官業の既得権益の代弁者が自民党に集まる。その体質が一変したわけでもない。中身は変わらないのに、真新しい看板で有権者を引きつける。そんな狙いが透けて見える。
騒動の渦中で民主党の影が薄い。萎縮(いしゅく)しているとすれば残念である。
民主党にも労組出身者など特定の利益を代表する議員がいることは事実だ。自民党ほどではないが世襲議員もいる。
一方で、霞が関に見切りをつけた若手官僚や金融機関、松下政経塾の出身者ら多様な人材を、自民党以上に積極的に迎え入れてきた。そうした実績は、民主党こそ「元祖」と胸を張っていい。
今回の騒動は、政治を身近なものにした。それだけでは、もったいない。政治とは、政治家とは、一体なんだろう。改めて考えてみる機会にしたい。
この朝日の社説ですが、あいかわらず『自民党全体が「世襲王国」から脱皮』せよとか、多様な人材をを迎え入れたのは『民主党こそ「元祖」と胸を張っていい』とか、少しとんちんかんな主張も混ざってはいますが、今回の「刺客」騒ぎで、政治が国民の身近なものになり関心を高めているという現状分析は正しいでしょう。
そして朝日社説の主張するとおり、確かにひとつの大きな問題として、郵政民営化法案に造反した議員の小選挙区に対立候補をつぎつぎぶつけ、比例区には著名人を立てるという、小泉自民党の何でもあり戦法にあるようです。
小泉首相と自民党執行部の要請に、官僚や大学教授、料理研究家、さらにライブドアの堀江貴文社長までが次々と出馬の構えだそうです。
●ホリエモンに真摯に政治活動ができるはずがない
堀江貴文氏擁立に至っては何をかいわんやです。
本人曰く「ろくに投票にいったことなどない」男が、その知名度とかねて「放送事業の規制緩和」を主張してきたという微かな一致点のみで、自民党「刺客」候補としてもし立候補するとするならば、いろいろな意味で今回の「刺客」騒動のシンボリックな事象となりましょう。
まず第一に、小泉郵政改革に反対した人間にはこれほどまでも排他的強攻策を徹底的・強権的に押し進めて来ている小泉執行部が、郵政民営化さえ賛成ならば少々主義主張・政治信条がばらばらであっても、ほぼ盲目的に受け入れているという、こっけいな二重基準・ダブルスタンダードの象徴的人物となるでしょう。
おそらく堀江貴文氏には確たる政治信条など持ち合わせていないでしょうし、彼が本業のかたてまに「政治家」という地位を本業に活かす道具としてしか見なしていないだろうことは、これまでの彼の言説から容易に察しがつくことです。
ホリエモンに真摯に政治活動ができるはずがないのは自明なことです。
第二に、安倍さんが「堀江氏は小泉改革の申し子である」という主旨の発言をいまさらしたそうですが、小泉改革の乱暴な決め付け方ではありますが「弱肉強食」的側面を見事に体現した象徴的人物となるでしょう。
料理研究家もそうですが、堀江氏は小泉流規制緩和の結果、自由競争の中を勝ち続けたいわゆる「勝ち組」の代表的人物と見なされるのでしょう。
もちろん彼がたぐいまれな能力を有して現在の地位まで登り詰めてきたことを否定するわけではありませんが。
まさにホリエモン擁立は、小泉流手法の2つの側面、反対派だけに異常に厳しいという候補者評価基準のダブルスタンダードと無分別な自由競争「勝ち組」候補者の乱立、この2点において象徴的事象でありましょう。
私にはもし本当にホリエモンを自民が擁立するならば、これは自民の自爆行為だとしか考えられないのです。
繰り返しますが、ホリエモンに真摯に政治活動ができるはずはないのです。
もし自民党執行部が本当に堀江氏を擁立するならば、国民を馬鹿にしているとしか思えないのです。
読者のみなさまはいかがお考えでしょうか?
●追記 アイタタ、やられた〜木走日記自爆の巻
堀江氏は無所属で出馬する模様です。
堀江氏が広島6区出馬 無所属で亀井氏と対決
ライブドア社長の堀江貴文氏(32)が国民新党の亀井静香元自民党政調会長が立候補する衆院広島6区から無所属で出馬することが19日決まった。堀江氏が同日午後、自民党本部を訪れ、小泉純一郎首相と会談し伝えた。自民党は堀江氏に非公式に出馬要請してきた経緯もあり、広島6区には党公認、推薦候補の擁立を見送り、実質的に支援する。堀江氏は首相との会談後、記者団に「これからの日本の未来を考えると、改革推進は大賛成で(首相と)志は共通だ」と強調。その上で「初めての立候補であり、無所属で自分の志を試したいと決意した。志が同じであれば自由にやらせてもらった方が私にとっても改革路線にとっても一番良い形だと考えた」と説明した。
広島6区からの出馬理由に関しては「郵政民営化に賛成する候補者がいない」ことを挙げた。
一方、郵政民営化関連法案反対の急先鋒(せんぽう)の荒井広幸参院議員は19日、自民党離党届を執行部に提出した。国民新党への参加については「今は離党だけで精いっぱいだ」と述べるにとどまった。
自民党執行部は同日までに、民営化法案に反対した古屋圭司前議員の対抗馬として、岐阜5区で自民党本部職員の和仁隆明氏、反対派の左藤章前議員の大阪2区に元松下政経塾塾生の川条志嘉氏、村井仁元防災担当相が不出馬を表明した長野2区に弁護士の関谷理記氏を擁立することを内定した。
空白区の大阪7区に元杉並区議の渡嘉敷奈緒美氏を立てることが固まったほか、武部勤幹事長は倉田雅年前衆院議員(比例東海)に静岡6区からの出馬を要請した。
堀江氏はニッポン放送の経営権をめぐりフジテレビジョンと株買収合戦を繰り広げ、経済界や政界から賛否両論の議論が巻き起こった。
自民党は調整を急ピッチで進め、19日夜に第4次公認を発表する。(共同)
(08/19 14:25) 産経新聞
http://www.sankei.co.jp/news/050819/sei032.htm
アイタタ、その手があったか・・・
てっきり自民党公認ならば、自民党の自爆行為と考えてのエントリーだったのですが、無所属とは、うーむ、「事実は小説より奇なり」であります。
・・・(汗
「ホリエモンに政治ができるはずがない〜これは自民の自爆行為だ!」というエントリータイトル自体、「木走日記」自爆でございました(爆笑
ううむ、国内政治は複雑怪奇なり。
「初めての立候補であり、無所属で自分の志を試したいと決意した。志が同じであれば自由にやらせてもらった方が私にとっても改革路線にとっても一番良い形だと考えた」
しかしやるなあ、ホリエモン・・・
うーん、事実の展開に当ブログの方がついていけないのでした。
エントリータイトルはこのままサラシモノとして残しておきますです(爆
(木走まさみず)