年末年始休暇延長、賛成か反対か、その評価がコロナ禍で二極化する日本
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会において、年末年始の休暇を前後に伸ばすなど、休暇の延長や分散を呼びかける方針を固めたことが報道されました。
2021年1月4日に仕事始めをする企業が多いと見られていることから、分科会は政府に対して1月11日の成人の日まで休暇期間を延長し、その期間内で休暇を分散して取得するなどの方法を企業に求めると提言しているとのことです。
仮に延長期間がすべて休暇となれば17連休になる可能性があることから「年末年始17連休」と「正月休み延長」がTwitterトレンド入り。
さて本件に関しては日本国内の反応は見事に二分しています。
冬休み17連休賛成派は、ずばり月給が保証されている人たち、正社員や公務員などは、どうせ収入は保証されているのだから休みは多いほど歓迎なわけです。
一方非正規労働者、日給・時給制の人たちは、強烈に反対しています。労働時間の短縮がそれこそ収入の減少に直結しているからです。
また医療関係者や教育関係者などそもそも休むことが難しい人たちもいます。
欧米ではロックダウンなど都市封鎖やマスクを付けなければ罰金を課したりするなど、政府がコロナ対策で強制的な政策をとっていますが、日本では政府はあくまでも「要請」であり「呼び掛け」であり、強制ではないのです。
だから「年末年始17連休」と冬休みを長くするよう政府が国民に要請しても、強制ではないですからそこには一切の補償はありません。
コロナ禍で、最初から収入補償されている正規とまったく補償がない非正規で、年末年始休暇延長に対して、その評価がきれいに二極化しているわけです。
実際、Yahooが実施している世論調査では27日16時時点で、賛成49%、反対42%と二分されていることがわかります。
年末年始の休暇の延長、どう思う?
https://news.yahoo.co.jp/polls/domestic/41842/result
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総務省「労働力調査」によると、2018年において男性22.3%、女性56.4%は非正規であり、総数としては全労働者の38.3%が非正規労働者であります。
少し数値の扱いが乱暴であることは承知の上で言わせてもらえば、年末年始の休暇の延長に反対の42%の人たちは、その多くが休暇延長が収入減に直結してしまう非正規労働者(全労働者の38.3%)であろうことは十分に推測できます。
政府は年末年始休暇を延長するよう要請することを決定いたしました。
この政策に対する国民の評価が、見事に賛成と反対で割れています。
ただ私の個人的な感想ですが、賛成意見の「どうせなら休みは多いほうがいい」という主張に対し、反対意見の「17連休では収入減で生活できない」という主張のほうが、切羽の詰り方が違うと思いました。
年末年始休暇延長、賛成か反対か、その評価がコロナ禍で二極化する日本なのであります。
休暇延長を要請する政府には、補償もなく収入が減ってしまう非正規労働者にもう少し配慮した政策をとっていただきたいと切にお願い致します。
(木走まさみず)