木走日記

場末の時事評論

世界主要国の新型コロナウイルスの感染状況を、世界全体を俯瞰するような地政学的視点から分析してみる

さて、今回は世界各国の新型コロナウイルスの感染状況を、世界全体を俯瞰するような視点から分析してまいりましょう。

新型コロナウイルスパンデミックでは、欧米では感染者が10万以上に爆発し死者数も万を超えている国が多数発生しているのに対し、東アジアなどでは感染者爆発も10万以内に全ての国が抑えられており、死者数も万を超える国はひとつも現出していないのです。

理由はよく分かりませんが、地政学的に国によってかなり偏向した数値が現れていることは事実です、この点を整理してみたいと思います。

世界200ヶ国のすべての数値を拾うことはほぼ不可能な(かつ、統計的にあまり意味はない)ので、主要30ヵ国に絞って分析いたします。

なお、以降の図表に使用するデータは以下の3つのサイトのデータを情報ソースとしております。

世界の人口 国別ランキング・推移(国連)
https://www.globalnote.jp/post-1555.html
データとグラフで見る「新型コロナウイルス」(世界版)|日テレ ...
https://www.news24.jp/archives/corona_map/index.html
人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移【国別】
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/index.html?rg=Africa

主要の30国ですが、推計人口上位30ヵ国に絞ることにいたしましょう。

表にまとめます。

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※国連人口部の推計人口統計「World Population Prospects, 2019 Revision」ベース。
※上記サイトを情報ソースにして、『木走日記』作成

直近のデータでは、日本の人口はメキシコに抜かれて11位なのですね。

ちなみにこの30ヶ国で人口の総和は59億7984.3万人になり、世界総人口77億1346.8万人に占める割合は77.5%となります。

さて地政学的に整理するために、この30ヶ国を5つの地域に、整理することにいたします。

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※『木走日記』作成

このグループ分けは、私が一部恣意的に行いましたことをご留意ください。

まずメキシコですが、地政学的には北米なのですが、北米・ヨーロッパではなく、人種構成的に中南米諸国に入れています。

同様にエジプトは、地政学的にはアフリカなのですが、宗教的・文化的繋がりから、中近東・南アジア諸国に入れています。

また、アジアは大きく東アジア諸国と、南アジア諸国に分けましたが、タイ以東7ヶ国を東アジアとし、ミャンマー以西の、バングラディッシュ、インド、パキスタン4ヵ国は、中近東3ヵ国とまとめて一つのグループとしました。

あらためて上位30ヵ国を地域を色付けしてまとめてみます。

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※上記サイトを情報ソースにして、『木走日記』作成

前準備の地政学的なグループ分けは終わりましたので、ここで世界各国の新型コロナウイルスの感染状況をまとめていきます。

この30ヵ国の表に、最新の『感染者数』と、感染者数を人口で割った『人口100万人あたりの感染者数』を付け足します。

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※上記サイトを情報ソースにして、『木走日記』作成

3行目の米国をご覧ください、人口3億2900万3位の米国ですが、感染者数は唯一100万を超えて124万9614人を数えています、結果『人口100万人あたりの感染者数』も3797人を数えます。

ここで各国の感染者の密度の傾向を分析します、『人口100万人あたりの感染者数』高い順に表を並び替えてみます。

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※上記サイトを情報ソースにして、『木走日記』作成

視覚的によりわかるようにグラフで示します。

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※上記サイトを情報ソースにして、『木走日記』作成

各地域グループで非常にわかりやすい傾向が表出しています。

まず緑色の『北米・ヨーロッパ』グループですが、7ヵ国全てが感染者数10万人を超えており『人口100万人あたりの感染者数』も4桁を記録しています。

他地域から突出している数値がしめされています。

次に青色の『中近東・南アジア』グループですが、7行目(7位)のトルコから、28位のミャンマーまで順位が散逸しています(その理由は後で考察いたします)。

次に黄色の『中南米』グループ、赤色の『東アジア』グループ、紫色の『アフリカ』グループと、感染者の密度が減少していく傾向がはっきり見て取れます。

紫色の『アフリカ』グループの中で南アフリカが突出していますが、人種構成で白人の比率が高く、従って『北米・ヨーロッパ』グループとの人の移動が他国より活発であったことが推測できます。

また南アフリカ以外のアフリカ諸国の感染者数が少ないのは、医療体制が脆弱で単に検査数が少ないだけで実態はこれから明らかになっていく可能性が高いと思われます。

最後に順位が散逸してしまった『中近東・南アジア』グループですが、これは私のグループ分け自体に問題があったと考えます。

地理的にも人種的にもヨーロッパに近いトルコ(7位)・イラン(8位)と、タイの隣国であるアジアのミャンマー(28位)を同一グループにくくることに無理があったのかも知れません。

さて、理由はよく分かりませんが、地政学的に国によってかなり偏向した数値が現れていることは事実です、この点を今回は俯瞰的に整理してみました。

本エントリーが、読者の皆様の少しでも参考になれば幸いです。



(木走まさみず)