木走日記

場末の時事評論

パーティ代一人5000円について愚考する~ホテル側の価格「忖度」があったかもしれない

私個人の経験話ですが、数年前自民党の某派閥の政治資金パーティーに出席したときのことです。
私は別に自民党員でも党友でも何でもないのですが、ビジネスの相手がたまたまその派閥後援会の理事だったのでお付き合いしたわけです。
参加費は一人3万円で、立食形式でしたが、有名ホテルのその会場には溢れんばかりの人がいて、とても食事などにありつけないのでありました。
ドリンク2~3杯いただいて、義理を立てて出た政治資金パーティーなどまあそんなものなんですが、途中で退席させていただきました。
で紙袋に入った「おみやげ」の中には、お菓子とかのほかにその派閥の代表の著作物が入っておりまして、まあこのパーティ1回で何千部かさばいて著作料がっぽり入ったのでございましょう、(いいのか?)。
何が言いたいかと言えば、東京屈指の有名ホテルで開かれたこの政治資金パーティーで、
この派閥はこの1回で約5000万円の資金を集めたのでございます。

収入:パーティ券:3万円*2500人=7500万円
支出:パーティ代:5千円*2500人=1250万円
   諸経費(おみやげ代、書籍代他) 1250万円

収入                 5000万円

収支はこんな感じです。懇意にしていたこの派閥所属の参議院議員の秘書氏に聞いた数字なので、ほぼ正確な値でありましょう。
だいたい自民党のパーティーだと1回で5000万~1億円ぐらいの黒字が相場でして、安倍総理の出身派閥である細田派などでは、1回のパーティで2億円ですよ、どれだけぼったくってんだか(苦笑)。

2年前の時事通信の記事ですと高額ベストテンはこんな感じ、自民ばっかり(苦笑)です。

【図解・政治】特定パーティー収入ランキング(政治資金収支報告)
f:id:kibashiri:20191119103905p:plain
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_pol_politics-seijishikin-grouprank

念のため、この記事の収入はおそらく原価含む収入でありましょう、ですから利益はもう少しすくないでしょうね。
何が言いたいかと言えば、一般に政治家主催の立食パーティーで、一人1万もパーティに原価かけてなんかいられません。

具体的に試算すれば、4000人集めて一人3万円で1億2千万円の収入。
で支出原価は一人5000円で*4000人で2千万円。
で、一億円の黒字と、どんぶり勘定ですがこんなものですよ。

からくりはこうです、有名ホテルの食事は確かに原価を下げにくい、そこで用意する食事の量を人数より少なくするのです、そもそも立食パーティーなどは開いてみないと参加人数は確定しないのです。
ですから3000人参加予定のパーティーで、食事は1万円コースを1500人分注文すれば、3000人参加したら一人あたり5000円の原価になるという寸法です。

安倍首相の前夜祭ですが「5000円」の会費が安すぎるのかといえば、これがそのまま原価だと考えれば、妥当な金額とは言えましょう。
一部でそのホテルは立食パーティは一人1万1千円からしか受け付けないとの報道もありますが、それは報道用建前でしょう。
私が知っている政治家の立食パーティーは、用意する会場の広さと、食事のグレードと数量でほぼ決定されますが、上述したように5千円ぐらい、一万にも満たないのが普通です。
数千名のキャパシティの大会場ならともかく、たかだか800名ほどの会場ならば安く設定できると思います。

だがしかしです。

大切な後援会のメンバーに人数分より少ない食事で原価を抑えることは可能なのでしょうか?

不可能ではないです、しかしそれは現実的には可能性ないでしょう。

ならば、内閣総理大臣後援会に対して、ホテル側の価格「忖度」があったんじゃないのかなあと、疑っている私です。

いずれにせよ、ちっこい話なのです。



(木走まさみず)