なぜマスメディアは小沢氏の脱法行為を指摘しないのか〜自ら明かした狂気の小沢錬金術
東京地検特捜部の事情聴取を受けて小沢氏が説明文を公開しました。
小沢氏配布の資料(PDF)
http://www.videonews.com/file/ozawa100123.pdf
全文テキスト化してみました。
平成22年1月23日
陸山会への貸付け等に関する経緯の説明
本日は、午後2時ころより午後6時30分ころまで東京地検特捜部の要請を受けて事情説明いたしました。
今までは、検察官への説明前の段階だったので、発言を差し控えておりましたが、この機会に、新聞・テレビ等で報道されております陸山会の不動産購入とこれに関する資金の流れ等についてご説明いたします。■陸山会に4億円を貸し付けた経緯
秘書の数も増え、妻帯者も増えたので、事務所兼用の住居を提供したいと思っていたところ、秘書が本件土地を見つけてきて、これはいいのではないかということになりました。秘書に不動産業者にあたらせたところ、土地売買代金額が3億4千万円余りと決まりました。
購入することになりましたが、陸山会の経理を担当していた秘書から各政治団体の資金をかき集めればなんとかなるが、各団体の活動費がほとんどなくなってしまうので、何とか資金調達できないかと言ってきました。私は自分個人の資産の4億円を一時的に貸し付けることにしたのです。
■2004年10月に貸し付けた4億円の原資
(1)1985年に湯島(東京都文京区)の自宅を売却して、深沢(世田谷区)の自宅の土地を購入し建物を建てた際、税引き後残った約2億円を積み立てておいた銀行口座から89年11月に引き出した2億円(2)97年12月に銀行の家族名義の口座から引き出した3億円(3)02年4月に銀行の家族名義の口座から引き出した6千万円を、東京都港区元赤坂の事務所の金庫にて保管していました。04年10月には、同金庫に4億数千万円残っており、うち4億円を陸山会に貸し付けました。
4億円の一部は建設会社からの裏献金であるやの報道がなされておりますが、事実無根です。不正な裏金など一切もらっておりませんし、事務所の者ももらっていないと確信しています。
■4億円の銀行口座への入金や売買代金支払いへの関与
すべて担当秘書が行っており、全く関与していないので、具体的な処理については分かりません。
■所有権移転日を05年にした理由
何の相談も受けていません。購入資金は自分で出しており隠し立てする必要はないし、所有権移転日を翌年にすることに政治的にも何のメリットもないので、なぜ翌年にしたのか分かりません。
■売買代金支払い後に定期預金を組んで預金担保に借り入れをした理由
具体的な事務処理については、関与していないので分かりません。
■融資を受ける際に個人が借り入れ、陸山会に貸し付けた理由
関与していないので分かりません。ただし、以前に陸山会が不動産を購入した際にも金融機関から個人での借入を要請されたこともあったので、担当秘書から銀行の書類に署名するように頼まれ、そういう理由からと思って署名したことはあります。
■収支報告書の記載
本件不動産に関する収支報告書の記載については全く把握していませんでした。また、収支報告書の記載内容について、相談されたり、報告を受けたこともありません。
■収支報告書の内容の確認
常々、担当秘書には、政治団体の収支についてはきちんと管理し、報告するように言っていましたが、実際に私自身が帳簿や収支報告書を見たことはありません。担当秘書を信頼し、実務については一切任せておりました。
担当秘書から、各政治団体ごとの収入支出と残高などの概要について報告を受けることはありましたが、収支報告書の内容を一つ一つ確認したことはありません。
「陸山会の不動産購入とこれに関する資金の流れ等についてご説明いたします」と、不動産購入など許されない法人格のない政治団体にすぎない陸山会がこともあろうか「小沢一郎」個人名義で不動産を購入するという脱法行為について「陸山会の不動産購入」と自ら認めてしまった表現で始まるこの説明文書なのであります。
この文書での彼の説明をすべて真実であると受け止めたと仮定して、彼は驚くべき事実を自ら明かしているのであります。
彼は陸山会に4億円を貸し付けた理由を説明しています。
秘書の数も増え、妻帯者も増えたので、事務所兼用の住居を提供したいと思っていたところ、秘書が本件土地を見つけてきて、これはいいのではないかということになりました。秘書に不動産業者にあたらせたところ、土地売買代金額が3億4千万円余りと決まりました。
購入することになりましたが、陸山会の経理を担当していた秘書から各政治団体の資金をかき集めればなんとかなるが、各団体の活動費がほとんどなくなってしまうので、何とか資金調達できないかと言ってきました。私は自分個人の資産の4億円を一時的に貸し付けることにしたのです。
秘書の寮を購入するのなら小沢氏個人で購入すれば法律に則り諸税も払えばなにも問題はないのに、なんでわざわざ法人格のない政治団体への貸し付けというデタラメのかたちにしたのかは、その理由はいっさい触れていないですが、それはともかく2004年10月に貸し付けた4億円の原資についてその内訳をこう説明しています。
(1)1985年に湯島(東京都文京区)の自宅を売却して、深沢(世田谷区)の自宅の土地を購入し建物を建てた際、税引き後残った約2億円を積み立てておいた銀行口座から89年11月に引き出した2億円(2)97年12月に銀行の家族名義の口座から引き出した3億円(3)02年4月に銀行の家族名義の口座から引き出した6千万円を、東京都港区元赤坂の事務所の金庫にて保管していました。04年10月には、同金庫に4億数千万円残っており、うち4億円を陸山会に貸し付けました。
4億円の一部は建設会社からの裏献金であるやの報道がなされておりますが、事実無根です。不正な裏金など一切もらっておりませんし、事務所の者ももらっていないと確信しています。
89年11月に引き出した本人名義の2億円、97年12月に銀行の家族名義の口座から引き出した3億円、02年4月に銀行の家族名義の口座から引き出した6千万円、これらが原資であると説明しています。
驚きました。
4億の内訳は小沢氏個人名義だけでなく、小沢氏の妻や子息の名義も含まれている、つまり小沢ファミリーの資産ということです。
これが事実だとすればこういうことになります。
法人格の無いつまり法人税を免除されている陸山会は4億の不動産購入のために小沢氏から4億のお金を借り入れます。
その4億のお金は小沢氏ファミリーの原資が含まれています。
そもそも陸山会は不動産購入をこの国の法律では認められていないにも関わらず、なんと「小沢一郎」個人名義で購入いたします(私はこれを重大な脱法行為として批判してきました)。
この瞬間、小沢ファミリーの資産はなんと、陸山会への貸付金4億と不動産4億、つまり瞬時に8億に倍増したのです。
こうなると贈与税も含め、この脱法行為は、数々の重大な税法上の疑義があることは、あらためて説明する必要もないでしょう。
・・・
事実として法的には小沢ファミリーの資産が一夜にして倍増したのです。
自ら明かした狂気の小沢錬金術。
こんなことが許されるはずがありません。
小ブログはメディア関係者も閲覧していることを承知しています。
なぜマスメディアは小沢氏の脱法行為を指摘しないのでしょうか?
<関連テキスト>
2007-01-16 小沢氏、総務省よ、ふざけるな! 3億6千万円の不動産取得が何で人件費なんだ?(怒
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20070116
2007-10-09 「経費」から「収益」が発生する見事な小沢一郎氏の詭弁会計術
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20071009
2010-01-17法に裁かれるかどうか以前に、今回の小沢氏の蓄財手法はそもそも批判されて当然
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20100117
2010-01-21政治団体に集まった浄財で個人名義の不動産を購入した脱法行為が許されるはずがない
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20100121
(木走まさみず)