木走日記

場末の時事評論

この国のメディア(朝日新聞)や野党は、根本的に議論の優先順位がおかしい

さて日本の安全保障上の大問題が浮上しました。

トランプ米政権が2021年度以降の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)について、現状の約4.5倍に当たる年約80億ドル(約8640億円)への増額を要求したことが判明しました。

この数字はとうてい呑めるものではありません。

日本は同盟国の中で最も高い割合を負担しています。試算では駐留経費の負担割合は2015年度で実に86・4%に上利ます、韓国やドイツなどの他の米同盟国に比べ突出しているのです。

日本は米軍基地の光熱費や基地従業員の給与、施設整備費なども負担、日米地位協定上、本来は米側が出すべき分野でも解釈拡大や特別協定の締結などによって支出を拡大させてきました。

駐留経費負担は19年度予算で約1974億円。このほかにも基地周辺対策費や米軍用地の借料、漁業補償、辺野古の新基地建設を含む米軍再編経費や日米特別行動委員会(SACO)関連経費、基地交付金など在日米軍関係経費の総額は約8千億円に達するといわれています。

どうも同盟国の中で飛び抜けて高負担してきた日本の実情を、トランプ氏はどこまで把握しているのか、はなはだ疑問なのではあります。

(関連記事)

思いやり予算、4.5倍に 米政権、80億ドル要求―日本側の反発必至
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019111600320&g=int

もっとも同盟関係を損ねかねない大幅な増額要求には、米政府内からも「正気の沙汰ではない」と批判が出ていますし、このような乱暴な交渉の仕方は間違いなく同盟の信頼関係を悪化させるものであり、同盟国内の反米感情を大きく刺激することになりかねません。

いきなりこれまでの4.5倍の負担要求は、トランプ氏一流の取引(ディール)なのであり、落としどころはもっと現実的な金額になろうとの予測もありますが、それにしても韓国、日本、NATOなど米軍駐留国に軒並み4~5倍の経費負担要求ですから、トランプ米政権の今回の高額負担要求はかなり本気だとする見方が大勢です。

さてこの緊急時に、我が国国会は5000円は安すぎるとかパーティの費用でもめています。

18日付け朝日新聞記事は、鬼の首でも取ったように、前夜祭の領収書を首相が「ない」と言った、明細書も「ない」と言ったと速報します。

桜を見る会前夜祭の領収書、首相「ない」 明細書も否定
https://www.asahi.com/articles/ASMCL3D76MCLUTFK004.html?iref=comtop_8_01

野党は桜を見る会で「解散に追い込む」と鼻息が荒いのです。

(関連記事)

桜を見る会で「解散に追い込む」 立民枝野代表が講演
2019年11月17日 19時58分 共同通信
https://news.livedoor.com/article/detail/17394719/

なんでこんなちっぽけな問題で国会解散しなきゃいけないのでしょうか?

この国のメディア(朝日新聞)や野党は、根本的に議論の優先順位がおかしいのだと思います。

頭が悪すぎなのです。

ふう。



(木走まさみず)