木走日記

場末の時事評論

安倍トランプ自取り写真(日米蜜月)を羨む韓国〜韓国の外交四面楚歌は無能な文政権の外交無策が招いた自業自得だ

少し長めのエントリーです、お時間に余裕のある読者はお付き合いください。

まずは、トランプ大統領と安倍首相の自撮り写真です。

首相官邸ツイッターで公開されたトランプ米大統領(左)と安倍晋三首相の自撮り写真が話題になっております。

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https://twitter.com/kantei/status/1132481574547513344

この写真ですね、あっという間にネットで拡散、海外でも大きく取り上げられます。

例えば英BBCの以下の記事です。

Trump in Japan: US president backs Abe-Kim talks
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https://www.bbc.com/news/world-asia-48421424

米大統領、安倍-金(委員長)会談を支持」("US president backs Abe-Kim talks")と題した記事なのですが、この記事の終わりに自取り写真が使われています。

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https://www.bbc.com/news/world-asia-48421424

記事はトランプ大統領の発言で締められています。

Mr Trump and Mr Abe are regular golf partners, and Mr Trump has said they have "very, very good chemistry".
トランプ氏と安倍氏はゴルフ仲間であり、トランプ氏は「(私たちは)とてもとても相性がいいんだ」と言っている。

この写真ですが、日米二人のリーダーの童心に帰ったような無邪気な屈託無い笑顔が、普段見られないと話題を呼んでいるようですね。

この写真を見ての海外の反応コメントをこちらのサイトが邦訳されています。

海外「これこそ本物の外交だ!」 安倍総理トランプ大統領の自撮り写真が大反響
http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-3080.html

失礼していくつかのコメントをご紹介。

■ 二人とも本物の笑顔ですね。
  そして、二人とも素晴らしいリーダーです☺️ +7 アメリ

■ テクノロジーと文明の発展度において、
  世界1位と2位の先進国の首脳のツーショット👍👍 +6 ベトナム

■ 認めたくない。認めたくないけど、可愛い😂 +1 ノルウェー

■ 2人は完全に心を開き合ってるな……。 +210 国籍不明

■ 2人揃って、なんて可愛らしい笑顔なんだ😆 +3 台湾

■ 「世界は我々がいるから大丈夫だ」
  そういうメッセージが込められた笑顔のように見える。 アメリ

■ この2人がゴルフをしてるということは、
  世界が平和であるというこれ以上ない証拠。 カンボジア

■ ファーウェイのスマホで撮影してたりしてな😂 国籍不明

■ アベさんにしてもトランプさんにしても、
  こんな風に笑うところ、私初めて見たかも。 オランダ

■ 昔は戦争までしたのに、日本人はアメリカを全然憎んでない😳 +2 ベトナム

■ トランプさんが誰かと写真を撮るときに、
  あんな自然な笑顔を浮かべてるを見るのは初めてだと思う。 +4 スペイン

■ こうやってお互いに理解を深める事こそ本物の外交なんだ! +2 ベトナム

まあ、この写真、肯定的な報道だけでなく、アンチトランプ陣営などからは、「お前は日本にまで行ってなにしてんだ?悩みないのか?」などと辛辣なコメントもあり、また「これまでも各国はトランプのご機嫌伺いしてきたが、今回安倍は各国のトランプゴマすり競争のハードルを一気に上げてしまった」と、日本の安倍はゴマすりしすぎじゃないか。との批判もあったりしています。

それでもこの屈託のない二人の笑顔の写真は、「こうやってお互いに理解を深める事こそ本物の外交なんだ!」(ベトナム)などと肯定的コメントも多く、安倍さんとトランプさんの仲のいい関係、現在の日米蜜月関係をある意味象徴的に現している自取り写真なのであります。

私はこの写真は政治家安倍晋三個人が持つ素晴らしい外交力の成果なのだと考えます。

失礼ながら歴代首相の誰と置き換えて考えても、このような満面の笑顔の米大統領との自取り写真を取れる方はおりますまい、いや、当時はスマフォはないとかの時代考証はおいといてです。

当ブログでは、6年前にも「安倍晋三のその外交力の異様な高さ」をエントリーしています、お時間のある読者はご一読を。

2013-09-08
オリンピックの東京開催で見せつけた安倍晋三のその外交力の異様な高さ
https://kibashiri.hatenablog.com/entry/20130908/1378617521

さて世界中で話題になっている、今の日米蜜月関係を象徴している今回のこの写真なのですが、ひとり寂しげにそれを見つめている国が韓国なのであります。

28日付け韓国・中央日報社説は「日米は蜜月なのに韓国は『蚊帳の外』」と題しています。

【社説】日米は蜜月なのに韓国は「蚊帳の外」
2019年05月28日06時49分
https://japanese.joins.com/article/812/253812.html?servcode=100§code=110&cloc=jp|main|top_news

社説は「日本と米国の蜜月の中で韓国は孤立状態に進む雰囲気」との分析から始まります。

日本と米国の蜜月の中で韓国は孤立状態に進む雰囲気だ。安倍晋三首相は訪日したドナルド・トランプ米大統領と一昨日のゴルフミーティングに続き昨日は首脳会談を行った。会談で両首脳は北核問題を含めた韓半島朝鮮半島)事案まで話し合った。安倍首相は会談後の記者会見で「北朝鮮情勢を含め十分に時間をかけて方針の綿密なすりあわせを行った」として「北朝鮮問題で日米の立場は完全に一致している」と明らかにした。安倍首相は拉致問題解決のために金正恩キム・ジョンウン北朝鮮国務委員長と直接会うという決意まで見せた。

文在寅ムン・ジェイン)大統領が北東アジアの首脳からそれとなく排除されている雰囲気」と嘆きます、「北東アジアで韓国だけが大海原の中を漂っている局面」だとします。

今回の日米首脳会談を見ると、むしろ安倍首相が北核仲裁者になったようだ。韓国は仲裁者でなく部外者になったような感じだ。文在寅ムン・ジェイン)大統領が北東アジアの首脳からそれとなく排除されている雰囲気だ。トランプ大統領は文大統領が要請した訪韓に対してまだ確答していない。来月に開かれる大阪20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)直後のトランプ大統領訪韓日程はまだ確定していない。日本は大阪G20サミットの時の韓日首脳会談に対して意思がないとしている。習近平中国国家主席訪韓も、最近、取りやめになった。北東アジアで韓国だけが大海原の中を漂っている局面だ。

この後社説は安倍「おもてなし外交」を「トランプ大統領に密着して日本の国益を守ろうとすること」と賞賛します。

日米首脳会談過程でトランプ大統領に対する安倍首相の「おもてなし」(日本式歓待)もやはりもう一度見てみる必要がある。もちろん、やりすぎなくらいだ。安倍首相はトランプ大統領と相撲を観覧し、ゴルフを一緒に打ち、東京六本木の炉端焼きで夕食を取るなど厚くもてなした。日本では安倍首相の過度な“親切”に冷たい視線が向けられているともいう。狙いははっきりしている。安倍首相のもてなしを通じて親交を築き、急変する国際情勢の中心に立ったトランプ大統領に密着して日本の国益を守ろうとすることだ。

それに比べて韓国政府は「あまりにものんびりしすぎている」と批判、社説は「韓日米安保協力体制に基づいて結束の強い首脳ネットワークを構築しなければならない」と無策の韓国政府をうながして終わっています。

韓国政府は緊迫した国際情勢に対してあまりにものんびりしすぎているようだ。文大統領が4月にワシントンで行ったトランプ大統領との首脳会談で単独面談した時間はたったの2分だけだった。韓米首脳が緊密に議論する時間さえなかった。日本とは外交・経済・軍事など葛藤を解消することができずにいる。時限爆弾ともいえる米中衝突の懸念は韓国経済にさらに奥深く広がっている。

韓半島をめぐる北東アジアは、1950年韓国戦争(朝鮮戦争)以降、最大の非常状況だ。米中貿易戦争と北核問題にしっかりと対処できず、一つ間違えれば経済や安保でともに不覚を取りかねない。北核仲裁者はおろか、尻尾を捕えられて振り回される可能性もある。このような時であるほど、韓日米安保協力体制に基づいて結束の強い首脳ネットワークを構築しなければならない。緊迫した国際情勢で悪材料を好材料に変えるためには、だ。

・・・

「韓国だけが大海原の中を漂っている」

ここへ来て「習近平中国国家主席訪韓も取りやめ」、「トランプ大統領訪韓日程はまだ未確定」、「(日本は)韓日首脳会談に対して意思がない」、中国、アメリカ、日本の主要国からほぼ「蚊帳の外」の状態になっています。

それだけでなく肝心の北朝鮮からも文政権は「空虚な甘言、民族への愚弄だ」と罵倒されます。

(関連記事)

北朝鮮が韓国批判の記事「空虚な甘言、民族への愚弄だ」
https://www.asahi.com/articles/ASM5D4SLYM5DUHBI00N.html

これは自業自得です。

ここへ来ての韓国四面楚歌状態、これは文政権の信頼を欠く外交無策が招いた結果です、自業自得というものです。

トランプ大統領は昨年6月と今年2月の2回、金正恩委員長と会談した時までは文政権の「仲裁外交」を信頼し、受け入れる考えだったのです。

ところが、2回の会談で成果を挙げられなかった後は、米国で「文在寅政権は金正恩委員長の非核化の約束をあまりにも無邪気に受け止めているのではないか」という批判が起こっています。

さらにアメリカは北朝鮮瀬取り」問題で、韓国が裏で北を援助しているのではないかと、疑い始めています。
(関連記事)

米国警備艦北朝鮮の「瀬取り」監視で異例の韓国入り 韓国への警告の意図も?
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/04/post-11919.php

「同盟国」として韓国を信用できなくなっているのです。

また、対日本では、昨年の韓国大法院(最高裁判所)元徴用工賠償判決が出て以降、日本政府の再三の要請を無視し、文在寅政権は6カ月以上何の措置も取りませんでした。

この文政権の外交無策が、今回日本政府がトランプ大統領の支持を得た「韓国を排除して米国の支援や中国・ロシアの了承の下、北朝鮮との新たな関係を推進する」という方針を招いたと言えましょう。

韓国の外交四面楚歌は無能な文政権の外交無策が招いた自業自得なのだと考えます。



(木走まさみず)