木走日記

場末の時事評論

少し潮目が変わった感が漂う石原氏ボケ会見〜性格の悪いババアによる死にぞこないのジジイいじめみたいな

 「死ぬまで生き続けるつもりはない」

 確かにそう聞こえたのでした。

 自宅にてPCで仕事の原稿打ちながら、石原さんの会見を横のTVで確認していたら、冒頭で「『座して死を待つ』わけにはいけない」などと、言い回しつつ、それに続く語りで「・・・死ぬまで生き続けるつもりはない」と石原氏がご発言、私は思わずキーボードを打つ手を止めてTVの画面を確認してしまったのでございます。

 「死ぬまで生き続けるつもりはない」

 確かに御大はこう語っていたのです。

 「死ぬまで生き続ける」ここがよく考えると意味がそもそもわからないけど、それに「つもりはない」という強い否定形がからむと、あら不思議なんかかっこいいの(苦笑)です。

 画面を見れば、年老いたモノノフのような御大のお顔が、宙を睨んでいるのでございます。

 (だいぶ老けてらっしゃるかな、ボケは大丈夫か?)

 どのような文脈からなのか、確かに私の耳には石原御大が「死ぬまで生き続けるつもりはない」と語ったのが聞こえたのでございます。

 さっそくネットで会見記事の文字起こしで確認してみました。

 うむ、どうやら石原氏会見詳報記事の文字起こしを見れば、私が聞き間違えたのは、会見冒頭で田中角栄氏について語っていたコの個所のようでありますね。(文中太字にしてみました)

 たまたまその後に書いた田中角栄(元首相)さんの「天才」という本が評判になったんですけど、あの田中さんが脳梗塞で倒れた後、あのロッキード裁判というまったくインチキの冤罪(えんざい)の裁判と思うものに、憤懣(ふんまん)やるかたなく、一言もしゃべらずに亡くなるまで十数年過ごされた心境というのは、思えば思うほど痛ましい気がしまして、私自身はそのざまで死ぬまで生き続けるつもりはないし、そのことをはっきりさせるためにこういう機会を設けさせていただきました。

豊洲問題
石原氏会見詳報(1)冒頭発言 科学が風評に負けるのは国辱 より抜粋
http://mainichi.jp/articles/20170303/mog/00m/040/006000c

 なるほど、本当は、脳梗塞で倒れた田中角栄氏が後年一言もしゃべれなかったのは思えば思うほど痛ましいと、私自身はそのざまで死ぬまで生き続けるつもりはないと、ここらで言いたいことは言うと、こう言いたかったのでありますね。

 「死ぬまで生き続けるつもりはない」
 (では、いさぎよく、お願いいたします・・・何が?いやなんでもありませぬ(^_^;))

 しかし、いいなあ。

 ・・・

 ドラクエのモンスターカテゴリーであてはめれば、「生きる屍(しかばね)」(=リビング・デッド)系の悲しき自己矛盾を抱えた存在である、「死ぬまで生き続けるつもりはない」石原御大。

 デズニー映画的には、幽霊船&海賊船の骸骨船長のほの悲しい叫び、「浴びるほどワインを飲み干すが、すべて骨の隙間からダダ漏れしてしまうのだ」

 夜な夜な海原をさまよい酒に興じるが、永遠に酔うことはない「生きる屍(しかばね)」の宿命・・・

 ・・・

 ・・・

 さて石原氏の会見であります。

 これをどう評価するか、少し潮目が変わった感があります。

 当ブログはこの会見、石原氏に一本、旗を上げます。

 それまでの「リリー姫の悪代官退治」的わかりやすい勧善懲悪劇から、なにやら登場人物がそれぞれ一癖も二癖もあるミステリーサスペンス劇(じゃっかんホラーとコメディ的要素含む)」に、舞台の雰囲気がガラッと変わったような感じ・・・

 正義の味方ずらしてたリリー姫もよく見るとけっこう性格の悪いババアだよね的な。

 今回の悲壮感漂う石原氏会見は明らかにこれまでの世論に影響を与えましょう。

 なんといいますか、少し言葉が悪いですが、

 「性格の悪いババアによる死にぞこないのジジイいじめ」みたいな、

 やっぱし、どちらにも正義などなかったんだね、みたいな感じ。

 ふう。



(木走まさみず)