木走日記

場末の時事評論

「マター」「マター」って喚く「マター」

 さて推薦候補の敗北を受けて、石原伸晃都連会長は先日の会見で、「党本部マター。お金も党本部が集めた。責任者は谷垣幹事長だ」とのたまいまして、見事にメディアの前で責任転嫁、世間の大顰蹙(ひんしゅく)を買われてしまったのでございます。

(参考記事)

2016.8.2 11:55
東京都知事選】
推薦候補の敗北、石原伸晃都連会長「党本部マター。お金も党本部が集めた。責任者は谷垣幹事長だ」
http://www.sankei.com/politics/news/160802/plt1608020021-n1.html

 で、本日(4日)の会見ですが、性懲りもなく「党本部マター」を再び使って、見事に墓穴をお掘りになられます(苦笑)。

−−残務処理というが、都知事選で勝利した小池百合子さんや応援した若狭勝衆院議員の処分はどうなるのか

「これは党本部マター。党本部の党紀委員会ができた後の話になると思う」

−−党本部マターで(谷垣禎一)幹事長の責任だと話していたが、それに関しては

「そんな話してません」

 だから、「党本部マター」無意味に使いすぎだってば(苦笑)
 
(参考記事)

2016.8.4 13:37
石原伸晃自民党都連会長ぶら下がり詳報】
知事選敗北で辞意表明 「責任」谷垣幹事長発言には「そんな話してません」
http://www.sankei.com/politics/news/160804/plt1608040032-n1.html

 ・・・

 「そんな話してません」って、昨日ご自身が話したこともお忘れになるとか、これはかなり心労が絶えなかったのでしょうな、今回の保守分裂の都知事選で渦中の人にいきなりなってしまったかわいそうな石原伸晃さんなのであります、さぞや伸晃さんにとって今回の都連会長職は激務であったのでありましょう、ご苦労様でございました。

 さて、「党本部マター」ですが、この「○○マター」の使い方は、「デジタル大辞泉」によれば、「名や役職などの後について、それらが管理すべき問題であることを表す」とあります。

デジタル大辞泉の解説
マター(matter)

《原義は問題・事柄の意》俗に、人名や役職などの後について、それらが管理すべき問題であることを表す。「総理―」「人事―」

https://kotobank.jp/word/%E3%83%9E%E3%82%BF%E3%83%BC-634428

 なるほどですね、「党本部マター」これすなわち、「党本部が責任を持つ問題(ボクは関係ないもん)」という意味なのであります。

 しかしなあ、このように不用意に、無意味にと言ってもいいでしょう、やたらに横文字を使う人というのは、実はバカなんじゃないの、という疑惑が私には個人的にあるわけですよ。

 例えば、スピーチで自身のインテリぶりをひけらかすためにやたら横文字ばかり使用するのですが、日本語で表現すればいいところまで無理に横文字にしちゃって結果として本人が何を言っているのかまったく聴衆に伝わらず、「バッカジャナイノ」と、ご本人の知性の無さをひけらかしちゃった、よく居ますよね、こういうオヤジ、カッコつけたのにかえって馬鹿が目立ってしまう、「知性が通常より劣る人」達

 この伸晃さんの「マター」連呼でありますが、私から言わせていただくとパパゆずりなんですよね、石原親子の特徴ですがやたら無意味に横文字を使いたがることなんであります。

 この辺りのこと、当ブログは長年この親子のユニーク発言を観察・分析しておりますので、お時間のある読者はぜひご一読ください(ただし読み物として笑い飛ばしてくださいね、為念)。

(石原親子の「ユニーク発言」に関するエントリー)

2013-04-01 石原慎太郎氏は単なるレトリシャンではない!!〜「石原さん、あなたは見事なシンプルタンだ」(By 木走)
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20130401

2012-09-14 石原伸晃氏の一連の暴言・失言は絶対に止まらない理由
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20120914

 ・・・

 マターのそもそもの意味はもちろん「問題」なんですが、プロブレムの「問題」と使い方がちょっと違うのです。

 口語で「no matter」と「no problem」の使い分けを見れば理解できます。

「無能な石原伸晃は東京から追放すべきじゃないのか」に対して、

「no matter」(問題ない)と答えるのと、「no problem」(問題ない)と答えるのでは、日本語だと同じですが、英語のニュアンスはだいぶ違うのであります。

 「no matter」(問題ない)のニュアンスは「そこに重大な問題などはない」ということであんな雑魚(ざこ)(?)は、「追放しなくていい」という意味合いになりまして、一方「no problem」(問題ない)のニュアンスは、「追放するのに何も問題はない」ということで、あんな雑魚(ざこ)「追放するのは簡単だ」というような意味合いになります。

 ・・・

 さて、なんといいますか、「党本部マター」連呼で、最後まで楽しませていただける石原伸晃さんの発言なのであります。

 東京都自民党にとって、本当の「マター」は石原氏ご自身であったりするわけですが、そこに気付かれる伸晃さんではありますまい。

 「マター」「マター」って喚く「マター」というお話でございました。

 ふう。



(木走まさみず)