なぜ朝日新聞は謝罪しないのか?〜犯罪行為すら謝罪しない新聞に期待するだけ無駄
メディア批評をひとつのテーマにしている当ブログですが、長年この国のマスメディアの報道姿勢を見守ってきましたが、今回の朝日新聞の従軍慰安婦捏造報道検証特集において、朝日新聞が謝罪を行わないことに批判が集中しています。
(前略)
朝日新聞の姿勢として極めておかしなことがある。何故に、日本国の過去と現在と未来に対してこんなひどい中傷や言われなきことを報道した責任について、社長自ら、もしくは編集局長自ら表に出てきて釈明し謝罪しないのか。
5日の1面には、朝日があたかも被害者であるかのようなことを書いている。「言われなき中傷」を浴びたのは日本国だ。先人たちだ。私たちだ。未来の子供たちだ。朝日ではない。
(後略)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140815/stt14081520040015-n1.htm
【朝日の大罪】俳優・津川雅彦が緊急寄稿 慰安婦“大誤報”「どうか見苦しく逃げ回ってほしい」
(前略)
良くやったぞ、朝日の諸君! しかも謝罪しないのは、左翼らしくてよろしい!
訂正には謝罪がつきものだと、ガキでも知っている。僕は子供のころから、すぐに謝るタイプだった。「謝って済むなら警察はいらない」と言い返され、「すみません」に「もうしません」を付け加えたほどだ。
しかし、左翼に「潔さ」は、似つかわしくない。朝日の社長は記者会見もしない。どうか見苦しく逃げ回ってほしい。
(後略)
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20140819/dms1408191140004-n1.htm
なぜ今回朝日新聞は謝罪しないのか?
当ブログとして過去に遡って検証していきましょう。
・・・
10年ぐらい前までは朝日新聞は実は捏造記事が発覚するたびにけっこう謝罪をしていたのであります。
朝日が謝罪をしないメディアに変質していったターニングポイントを押さえます。
読者のみなさんは、その昔朝日新聞が「ジャーナリスト宣言」なる珍妙なキャンペーンを貼っていたのをご記憶でしょうか。
言葉は
感情的で、
残酷で、
ときに無力だ。
それでも
私たちは信じている、
言葉のチカラを。
ジャーナリスト宣言。朝日新聞
http://www.asahi.com/information/release/sengen.html(リンク切れしています)
一連の従軍慰安婦捏造報道以外にも、古くは平成元年の四月二十日に起きた朝日新聞による自作自演事件である、朝日新聞記者が沖縄にある珊瑚礁にK・Yという落書きを発見、夕刊一面で報じたが、その後の調査の結果、朝日新聞記者自身が傷をつけて記事として書いた自作自演捏造報道、
2005年には、長野総局N記者(28)=懲戒解雇処分=が取材しないで虚偽のメモを作り、それに基づく誤った記事を掲載、言ってもいないことを取材したとして記事捏造した「虚偽のメモ」田中知事発言捏造報道が発覚致します。。
この「虚偽のメモ」捏造記事により、朝日新聞は社長以下幹部が全面謝罪会見をし、「解体的出直し」を約束したのであります。
朝日新聞「信頼される報道のために」
「解体的出直し」へ決意 虚偽メモ問題で本社社長らおわび (2005/09/08)
虚偽のメモによる選挙報道問題で、秋山耿太郎朝日新聞社社長は7日、箱島信一・日本新聞協会会長(本社取締役相談役)が協会長の辞意を表明したのを受けて、謝罪の会見を開いた。秋山社長の冒頭発言と、会見の一問一答は次の通り。
http://www.asahi.com/information/release/(リンク切れしています)
そして「解体的出直し」の決意を胸に、朝日新聞は2006年1月から、今後もジャーナリズムの原点に立とうという思いを、力強い言葉に込め「ジャーナリスト宣言。」キャンペーンを展開し始めたのでした。
「ジャーナリスト宣言。」キャンペーンを展開
本社は、1月25日の127周年創刊記念日から「ジャーナリスト宣言。」キャンペーンを展開しています。今後もジャーナリズムの原点に立とうという思いを、力強い言葉に込めました。さまざまな改革に着手し、テレビ・ラジオCMや交通広告などでアピールしていきます。
朝日新聞は1879年(明治12)年に大阪で創刊号を発行してから、長年にわたり読者の皆さまに支えられてきました。
「不偏不党の地に立って言論の自由を貫き…」「一切の不法と暴力を排して腐敗と闘う」……。朝日新聞綱領の一節です。「ジャーナリスト宣言。」は、その原点を今一度見つめ直し、調査報道の充実、時代のニーズに合わせた柔軟な取材組織への変革などに取り組む姿勢を示しています。
「言葉は感情的で、残酷で、ときに無力だ。それでも私たちは信じている、言葉のチカラを。ジャーナリスト宣言。朝日新聞」
こんなコピーにメッセージを託しました。ペンを握り、言葉を組み合わせ、文をつむぎ出し、真実を伝え続ける。きっと何かが変えられる。そんな思いを込めています。
http://www.asahi.com/information/release/sengen.html(リンク切れしています)
捏造でっち上げ報道の反省の上に「解体的出直し」の決意を胸に、「ジャーナリスト宣言。」キャンペーンを展開してきたはずの朝日新聞であります。
「ペンを握り、言葉を組み合わせ、文をつむぎ出し、真実を伝え続ける。きっと何かが変えられる。」そんなジャーナリストとしての思いを込めて展開してきた「ジャーナリスト宣言。」キャンペーンなのであります。
「真実を伝え続ける」です。
・・・
で、またも捏造記事が発覚致します。
2007年2月2日の朝日新聞お詫び記事から・・・
本社記者が記事盗用 読売新聞のHPから
このたび、風物スケッチ写真につく記事で本社員による記事表現の盗用が明らかになり2月1日、本社内で記者会見を開き、事案の概要説明と関係者の皆様にご迷惑をかけたことをお詫びいたしました。
記者会見の概要は以下の通りです。
◇
富山県立山町の特産品「かんもち」に関して、本社が1月30日付夕刊(東京本社版)の社会面やインターネットのホームページ「アサヒ・コム」などに掲載した記事が、読売新聞の記事に酷似していることがわかりました。記事を書いた記者は本社の調査に対し、読売新聞のホームページに同月27日付で掲載された記事を参考にしたと説明し、「盗用」にあたると認めています。本社はこの記者を1日付で管理本部付としました。調査を尽くしたうえで、記者と関係者を厳正に処分します。
記事は最盛期を迎えたかんもち作りの様子をとらえた写真に付けられた約20行のものです。写真撮影、原稿執筆とも丹羽敏通・写真センター員(新潟駐在)が担当しました。丹羽センター員は84年に入社したカメラマンで46歳。06年4月に新潟総局の駐在になり、北陸・信越地方での写真取材をしていました。
ニュースサイト運営会社からの指摘で本社は調査を開始しました。丹羽センター員は1月29日にかんもちを生産している農事組合法人で、その様子を撮影。同日夜、いったん原稿を書いた後、読売の写真の図柄が気になってホームページを閲覧、記事の方も見て自分の原稿の表現を合わせた、としています。
同センター員は「自分の原稿を書き終えた後、読売新聞のホームページを見て表現がうまいなと思い、参考にして書き直した」と説明しています。
●朝日新聞の記事
赤、黄、緑など色とりどりのもちを北アルプス・立山連峰から吹き下ろす寒風にさらす「かんもち」作りが、富山県立山町で最盛期を迎えている。
富山湾特産のシロエビや昆布を練り込んだり、赤カブやクチナシなどで染めたりしたもちを短冊状に切り、ひもでつないで室内につるす。1カ月ほどさらすと豊かな風味が引き出されるという。(後略)
●読売新聞の記事
黄、赤、緑など色とりどりのもちのカーテンを北アルプス・立山連峰からの寒風にさらす「かんもち」作りが、立山町で最盛期を迎えている。
富山湾特産のシロエビや昆布を練り込み、クチナシや赤カブなどで黄や赤に染めたもちを、長さ10センチ、幅4・5センチほどの短冊状に切り、ひもでつないで窓を開けた室内につるす。1か月ほど寒風で乾燥させると、もちの豊かな風味と色が引き出され、サクサクとした食感が生まれるという。(後略)
◆読者の皆さまに深くおわびいたします 朝日新聞社編集担当・三浦昭彦
季節の風物のスケッチ写真に添える文章を書いた記者が、読売新聞社のホームページを見て、情景描写などの表現を盗用していたことが分かりました。記者倫理に著しく反する行為であり、読者の皆さまの信頼を裏切ったこと、読売新聞社や関係者の皆さまにご迷惑をおかけしたことを深くおわびいたします。二度とこのような事態を招くことがないよう、早急に体制を立て直す所存です。
http://www.asahi.com/information/release/20070202.html(リンク切れしています)
堂々と2007年1月30日付夕刊(東京本社版)にて読売記事を完全パクリ盗用記事掲載であります。
で、2007年2月9日付けの毎日新聞記事から。
元写真記者による記事盗用問題を受け、朝日新聞社は、昨年1月からテレビCMや駅広告などで展開してきた「ジャーナリスト宣言。」と題した広告キャンペーンを自粛した。同社によると、社員の不祥事による広告自粛は初めてだという。
このキャンペーンは、05年に取材内容の漏えいなど社員の不祥事が相次いだことから、「ジャーナリズムの原点に立ち、真実を追求する姿勢をなおいっそう強めていく」(広報部)としてスタート。テレビやラジオのほか、駅のホームなどで広告活動を展開していた。
同社広報部は「報道機関として広告自粛が妥当と考えた」と話している。
毎日新聞 2007年2月9日 12時00分 (最終更新時間 2月9日 14時12分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070209k0000e040053000c.html(リンク切れしてます)
「ジャーナリスト宣言」キャンペーンわずか一年で自粛であります。
ふう。
捏造報道への深い反省ではじめた朝日の「ジャーナリスト宣言」キャンペーンが、捏造報道発覚で自粛であります。
「自粛」とありますが、完全にキャンペーンはフェードアウトします。
これを期に朝日は二度とこの「ジャーナリスト宣言」を掲載することをいたしません。
どんな宣言をしても自らの捏造体質が決して変わらないこと、それどころか恥の上塗りであることを密かに身にしみて朝日幹部が自社の体質に理解したポイントであると、当ブログでは睨んでいます。
このあたりから朝日新聞の報道姿勢は特に自らへの報道批判には暴君のように振る舞い出します。
そしてこれを期に朝日新聞は謝罪文を掲載することを止めるのです。
・・・
2009年2月、朝日新聞による、カラ出張などによる架空経費計上による約4億円の「所得隠し」脱税行為が発覚します。
2009-02-24 自らの悪質な「所得隠し」を「申告漏れ」とごまかす朝日新聞
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20090224
いうまでもなく「申告漏れ」と「所得隠し」ではその悪質さが異なります。
「申告漏れ」は、計算誤りにより所得が過少となっていた場合や、税法の解釈の誤り、解釈の相違による過少申告の場合で、通常脱税の範疇に含まれないものとされているのに対し、仮装・隠蔽の事実が認められたなどした意図的な悪質な「所得隠し」は、まさに犯罪行為であり、通常の過少申告加算税に変えて重加算税が賦課される等ペナルティーを受けることになります。
・・・
当時の2009年2月23日付け朝日新聞記事から朝日新聞のコメントをご紹介。
本社5億1800万円申告漏れ 修正申告、関係者を処分2009年2月23日20時3分
朝日新聞社は、東京国税局から08年3月期までの5年間(一部7年間)で、法人所得に約5億1800万円の申告漏れを指摘され、23日に修正申告して法人税約1億700万円を納付した。これに伴う加算税は約3100万円、うち重加算税は約2800万円と見込まれる。東京国税局は、取材費の一部を交際費と認定したり、出張費の過大計上を指摘したりして、編集関連費のうち約3億9700万円を経費とは認めず、重加算税の対象と認定した。このうち、京都総局が出張費などで計上した約1800万円については、カラ出張などによる架空経費と指摘した。
このほか、本社が負担している出向社員給与について、出向先の子会社は自社が負担すべき人件費を本社へ戻し入れることになっているが、約9500万円が戻し入れ不足であるとして寄付金と認定した。また、支払い基準が不明確な販売関連の会社への奨励金約2400万円を寄付金と認定するなど、いずれも申告漏れと指摘した。
朝日新聞社は、これらの認定を受けて、同日付で京都総局の当時の総局長らを停職などの処分としたほか、管理責任を問い、東京、大阪、西部、名古屋の各本社編集局長を減給処分とした。
朝日新聞社広報部の話 申告漏れの指摘を受けたことを報道機関として重く受け止めています。架空経費に関しては関係者を厳しく処分しました。今後一層、適正な経理、税務処理に努めます。
http://www.asahi.com/national/update/0223/TKY200902230288.html
総額3億9700万円という巨額「所得隠し」、脱税事件を起こしながら朝日新聞社広報部は、「申告漏れの指摘を受けたことを報道機関として重く受け止めています。架空経費に関しては関係者を厳しく処分しました。今後一層、適正な経理、税務処理に努めます。」と反省は口にするも謝罪は一切しないのです。
・・・
今検証したとおり、いつからかメディアとして朝日新聞は、自らの行いに誤りが発覚しても、謝罪やお詫びをしなくなりました。
今一度、朝日がそっと放棄したジャーナリスト宣言を味わいを持って読み返しましょう。
言葉は
感情的で、
残酷で、
ときに無力だ。
それでも
私たちは信じている、
言葉のチカラを。
ジャーナリスト宣言。朝日新聞
http://www.asahi.com/information/release/sengen.html(リンク切れしています)
・・・
ふう。
「言葉」を「捏造」と置き換えたら、今の朝日新聞の報道姿勢にピッタリでしょう。
朝日はいつからか自らの犯罪行為すら謝罪しない新聞に成り果てているのです。
期待するだけ無駄です。
(木走まさみず)