木走日記

場末の時事評論

"従軍慰安婦””南京大虐殺””靖国参拝”を次々国際問題化した「報道貴族」朝日新聞エース記者〜事実報道よりも自身の主義主張の方が「正しい」というエリート臭漂う思い上り

 当ブログも早いもので2005年2月に開設以来、9年半余りネット上で情報発信をしてまいりました。

 当ブログの開設以来の重要テーマのひとつはマスメディア批評であります。

 この9年半、当ブログでは朝日新聞だけでなくときに読売グループの醜態、ときに産経新聞の”捏造”記事批判、イデオロギーに拘泥することなくマスメディア批判を展開してまいりました。

2011-03-22 実に見苦しい読売グループの醜態
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20110322

2012-07-25 ■産経が名物コラムで火に油を注ぎ早くも謝罪記事掲載に追い込まれ赤っ恥でござるの巻
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20120725

 前回のエントリーでは、朝日新聞の「お詫び」記事ラッシュに騙されるなと題して、その姑息さを批判いたしました。

2014-09-17■朝日新聞の姑息な「お詫び」記事ラッシュに騙されるな〜朝日が何度詫びようがその罪が許されるわけではない 17:43
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140917

 朝日は「従軍慰安婦捏造報道において事実検証をいまだしていない、「読者のみなさん、媚びる朝日に騙されてはいけません」と結んでいます。

 異様です。

 朝日新聞のこの「お詫び」記事ラッシュはいかがでしょう。

 朝日新聞に二つだけ指摘しておきます。

 記事は新聞社にとって「製品」でしょう。

 その「製品」に大きな問題があり、社会に不利益・迷惑を掛けたならば、普通「お詫び」を繰り返したから免罪になるわけがありません。

 朝日新聞がさんざん叩いてきた「雪印」はどうなりましたか。

 製造停止では済まない社会的制裁を受けてきたじゃないですか。

 その制裁の片棒を担いでいたのは朝日新聞はじめとするマスメディアでしょ。

 自分たちは、「お詫び」をすれば許されるなどと甘く考えないでいただきたい。

 そして朝日が真にお詫びしなければならないのは、朝日捏造報道でいわれなき汚名を着せられた先人たちであり、現日本国民であり、将来の日本国の子孫たちであります。

 朝日が何度詫びようがその罪が許されるわけではないのです。

 「吉田調書」捏造報道でここまでしつこく読者に詫びるとは姑息です。

 本丸は「従軍慰安婦捏造報道にあります。

 読者のみなさん、媚びる朝日に騙されてはいけません。

 今回は少し角度を変えて捏造報道を繰り返してきた過去の朝日新聞記者の報道姿勢を検証しつつ、彼らの歪んだメンタリティについて考察したいのです。

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 一連の従軍慰安婦捏造報道吉田清治の虚偽発言を積極的に取り上げてきた朝日記者は清田治史氏(66)ですが、氏は捏造報道を繰り返しながら朝日社内では咎められることなく出世し、登りつめた最後の肩書きは取締役西部本社代表です。

 現在は退職して帝塚山学院大学人間科学部教授に着任(※1)、そこで「ジャーナリズム論」「マスメディア論」を学生に講義しています。

 ジャーナリストとして順風満帆の人生を謳歌していると言って過言ではないでしょう。

 結果的に虚報により日本の国際的地位を凋落させた一連の従軍慰安婦捏造報道を主導した記者が、何の咎めもなく取締役西部本社代表にまで出世し、現在も大学教授として「ジャーナリズム論」を学生に講義している(※1)、この事実こそ朝日新聞の報道体質を醜く顕しているのだと、当ブログは考えます。

 朝日新聞内部では、自己の主張の前には事実などどうでもよいという、エリート意識、「エリートジャーナリズム」意識が蔓延していたのです。

 当ブログから言わせれば、この国のマスメディアの報道全般に漂う鼻持ちならないエリート臭の権化こそが、「この国のクオリティペーパー」を自負する朝日新聞だからです。

 事実報道よりも自身の主義主張の方が「正しい」というエリート臭漂う「謙虚さ」の微塵もない思い上り、すべての元凶は偏向報道を正当化するこの勘違い甚だしい誤った「エリートジャーナリズム」意識にあります。

2014-09-04 池上さんには謝る朝日新聞の歪んだ「エリートジャーナリズム」意識 より抜粋
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140904

 朝日新聞記者は自分たちをメディアの中の特権階級、いわば「報道貴族」("the nobility in journalism")と勘違いしていたのでしょう。

 事実報道よりも自身の主義主張の方が「正しい」という勘違い甚だしい誤った「エリートジャーナリズム」意識は、何も清田治史氏が特筆されるべき問題記者であったわけではないのです。

 ・・・

 日本軍による大虐殺の舞台とされる南京市に建立された南京大虐殺記念館は、1985年に落成します。

 中国の反日教育のシンボルともされるこの記念館において、英雄扱いをされている唯一の日本人ジャーナリストがいる。朝日新聞の元スター記者、本多勝一です。

 71年8月から朝日新聞紙上で連載された『中国の旅』において、南京大虐殺により<約30万人が殺された>と報じた本多氏であります。

 同館の解説冊子では、本多氏がこのように持ち上げられています。

 日本でも多くの南京大虐殺を研究する学者がおり、さまざまな南京大虐殺に関する日本語版の書籍を出版しています。その中でも有名なのは日本『朝日新聞』の記者本多勝一先生です。

 同館でこうした「お褒めの言葉」を頂いている日本のジャーナリストは本多氏のみです。

 しかし、この”南京大虐殺三十万人説”が疑問視されているのは周知の通りです。

 当時の本多氏の取材は、中国共産党に案内されたもであり、証言者もすべて党から紹介され、御膳立てされています。

 犠牲者が三十万人というのも、根拠のある話ではまったくありませんでした。

 しかし、この本多氏の報道が南京問題に火をつけたのです。

 ”南京大虐殺三十万人説”を国際的に広めたのも、中国政府ではなくほかでもない朝日新聞のエース記者による「裏取り」のまったくない「捏造」報道がキッカケなのでした。

 しかし結果”南京大虐殺三十万人説”は国際的に「正しい」事実と認知され、クォリティーペーパー紙上でのこうした本多氏の報道は、いまなお中国に利用され続けているのであります。

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 火のないところに火種をおこす、同じ構図で、朝日記者が中国を焚きつけたのが「靖国参拝報道」です。

 発火点の記事を書いたのは、古舘伊知郎氏の「報道ステーション」でコメンテーターとしてお馴染みだった、あのロマンスグレー、加藤千洋編集委員(66)であります。

 中国 日本的愛国心を問題視 (中略)今夏を、中国は「世界反ファシズム戦争・抗日戦争勝利40周年」と位置付け、マスコミはこぞって戦争回顧の特集を組んでいる。(中略)同じ「愛国心」が、日本ではかつては軍国主義を底支えする役割を担わされたことを、中国は自らの体験として知っている。それだけに、靖国問題が今「愛国心」のかなめとして再び登場してきたことを、中国は厳しい視線で凝視している。

朝日新聞1985年8月7日付け朝刊)

 この”ご注進”思い込み記事が全ての始まりでした。

 この年の8月15日、中曽根康弘総理(当時)が靖国公式参拝する予定だったことから、加藤千洋記者はその批判記事を展開したわけです。

 しかし、戦後、その時点で、すでに日本の総理大臣は59回も靖国を参拝しており、そのうち22回はA級戦犯の合祀後に行われたものだったのです。

 なおかつそれにも関わらず、中国政府は一度たりとも怒りを示したり、日本を批判することはなかったのです。

 加藤氏の記事が出た頃も、靖国参拝を疑問視する動きは中国にはなかったのです。

 つまり、問題意識を全く持っていなかったわけです。

 しかし、この記事に呼応する形で、8月14日、中国外務省のスポークスマンは、「首相の靖国参拝はアジアの隣人の感情を傷つける」 と牽制の意味も込め、反対表明を行ないます。

 このとき以来、中国がこの問題を外交カードとして利用してきたのはご承知の通りです

 記事を書いた加藤元編集委員は火のないところに火を点けたのです、その点で、この靖国参拝報道は、従軍慰安婦の強制連行に関する捏造記事と全く同じ構図と言えます。

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 「従軍慰安婦」「南京大虐殺」「靖国参拝」、今日日本が国際的に批判されている3つの問題の全てが朝日新聞の当時のエース記者の「捏造」報道がきっかけであることは偶然の一致であるとは言えないでしょう。

 現役の朝日新聞のエース記者である星浩氏が朝日新聞紙面にて「事実と正直に向き合いたい」と題したコラムを掲載しています。

(日曜に想う)事実と正直に向き合いたい 特別編集委員星浩
2014年9月14日05時00分
http://www.asahi.com/articles/DA3S11350291.html

 コラムにて星浩氏は「朝日新聞内で時折、事実の発掘・報道とは別に、行き過ぎたキャンペーンを展開しようという動きが出てくる」ことを正直に認めています。

慰安婦問題の吉田清治氏の証言が事実かどうか、なぜもっと早く点検できなかったのか。吉田調書を、なぜ思い込みを捨てて淡々と読み込めなかったのか。池上彰氏のコラム掲載を見合わせたことも併せて、私たちは猛省しなければならない。

 慰安婦問題を含む人権問題に厳しく目を向ける。東京電力福島第一原発の事故原因とその影響、そして原発のあり方にしっかりと目を凝らす。その姿勢を保ち続けるためにも、報道の誤りをきちんと検証し、事実と向き合う態勢を整えなければならない。

 35年間の記者生活で感じるのは、朝日新聞内で時折、事実の発掘・報道とは別に、行き過ぎたキャンペーンを展開しようという動きが出てくることだ。そうした点が、今回の問題などに通じることなのかどうかも検証すべき課題だろう。

 当ブログは、二か月ほど前、ラジオ番組であるテーマで星浩氏と対談したことがあります。

7月7日(月)星浩 ●戦後69年、「平和教育」伝承の難しさ
http://www.tfm.co.jp/timeline/index.php?itemid=82560&catid=1164

 対談した印象は、星浩さんは他の朝日新聞記者と同様、大変冷静で落ち着いた語り口で博識で聡明なジャーナリストといった感じです。

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 だが、しかしです。

 当ブログが朝日新聞の報道姿勢を批判するとき、その報道に漂う鼻持ちならないエリート臭、「この国のクオリティペーパー」を自負する朝日新聞記者が有する「エリートジャーナリズム」意識をこそ糾弾します。

 事実報道よりも自身の主義主張の方が「正しい」というエリート臭漂う「謙虚さ」の微塵もない思い上り、すべての元凶は偏向報道を正当化するこの勘違い甚だしい誤った「エリートジャーナリズム」意識にあります。

 朝日新聞記者は自分たちをメディアの中の特権階級、いわば「報道貴族」("the nobility in journalism")と勘違いしていたのでしょう。

 事実報道よりも自身の主義主張の方が「正しい」という勘違い甚だしい誤った「エリートジャーナリズム」意識は、何も清田治史氏が特筆されるべき問題記者であったわけではないのです。



(木走まさみず)



<修正履歴>2014/09/21 21:40

(※1)コメント欄より指摘で清田治史氏は9月13日付けで帝塚山学院大学を退職いたしたそうです。
    補記しておきます。

■強制連行捏造の元凶、清田治史が9月13日で帝塚山学院大学を退職
http://hiro-san.seesaa.net/article/405447162.html