木走日記

場末の時事評論

なぜ隠す?朝日新聞は従軍慰安婦捏造記事執筆した当該記者名を公表せよ!

 29日付け朝日新聞に”またも”と表現していいでしょう、記事の訂正とお詫び記事が掲載されました。

慰安婦特集記事の一部を訂正します 朝日新聞社
2014年9月29日05時00分

 8月5日の特集記事「慰安婦問題を考える(上)」で、朝日新聞社は、韓国・済州島で女性を強制連行したとする吉田清治氏(故人)の証言を虚偽だと判断し、吉田氏に関する記事を取り消しました。初報は1982年9月2日付大阪本社朝刊の記事として、「執筆した大阪社会部の記者(66)は『講演での話の内容は具体的かつ詳細で全く疑わなかった』と話す」と記しました。しかし、その後、この元記者は当該記事の執筆者ではないことがわかりました。おわびして訂正します。

 元記者は社内の取材班の調査に対し、当該記事を含めて吉田氏に関する記事を数本書いたと認めていました。しかし、元記者がその後、海外への渡航記録を調べたところ、大阪市内で講演のあった82年9月1日時点で国内にいなかったことが判明し、記憶違いであることが確認されました。その後の吉田氏に関する記事は実際に書いていました。

 特集記事の掲載後、当時の大阪社会部にいた別の元記者が「吉田氏の記事を書いたことが1度だけある。初報は自分が書いた記事かもしれない」と名乗り出ています。

 初報が掲載された経緯については近く設置する第三者委員会の調査結果を踏まえて紙面でご説明します。

http://www.asahi.com/articles/DA3S11375306.html

 8月5日付けの元記事を参考までにご紹介。

済州島で連行」証言 裏付け得られず虚偽と判断
2014年8月5日05時00分
http://www.asahi.com/articles/ASG7L71S2G7LUTIL05N.html

 うむ、従軍慰安婦「強制連行」を捏造した吉田清治の講演を最初に掲載したのは「執筆した大阪社会部の記者(66)」ではないことが当時の該当記者の渡航履歴から判明、当時の大阪社会部にいた別の元記者が「吉田氏の記事を書いたことが1度だけある。初報は自分が書いた記事かもしれない」と名乗り出ているとのことです。

 これは極めて重要な「訂正」です。

 すでに16本にのぼる朝日新聞掲載の吉田関連記事の多くを執筆したのは、元朝日記者の清田治史氏(66)であることは判明しています、この初記事も「執筆した大阪社会部の記者(66)」が清田治史氏(66)を指していると、当ブログは決めつけていました。

(前略)

 一連の従軍慰安婦捏造報道吉田清治の虚偽発言を積極的に取り上げてきた朝日記者は清田治史氏(66)ですが、氏は捏造報道を繰り返しながら朝日社内では咎められることなく出世し、登りつめた最後の肩書きは取締役西部本社代表です。

 現在は退職して帝塚山学院大学人間科学部教授に着任(※1)、そこで「ジャーナリズム論」「マスメディア論」を学生に講義しています。

 ジャーナリストとして順風満帆の人生を謳歌していると言って過言ではないでしょう。

 結果的に虚報により日本の国際的地位を凋落させた一連の従軍慰安婦捏造報道を主導した記者が、何の咎めもなく取締役西部本社代表にまで出世し、現在も大学教授として「ジャーナリズム論」を学生に講義している(※1)、この事実こそ朝日新聞の報道体質を醜く顕しているのだと、当ブログは考えます。

(後略)

<修正履歴>2014/09/21 21:40
(※1)コメント欄より指摘で清田治史氏は9月13日付けで帝塚山学院大学を退職いたしたそうです。
    補記しておきます。

■強制連行捏造の元凶、清田治史が9月13日で帝塚山学院大学を退職
http://hiro-san.seesaa.net/article/405447162.html


2014-09-21■"従軍慰安婦””南京大虐殺””靖国参拝”を次々国際問題化した「報道貴族」朝日新聞エース記者〜事実報道よりも自身の主義主張の方が「正しい」というエリート臭漂う思い上り より抜粋
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140921

 この訂正では記者の匿名性が守られているために真実が全く見えてきません。

 「執筆した大阪社会部の記者(66)」が清田治史氏(66)を指していたのは正しくて、清田氏以外の「大阪社会部にいた別の元記者」が実は執筆していたのか、そもそも清田治史氏と同年齢の別の記者が「執筆した大阪社会部の記者(66)」であったのが、「大阪社会部にいた別の元記者」が実は清田治史氏を指すのか、あるいは清田氏は「執筆した大阪社会部の記者(66)」でも「大阪社会部にいた別の元記者」でもなく関わっていないのか・・・

 朝日新聞自身が一部とは言え、一連の朝日による従軍慰安婦捏造報道」を認めたこの期に及んで、当該「捏造」記事を執筆した責任を有する当事者である記者名を秘匿することは、今後真実を事実に基づいて検証していく上で弊害でしかありません。
 朝日新聞が8月5日、6日に特集した、過去の朝日による従軍慰安婦「捏造」報道の検証特集記事において、朝日新聞は当事者たる各捏造記事を執筆した記者名を誰一人、明らかにしていません。

 当ブログでは責任ある報道を担保するために、マスメディア特に新聞における時事論説や時事報道記事は本来すべて署名記事にすべきとの持論を持っていますが、日本のマスメディアのチキン体質は、たとえ「捏造」記事が判明しても当該記者名を明かすことを徹底的に嫌います。

 これは新聞・TVが今回の神戸の痛ましい事件でも、報道対象の容疑者(犯人と確定したわけではない)や被害者には、徹底的に実名報道するのに、自らが誤報しても責任を追求されないように記者名は絶対秘匿する、自身には甘い二重基準ダブルスタンダードと言わざるをえません。

 朝日新聞は日頃、ネットの匿名性も徹底的に批判します。

 今年のバレンタインデーに掲載された朝日記事も強烈にネット言論空間を批判しています。

「だってネットに載ってたもん」はなぜ強いのか
http://digital.asahi.com/articles/ASG2F6CXZG2FUTIL04L.html

 記事の冒頭が興味深いですのでご紹介。

 裏付けのない話が独り歩きし、もっともらしいまとめサイトが多くのアクセスを集める。インターネットの世界に渦巻く玉石混交の情報は、既存メディアへの不信の表れとも言われる一方、真偽を判断する能力をそいでしまう側面も持ち合わせているという。「だってネットに載ってたもん」という流れと、どう共生していけばいいのだろう。

 〈朝日新聞社に「進藤翔」記者はおりません〉

 1月29日夜、朝日新聞デジタルにアップされた「お知らせ」。サイト内のアクセスランキングは一時的に1位になり、ネットでは「滑稽だ」「珍しいリリース」と話題になった。

 発端は1月25日にあった籾井勝人NHK会長の就任会見だ。質問した記者が「朝日の進藤翔(24)らしい」といううその情報がツイッターで拡散。朝日新聞社は放置できないと判断し、公式サイトにお知らせを出した。

 1月25日にあった籾井勝人NHK会長の就任会見で、「政府との距離の問題について、2001年の番組改変問題があった。慰安婦を巡る問題についての考えは」「先ほどの発言から、慰安婦は戦争していた国すべてにいた、というふうに取れるが」としつこく「従軍慰安婦」問題を質問してNHK会長の「失言」を導き出し、最終的には「発言の取消し」を勝ち取った朝日新聞記者の名称がネットで「「朝日の進藤翔(24)らしい」といううその情報」が拡散したの受け、〈朝日新聞社に「進藤翔」記者はおりません〉と朝日新聞デジタルでお知らせ記事を掲載したわけです。

 当時の記者会見における会長と朝日記者との問答は当ブログでもエントリーしていますので、お時間のある読者はご一読あれ。

2014-01-27■籾井NHK新会長よ、なぜ発言を撤回する?〜朝日新聞により捏造された従軍慰安婦問題を正しただけではないか? http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140127/1390797264

 さて、この〈朝日新聞社に「進藤翔」記者はおりません〉というお知らせ記事に朝日新聞の姑息さが集約されています。

 朝日は、〈朝日新聞社に「進藤翔」記者はおりません〉と堂々と報じますが、ではNHK会長の就任会見で執拗に意図的な誘導質問繰り返した朝日記者は誰なのか、それには一切答えてはいないのです。

 ネットの匿名性を批判する記事においても、このように問題となった自社記者の名前は徹底的に秘匿されます、記者の匿名性は守られるわけです。

 ・・・

 話をまとめます。

 これほどの国際問題にまで発展した、朝日新聞の一連の従軍慰安婦捏造記事において、朝日新聞が問題の記事を執筆した記者名を秘匿することは、事実の検証をする上で弊害でしかありません。

 そもそも真実を国民に伝えるという崇高な使命を有する「社会の木鐸」を自認する責任あるマスメディア、朝日新聞はその社是・社訓といえる「朝日新聞綱領」で堂々と「品位と責任を重んじ」と、自らの報道の責任を重んじると宣言しているではないですか。

朝日新聞綱領

一、不偏不党の地に立って言論の自由を貫き、民主国家の完成と世界平和の確立に寄与す。
一、正義人道に基いて国民の幸福に献身し、一切の不法と暴力を排して腐敗と闘う。
一、真実を公正敏速に報道し、評論は進歩的精神を持してその中正を期す。
一、常に寛容の心を忘れず、品位と責任を重んじ、清新にして重厚の風をたっとぶ。

http://www.asahi.com/shimbun/platform.html

 朝日新聞従軍慰安婦捏造報道を執筆した記者名を隠すことは許されることではありません。

 朝日新聞は当該記者名を公表すべきです。



(木走まさみず)