木走日記

場末の時事評論

嗚呼、またしても精度を欠く談話にもはや涙も出ないぞ、民主党!!

 まあ民主党の罪状を挙げればきりがないと思われるのですが、その中でも後世に長く悪影響を残すであろうひとつに「民主党」という国際的には由緒正しき歴史ある政党名を日本において、たいへん芳(かぐわ)しい香(こう)ばしい単語にしてしまったことであります。

民主党(みんしゅとう、英語: Democratic Party of Japan)

 かつて「反戦・平和」の崇高な理念がそれを叫ぶ組織員の人たちの胡散臭さが乗り移り、「反戦・平和」という言葉そのものが胡散臭い香ばしい単語になってしまったように、今では「民主」という単語自体が香ばしさを有し始めているのであります。

 うむ、実に嘆かわしいことです。

 ・・・

 さて、ここに民主党の談話があります。

一連の鳩山元総理の発言について(談話)
2013年6月28日

民主党幹事長 細野豪志

 25日に、鳩山元総理が香港メディアの取材に対して、わが国固有の領土である尖閣諸島に関して、「中国側から『日本が盗んだ』と思われても仕方がない」と発言したと報道され、さらに昨日、鳩山元総理が中国において同様の発言を繰り返したと報じられた。

 政界を引退し、5月末には離党した民間人とはいえ、元総理の立場を踏まえない発言を党として看過することは出来ない。

 先日も表明した通り、尖閣諸島は日本固有の領土であるという民主党の見解とは全く異なり、同時に鳩山内閣を含めて民主党政権時の政府見解とも異なるものであり、誠に遺憾である。

 加えて、鳩山元総理が中国国内で同様の発言を繰り返したことは、国益を損なう、あまりに無責任な発言というほかない。

 鳩山元総理の尖閣諸島に関する一連の発言に対して、改めて抗議を行うとともに、 今後こうした国益を損なう発言がないよう厳重に申し入れる。

以上

民主党広報委員会

http://blogos.com/article/65327/

 で実に細かいことで申し訳ないのですが、鳩山元総理のことを「5月末には離党した民間人」とすでに民主党とは関係ない人扱いなのですが、この談話の発表時点、すなわち「2013年6月28日」時点ではまだ鳩山元総理は実はまだ民主党員だったのであります。

 6月7日付け朝日新聞記事から。

鳩山元首相、民主離党へ 6月末、慰留に応じず

 民主党鳩山由紀夫元首相が、6月末に同党を離党することになった。鳩山氏の地元選挙区だった北海道室蘭市民主党室蘭支部が7日、明らかにした。鳩山氏は今月2日、室蘭支部の幹部らと面会。鳩山氏が離党の意向を示し、幹部らの慰留にも応じなかった。党費が納められている6月いっぱいで離党するという。

http://www.asahi.com/politics/update/0607/TKY201306070327.html

 この記事は6月7日付けですから、少なくとも鳩山さんは「5月末には離党」なんかしていません。

 元総理大臣でなおかつ民主党創設者である鳩山由紀夫氏を党として批判するというたいへん重要な談話において、肝心の鳩山氏離党のタイミングが間違っているという、実に細かいことですが、これだから民主党は駄目なのであります。

 「5月末には離党した民間人」といいたいがために、本当は6月末なのに一月サバ読んで「5月末」としたならば、公党ととして真実に真摯に対峙する姿勢を放棄している、最低の党であります

 ではなくて、単純な細野豪志幹事長による記憶違いのミスでありそれを民主党広報委員会が間違いに気付かずすなわちチェックもれしてそのままプレスリリースしてしまったとしたら、申し訳ありませんが公党として以前に、「頭が悪すぎる」組織です

 暴言を吐く元民主党総理を現民主党執行部が批判するという、すでに民主党に三行半を突きつけた多くの国民にとって本当はこのような談話はもはやどうでもいいのですが、それでもこんな談話でさえ、精度を欠く民主党なのであります。

 このような組織が前政権をになっていたのであります、国民の1人として嘆かわしい限りであります。

 涙も出ないです。

 ふう。



(木走まさみず)