木走日記

場末の時事評論

我紛争地クリミア半島に突入ス!留まるところを知らないルーピー外交

 鳩山由紀夫元総理の暴走外交活動が止まりません。

 去年、当ブログでは中国や韓国における彼の国益に反する外交発言を取り上げています。

2014-08-21 誰か、ルーピーな鳩山「同志」の不毛な対中国反日発言ループを止めて
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140821

 例えば、2013年6月/27日に、鳩山氏は、中国メディアのインタビューに応じ、尖閣諸島問題について「中国側から“日本が盗んだ”と思われても仕方がない」、「日本政府は係争地であることを認めるべき」などと話します。

 日本の国益を無視する暴走発言を繰り返す鳩山氏なのですが、その国益に反する外交は留まるところを知らないようです。

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 紛争地クリミア半島に突入であります。

 クリミア半島を巡っては、ロシアが昨年3月18日、一方的にウクライナからの独立と自国への編入を宣言し、日本を含む主要7カ国(G7)は「国家間の合意なく領土の帰属変更を行うことは国際法上認められない」として承認していません。

 さて、鳩山由紀夫元首相が今週中にも、ロシアが一方的に編入したウクライナ南部・クリミア半島の訪問を検討していることが5日、分かりました。

 当然のことながら、外務省は「クリミアに対するロシアの主権を容認したと誤解されかねない」と強く中止を求めています。

 菅義偉官房長官も6日午後の記者会見で、鳩山由紀夫元首相がロシアに併合されたクリミアへの訪問を検討していることを受け、「ロシアによる一方的なクリミア併合は決して認められないという政府の立場と大きく違う。訪問の取りやめを強く求める働きかけを行っている」と述べています。

(参考記事)

鳩山元首相:クリミア訪問検討 外務省、中止を強く要請
毎日新聞 2015年03月06日 07時30分(最終更新 03月06日 08時30分)
http://mainichi.jp/select/news/20150306k0000m010122000c.html

鳩山元首相がクリミア訪問検討、取りやめ強く要請=菅官房長官
2015年 03月 6日 16:51
http://jp.reuters.com/article/domesticJPNews/idJPKBN0M20MH20150306

 失笑してしまうのは、鳩山さんの元所属党である民主党の狼狽ぶりです。

 民主党枝野幸男幹事長は6日、鳩山由紀夫元首相がウクライナ南部クリミア半島への訪問を計画していることに関し「その方は元自民党の議員でもあり、元民主党の議員でもある。今は少なくとも民主党に属している方ではない」と述べ、不快感をあらわにしました。

(参考記事)

民主・枝野氏、クリミア訪問計画の鳩山元首相を「元自民」と突き放し 「今は民主にも属していない」
http://www.sankei.com/politics/news/150306/plt1503060044-n1.html

 すでに モスクワ入りしている鳩山由紀夫元総理は、クリミア半島について、「住民の気持ちを知りたい」と述べ、訪問する意向を明らかにしています。

 鳩山由紀夫元総理:「クリミアに住んでおられる方々がどういうお気持ちでおられるのかどうか、この目で見たいというふうには思っています」「(Q.では、やはり伺われるということで?)否定はしません」
 日本政府は、「ロシアの許可を得ての訪問は、クリミアに対するロシアの主権を認めることにつながる」として反対しています。これについて鳩山氏は、「外交をやるのは外務省だけではない」と反論しました。また、「ロシアの事情を理解するのは北方領土問題解決につながる」と持論を展開しました。

 関係者によりますと、鳩山氏は10日にもモスクワを出発し、空路でクリミアに向かうということです。

(参考記事)

鳩山元首相、クリミア訪問を明言
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=106459

鳩山元総理「クリミア訪問否定しない」(03/10 05:57)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000046006.html

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 まとめます。

 鳩山由紀夫氏は政界を引退されたとはいえ元日本国内閣総理大臣という肩書を有しています、一個人ではありません。
 鳩山氏が政府の方針に反して外交活動をするのは、諸外国から日本の「二元外交」と見なされ国益を大きく損ねます。
 鳩山氏の個人的思いは知る由もありませんが、氏が「二元外交」をまさに目指していることは「外交をやるのは外務省だけではない」(鳩山氏)の発言にも見られるとおり確信犯と思えます。
 まさに国益に反するルーピー(くるくるパー)な振る舞いだと批判されても当然でしょう。
 先月、シリアに渡航を計画していた新潟市のフリーカメラマンに対し、外務省は、シリア北部などを支配地域とするISによる日本人人質事件を受けて渡航自粛を要請、杉本さんが応じなかったため、旅券法の邦人保護規定を初めて適用して返納を命じ、渡航を阻止しました。

 さいわい、外務省はクリミア半島地域に対して紛争危険地域として「渡航延期勧告」を出しています。

 外務省は即刻、鳩山由紀夫元総理のパスポートを強制返納、没収すべきではないでしょうか。

 時間的に間に合わないならば、帰国後ただちに彼のパスポートを強制返納させることは法的にできないのでしょうか。

 彼のパスポートを取り上げることは、広い意味で旅券法の邦人保護規定に適合すると思うのですが・・・まあ、無理なのでしょうねえ。

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 ふう。

 留まるところを知らないルーピー外交なのであります。

 頭が痛いです、しかしこの事態も、彼を総理大臣にした私を含めた日本国民にその責任の一端はありましょう。



(木走まさみず)