脱原発派にとって真に怖いのは「愚かな味方」である〜原発問題に芳ばしいイデオロギッシュな色を付けて自己の政治的主張に利用する「9条の会」仲間
当ブログは脱原発派であります。
あくまでも科学的にそして経済合理性も含めた考察の上で、この日本では原発はベースロード電源としては科学的に将来の事故のリスクが高い、従って経済的にも結果として高くつく可能性が高い、という論を展開してきました。
世界有数の地震国・火山国である日本の特殊性に基づいてできうる限り科学的データに基づいて冷静な議論をしてきたつもりです。
(参考エントリー)
2014-10-02 火山噴火の予知の困難性について考察する
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20141002
2012-05-07 世界地震震央分布と世界原発マップを重ねてみた
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20120507
2012-02-22 M7超級の大地震が五ヶ月に1回発生する国に原発は稼動可能なのか?
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20120222
しかるに最近「脱原発」を論ずること自体が肩身が狭いのであります。
元凶は原発問題に芳ばしいイデオロギッシュな色を付けて自己の政治的主張に利用する人々がいるからです。
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「『さようなら原発』一千万署名 市民の会」の発起人であるジャーナリストの鎌田慧氏と、作家でノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏が会見を行っています。
2015年03月10日 17:39
【詳報】「今、日本は戦後最大の危機を迎えている」大江健三郎氏、鎌田慧氏が会見
http://blogos.com/article/107525/
うむ、著名な文化人がどのような主張を公式な場で開陳されてもこの国では言論の自由が保障されているわけでご自由なのですが、次のような発言はいかがなものでしょうか?
福島、国内からの声にも、ドイツからの新しい世界の核政策についての決断、そこからの呼びかけにも全く答えないでいる政府がいる。
それは尖閣諸島の問題につきましても、竹島、韓国の方々の言い方では独島の議題とも同じです。アジア諸国との関係も非常に悪い状態にあるということを明らかに知っていながら、政府にそれを作り変えようという意思があるとは思えない。そのための努力を何もしていない。
その証拠に、今の首相が韓国、あるいは北朝鮮の政治家たちと話し合いをすることは途絶えたままですし、中国に対してもそうです。アメリカの占領期は別ですが、戦後、こんな日本に全くなかったことが行われて、福島以後の危機を最も全面的なものにしてしまっている。
それが現状だということが僕の申し上げたかったことなんです。(大江氏)
なぜエネルギー政策としての「原発反対」を論じるのに、「尖閣諸島」や「竹島」の領土問題や中国や韓国との外交冷却問題を絡ませて安倍政権批判を展開するのか、どうしてイデオロギッシュな色を芳(こう)ばしく付けてしまうのでしょうか?
大江健三郎氏と鎌田慧氏と言えば日本のリベラル文化人の巣窟である「9条の会」仲間であるわけですが、このようなイデオロギッシュな人々が「原発反対」を唱えること自体、良心的な脱原発派にとっては迷惑以外のなにものでもないわけです。
なぜ純粋なエネルギー政策議論に科学的知見や経済的知見ではなくイデオロギッシュな色を付けて論じる必要があるのでしょうか。
この発言を受けて、私は17世紀フランスの詩人であるジャン・ド・ラ・フォンテーヌの残した格言を思い出しました。
賢い敵は恐ろしくない。本当に怖いのは愚かな味方だ。
真に怖いのは「愚かな味方」なのであります。
(参考エントリー)
2014-01-31 なぜ声だかに脱原発を唱える人々は非科学的な残念な人が多いのか?
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20140131
(木走まさみず)