ゲゲゲのナベツネ『大連立』〜やはりオバケは死なないのか?
なんなんでしょう、この一両日の政界の不穏な動きは。
どうも民主・自民の大連立を巡り、なにやら胡散臭い政界の魑魅魍魎(ちみもうりょう)達が大発生しています。
読売新聞記事から。
鳩山兄弟、小沢・舛添氏会談…政界再編も話題に
民主党の鳩山前首相、小沢一郎元代表、前首相の弟の鳩山邦夫元総務相(無所属)、新党改革の舛添代表の4氏が8日夜、東京都内のすし屋で会談した。
出席者によると、前首相と小沢氏は「菅政権は我々を切って政権を浮揚させようとしている。協力しようがない」との見方で一致した。連立政権の枠組みを増やすことや、政界再編も話題となった。会談は前首相が呼びかけた。
(2010年12月8日22時33分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101208-OYT1T01026.htm
まずは鳩山由紀夫、小沢一郎、鳩山邦夫、舛添要一の4氏がすし屋会談ですか、なんだかキャラが濃いのがあつまったなあ(苦笑)。
で、日経新聞記事から。
大連立の動き浮上か 渡辺恒氏が主張、自民総裁は否定
2010/12/8 19:46 (2010/12/9 1:12更新)自民党の谷垣禎一総裁は8日、党本部で渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長と約1時間、民主党と自民党との大連立構想を巡って意見交換した。同党幹部によると、渡辺氏が大連立の必要性を主張、谷垣氏は「小沢一郎元代表を切れないような民主党とは組めない」と否定的な考えを示したという。
渡辺氏は福田政権下で浮上した大連立構想に関与したとされる。7日夜には鳩山由紀夫前首相とも会った。
菅直人首相は8日、首相官邸で自民党の森喜朗元首相と会談し、第2次世界大戦の日本兵の遺骨収集のため、14日に硫黄島を訪れる計画を説明した。首相と森氏は超党派で問題解決に取り組む考えで一致した。森氏も福田政権で浮上した大連立構想にかかわった。首相は記者団に「超党派でしっかりやろうと話をした」と述べ「政局の話をしたのか」との質問には首を横に振った。
谷垣禎一自民党総裁には、出たな妖怪ナベツネこと渡辺恒雄読売新聞会長であります。
で、テレ朝ニュース記事から。
「大連立すべきではない」小泉氏らが反対姿勢強調(12/09 05:52)
小泉元総理大臣は、自民党の二階元国土交通大臣らと都内で会合を開き、民主党や自民党による大連立の動きに反対する考えを示しました。
自民党・山崎拓元副総裁:「大連立に関しては、小泉さんも皆、反対でした」
また、小泉氏は、民主党の小沢元代表や鳩山前総理大臣の動きを「新党が目的だろう」という見方を示したうえで、「その新党とはくみしないほうが良い」と述べたということです。さらに、「民主党の分裂を阻止して、何とか菅総理にやらせることが自民党にとって大事だ」と強調しました。
ああ小泉純一郎元首相にヤマタクこと山崎拓元副総裁に二階俊博元国交大臣ですか。
ゲゲゲ!
『大連立』を巡り魑魅魍魎大発生であります!!
春はまだ遠いという師走なのに、いっぱい懐かしいお名前がうごめき出しましたね。
日経新聞記事から。
自民・石破氏、大連立「脱小沢の民主なら」 可能性に言及
2010/12/9 10:13自民党の石破茂政調会長は9日午前、都内で講演し、今後の政局について「もし仮に小沢一郎氏のグループ抜きの連立を菅直人首相のグループが持ちかけてきたら『脱小沢』の民主党と自民党が組むのはあり得ない話ではない」と、民主党との大連立政権の可能性に言及した。そのうえで「連立するなら、すぐに選挙をして国民の信任を得ないと政権は正統性をもちえない」と語った。
石破氏は大連立する場合には消費税率引き上げや安全保障政策などの政策理念を明確にする必要があると強調した。同時に「そろそろ与党に戻りたいなあと連立を組むなら必ず痛い目に遭う。(衆院解散・総選挙までに)自民党はまともな党になり、ちゃんとした政策を確立する必要がある」とも指摘した。
この妖怪大行進の取りあえずの締めは自民党石破茂政調会長であります。
登場人物おおすぎで混乱している読者のために敬称略で一連の動きをまとめて説明いたしましょう。
・・・
そもそも岡田を動かして仙谷が小沢に対する衆院政治倫理審査会での招致議決を強行しようとした動きで民主党内の対立激化したのがきっかけであります。
で、鳩山(兄)の呼びかけで、小沢、鳩山(弟)、舛添の4人が東京都内のすし屋で会談、「菅は我々を切って政権を浮揚させようとしている」と、一気にその席で政界再編の話までが飛び出します。
同じ日、読売のナベツネが谷垣と会談、民主党と自民党との大連立構想を持ち出し、首相官邸では森喜朗が菅直人と会談、うむ、このナベツネと森喜朗、3年前の福田政権で浮上した大連立構想にかかわった御仁達なわけです。
で、ナベツネとの会談で、谷垣は「小沢一郎元代表を切れないような民主党とは組めない」と一旦は否定します。
この胡散臭い動きを察知してか、小泉は二階、山崎拓らと会合を開き、民主党の小沢や鳩山の動きを「新党が目的」と見立て「その新党とはくみしないほうが良い」とし、さらに独特の読みなのでしょう、「何とか菅総理にやらせることが自民党にとって大事だ」と指摘します。
そして一夜明けた9日、石破茂が「もし仮に小沢一郎氏のグループ抜きの連立を菅直人首相のグループが持ちかけてきたら『脱小沢』の民主党と自民党が組むのはあり得ない話ではない」と、大連立の可能性に言及したわけです。
さくっと読みますと、最後の石破の発言で自民は小沢抜き大連立なら考えると判断できそうですが、現実はもうすこし複雑なようです。
今回の一連の流れのキーマンというか黒幕はナベツネであります。
実は谷垣と会談する前日、ナベツネは鳩山(兄)と会っています、そこでまず鳩山(兄)に大連立を持ちかけています、単純な鳩山(兄)はこのナベツネの話を土産に4者会談を行ったと私は推測します。
なんせナベツネは鳩山兄弟とはツーカーです、若かりし頃、政治記者として鳩山邸で、幼い鳩山兄弟のおんまになって乗せて遊んであげた間柄です。
不肖・木走の読みでは、ナベツネ親父は裏で自身が鳩山(兄)と接触しつつ、表ではこれも妖怪「大連立」仲間の森喜朗を官邸にて菅総理とあわせるという対民主党では2又を掛けつつ、自民党に対してはあらゆるチャンネルを駆使して懐柔を試みている模様なのだと推測します。
で、小泉純一郎はその野生の鋭いカンで、一連のナベツネの胡散臭い動きを感じとっているのでしょう、この動きに反対をしているわけです。
・・・
ふう。
またしても復活するのか、ゲゲゲのナベツネ『大連立』であります。
もちろんその目的は消費税増税、この一点です。
やはりオバケは死なないのか?
(木走まさみず)