民主党がメルトダウンすればよろしい〜今の民主党に大連立など絶対無理
今、ポリシーもビジョンもなくただ数合わせのためにだけの「大連立」が叫ばれています。
混乱に拍車を掛けているのは「大連立」への動きが党執行部の正式なルートではなく、3つの非公式なルートで無秩序に行われていることです。
第一は、小沢グループ。小沢氏は自民党の長老たち・森喜朗元首相らと連携し、民主・自民連立を目指しています。この動きには菅批判の急先鋒だった西岡武夫・参院議長も、西岡氏の呼びかけによる超党派の「増税によらない復興財源を求める会」と緩やかに連携、絡んでいます。
第二は、樽床伸二・衆院国家基本政策委員長の民主党中間派。自民党の菅義偉・元総務相らと連携し、「国難対処のために行動する『民主・自民』中堅若手議員連合」を5月に結成、「旧世代」ではなく、中堅若手で主導権を握ろうとしています。
第三は、仙谷由人・官房副長官、前原誠司・前外相、岡田克也・幹事長らのグループ。仙谷氏は大島理森・自民党副総裁と連携し、「小沢抜き」の連立を目指ています。仙谷氏の動きはしかし執行部としての正式なものではありません、なによりも菅総理と話し合っている痕跡はまったくないのです。
小沢グループは仙谷氏の「小沢抜き」連立の動きに猛反発していますし、仙石氏は自民党大島氏を通じて自民党長老たちを巻き込まんとしています。
自民党内ではアンチ仙谷感情が根強いため党全体として積極的にこの動きに乗る雰囲気は作られていません。
一方の小沢グループの動きも、自民党内のアンチ小沢感情もあり、そもそも子供手当てなどの民主党マニュヘストにこだわる小沢グループと自民党の政策は水と油ほどの開きがあります、大きな動きとはなっていません。
複数のルートで大連立の動きが見られますが、自民党としてはどれも相手としては現時点では不安定であり、民主党代表者選出選の結果がでるまで状況を見守ることになりそうです。
自民党内部では警戒感が強まり慎重派が大勢ですし、公明党など他党は、埋没することの恐れもあるでしょう、すべて「大連立」には反対です。
民主党の中でさえ、反対派は少数ではない、ただ派利派略のためにこっちのルートは賛成、こっちのルートなら反対と、うごめく輩がいるので、混乱していますが、声は目立たないが良識的反対派も少なくないのです。
いまの状況を図にするとこんな感じでしょう。
日本の政権党は、目も当てられない混沌・カオスの中にあります。
民主党内部はすでに意見の一致は見ることは不可能です。
現在の民主党はひとつの政党とはいえません。
反小沢執行部と小沢グループの確執は抜き差しならないほど深刻なものであります。
私は今民主党という政党が「大連立」をトリガーとして溶融し始めているのだと考えます。
そう「溶融」まさにメルトダウンです。
「大連立」への動きが党執行部の正式なルートではなく、3つもの非公式なルートで無秩序に行われていることがなによりもそれを証明しています。
そこにはポリシーもビジョンもなくただ数合わせのためにだけの「大連立」が叫ばれているのです。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)たちが、自らの延命のためだけに、腐臭を漂わせながら蛆虫のようにうごめいているのです。
これはもはや政党政治ではない。
政権党メルトダウンであります。
そもそも大連立とは第一党と第二党が目的と期間を定めて協力するものであります。
溶融し始めた第一党が保身のために第二党に無分別にすがる「大連立」など絶対許されません。
こんな現状で大連立など絶対できません。
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それぞれのグループに分裂しすっきりした形にしたうえで衆議院数比較第一党が自民党になろうと分裂した民主党のあるグループになろうと、それらを中心に震災復興と原発事故収拾のみを目的とした短期選挙管理内閣を構成し、被災地が総選挙に耐えうるまで復興したときに総選挙を断行、国民に信を問えばよろしいのです。
それが被災地住民を含め国民にとってもっともわかりやすい政治であると思います。
国会そのものがメルトダウンつまり機能不全に陥ることを避けるためにも、政党の体をなしていない今の民主党のままの大連立を認めてはなりません。
(木走まさみず)