木走日記

場末の時事評論

じつに「おめでたい」この国の国権の最高機関〜辞めるとはひと言も書いていない「鳩菅覚書」

 苦笑せずにはいられません。

 15時24分、 賛成152票、反対293票で内閣不信任案が否決されたのであります。

 結果的に菅氏がしかるべきタイミングで辞任することを表明し鳩山氏が賛成から寝返り、見事内閣不信任案は否決されたのであります。

 国民不在の何たる茶番、一夜にして民主からの賛成票がなくなってしまい、結果として当日になって梯子をはずされてしまった自民党の谷垣総裁はお気の毒でありますが、まあコロコロ発言を変える鳩山前首相や壊すことしか知らない小沢元代表などの胡散臭い連中を信じたのが政治家として人を見る目がなかったということです、自業自得でありましょう。

 しかしです。

 肝心の菅首相と鳩山前首相が交わした約束なんですが、読売が速報スクープしていますが笑ってしまいます。

辞めるとはひと言も書いていない「鳩菅覚書」

 菅首相と鳩山前首相が交わした覚書の確認事項は次の通り

 ▽民主党を壊さないこと

 ▽自民党政権に逆戻りさせないこと

 ▽大震災の復興並びに被災者の救済に責任を持つこと

 〈1〉復興基本法案の成立

 〈2〉第2次補正予算の早期編成のめどをつけること

(2011年6月2日14時03分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110602-OYT1T00623.htm?from=main2

 やめるなど一言も書かれていないんですよね、午前中の会談で民主党を作った鳩菅コンビの昔話がさぞや盛り上がったのでしょう、民主党を壊さないためにカンちゃんやめてよ、うん、わかった、でも紙には書かなくていいよね、うんいいよ、民主党を2人で作った僕たちの中だもの、カンちゃんを信じるよ、てなような展開だったんじゃないでしょうか。

 ・・・

 馬鹿みたい。

 とんだ茶番劇でした。

 国民を馬鹿にするのもいいかげんにしてもらいたいものですが、最悪の選択である解散総選挙が無くなったことだけが被災地に取り唯一の救いであります。

[政治]総選挙を強行するならば憲法違反行為だ
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20110602/1306982995

 この国の政治家たちが与野党問わず国民のことなど何も考えていないことがよおおくわかった茶番でありました。

 被災地復興無視、国民無視のこのタイミングでのこの大儀なき茶番劇であります。

 そして辞めるとはひと言も書いていない「鳩菅覚書」により、内閣不信任案は否決されたのであります。

 これで菅政権は晴れて心置きなく権力に付き続けることができるのです。

 いや、じつに「おめでたい」です。

 「めでたい」ではなく「おめでたい」です。

 日本国憲法では、国会はこの国の「国権の最高機関」であって、「国の唯一の立法機関」と位置づけられており、また、「国民の代表機関」であるとも記述されています。

 いやあ、じつに「おめでたい」国権の最高機関なのであります。

 ・・・

 泣きたいです。



(木走まさみず)