木走日記

場末の時事評論

民主党よ一気呵成に小沢支配を打破せよ〜「政治とカネ」問題を抱える問題議員を根こそぎ道連れにした鳩山氏辞任を高く評価したい

 2日付け産経新聞電子版速報記事から。

 【首相辞任】目に涙浮かべ「職を引かせていただく」 小沢幹事長も辞任
2010.6.2 10:17

 鳩山由紀夫首相は2日午前、国会内で開かれた民主党の緊急両院議員総会で、「私自身、この職を退かせていただく」と、退陣を表明した。また、鳩山首相は自身と同様に「政治とカネ」の問題を抱える小沢一郎幹事長に辞任を求め、了承されたことを明らかにした。昨年9月に内閣が発足してわずか8カ月半での退陣となる。

 首相は辞任理由について、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題と「政治とカネ」の問題を挙げた。そのうえで「政権・与党のしっかりした仕事が国民の心に映っていない。国民が徐々に聞く耳を持たなくなった。私の不徳の致すところだ」と説明した。

 また、首相は5月31日と1日の2回にわたって行われた小沢氏との会談について、「『政治とカネに決別する民主党を取り戻したい。私も退きます、幹事長も職を退いてもらいたい。そのことによって、より新しい、クリーンな民主党をつくりあげることができる』と申し上げた」と語った。首相によると、小沢氏は「わかった」と応じた。

 首相は北海道教職員組合(北教組)幹部らの公選法違反事件を抱える小林千代美衆院議員に対しても議員辞任を求めた。

 鳩山政権では5月末、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題の日米合意によって、社民党が連立政権を離脱。内閣支持率は続落し、2割台を切った。7月の参院選で苦戦が必至の情勢となったことを受け、参院民主党を中心に「鳩山降ろし」の動きが表面化した。

 首相は31日と1日の両日、民主党小沢一郎幹事長、輿石東参院議員会長と三者会談を行って、自身の進退について協議してきた。1日の会談では、輿石氏が参院民主党内の退陣論を伝えたが、首相は退陣を拒否。2日に3度目の三者会談で改めて協議することになっていた。

 首相の強い続投の意向とは裏腹に、小沢氏ら民主党執行部は、首相が続投すれば参院選での惨敗は避けられないと判断し、2日に緊急両院議員総会を招集し、首相の進退について決を採る構えをとった。

 このような情勢から、首相は続投は困難と判断した。2日朝、党幹部や渡部恒三衆院副議長らに退陣を決断したことを伝えた。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100602/plc1006021019010-n2.htm

 『政治とカネに決別する民主党を取り戻したい。私も退きます、幹事長も職を退いてもらいたい。そのことによって、より新しい、クリーンな民主党をつくりあげることができる』(鳩山首相

 「わかった」(小沢氏)

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 いや事の進展の早さにブログが付いていけない状態ですが、鳩山由紀夫首相が午前中の民主党両院議員総会で退陣する意向を表明するとは少々驚きましたが、さらに驚かされたのは鳩山氏が小沢幹事長に退任を求めなおかつ了承を得たことです。

 あわせて鳩山氏は公選法違反事件を抱える小林千代美衆院議員に対しても議員辞任を求めたそうですが、結果的に首相辞職を利して「政治とカネ」問題を抱える問題議員を根こそぎ「道連れ」にするという「実行力」を示したわけです。

 この自身を含めた「政治とカネ」問題を抱える問題議員一掃宣告は、私は高く評価したいです、小沢氏に対する意地もあったのかも知れませんが、真摯に民主党の現状を憂いての行動と信じてみたいです。

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 鳩山氏は小沢氏を巻き込んで「自爆」しました。

 鳩山氏・小沢氏のW辞任は高く評価しますが、ただこれで民主党の支持率が昨年レベルまで一気に回復することは不可能でしょう、また民主党の小沢氏支配が終焉を迎えるなどと単純に考える有権者はいないでしょう。

 後継には菅氏の名前などが挙がっていますが、小沢氏が幹事長を辞めたところで、小沢院政が続くような傀儡政権を立てるならば、それこそ有権者にそっぽを向かれるのは必定です。

 民主党は誰が後継になるにせよ、広く国民に公開された議論を展開し、この機を利用し徹底的な体質改善を計るべきです。

 一気呵成に、閉鎖的な小沢支配を打破し、自由闊達な党内民主主義を取り戻すべきです。

 選挙を考えると遅すぎたタイミングなのかもしれませんが、民主党再生の唯一の活路がそこにあると思います。 
 


(木走まさみず)