木走日記

場末の時事評論

菅政権支持率急落は社会として極めて健全なことであるその理由

 1日付け産経新聞記事から。

世論調査菅内閣の支持率急落36・4% 発足後「最低」 尖閣の対中外交や小沢氏問題が直撃

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が10月30、31両日に実施した合同世論調査で、菅直人内閣の支持率は前回調査(9月30日実施)の48・5%から12・1ポイント急落し、6月の政権発足以降で最低の36・4%となった。不支持率は46・5%(11・7ポイント増)で支持を上回った。沖縄・尖閣諸島沖の漁船衝突事件を発端とする対中外交や、「政治とカネ」問題をめぐる対応に世論が厳しい見方を突きつけた格好だ。
 調査結果によると、菅首相指導力について、77・3%が「評価しない」と回答。衝突事件など外交・安全保障政策71・8%、「政治とカネ」の問題への対応71・0%、景気対策75・2%と、主要な政策項目で菅内閣を「評価しない」との答えが7割を超えた。
 漁船衝突事件への政府の対応を「不適切」としたのは前回調査の70・5%から3ポイント増の73・5%。中国人船長釈放への政治介入の有無については、87・5%が「菅政権は真実を明らかにしていない」と答えた。尖閣諸島の警備・警戒を強化すべきだとした人が81・5%と8割を超えた。

(後略)

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/101101/stt1011011157003-n2.htm

 同じく1日付け日経新聞記事から。

内閣支持急落40%、不支持と初逆転 本社世論調査
尖閣・小沢氏問題響く
2010/10/31 22:00日本経済新聞 電子版

 日本経済新聞社テレビ東京が10月29〜31日に実施した世論調査で、菅内閣の支持率は40%となり、9月の前回調査から31ポイントの急落となった。不支持率は24ポイント上昇の48%で、6月の菅内閣発足後初めて支持率を上回った。沖縄の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件への対応や、民主党小沢一郎元代表の政治資金問題に関する国会招致への対応などが支持率急落を招いたようだ。

(後略)

http://www.nikkei.com/news/headline/archive/article/g=96958A9C93819481E1E3E2E0968DE1E3E3E2E0E2E3E29F9FEAE2E2E2

 フジ産経と日経の世論調査によれば菅内閣の支持率が急落(フジ産経36・4%、日経40%)とのことです、日経で見ると、内閣支持率は前回(9月)の71%から31ポイントも減らしております。

 両紙とも沖縄の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件への対応を支持率急落の主因と指摘しております、87・5%が「菅政権は真実を明らかにしていない」(フジ産経調査)とありますが、まったくもってその通りです。

 ・・・

 今回の支持率急落の第一の理由は、私は民主党政権が国民に対して「嘘つき」であるからと確信しています。

 菅政権・民主党は国民を愚弄しているとしか思えません。

 菅首相も仙谷官房長官も前原大臣も岡田幹事長も本件に関しては全員「嘘つき」です。

 中国漁船衝突事件は日本国国家の主権に関わる重大な問題でありました、民主党政権は自分たちの判断で船長を逮捕しておいて最初のうちは「国内法で粛々と対応する」などと威勢を示していたのに、スパイ容疑で中国国内で日本人が拘束、はたまたレアアース輸出禁止と中国側の厳しい反応に怖じ気づき、しまいには中国からの圧力に耐えかね超法規的措置で中国人船長を釈放、しかも一地方検察官に釈放理由を語らせ自分たちは「検察の下した結果を了とする」と知らぬ存ぜぬ、民主党政権は政(まつりごと)を治(おさ)めることを放棄したとしか思えません、無責任極まりないことです。

 自身の言葉に責任を持てない「健忘症」官房長官は論外ですが、最高責任者たる菅首相は自ら、中国漁船衝突事件に関して、ご自身の言葉で日本政府の意見・考え・判断を真摯に国民に語らなければいけないはずなのに、その言い分はすべからく「人任せ」であり、国民への説明責任をまったく果たしていません。

 菅首相と前原大臣が訪米中になぜかタイミングを合わせるように沖縄地検が突然船長を釈放しました件で、これが「地検独自」の判断だなど誰も信じてはいないでしょう、87・5%が「菅政権は真実を明らかにしていない」と憤るのは当然のことです。

 民主党政権が中国に振り回されて外交べたであることは実に嘆かわしいわけです、がそれだからと支持率がここまで急落している理由ではないでしょう。

 今回の件で、民主党政権が、自国民に平気で嘘をつく信用できない人たちだと国民は気付いたのです。

 菅政権は自国民に真実を語らない「嘘つき」政権です。 

 「嘘つき」が批判され嫌われるのは社会として極めて健全なことです。



(木走まさみず)