木走日記

場末の時事評論

部屋にこもってネットばかりやっていると脳がキレやすくなる?

●「小日本打倒」と低レベルな反日感情を発露する中国「憤青」達

 今日(23日)の朝日記事から・・・

瀋陽の日本総領事館に300人 「日本人が暴行」と抗議
2006年08月23日00時45分

 中国・瀋陽で21日深夜から22日未明にかけて、日本人が中国人タクシー運転手に暴行したとして、これに抗議する約300人の市民らが在瀋陽日本総領事館前に集まり、抗議活動を行う騒ぎがあった。同総領事館は日本人による暴行の事実はなく、誤解に基づくものだとしているが、興奮した市民らは「小日本打倒」などのスローガンを叫び、中国当局は同総領事館周辺で立ち入り制限を行うなどの警備強化の措置をとった。

http://www.asahi.com/international/update/0823/001.html

 「日本人が中国人タクシー運転手に暴行したとして、」「興奮した市民らは「小日本打倒」などのスローガンを叫」んでたそうですが、総領事館側は「日本人による暴行の事実はなく、誤解に基づくもの」としているそうです。

 事実関係の究明が待たれますが、それにしても最近の中国の人々は、こと日本に対することにはどのような些細な出来事でもすぐにマジギレしちゃうんですねえ。

 まあこの記事では300人と小規模な集団に留まっているようですが、昨年の反日デモのあっという間に中国全土に広がりを見せたことを思い出すと、大学生とか若者を中心に日本に対してイライラしている中国人はごまんといることでしょうね。

憤青

憤青(ふんせい、簡体字:愤青、ピン音:Fènqīng フェンチン)とは、「愤怒青年」を短縮した、中国語で「怒れる若者」を意味する言葉。1960年代の日本における「怒れる若者達」、欧米の「angry youngmen」と同義。この言葉は1970年代の香港で、中国社会に不満を持ち改革を望む若者を指して初めて使用された。また、文化大革命で農村に下放され、学問の道を絶たれたゆえに「憤慨する青年」を指すこともあった。しかし今日では中国のネット上で特別な意味を持つ言葉として使用されている。

憤青は、急速に経済が発展した中国政府の改革開放政策以後に現れた若者達で、1970年代に自由主義の理念に傾倒した人々と比べて以下の点において著しく異なる:

30才未満の、主に男性。インターネットを使用できる環境にある。その多くは大学生である。
民族主義者で、超愛国的である。政治問題に大きな関心を持ち、特に日本、台湾、アメリカに関する問題については強い意見を持っている。台湾は中国の一部であるという意見のものが多く、いかなる手段をもってしても台湾の独立は阻止しなければならないと考えている。急進的な憤青の中には、そのためには戦争をも辞さないと考えるものもいる。
日本に対してはしばし否定的な感情を持ち、日本人に対して強硬な態度をとるべきであると主張する。例えば、日本政府は第二次世界大戦中に中国人に対して行ったことについて公式に謝罪していないと彼等は感じており、小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題、尖閣諸島を巡る紛糾、歴史教科書問題などの最近の事件の責任は全て日本側にあり、日本政府が再び軍国主義化するであろうと結論づけている。こうした反日感情の発露は、しばし日本政府と軍隊だけではなく、日本経済、日本人、日本文化などにも矛先を向ける。このような形ではあるが日本に関心があるにもかかわらず来日、または日本人と会うなどした経験を持つものは稀で、実際の日本についての知識は非常に偏っていると日本人右派から指摘されている。
小馬鹿にする場合、「憤」と同音同声調である「糞」を使って、「糞青」と表記される場合がある。

出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%86%A4%E9%9D%92

 「憤青」だか「糞青」だかよくわかりません(苦笑)が、まあ別に体制や政治に「怒れる若者」達がというのは、中国だけの現象でなく、日本にも欧米にもあらゆる国に存在するのでしょうし、一部の若者達が多くの矛盾を抱える現代社会に対し「憤慨する」集団を構成すること自体はそれほど不健全なことではないのでしょうし、むしろ健全であるとも評価できますが、中国の場合、それが偏狭な愛国主義民族主義と結びついて特に日本に対しては「小日本打倒」などの低レベルな「反日感情の発露」となっている点が、私たち日本人にとり問題と言えましょうか。

 ここで興味深いことは、実際の「憤青」達は、実は激情型の馬鹿な単細胞たちは少数派であり、ネットを自在に操り知的レベルの決して低くない大学生などインテリ青年層が中心であることですね。

 ・・・

 そういえば、日本においても最近のネットを見渡すと、露骨に嫌中・嫌韓を唱えるブログなどが多く見受けられますが、興味深いのはけっこう若い人が多くて、感心するのはとっても歴史や国際問題をよく勉強していたりするのですよね。

 私は主義・主張は異にしますが、ネットで嫌中嫌韓を主張する若者達やあるいは逆にリベラルな主張を展開してる若者達には、とてもよく歴史や政治を勉強しているという一点で好意的です。

 工学系学校で講師をしている関係で、昨今の一般的若者達がまったく経済や政治に関心のないノンポリ層がほとんであることに日々接し憂いを感じている不肖・木走にとって、右であれ左であれ主張に偏向を多少感じても、しっかり勉強する姿勢があるかぎり、嫌中嫌韓を主張する、あるいはリベラルな主張を展開する、若いネットブロガー達にもエールを送りたいと思っています。

 でもね、一部の過激なサイトのように、中国の「憤青」達の「小日本打倒」などの低レベルなキレ方に対抗(逆切れ?)して、汚い言葉で中国や韓国などの他国を罵るのは止めていただきたいですね。

 批判する相手と同じ低水準に自身を貶める愚かな振る舞いはしてほしくないです。

 ・・・

 中国の「憤青」といい、ネットやると切れやすいのかなあ、本日はこの興味深いテーマを考察したいと思います。



●興味深い日経BPの感情爆発度チェック

 まあ別に若者だけがきれやすいということではなく、現代人は総じて「マジギレ・イライラ度」が高じているわけでして、不肖・木走オヤジもしょっちゅうマスメディアなどを批判しまくっているわけで、あんまりエラソウなことは言えないのであります(苦笑

 満員電車での通勤・通学などもう「マジギレ・イライラ」を満載しているようなもので些細なことでの喧嘩は耐えませんよね。

 中年リーマン、OL、学生、現代人はみんな「イライラ」しちゃっているのであります。

 ・・・

 さて、一年前の9月に日経BPが「マジギレ・イライラ解消法」を特集していました。

 その特集記事の冒頭に、各自の「マジギレ・イライラ度数」が自己測定できる「感情爆発度」チェックテストがありこれがとても興味深いのでした。

日経BP 感情爆発度をチェック 2005年9月6日
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/associe/iraira/050906_explosion/#aresult

 抜粋してご紹介いたしましょう。

 まずは下記の、A群とB群から「よく当てはまる」、「だいたい当てはまる」と思う内容をチェックしてください。

A群
机の上や引き出しの中など、きちんと整理しておかないと落ち着かない
約束事やスケジュールなどを面倒がらずに、一つひとつメモしておく
物腰がソフトで言葉遣いも丁寧だが、時々感情を荒げるので周囲が驚く
計画を途中で変更することが多く、発言内容も目まぐるしく変わる方だ
親しい相手に対して、場合によっては理屈で激しく非難することがある
要領の悪さがあり、意外と頑固である
親しくなると相手に物足りなさを感じ、つらく当たったり敵対心を抱く傾向がある
凝り性で、一つの趣味にとことん時間とお金をかける
収集(コレクション)しているものがある
時々激しく感情爆発を起こして、物を投げつけたりする

B群
自分が所持している高価な物、一流ブランド品などをつい自慢したくなる
人の好き嫌いがはっきりしていて、嫌いな相手には終始冷たく当たる
相手によってつき合う態度がガラッと変わる傾向がある
いつも話題の中心にいて、周囲から注目されていないと気が済まない
新製品や話題のタレントなどの情報を、いち早くキャッチしている
時々病気を理由にして、仕事や学校をさぼることがある
自分でも「目立ちたがりや」だと思う
自分のご機嫌を取らないような相手は冷たくあしらうことがある
いつも気を張って背伸びしているところがある
周囲の人と違ったことをするのが楽しい

 で、早速判定。

A群・B群とも4個以下の人

比較的温厚で、感情爆発によって人生を棒に振るリスクは低そう。

A群が5個以上の人

粘着質型の性格です。不満が蓄積されて飽和状態になると感情を爆発させてしまう。

B群が5個以上の人

自己顕示型の性格です。見栄っ張りで、自分が優位に立てないとヒステリックになる。

A群・B群とも5個以上で、A>Bの人

生真面目に努力するタイプだが、思い通りにならないと些細なことでキレる。相手の真意を誤解したまま罵倒したり、あらゆる策を講じて攻撃・誹謗中傷するなどして、社会的信用を落とす恐れがある。

A群・B群とも5個以上で、A<Bの人

表面的には物腰柔らかだが、心に渦巻くブランド志向・自己顕示欲が満たされなかったり見透かされたりすると、紳士的態度が一変。ヒステリックに怒鳴り散らし、相手に突っかかっていく危険性を秘めている。

A群・B群とも5個以上で、A=Bの人

生真面目に努力するタイプだが、思い通りにならないと些細なことでキレる。相手の真意を誤解したまま罵倒したり、あらゆる策を講じて攻撃・誹謗中傷するなどして、社会的信用を落とす恐れがある。表面的には物腰柔らかだが、心に渦巻くブランド志向・自己顕示欲が満たされなかったり見透かされたりすると、紳士的態度が一変。ヒステリックに怒鳴り散らし、相手に突っかかっていく危険性を秘めている。

 いかがでしたか。

 もうこの評価はとても厳しい内容なのであって「A群・B群とも4個以下の人」以外は全部ダメダメなのです(苦笑

「粘着質型の性格です。不満が蓄積されて飽和状態になると感情を爆発させてしまう。」とか「自己顕示型の性格です。見栄っ張りで、自分が優位に立てないとヒステリックになる。」とか、お願いだからほっといてちょうだい(爆笑)、って感じです。

 まあしかしココは冷静に、たまには自分のイライラ度を自己分析するのも悪くはないでしょう。



●部屋にこもってネットばかりやっていると脳がキレやすくなる?

 大脳生理学、心理学の面から、まずはキレるメカニズムを押さえておきましょう。

腹立たしい場面を目撃したとき、見た像は網膜から視神経を伝って中継地点の視床に達し、後頭葉の視覚野に投影されてビジュアルとして認識される。そして感情をつかさどる扁桃で怒りが込み上げ、一方で理性を司る前頭前野がブレーキをかける。ブレーキが利かないと暴言となる。暴力の場合は視覚情報が視床から扁桃に直結するため、相手の様子や態度を観察する間もなくいきなり手が出てしまうから厄介だ。

キレて暴言や暴力に至るのは、前頭前野の働きが悪いため。活性化すれば解決できる。主な処方箋は、価値観の転換と食生活の改善に大きく分けられる

 うーむ、腹立たしい事象は、網膜→視神経→視床後頭葉の視覚野という経路を辿って人の脳に認識され、結果、扁桃で怒りが込み上げ、一方で前頭前野がブレーキをかけるわけですね。

 キレて暴言や暴力に至るのは、前頭前野の働きが悪いためなのか。

 前頭前野を活性化すれば解決できるのですねえ。

 主な処方箋は、価値観の転換と食生活の改善に大きく分けられるそうですが。

 医学博士である高田明浜松医科大学名誉教授や臨床心理学者・田村正晨東京薬科大学生命科学部教授などの専門家に言わせると、食生活では「肉と砂糖」が精神の安定に良い作用をするのと、「生活面では、太陽の光を浴びて体を動かすことが重要」なのだそうです。

脳内には、脳幹から分泌される神経伝達物質がある。幸福感や意欲を高めるドーパミン、精神を安定させるセロトニン、元気・怒りを高めるノルアドレナリンの三つが代表格で、分泌量は食生活でコントロールできる。

キレないために増やしたいのがセロトニンドーパミン。その生成に欠かせないのが、意外にも肉、そして砂糖だという。「肉にはセロトニンの原料となるトリプトファンというアミノ酸が含まれている。また砂糖が体内で分解・吸収されたブドウ糖は、トリプトファンを脳内に取り込みやすくする」(高田教授)。むろん、糖分の多い缶飲料などをガブ飲みすれば肥満になるのでほどほどに。ほかにも精神の安定に作用する栄養素を挙げた。サプリメントなどで補給しよう。

生活面では、太陽の光を浴びて体を動かすことが重要だ。太陽光はトリプトファンセロトニンに変え、体を動かすとドーパミンが増えて幸福感も増す。セロトニンの一部は熟眠ホルモンのメラトニンに変性して、夜は熟睡できる。前向き発想と規則正しい食生活でイライラは抑えられるのだ。

 うーむ「肉と砂糖」なんて肥満の大敵だと思っていたけど、これは太っている人に温厚な人が多いという通説が医学的にも正しいということなのでしょうか。

 ・・・

 しかしなあ、仕事でもプライベートでも四六時中パソコンの前に座っている不健康のカタマリオヤジ・木走としては「生活面では、太陽の光を浴びて体を動かすことが重要」という指摘は痛いなあ(苦笑

 つまりこういうことです。

 キレないために増やしたい神経伝達物質は、幸福感や意欲を高めるドーパミン、精神を安定させるセロトニンのふたつ。

 ところが、部屋にこもってネットばかりやっていると、太陽光はトリプトファンセロトニンに変えてくれるのにその効用にあやかれず、体を動かすとドーパミンが増えて幸福感も増すのにそれも増えない。挙げ句の果てに、セロトニンの一部は熟眠ホルモンのメラトニンに変性して、夜は熟睡できるはずなのに、セロトニンが不足しているからそれもダメ。

 別にネットにこじつけなくても、何十日もアトリエにこもって創作活動を続けている芸術家は爆発しやすい(爆)とか、研究室で研究に没頭しているトンデモ科学者は性格破綻者が多い(爆)とかいろいろ考察できそうですが・・・

 ・・・

 うーん、部屋にこもってネットばかりやっていると脳がキレやすくなるのか・・・

 ・・・(汗

 読者のみなさま、ネットの見すぎにはお互い気をつけましょうネ(苦笑)。



(木走まさみず)