木走日記

場末の時事評論

「小泉勧善懲悪劇場」VS「タリバン岡田の左斜め上目線」

kibashiri2005-08-14


 民主党岡田代表が必死のようですね。



●民主、3年で財政再建マニフェスト

 今日の日経記事から・・・

民主、3年で財政再建マニフェスト
 民主党衆院選マニフェスト政権公約)で、政権奪取後の3年間で財政再建に道筋をつける計画を打ち出す方針を決めた。2008年度までに10兆円の歳出削減を実現し、同年度の新規国債発行額を30兆円未満に抑制する。自民党より積極的な姿勢を示し、有権者の支持拡大を狙う。住宅や教育の「ローン利子所得控除制度」を導入し、中間層の生活を支援する計画も盛り込む。

 岡田克也代表は13日の大阪市内での記者会見で、「行政刷新会議」と「国家経済会議」を新設し、首相主導の予算編成を進める「岡田政権500日プラン」を公表。民主党の政策実現のための政権運営の指針を示しており、これも含めたマニフェストを今週中に発表する予定だ。 (07:01)

日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20050814AT1E1300A13082005.html

 「郵政民営化問題」での民主党対案がないという批判に反発して、最近盛んに発言し始めた民主党岡田代表ですが、「政権奪取後の3年間で財政再建に道筋をつける計画」を打ち出すそうです。

 ・・・

 不肖・木走は消極的ですが肯定的に評価いたします。「小泉一人劇場」に比べて、ちょっと地味でインパクトに欠ける岡田さんですが、この原理主義者岡田・タリバン岡田の不気味な真面目さはなかなかインパクトがあっていいじゃないですか。



●「岡田政権500日プラン」の内容〜民主党公式サイトより

 で、公表された「岡田政権500日プラン」ですが、メディアで詳細に取り上げてくれないので、このブログでご紹介しておきましょう。

 民主党サイトから・・・

ムダと不正を一掃する新政府つくる 岡田政権500日プラン発表

岡田克也代表は13日、大阪市内で会見し、総選挙で政権交代を果たした場合の政権運営の手順を示した「岡田政権500日プラン――行革なくして増税なし、ムダと不正を一掃する『新しい政府』をつくる――」を発表した。

 500日プランでは、各省庁の局長以上の幹部任命に際し、「民主党マニフェスト政権公約)に基づく政権運営の基本方針への協力を誓約することを条件とすることで、官僚へのマニフェストの浸透を目指していく。また、首相のもとに予算編成を行うための場「国家経済会議」と、政府事業の無駄や不正をあぶりだし、既得権益やしがらみの排除など、旧来行政の刷新を行う「行政刷新会議」を新設。双方とも首相が議長をつとめ、政治主導による予算編成を目指していく。さらに自民党政権の運営上の問題点「族政治」「陳情政治」「官僚支配」からの脱却を掲げ、政治主導・官邸主導により、改革の志を共にする専門家と協働しながら、徹底した行財政改革を断行することを最大の使命としているのが特徴。
 
 岡田克也代表は会見で「どうやって政府を動かしていくかということと、具体的に何をすべきかということを示した」と述べるとともに、「政治家が国民の信託を受けて(政治の)方向性を決める。官僚を使いこなせる政府にしなければならない」と語った。

 同プランでは改革に向け、4つのステージを提示。第1ステージ(20日プラン・総選挙後20日間)では、9月11日投開票の衆院選過半数を獲得した場合、翌12日午前には代表(首相予定者)、幹事長、副総理格国務大臣らによる「政権移行委員会」を発足させ、初会合を開催。投開票後2〜5日目の間に前政権から現任している各省庁の事務次官らを招集して「新政権運営に関する基本方針」を提示。政権移行委員会への協力を求めるとともに、重要閣僚候補を内定させる。

 また、第1ステージの後半に招集される特別国会では、「100日改革プラン」を正式決定するとともに、特別国会での新首相指名を受け、首相を議長とする「行政刷新会議」と「国家経済会議」を設立。行政刷新会議には企業再生の実績者など民間人を登用する。

 第2ステージ(100日プラン・内閣成立後〜06年1月上旬)では、所信表明演説で現行法制下で実施しうる「100日改革プラン」を提示。その一方で、政治主導の予算編成を支える「国家経済会議」は、財務省の予算・財政企画部門を事務局として内閣府に移管し、首相主導の下で2006年度予算案の大枠を決め、その枠内で各省庁の予算細目を決定する。

 通常国会の会期にあたる第3スタージ(300日プラン・06年1月〜7月)では、06年度予算の衆院通過後、「300日改革プラン」を国民に提示し、マニフェストに示された内政・外交上の重要課題への具体的対応を07年度予算の概算要求に盛り込むよう調整。国家経済会議においては、財政再建を進めるため、その根拠となる「財政健全化法案(仮称)」の策定と財政関連法の一括改正案の策定に着手する。一方で、行政刷新会議においては、納税者・生活者の視点で政府事業の見直しを行い、「国が実施すべきもの」「民間に委ねるべきもの」「廃止すべきもの」との区分けを明確化し、第4ステージにおける地方主権の国づくりに向けての判断材料とする。

 第4ステージ(500日プラン・06年8月〜07年4月)は、第3ステージまでに実行した改革をふまえ、本格的な法律改正を含めた中長期的な改革像を示し、行政改革を断行する。同時に旧来型政権の談合体質、族政治、陳情政治、官僚支配を断ち切るための行財政改革関連法群を含んだ新たなる改革(3年改革プラン)を提案。最終的にはこの期間に行われる参議院選挙で国民の信を問うことになる。

 会見には松井孝治尾立源幸参議院議員が同席した。
http://www.dpj.or.jp/news/200508/20050813_02oosakaokada.html

 えーと、真面目な岡田さんらしく、第一ステージから第四ステージまでびしっと日程計画されており、組織も第一ステージで「政権移行委員会」「国家経済会議」を設立して、「100日改革プラン」「300日改革プラン」と順次国民に提示し、最終的に第4ステージでは新たなる改革(3年改革プラン)を提案し、なんとご丁寧にこの期間に行われる参議院選挙で国民の信を問うのだそうです。

 どうです、読者のみなさん、完璧な工程表でしょう。

 素晴らしい、真面目な岡田さんらしい水も漏れぬ計画であります。

 え?

 内容がナイヨ〜って?(爆笑

 ・・・(汗

 えーと、たぶんマニフェストが今週中に発表されるようですから、今後もう少し肉付けされていくことでしょう。(苦笑

 でも、内容はまだなくてもこんなしっかりした計画を堂々と公表したのですから、さすが原理主義者岡田さんでありましょう。(汗



●小泉勧善懲悪田舎芝居に対抗するにはタリバン岡田の不気味な真面目さしかない!

 不肖・木走は、今回の総選挙は日本人の知性が試される場面であると思っています。

 小泉総理は、今回の選挙で徹底的な図式の単純化と田舎芝居「小泉劇場」の戦術に出たのであります。

 前回は田中真紀子が道具立てでしたが、今回は造反議員を生け贄にした勧善懲悪の村芝居であります。

 造反者に対抗馬を仕向け、自民対自民の争いにマスコミは踊らされ、気がつけば民主党なども反対派と一緒くたに守旧派の扱いであります。

 各メディア世論調査では小泉支持率が軒並みUPしており田舎芝居「小泉劇場」は出足すこぶる好調なのであります。

 選挙は理論だけではない、政治家は理屈だけではない、小泉さんを見ているとその辺が実にうまいのです。

 このままでは岡田民主党は小泉自民党にメディア戦術で完全に負けであります。
 ・・・

 木走は提案します。

 民主党の取るイメージ戦略としてはタリバン岡田を全面に出すしかありません。

 岡田さんの原理主義的真面目面は彼が党首になってからの民主党の過去選挙実績からしても、小泉に対抗しうる唯一のキャラクターの持ち主であります。

 この際、贅沢は言いませんから、この「岡田政権500日プラン」と今週発表されるマニフェストを全面に掲げ、あの不気味で真面目な岡田目線(いつも左斜め上を見ながらインタビューに応えるあの目線)をメディアに全面的に出していくしかありません。
 投票日まで、来る日も来る日も岡田代表自らが「岡田政権500日プラン」を真面目ににこりともせず不気味に訴え続けるのです。

 真面目な理屈しか言えない原理主義者岡田さんですが繰り返しメディアに露出を繰り返せば、これは小泉さんに対抗しうる不気味な説得力を有する戦術になるのだと思うのです。

 「小泉劇場」に対抗するには、「タリバン岡田の不気味な真面目作戦」これしかありません。



(木走まさみず)