木走日記

場末の時事評論

読み辛ーい!!!〜民主党マニフェストに駄目出しする

 ようやく民主党マニフェストを公表しました。今日はその話題でいきましょう。



●内容以前の問題として、読み辛ーい!!!

 民主党マニフェスト(文字原稿版)は以下の民主党公式サイトからPDFファイルとしてダウンロード出来ます。

2005年 衆議院選挙マニフェスト 政策各論
http://www.dpj.or.jp/seisaku/sogo/BOX_SG0062.html

 ・・・

 ふう。

 何でしょう、この32ページに渡り「めざします」「すすめます」「改革します」と数珠繋ぎの駄文(失礼)のカタマリは????


 読み辛ーい!!!


 読みづらくてメリハリもなくて、とても最後まで読みたくない!


 当ブログとして岡田さんの真面目さは買っておりますが、学術論文じゃあるまいし、この長いマニフェストって何なんでしょう!!

 ていうか、まとめや目次すらない分、一般庶民には学術論文よりわかりづらいと思うのです。
 岡田さん、不肖・木走のような文章読解力のない選挙民もたくさんいるのですよ。

 ・・・

 ふう。

 民主党マニフェストにはがっかりです。

 真面目に勉強されて一生懸命まとめられたことはとても評価します。

 しかし、内容以前にこの難解で不誠実な文章構成は痛い、イタすぎるのであります。

 32ページにも渡る膨大なマニフェストを発表するならば、せめて2〜3ページの要約版も付けるのは常識じゃないですか。今日日政府関連資料だってそのぐらいの配慮はされていますよ。

 ・・・(ため息

 せめて、目次ぐらい付けなさいって。

 これって、揚げ足取りに聞こえるかも知れませんが、実はマニフェストの分かり易さは、ないがしろにしてはいけないとても重要なポイントなのです。

 民主党はまじめに今回の選挙を、小泉自民党に対する政策面で対立軸を明確化して堂々と競う方針ならば、こんな読み辛いマニフェストでどうするのでしょう。

 これじゃあ、肝心の内容に入る前に有権者の多くは嫌になってしまうでしょう。


民主党が用意してくれないので勝手に目次を作ってみる

 よーし、民主党が用意してくれないのなら、不肖・木走が読者のために、勝手に目次を作ってみましょう。

民主党 2005年 衆議院選挙マニフェスト 政策各論(=文字原稿版=)

 目 次

1.憲法(02頁)

2.外交・安全保障(02頁)

□(1)「開かれた国益」の実現をめざします。(02頁)

□(2)平和で豊かなアジアをつくります。(03頁)
□□①近隣諸国との信頼醸成を図ります。
□□②日中関係を再構築します。
□□③日韓関係を強化します。
□□④東アジア共同体の構築をめざします。

□(3)日米関係を進化させます。(03頁)
□□①アジア・太平洋地域の公共財としての日米同盟の価値を高めます。
□□②日米の共同行動に関して基本方針を明確にします。
□□③日米地位協定の改定に着手し、3 年を目途に結論を出します。
□□④アジア情勢などを踏まえつつ、日米の役割を見直します。

□(4)世界の平和と安定に貢献します。(04頁)
□□①国連など国際機関の強化を図ります。
□□②ODA(政府開発援助)を戦略的に活用します。
□□③ソフト・パワーを発揮します。
□□④国際平和の維持・構築に正面から取り組みます。
□□⑤「国際刑事裁判所(ICC)」への早期加盟をめざします。
□□⑥国連安保理常任理事国入りをめざします。

□(5)国民を守ることができる防衛力整備への転換を図ります。(05頁)
□□①政権獲得後2 年以内に新たな防衛構想を策定します。
□□②弾道ミサイル防衛は、その必要性を踏まえ、シビリアン・コントロールを徹底します。
□□③わが国の領土・領海、排他的経済水域を守ります。

□(6)緊急事態に迅速に対処するため、「緊急事態基本法」の制定と「危機管理庁」の創設をめざします。(05頁)
□□①次期通常国会において「緊急事態基本法」を制定します。
□□②緊急事態に迅速に対応できる態勢を整えます。

□(7)拉致事件の解決など北朝鮮問題に積極的に取り組みます。(05頁)

□(8)イラクから自衛隊を12 月までに撤退させ、日本にふさわしいイラク復興支援に取り組みます。(06頁)

□(9)大使などの民間からの登用率を倍増します。(06頁)

3.社会保障・雇用(06頁)

□(1)「公平・透明・持続可能」な制度へ、年金制度を抜本的に改革します。(06頁)
□□①議員年金をただちに廃止します。
□□②ムダづかいの社会保険庁は廃止します。
□□③基礎年金国庫負担率引き上げは予算の徹底的な見直しで
□□④すべての年金を一元化します。
□□⑤年金目的消費税などを財源に老後の最低限の年金を保障します。
□□⑥働く女性も専業主婦もどちらも納得の年金制度へ
□□⑦納税者番号制度を導入します。
□□⑧「無年金障がい者」「無年金高齢者」の救済を

□(2)安心し納得できる医療を実現するための改革をすすめます。(08頁)
□□①患者の立場に立った予防・早期発見・治療が一体となった安心の医療を実現します。
□□②医療の質の向上に結びつく高齢者医療制度の改革を行います。
□□③多くの国民の命を奪う「がん」と正面から闘います。
□□④カルテ開示・医療費明細書発行を義務化するとともに、医療事故の防止に取り組みます。
□□⑤歯科医療と精神医療の充実をめざします。

□(3)介護保険の適正化、障がい者福祉の拡充に取り組みます。(10頁)
□□①介護保険制度の適正化をすすめた上で、エイジフリー化を実現します。
□□②障がい者福祉政策を改革します。
□□③在外被爆者問題の解決に取り組みます。

□(4)仕事と生活のバランスをとりながら、能力が最大限発揮できる雇用環境をつくります。(10頁)
□□①誰もが仕事に就き、労働が正当に評価されるルールを確立します。
□□②パート均等待遇の実現、育児・介護休業制度の拡充をすすめます。
□□③能力開発と月10 万円の手当支給で、失業・廃業からの再出発と暮らしを応援します。
□□④若者の自立のため、就労支援をマンツーマンで行います。

4.子育て(11頁)

□(1)子どもが健やかに育つ社会をつくります。(11頁)
□□①月額1万6000 円の「子ども手当」を創設します。
□□②「出産時助成金」を創設します。
□□③幼保一体化やNPO支援で保育を拡充し、学童保育を2 万カ所に増やします。
□□④病院小児科ネットワーク・小児科勤務医の大幅増をはじめ小児医療提供体制の構造改革
□□⑤「子ども家庭省」の設置に着手します。
□□⑥子どもたちを有害情報から守ります。

5.教育・文化(13頁)

□(1)公立小中学校の改革をすすめ、質の高い学習機会をすべての子どもたちに提供します。(13頁)
□□①教育人材の質・量ともに充実します。
□□②現場主権と説明責任を確立します。
□□③地域住民・保護者の参画をすすめます。
□□④土曜学校・放課後学習などを支援します。
□□⑤義務教育財源を確保します。

□(2)児童・生徒の安全を高める「学校安全基本法」を制定します。(14頁)

□(3)多様な教育機会確保のための私立学校改革をすすめます。(14頁)

□(4)希望者全員奨学金制度を実現します。(14頁)

□(5)文化・芸術における知的財産政策をすすめます。(14頁)

□(6)スポーツ振興で健康を増進します。(14頁)

6.地方分権・市民活動支援(15頁)

□(1)分権革命―地域のことは地域で決める社会へ(15頁)
□□①税金の使い道は地域で決められるよう、18 兆円の税財源を移譲します。
□□②市町村に権限・税財源を優先的に移譲し、住民が主役の社会をつくります。
□□③中央政府の権限を限定し、その範囲で強い政府をつくります。

□(2)主権者である市民の自発的活動を支援します。(16頁)
□□①特定非営利活動法人を税制でも支援します。
□□②公益法人制度を抜本的に見直します。

7.財政健全化(17頁)

□(1)3 年間で10 兆円の歳出カット、国債発行額30 兆円未満、プライマリーバランス赤字の半減を実現します。(17頁)

□(2)「ムダづかいの温床」特別会計をゼロベースで見直し、財政健全化にいかします。(17頁)

8.郵政改革(17頁)

□(1)現在340 兆円ある郵便貯金と簡易保険を適正規模に縮小します。(18頁)
□□①2006 年度中に郵便貯金の預入限度額を700 万円に引き下げます。
□□②同時に、名寄せを徹底し、預入限度額を超える分については個人向け国債などに振り替えます。
□□③その後、預入限度額をさらに500 万円に引き下げます。
□□④8 年以内に郵便貯金220 兆円を半減させることを目標とします。

□(2)特殊法人などに対する補助金3.5 兆円を3 年間で半減させ、郵貯簡保資金のムダづかいを元から断ちます。(18頁)

□(3)郵便事業については、国の責任で全国的サービスを維持します。但し、民間事業者の参入を促進し、国民に選択可能な「官」「民」双方のサービスを提供します。郵便ポスト10 万カ所設置などの高すぎる参入要件を緩和し、民間事業者の参入を具体的に促進します。(18頁)

□(4)お金の出し入れや公共料金支払い、年金受け取りなどの決済機能、行政のワンストップサービスなどについては、国の責任で維持します。(18頁)

□(5)郵便貯金・簡易保険を適正規模に縮小した後は、政府系金融機関との統合も含め、あらゆる選択肢を検討します。(18頁)

9.経済・規制改革・中小企業(19頁)

□(1)経済を活性化します。(19頁)
□□①「コンクリートからヒトへ」資源配分を大きく転換します。マクロ経済政策の健全化をめざします。
□□②公共事業のムダを止め、生活・環境重視の経済政策に転換します。
□□③道路公団を廃止し、高速道路を原則無料化します。
□□④道路特定財源制度の廃止、自動車関係諸税の軽減・地球温暖化対策税の創設を行います。
□□⑤団塊世代の地域への還流をすすめ、地域主体の雇用創出を図ります。
□□⑥「ローン利子控除制度」創設で家計を支援します。
□□⑦「貯蓄から投資へ」間接金融から直接金融への金融改革をすすめます。
□□⑧事業規制原則撤廃をすすめ、企業努力と起業意欲を増進させます。
□□⑨競争力強化・技術力強化に向けて、知的財産権立国をめざします。
□□⑩国際標準並みに独占禁止法を抜本改正します。
□□⑪科学技術政策を戦略的に推進する体制を整え、次世代の競争力を確保します。
□□⑫電波行政を抜本的に改めます。

□(2)中小企業を支援します。(22頁)
□□①中小企業予算倍増、政府系融資の個人保証撤廃などにより「再起できる中小企業政策」を展開します。
□□②「お金を貸せる銀行」をつくります。

10.農業・林業水産業(22頁)

□(1)農政の柱としてー補助金行政から直接支払へ大胆に転換します。(22頁)

□(2)農山漁村を活性化します。(22頁)

□(3)水産資源回復事業で漁村を活性化します。(23頁)

□(4)10 年間で1000 万ha の森林を再生(みどりのダムの育成)します。(23頁)

11.環境・エネルギー(23頁)

□(1)地球温暖化対策を強力に推進します。(23頁)

□(2)地球温暖化対策税を創設します。(24頁)

□(3)新エネルギー予算を倍増、低公害車普及・拡大をすすめます。(24頁)

□(4)安全を最優先し、原子力行政の監視を強めます。(24頁)

□(5)原油高、中国などのエネルギー需要の増加などに対応し、環境・エネルギー分野における国際協力を推進します。(25頁)

□(6)資源循環・廃棄物管理法案の成立をめざします。(25頁)

12.法務・人権(25頁)

□(1)国民に身近で公正な司法制度に改革します。(25頁)
□□①裁判員制度に国民が参加しやすいよう環境整備を行います。
□□②国民が利用しやすいよう総合法律支援制度を充実します。
□□③公正で透明性の高い刑事司法に改革します。
□□④国民が利用しやすい行政訴訟制度に改革します。
□□⑤法曹養成制度を充実します。

□(2)犯罪被害者への支援を強化します。(26頁)

□(3)仮釈放のない「終身刑」を創設し、刑罰を見直します。(26頁)

□(4)ドメスティック・バイオレンス(DV)防止法を強化します。(26頁)

□(5)「高齢者虐待防止法」および「障がい者虐待防止法」を制定します。(26頁)

□(6)テレビの字幕化を推進します。(26頁)

□(7)差別の解消をめざす法律を制定します。(27頁)

□(8)成年後見制度の利用を積極的に推進します。(27頁)

□(9)人権侵害の救済へ向け国際機関への個人通報を制度化します。(27頁)

13.暮らしの安全・安心(27頁)

□(1)アスベスト被害に対する健康対策、補償制度を確立します。(27頁)
□□①アスベストによる健康被害を最小限に食い止めます。
□□②安心して日常を過ごせるアスベスト処理方法を義務づけます。

□(2)消費者の食に対する不安を解消します。(28頁)

□(3)偽造・盗難カード、通帳による不正な預金引き出しから預金者を守ります。(28頁)

□(4)自然災害による被災者を対象に、住宅本体への再建支援制度を確立します。(28頁)

□(5)盗聴法、住基ネット法、個人情報保護法を見直します。(28頁)

□(6)住民基本台帳の大量閲覧を制限します。(28頁)

□(7)信頼される警察行政を取り戻します。(29頁)

□(8)警察官の3 万人増員により、落ち込んだ検挙率を回復させます。(29頁)

□(9)急増する薬物乱用対策に取り組みます。(29頁)

□(10)自殺予防の総合対策を推進します。(29頁)

□(11)消費者団体訴訟制度を創設します。(29頁)

□(12)「公益通報者保護法の改正」「公益開示法」「危険情報公表法」で国民の生命・財産を守ります。(30頁)

□(13)美しく暮らしやすいまちづくりへの転換(30頁)

14.政治改革・行政改革(30頁)

□(1)政治家の不正を根絶し、議員定数を削減します。(30頁)
□□①迂回献金を禁止し、政治資金の透明性を高めます。
□□②「一票の格差」是正をめざすとともに、衆参国会議員の定数を1 割以上削減します。
□□③成人年齢を18 歳に引き下げ、選挙権も18 歳以上とします。
□□④マニフェストを誰もがどこでも入手できるようにします。インターネット選挙運動を解禁します。

□(2)公務員の天下りを禁止し、人件費総額を引き下げます。(31頁)
□□①官僚や特殊法人の役職員の天下りを禁止します。
□□②公務員に労働基本権を保障します。
□□③公務員人件費総額を削減します。
□□④行政監視院(日本版GAO)を設置し徹底チェックします。

 あいや、PDFから目次作るのにエライ時間かかっちまったです(汗

 ・・・(汗

 あいたた、努力の甲斐なく、目次でさえ項目が多すぎて読みづらいです(苦笑


 それに目次作成して気付いたのですが、各章で章と節の関係がバラバラなんですけど。

 特にひどいのが「8.郵政改革」!(怒


 節タイトルが「(4)お金の出し入れや公共料金支払い、年金受け取りなどの決済機能、行政のワンストップサービスなどについては、国の責任で維持します。」みたいに、説明文になってしまっていて、で、肝心の本文は無し(爆笑)

 オイオイ、いくら最後に無理矢理付け足した章だからって、手抜き酷すぎじゃありませんか。

 これじゃ、目次を作ってもも見づらくてしょうがないでしょ(怒
(↑怒りの理由がおかしいっての(苦笑))


 本当はマニフェストの内容の話がしたかったのですが、目次を作るためにPDFファイルを印刷して(そのほうがはるかに読みやすかったです)、テキストファイル化して整理したら、もう疲れてしまいました。(汗

 岡田さん、もう少しちゃんとしたまともな読みやすいマニフェスト作ろうぜ!

 せめて要約版は必須でしょう。

 これは内容以前の問題です。

 読者のみなさま、そうは思いませんか?




(木走まさみず)