木走日記

場末の時事評論

欧州(西部)558人と、東アジア4人では、140倍近くの死者数の違いが現れていることを検証〜日本政府はこの事実を科学的に検証し今後の日本のウィルス対策に生かして欲しい

ジョンズ・ホプキンス大学のサイトの公開データによれば、新型コロナウイルスによる死者数は全世界で179ヵ国・145,546人(7/25/2020 AM現在)を数えています。

その公開データを分析中なのですが、予想以上に地域差が顕著なのに驚かされます。

世界を13の地域にカテゴリーします、外務省海外安全ホームページに準拠します。

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外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/riskmap/index.html

この13地域の世界人口77億1346万8千人(2019年国連人口部)の分布を円グラフで確認します。

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※国連人口部の推計人口統計「World Population Prospects, 2019 Revision」ベースより『木走日記』作成

世界2位のインド(13億6641万8千人)を抱える南西アジア24%、世界1位の中国(14億3378万4千人)を抱える東アジアが22%、そして東南アジアが7%と、世界の人口の53%をアジアが占めています。
また、北米、中米、南米の南北アメリカ大陸で14%、欧州が11%、アフリカが17%、中東5%です。

次に、新型コロナウイルスの最新の死者数(世界合計145,546人)の世界の地域別割合をグラフで確認します。

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ジョンズ・ホプキンス大学新型コロナウイルス感染状況ダッシュの公開データより『木走日記』作成

人口分布と顕著な違いが確認できます。

人口割合14%の南北アメリカ大陸が、新型コロナウイルス死者数では、北米24%、中米8%、南米20%と合計52%と死者数の過半数を占めているのです。

欧州も、人口割合11%から、死者数の割合は32%を占めています。

逆にアジアは人口割合52%から死者数割合8%と減少しています。アフリカも同様に人口17%から死者数3%となっています。

世界で今起こっていることははっきりしています。

地域によって新型コロナウイルス死者数の人口当たりの発生率に大きな偏りがあるのです。

確認したとおり各地域には大きな人口差がありますので、最も公正と言われる人口当たりの死者数で各地域を比較してみます。ここでは『人口百万人当たりの死者数』を採用しましょう。

グラフにしてみます。

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※『木走日記』作成

ご確認いただけますように、グラフで赤線で上下に分けましたが、欧州・アメリカ大陸・中東の死者数の大きい地域と、アジア、アフリカ、大洋州の低地域にはっきり分かれます。

驚くべきことに、最悪の欧州(西部)558人と、最も少ない東アジア4人では、実に140倍近くの死者数の違いが現れているのです。

同じ疫病による死亡率に、地域によりこれだけの顕著な差が現れているということは、統計学的にははっきり優位性があると考えられます。

原因はわかりませんが、日本の属する東アジア地域は、他地域に比べて明らかに新型コロナウイルスに対して人口当たりの死亡率が低いのです。

日本政府にはこの科学的事実をしっかり検証していただき、願わくば今後の日本のウィルス対策に生かして欲しいものです。



(木走まさみず)