今こそ、経済活動効果と感染拡大リスクをしっかり評価し、政府の責任で国民に示すべき
国内では23日、新たに981人の新型コロナウイルス感染者が確認されました。1日当たりの感染者は前日の795人を大きく上回り、2日連続で過去最多を更新しました。
このうち、東京都は366人と最多を大幅に更新。愛知県(97人)、福岡県(66人)、埼玉県(64人)などでも最多の感染者が確認されました。
地図で確認します。
※NHK公開データより『木走日記』作成
地理的特徴として注目いただきたいのは、ここに来て顕著なのが、感染者が急増している地域、東京、神奈川、愛知、京都、滋賀、大阪、兵庫、広島、福岡と結ぶと、東海道・山陽新幹線のルートに重なることです。
東京からの人の移動ルートで感染急増が発生していることが見て取れます。
東京都と46道府県での発生者推移を見てみましょう。
※NHK公開データより『木走日記』作成
確かに東京も急増していますが、東京以外の道府県も、すでに東京の増加率を超えて増加していることがわかります。
東京都の感染者推移を確認します。
※東京都公開データより『木走日記』作成
ご覧のとおり右肩上がりのグラフになっております。
東京都の入院患者数推移を確認します。
※東京都公開データより『木走日記』作成
当然ながら入院患者数も964人と右肩上がりです。
より重要な指標である東京都の重症患者数推移を確認します。
※東京都公開データより『木走日記』作成
ここが一番注視すべき指標なのですが、長らく減少傾向にあった重症患者数が7月11日5人を極小値として、増加傾向に反転してきたように見えます。
引き続き公開データを注目していきたいと思います。
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政府に提言したいことがあります。
今こそ、どこまでなら感染の広がりを許容できるのか。経済活動の効果と感染拡大のリスクをデータに基づいてしっかり評価し、政府が責任をもって国民に示すべきです。
このまま感染拡大が加速するなら、数値だけが大きく報道されていくと、「GoTo トラベル」キャンペーンも再度の見直しが必要になりましょう。
旅館やホテルを別の方法で支援することも検討課題となるやもしれません。
感染を制御可能な水準に抑え、重症者や死者を極力出さないようにしなければなりません。
この事業に限らず、経済活動のアクセルとブレーキの上手な使い分けが求められるのです。
感染者をゼロにはできません。少なくともワクチンや治療薬の普及まで、しばらくはウイルスと共存しなければならません。
繰り返します。
どこまでなら感染の広がりを許容できるのか。経済活動の効果と感染拡大のリスクをデータに基づいてしっかり評価し、政府が責任をもって国民に示すべきです。
このままでは疫学的にも経済的にも中途半端な対策になってしまいかねません。
(木走まさみず)