木走日記

場末の時事評論

「韓国も核を持とう」(朝鮮日報コラム)〜日本にとって外交的に極めて重要なイシュー「韓国はもはや友好国と考えるべきではない」

 朝鮮日報の2月1日付け記事が韓国も核を持てと主張しています。

【コラム】韓国も核を持とう
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/02/01/2019020180130.html

 記事冒頭の一文で、このコラムの主張は全て出ています。

 韓国も、核兵器保有する問題を深く検討すべきときになった。米国が北朝鮮の非核化に失敗し、北朝鮮が事実上の核保有国になったら、日本とて黙っているはずがない。日本も核を持つ状況が来る。そうなったら、北東アジアは中国・日本・ロシア・北朝鮮の4カ国いずれも核保有国になり、唯一韓国だけが核を持たない、寄る辺の無い身になる。

 日本が核武装すれば、「唯一韓国だけが核を持たない、寄る辺の無い身になる」との見方です。

 日本が核武装をしない理由は「万に一つもない」し、「日本の核武装は中国が最も恐れる状況」なのでアメリカも外交利用するだろうと展開します。

 依然として北朝鮮の中・短距離核兵器の射程に収められている日本としては、そのままでいるべき理由は万に一つもない。「米国さえ安全ならそれで終わりなのか。自分たちも生き延びよう」と、本格的に核を持とうと図るだろう。そういう事情を逆手に取って日本の核武装を正当化しようとする陰謀論も可能だ。日本の核武装は中国が最も恐れる状況なので、トランプ大統領としては「北朝鮮の核を眠らせて日本の核を起こし」、中国をけん制するという、多目的な策を練ることもあり得る。

 コラムは「韓国の核保有」について「いつまでも手をこまねいていることもできない」とし、「韓国に核があってこそ敵の核を相殺できる」と結ばれています。

 韓国の核保有は、かつて保守政権時代に提起されるべきだった。かといって、いつまでも手をこまねいていることもできない。北朝鮮の核を糾弾しながら韓国の核武装に言及するのは矛盾と言えるが、諸大国が打ち立ててきた論理の通り、核には核で対抗するほかなく、韓国に核があってこそ敵の核を相殺できる。野党や保守団体は、韓国の核保有問題を来年の総選挙で公に論じ、韓国国民の関心を集めるべきだ。

 要は、日本も核を持つから韓国も持て、と主張しているのです。

 このコラムは韓国の潜在的敵国が日本であることを極めて明快にあらわしています。

 文大統領を支える韓国左派は核付きで北朝鮮との統一を夢見て、韓国右派はこの朝鮮日報コラムのように日本に対抗して独自の核武装をとなえます。

 いずれにしろ朝鮮半島核兵器は日本を標準にする

 これは外交的に極めて重要なイシューだと思います。

 韓国はもはや友好国と考えるべきではないのかもしれません。

  

(木走まさみず)