木走日記

場末の時事評論

韓国最高裁よ、お前はどこの闇金なのか?〜日本企業が無視していると年利20%で4年ごとに倍増する恐ろしいカラクリ


 日本メディアがあまり報じてないので、ちょっと今回の賠償金のカラクリをご紹介。

 韓国中央日報記事によれば、韓国政府に問い合わせが殺到しているそうです。

「うちの祖父も徴用、訴訟を起こせばよいのか」…韓国政府に問い合わせ殺到
https://japanese.joins.com/article/660/246660.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|article|ichioshi

 記事より抜粋。

この日、強制徴用被害者を支援する行政安全部過去関連業務支援団には問い合わせの電話が続いた。「うちの祖父も被害者だが、いま訴訟を起こせば勝てるのか」というような問い合わせが多かった。裁判所の判決とは別に政府も強制徴用者を把握し、慰労金として遺族に2000万ウォン(約200万円)、負傷者には300万−2000万ウォンを支払った。現在まで政府慰労金の支払いが決定した事例は7万2000件。

 つまりです、22万6千人(韓国側の数値)の徴用工のうち7万2千人はすでに政府慰労金(約200万円)対象なのですが、今回の判決で一人当たり一億ウォン(1000万円)の高額な賠償金額が命ぜられたのですから、問い合わせが殺到するのも無理はありません。

 さらにです、韓国最高裁の判決には驚くべきカラクリが仕組まれていたのであります。

 なんと控訴審弁論終結日の2013年6月19日から計算して年20%の利率に相当する金額を追加で支払うべきという付属決定がついているのであります。

 この利子を含めると日本企業が負担すべきよう命じられた金額はすでになんと一人当たり二億ウォン(2000万円)なのであります。

 さらにです、年20%の利子だとこのまま日本企業が払わないままだと、1年後1.2倍、2年後1.44倍、3年後1.728倍、4年後2.0736倍と雪ダルマ式に賠償額が膨らんでいくのでございます。

 4年で二倍であります。

 当該箇所を記事より抜粋。

今回の最高裁新日鉄住金に対して原告に1億ウォンずつ慰謝料の支払いを命じる判決を下したが、実際の賠償金額はさらに多い。被害者が請求した1億ウォンのほか、控訴審弁論終結日の2013年6月19日から計算して年20%の利率に相当する金額を追加で支払うべきという付属決定をしたからだ。結果的に被害者は新日鉄住金に対して2億ウォンほどの賠償金の債権を持つことになった。新日鉄住金が賠償しなければ利子はさらに増える。

 そもそも一人当たりの賠償金額1000万円の根拠は何なのでしょうか。

 裁判所の説明は「いくつかの事情を勘案」となんともあいまいです。

裁判所は「日本企業の違法行為加担程度、被害者に対する抑圧水準、韓国の物価と国民所得上昇分などいくつかの事情を勘案し、慰謝料の金額を定めた」と説明した。

 それもそのはず、新日鉄住金は金額以前の段階で争ってきて、請求金額などまった争点にしなかったからです。

 この裁判で1億ウォンの請求金額が適正かどうかは争点にならなかった。新日鉄住金が賠償責任自体を認めなかった理由が大きい。

 根拠薄弱な一人1億ウォンの賠償金が、日本企業が無視していると年利20%で4年ごとに倍増するのです。

 そりゃ韓国政府に問い合わせが殺到するはずです。

 何万人もが殺到するこの世の地獄絵・・・

 恐ろしいことです。

 韓国最高裁よ、お前はどこの闇金なのか?

 やれやれです。

 ふう。


(木走まさみず)