木走日記

場末の時事評論

新潟県知事選で「合わせてイッポン」のお見事な「技あり」を決める野党のみなさん

 さて新潟県知事選で、自民、公明が支持する花角英世候補が、野党の支援を受ける池田千賀子候補に勝ちました。

 自民党内からはこれで安倍3選安泰だとの気の早い声もちらほら上がっているようです。

アングル:新潟知事選与党系勝利、自民内で高まる安倍3選機運
http://blogos.com/outline/303521/

 新潟県民にとっては大切な知事選でありましたでしょうが、所詮一地方の首長選でありまして、この結果が国政に与える影響はそれほど大きいはずもありますまい。

 そもそも野党の地方選においても馬鹿の一つ覚えのような安倍晋三批判オンリーの戦略があまりにも愚鈍で有権者からあきれられて乖離しまくったのではないでしょうか。

 例えば選挙終盤戦の8日のこの野党候補の応援演説はどうでしょう。

野党系候補の応援演説で首相らを批判 佐高信氏「安倍のバカなバカ騒ぎ」、山口二郎氏「腐った男いらない」

 評論家の佐高信氏や法政大学法学部の山口二郎教授らが8日夜、新潟知事選の立候補者、元県議の池田千賀子氏(57)=立民、国民、共産、自由、社民推薦=の応援に駆け付け、新潟市中央区のJR新潟駅前で安倍晋三首相や、ほかの知事選候補者を批判する演説を行った。

 佐高氏は「安倍晋三拉致問題を食い物にして首相になり、無責任なことやってる。本当に拉致問題を解決したいなら平壌に乗り込め。そして帰ってくるな」と絶叫。聴衆からは「そうだ」と大きな声が上がった。

 さらに、佐高氏は「安倍のバカなバカ騒ぎを打ち破るためにも絶対に勝たないといけない。自民党に天罰を、公明党に仏罰を」と声を張り上げた。

 また、山口氏は「もう腐った男はいらない。女性の知事を実現させるべく、力いっぱい戦っていただきたい」と訴えた。

 米山隆一前知事の辞任に伴う知事選は10日、投開票。元五泉市議の安中聡氏(40)、元海上保安庁次長で元副知事の花角英世氏(60)=自民、公明支持、池田氏の無所属新人3氏が人口減少問題や産業振興などを争点に激しい舌戦を繰り広げている。

https://www.sankei.com/politics/news/180608/plt1806080031-n1.html

 しかし下品な安部批判ですな、安倍批判の発言部分を抜粋。

安倍晋三拉致問題を食い物にして首相になり、無責任なことやってる。本当に拉致問題を解決したいなら平壌に乗り込め。そして帰ってくるな」(佐高信氏)

「安倍のバカなバカ騒ぎを打ち破るためにも絶対に勝たないといけない。自民党に天罰を、公明党に仏罰を」(佐高信氏)

「もう腐った男はいらない。女性の知事を実現させるべく、力いっぱい戦っていただきたい」(山口二郎氏)

 「平壌に乗り込め。そして帰ってくるな」とか「安倍のバカなバカ騒ぎ」とか「自民党に天罰を、公明党に仏罰を」とか「もう腐った男はいらない」とか、品性も知性の欠片もない安倍首相の悪口をわざわざ新潟県知事選でがなりたてられた新潟有権者こそお気の毒なのであります。

 ここには新潟県政に対する何の建設的な提案も新潟県民に対する何の具体的な提言もありません、あるのはヒステリックな「安倍が悪い」連呼だけです、このような県民不在のエゴ応援演説では誰の心を捉えましょうや、野党候補が敗れたのもこれでは無理からぬことなのです。

 さらにあきれるのは、選挙で敗れたのに野党幹部のこの「勝利宣言」のような勝ち誇り方はいかがなものでしょう。

野党幹部「政権批判の声示された」…新潟知事選

 立憲民主党近藤昭一選挙対策委員長は10日夜、事実上の与野党対決となった新潟県知事選で、自民、公明両党が支持した前海上保安庁次長の花角英世氏が初当選を決めたことについて、「今後の新潟県政における原発政策について、県民の意思に沿った行政が進められるよう引き続き注視していきたい」とのコメントを発表した。

 近藤氏は、「森友・加計かけ学園問題にみられる公文書改ざんや虚偽答弁など、国民の不信感を増幅させた安倍政権への批判の声は今回の投票でも示された」とも指摘した。

 立民など野党5党は、前新潟県議の池田千賀子氏を野党統一候補として推薦していた。

 国民民主党の大島敦選対委員長も談話を発表し、「池田氏への支持の広がりは、新潟における安倍内閣の危うい政治運営に異議を唱える声が広がっていたという証左に他ならない」と強調した。

2018年06月10日 23時32分
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/20180610-OYT1T50107.html

 立憲民主党近藤昭一選挙対策委員長は、前回は勝利したのに今回は負けてしまい明らかに状況は野党衰退を示しているのに、「国民の不信感を増幅させた安倍政権への批判の声は今回の投票でも示された」とわけのわからない分析をしています。

 国民民主党の大島敦選対委員長もとぼけた声明です、「新潟における安倍内閣の危うい政治運営に異議を唱える声が広がっていた」ですって。

 野党のみなさん、あなたたち負けたのですよ?
 地方自治体の首長選で、品性の欠片もない場違いの政権批判を繰り広げ有権者にそっぽを向かれたその愚鈍な戦略で「技あり」。
 選挙後、選挙で負けたにもかかわらず「安倍政権への批判の声は今回の投票でも示された」との意味不明の「勝利宣言」の間抜けさで「技あり」。
 「合わせてイッポン」の、お見事な日本の野党のどうしようもなさなのであります。

 読者の皆さん。

 日本の野党の夜明けは遠いようです。

 ふう。



(木走まさみず)