木走日記

場末の時事評論

佐川氏不起訴で問われる安倍政権の対応〜佐川氏が国会発言を拒む理由は今こそなくなったのではないのか

 さて佐川宣寿前国税庁長官らが不起訴になったことを受けて、自民・二階俊博幹事長はこれで一区切りついたとの認識で「判断に従うのが通常だ」と発言いたしました。

 産経新聞記事より。

自民・二階俊博幹事長「判断に従うのが通常だ」 佐川宣寿氏不起訴受け

 自民党二階俊博幹事長は31日、森友学園への国有地売却に関する財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題で佐川宣寿前国税庁長官らが不起訴になったことを受けて「これですっきりして、(財務省職員は)仕事に励んでいただきたい。(大阪地検が)こういう判断をした以上は、それに従うのが通常だ」と述べた。党本部で記者団に語った。

 また「昨年2月以来、1年以上にわたって繰り返し議論されてきた。もう少し早く結論が出た方が当事者や関係者にとってはいい」とも述べた。

 麻生太郎副総理兼財務相の責任については「考えたこともなければ、申し入れたこともない」と語った。

https://www.sankei.com/affairs/news/180531/afr1805310030-n1.html

 いや、ほんと「昨年2月以来、1年以上にわたって繰り返し議論されてきた」この無駄な時間、国会を一日開くに掛かる税金をこの期間ドブに垂れ流したに等しいのです。

 万死に値する野党はしかしこの間離合集散しつつその漸近線は限りなく支持率ゼロへと向かっております、自業自得でありましょう。

 そもそもモリにしろカケにしろ、安倍政権打倒のネタとしては、筋が悪すぎたのです。

 朝日新聞の筋の悪い安倍憎しスクープ報道に安直に乗っかった野党が賢くはなかったのです。

 朝日新聞がしかけたモリにしてもカケにしても、かたや首相の夫人かたや首相の友人が絡んだ学校法人の設立がらみで役人による「忖度」がらみの疑惑問題でありまして、例えばロッキードのような過去の大収賄事件と比較してもどう考えても倒閣につながるような大きな事件にはなりようがなく、国会で野党が一年以上騒いでも何一つ安倍内閣に繋がる疑惑は出てこない有様なのではあります。

 失礼ながらモリにおいては首相夫人の行動の軽率さ、カケにおいては首相友人の沈黙ぶり、国会にての安倍総理の「関わっていたなら総理大臣も国会議員も辞める」発言といい、火に油をそそいでどうします、『李下に冠を正さず』であります、いやはや安倍総理周辺に慢心はなかったか、危機管理が甘すぎたといえましょうや。

 モリカケにおいては首相としてはあまりにも脇が甘く反省していただきたく事案ではあれど、さにありながらこれで倒閣などにつながるようなだいそれた筋でもないのもまた明らかなわけでありました。

 ・・・ 

 しかしながらこたびの佐川宣寿前国税庁長官は、ひとつけじめをつけるべきでしょう。

 それはこの一年、国会にて何十回も「訴追の恐れ」を理由に答弁拒否を繰り返してきたことです。

(関連記事)

佐川氏証人喚問 衆院でも答弁拒否を連発、「訴追の恐れ」 首相答弁の影響は否定
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/180327/mca1803271025014-n2.htm

 佐川氏には、国会の証人喚問で「訴追の恐れ」を連発して証言を拒み続けた一つ一つの事実について、改めて説明する責任が残ります。

 訴追の恐れが解消された以上、全ての疑問に答えるべきでありましょう。

 それが筋というものであります。

 この問題を早々に打ち切るためにも、安倍政権にとってそれが最善の策であると進言させていただきます。

 当ブログは、安倍政権には是非憲法改正発議まで国会を進めていただきたいと強く願っています。

 安倍政権には史上初めての憲法改正発議という大きな役割があるのです。

 それがためにも、本件において安倍政権には国民にわかりやすい正しい筋を通していただきたいのです。

 佐川氏が国会発言を拒む理由は今こそなくなったのであります。



(木走まさみず)