木走日記

場末の時事評論

バカの一つ覚えのようにワンフレーズを繰り返すボキャブラリィ貧困集団〜ノーノーノーノーうるさいマスメディア

 今回は沖縄県知事選結果報道を通じて、日本のメディアをリテラシーいたしましょう。

 沖縄県知事選は共産、社民両党や労組などでつくる「オール沖縄」が推し、米軍普天間飛行場辺野古移設に反対する玉城(たまき)デニー衆院議員が、自民、公明両党などが推した保守系候補を破って当選しました。

 過去最多の39万票の勝利であります。

(参考記事)

当選の玉城氏、過去最多の39万票 得票数確定
沖縄県知事選 政治 九州・沖縄
2018/10/1 1:37

9月30日に投開票された沖縄県知事選は10月1日未明、各候補者の得票数が確定した。無所属新人の玉城デニー氏(58)が39万6632票を獲得し、同知事選で過去最多だった。前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)に約8万票の差をつけた。

当396632 玉城デニー 無新

 316458 佐喜真 淳 無新

  3638 兼島  俊 無新

  3482 渡口 初美 無新

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35942560R01C18A0000000/

 さてこの玉城デニー氏の沖縄県知事選勝利を受けて、明けた翌10月1日付けの日本の新聞の社説が大変なことになっております。

 すべての社説を取り上げれませんが有名どころの5紙の社説を、読者と共に愛でてみたいです。

 まずは全国紙2紙。

 朝日は社説タイトル『沖縄知事選 辺野古ノーの民意聞け』を高々と掲げます。

朝日新聞社説】沖縄知事選 辺野古ノーの民意聞け
https://www.asahi.com/articles/DA3S13703471.html?ref=editorial_backnumber

 次に毎日社説。

毎日新聞社説】沖縄知事に玉城デニー氏 再び「辺野古ノー」の重さ
https://mainichi.jp/articles/20181001/ddm/005/070/063000c

 毎日社説は「再び「辺野古ノー」の知事を選んだ県民の審判は極めて重い」と指摘しています。

 沖縄県の新知事に、米軍普天間飛行場辺野古移設に反対する玉城(たまき)デニー衆院議員が当選した。8月に死去した翁長雄志(おながたけし)氏に続き、再び「辺野古ノー」の知事を選んだ県民の審判は極めて重い。

 次に地方紙3紙。

 まずは地元沖縄の【琉球新報社説】です。

琉球新報社説】新知事に玉城氏 新基地反対の民意示した
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-811370.html

 社説は「県民は翁長県政の路線継承を望み、安倍政権に「ノー」を突き付けた」と言い切ります。

 政権与党対県政与党という対立構図の中で、県民は翁長県政の路線継承を望み、安倍政権に「ノー」を突き付けた。「政府の言いなりではなく、沖縄のことは沖縄で決める」という強い意志の表れだ。

 【東京新聞社説】。

東京新聞社説】沖縄県知事選 辺野古基地は白紙に
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018100102000211.html

 社説は冒頭から「辺野古新基地建設はNO」と雄叫び(苦笑)から始まります。

 辺野古新基地建設はNO。沖縄県知事選で、米軍普天間飛行場移設問題にあらためて民意が示された。政府は直ちに辺野古移設を見直すべきだ。これ以上、沖縄に対立と分断をもたらさないために。

 最後は【北海道新聞社説】。

北海道新聞社説】沖縄知事選 新基地拒否で県政継続
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/233443?rct=c_editorial

 社説は「安倍晋三政権の高圧的なやり方に、改めて「ノー」を突きつけた」と政権を突き放します。

 この結果は「辺野古移設が唯一の解決策」として新基地建設を強行し続ける安倍晋三政権の高圧的なやり方に、改めて「ノー」を突きつけたものと言える。

 ・・・

 うーむ。

 改めて各紙社説のコア部分を列挙。

 辺野古ノーの民意聞け(朝日)

 「辺野古ノー」の知事を選んだ県民の審判は極めて重い(毎日)

 県民は翁長県政の路線継承を望み、安倍政権に「ノー」を突き付けた(琉球

 辺野古新基地建設はNO沖縄県知事選で、米軍普天間飛行場移設問題にあらためて民意が示された(東京)

 安倍晋三政権の高圧的なやり方に、改めて「ノー」を突きつけたものと言える(北海道)

 何だか日本の左派メディアは「ノー」という単語がお好きなのであります。

 そう言えば、「原発ノー」とか「増税ノー」とかは日本共産党の常套句ではありましたな。

 ・・・

 沖縄県が司法の場で一度決着した問題を蒸し返そうとしているのは明らかです。

 翁長氏は2015年に手続きに瑕疵があったとして一度承認を取り消しましたが、最高裁は翌年、翁長氏の判断を違法と結論づけています。

 辺野古工事は法的にはすでに最高裁でGOサインがでております。

 自治体の問題ではないのです。

 そもそもです。

 外交・安全保障政策を担うのは、国民の選挙によって構成される国会が指名した首相を長とする内閣であります。

 自治体の長である知事に覆す権限は一切ないのです。

 辺野古移設は日米両国の外交上の約束であり、9月1日付け朝日新聞社説が誤誘導するような「すべての自治体の問題」であるはずがありません。

(関連記事)

(9月1日付け朝日新聞社説)辺野古工事 全ての自治体の問題だ
https://www.asahi.com/articles/DA3S13659491.html?ref=editorial_backnumber

 辺野古反対の朝日新聞オール沖縄側は、二言目には「沖縄県民の民意」と叫びますが、外交・安全保障政策は「地方自治」政策ではありません。

 ・・・

 それにしても、辺野古ノー(朝日・毎日)、安倍政権ノー(琉球・北海道)、辺野古新基地建設NO(東京)と、ノーノーノーノーうるさいマスメディアなのです。

 君たちはいったい日本人なのですか、それとも欧米か?

 読者のみなさん。

 日本のメディアは、バカの一つ覚えのようにワンフレーズを繰り返すボキャブラリィ貧困集団です。

 そうは思いませんか?

 

(木走まさみず)