木走日記

場末の時事評論

蓮舫氏よ、『対案路線』はどこにいったのだ!?〜普天間基地問題でさっそく馬脚あらわす


 今回は小ネタです。

 さて民進党蓮舫新代表ですが、今回の代表選を通じていくつか彼女お得意のキャッチーなワードを放っておりましたね。

 曰く、

「私はバリバリの保守ですよ。みんな間違っているけど。野田佳彦前首相並みの保守ですよ」

「『ワクワクする政治』と『さわやかな戦い』『女性の挑戦』を頑張りたい」

 また、民進党を与党政策へのただの無責任な反対政党ではなくし、責任ある対案を掲げて失った党への信頼を取り戻していく方針も、全面に押し出しました。

民進党をしっかりと選択してもらえる政党にしていく」

「私たちには政策も対案もある」

 うむ、失った党への信頼を取り戻していくための『対案路線』であります。

 『バリバリの保守』として、『ワクワクする政治』と『さわやかな戦い』『女性の挑戦』を実践・実現を目指す、そのために反対だけの無責任野党ではなく、政権に対して責任ある対案を掲げて、失った民進党への信頼を取り戻していく、というわけでありますね。

 『対案路線』、けっこうなことです。

 ・・・

 ・・・

 さて普天間基地移設問題において、極めて重要な司法判断が16日下されました。

 沖縄県の米軍普天間基地宜野湾市)の名護市辺野古沿岸部への移設を巡り、翁長雄志知事が埋め立て承認を取り消した処分を撤回しない対応の違法確認を国が求めた訴訟で、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)は16日、国の訴えを認める判決を言い渡しました。

 判決内容はほぼ国の主張を認めており、沖縄県側としてはその主張をほとんど認められることがない「全面敗訴」の形となりました、県側は早速最高裁への上告手続きをとり継続して争う模様であります。

(参考記事)

辺野古移設巡る訴訟、国が勝訴 福岡高裁那覇支部
2016/9/16 14:04
http://www.nikkei.com/article/DGXLASJC14H1Q_W6A910C1000000/

 さて、今回の代表選で、蓮舫氏は「辺野古移設堅持」を公言されていました。

 前原誠司元外相と玉木雄一郎国対副委員長は見直しを主張する中で、現行の移設計画は旧民主党政権が米側と確認した内容であることを踏まえ、「結論は基本として守るべきだ。どんなに米国と話をしても選択肢は限られてくる。基軸はぶれるものではない。それが外交の基本戦術だ」と堂々と訴えておりました。

(参考記事)

蓮舫氏「辺野古移設堅持を」=普天間めぐり討論−民進代表選
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016091100148&g=pol

 さて、今回の辺野古移設巡る訴訟における国の勝訴を受けて、基本的には蓮舫氏自らの主張にそう判決であったわけですが、蓮舫氏はテレビ番組にて、なんと名護市辺野古への移設計画を進める安倍晋三政権の対応を批判するのであります、「県民の声に寄り添っていない」と。

 17日付け産経新聞記事から。

蓮舫民進党代表、辺野古移設「県民の声に寄り添っていない」

 民進党蓮舫代表は17日午前の読売テレビ番組で、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画を進める安倍晋三政権の対応を批判した。

 蓮舫氏は、政府が平成29年度予算の概算要求で、沖縄振興費を今年度当初予算比で140億円減の3210億円としたことなどに関し「あまりにも乱暴なやり方だ」と指摘。

(後略)

http://www.sankei.com/politics/news/160917/plt1609170024-n1.html

 党代表選の論戦で辺野古への移設計画に賛成する立場を示しているはずの蓮舫氏でありますが、「今の政権の沖縄への手法はあまりにも県民の声に寄り添っていないやり方だ」と批判したのであります。

 目指す方向は同じでも安倍政権のやり方では「県民の声に寄り添っていないやり方」だからダメだということなのであります。

 ・・・

 ふう。

 一言よろしいでしょうか。

 「今の政権の沖縄への手法はあまりにも県民の声に寄り添っていないやり方だ」
 政権への批判は良しです。
 ならば、『バリバリの保守』として、どのようなやり方がよろしいのか、責任ある具体的な『対案』を示していただきたいのです。
 政権のやり方を対案を示さず、ただ批判するだけならば、何も今までと変わらないのではないですか。
 『言うは易く行うは難し』、口で言うことは簡単だがそれを実行することはむずかしい、という好事例でありましょう。
 最初に「今回は小ネタ」と前振りしたとおり、重箱の隅をつつくような揚げ足取りなエントリーで申し訳ないです。

 しかし、読者の皆さん。

 蓮舫氏が責任ある政党として失った民進党への信頼を取り戻していく、そのために『対案路線』を実践していくとするならば、まずはこのあたりからその姿勢を改めるべきであり、民進党の信頼回復のためにはコツコツとていねいなそして具体的な実践をしていくことが極めて重要なのではないでしょうか。
 そうは思われませんか。

 ふう。



(木走まさみず)