木走日記

場末の時事評論

名護市長選における朝日社説ダブスタ検証〜だれが勝ったかで態度が180度替わる朝日新聞社説の見事なダブスタぶりを愛でる

 朝日新聞が名護市長選の結果をこんなものは民意を反映していないと、社説で吠えています。

(社説)名護市長選 民意は一様ではない
2018年2月6日05時00分
https://www.asahi.com/articles/DA3S13346253.html?ref=editorial_backnumber

 社説は冒頭から「政権側が「これで移設が容認された」と考えるなら、単純すぎる」と指摘しています。

 米軍普天間飛行場の移設先、沖縄県名護市の市長選で、安倍政権の全面支援を受けた新顔が、移設反対を訴えた現職を破り初当選した。

 たび重なる選挙で示された民意を背景に、辺野古移設阻止を訴えてきた翁長県政の痛手は大きい。ただ、政権側が「これで移設が容認された」と考えるなら、単純すぎる。

 選挙結果は民意に反映されていない、市民の思いは複雑だと指摘します。

 「基地より経済」ではなく、「基地も経済も」――。市民の思いは一様ではない。

 社説は「辺野古移設の浮上から6度目の市長選」だが、「国策をめぐって民意が引き裂かれる。その重荷を取り除く責任は政権にある」と結ばれています。

 辺野古移設の浮上から6度目の市長選だ。本来は身近な自治のかじ取り役をえらぶ選挙で、基地移転という国策をめぐって民意が引き裂かれる。その重荷を取り除く責任は政権にある。

 普段民意、民意とうるさくいっている割には今回はずいぶんおかしな主張をするものです。

 今回の名護市長選は民意を反映してないと、民意はもっと複雑なんだと。

 そうですか、朝日新聞論説室さんたちよ。

 名護市長選はなかなか民意を反映してない、ですか。

 ふーん。

 えらそうにご託を並べてくれますが、あなたがた、4年前の1月20日の社説で「民意」「民意」とわめいていたこと、よもやお忘れになったわけではないでしょうね?

 当時の社説はリンク切れですが、当時の紙面目次だけはネット上で確認できます。

(社説)名護市長選 辺野古移設は再考せよ
http://www.asahi.com/shimen/20140120/index_tokyo_list.html

 この前日、基地反対派が名護市長選に勝利したのを受けて、あなたたち、社説で何を叫んでいましたか。

 リンク切れしていますが、おあいにく様、当ブログは過去のネット上の朝日社説を全てデータベース化、個人のPCにてストックしておりますので、読者のみなさんにこの社説の骨子をご紹介させていただきましょう。

 社説は冒頭から、「名護市辺野古への基地移設に、地元が出した答えは明確な「ノー」」と、民意が示されたことをいきり立ちます。

 名護市辺野古への基地移設に、地元が出した答えは明確な「ノー」だった。

 米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設先とされる名護市の市長に、受け入れを拒否している稲嶺進氏が再選された。

 沖縄県仲井真弘多(ひろかず)知事は辺野古沖の埋め立てを承認したが、市長選の結果は移設計画や政府の手法への反発がいかに強いかを物語る。強引に事を進めれば大きな混乱を生む。政府は計画を再考すべきだ。

 今回の選挙は「移設反対派は地元の民意を示す最後の機会ととらえた」そうであります、「民意」ですと。

 名護市長選で基地移設が争点となるのは5回目だ。

 昨年末の知事の承認によって、日米両政府の合意から18年間進まなかった移設計画は一つのハードルを越えた。今回の市長選ではこれまで以上に「基地」が問われた。

 移設反対派は地元の民意を示す最後の機会ととらえた。一方、推進派の末松文信氏側には連日、大臣や知事、自民党国会議員が応援に入り、国や県とのパイプを強調。基地受け入れの見返りに国から交付される米軍再編交付金などを使った地域振興策を訴え続けた。

 しかし、振興策と基地問題を結びつけて賛否を迫るやり方には、名護市だけでなく、沖縄県内全体から強い反発がある。当然だろう。

 どうでしょうか、この朝日新聞社説のダブスタぶりは?

 ・・・

 それにしてもです。

 基地反対派が勝利すれば「地元が出した答えは明確な『ノー』」(4年前社説)、基地推進派が勝利すれば「民意は一様ではない」(今回社説)、選挙結果によって180度いっていることが違うんですけど?

 ここまでのダブスタ、よく朝日新聞論説室は恥ずかしくもなく社説に掲げますよね。

 今回はだれが勝ったかで態度が180度替わる朝日新聞社説の見事なダブスタぶりを愛でてみました。

 朝日新聞、しかしわかり易いレベルでネット時代では駄目駄目なまったく説得力のないメディアなのであります。

 やれやれです。

 ふう。



(木走まさみず)