木走日記

場末の時事評論

野党が選挙でここまで弱くなってしまった理由

さて統一地方選の前半戦が終わりました。

目立ったのは大阪維新の健闘ぶりと全国的には自民党の底堅さでありましょう。

それにしても「安倍一強」などとメディアで揶揄されるこの自民党「選挙無双」状態なのでありますが、自民党が強いというよりも野党が弱すぎるというのが実情のようです。

なぜ野党はここまで選挙に弱くなってしまったのか?

今回の統一地方選の象徴的な二つの選挙に注目してみましょう。

まず北海道知事選、選挙結果をNHK速報サイトから。

北海道知事選
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https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/touitsu/2019/01/14033/skh44689.html

自民・公明・大地が推薦した保守系の鈴木直道氏(38歳)が勝利したわけですが、注目していただきたいのは、その得票数と得票率です、1621171票、62.7%と、野党系候補にダブルスコアに近い大差をつけている点です。
北海道といえば社会党時代以来伝統的に革新系が強い土地柄です、各野党の基礎票を単純に積み上げただけでもこのような大差がつくわけはないはずなのです。

地元北海道新聞も革新系の敗北の要因について社説にて分析しています。

新知事に鈴木直道氏 名実ともに「道民目線」で
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/294237?rct=c_editorial

当該部分を抜粋。

 道知事選は、統一地方選で行われた11知事選で唯一の与野党対決型だったが、投票率の低迷傾向は変わらなかった。

 与野党の候補選びが迷走した影響は否めない。鈴木氏は自民党の対応が決まる前に名乗りを上げることになった。構図が固まったのは告示の1カ月半前だ。

 候補者の公約提示はさらに遅れた。政策論争を深める時間が足りなかった大きな要因である。

 とりわけ野党側は、IRや泊原発の再稼働といった争点化しやすい課題がありながら、組織力や鈴木氏のイメージを基にした与党側の厚い壁を破れなかった。

野党側が御贔屓の北海道新聞は、例によって野党側の準備不足や組織の連携不足などを敗因に上げておりますが、それだけでこれだけの大差が説明付くわけではありません。

ズバリ、タマつまり候補者の差でしょう。

30才から財政破綻夕張市長を8年勤め上げ実績をあげた鈴木直道氏は、38才の若さながら、夕張の経験をうまく組み込んで語る演説もすばらしく上手で、ルックスもご覧のとおり精悍であり、多くの道民にこの人に投票しよう、北海道の未来を委ねてみよう、と期待させたのでありましょう。

鈴木直道氏には夢も華も(経験も)あったということです。

言い過ぎかもしれませんが、鈴木直道氏ならば立憲民主などの野党系で立候補しても勝利していたことでしょう。

鈴木直道氏、党派性よりも人柄で圧倒したのだと思います。

なぜ野党はここまで選挙に弱くなってしまったのか?そのひとつの解として、野党のタマが悪すぎる、鈴木直道氏のような夢のある希望のある勢いのある若い候補者が野党側に見当たらないことが挙げられましょう。

もう一つ注目の選挙結果を取り上げます。

大阪府知事選、選挙結果をNHK速報サイトから。

大阪府知事
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https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/touitsu/2019/27/14983/skh46221.html

大阪維新の吉村洋文氏(43歳)が勝利したわけですが、注目していただきたいのは、その得票数と得票率です、2266103票、64.4%と、小西氏にダブルスコアに近い大差をつけている点です。

自民・公明・立民・国民・共産の基礎票から考えるとここまでの大差がつくことは考えづらいのですが、北海道知事選と同じです、ズバリ、タマつまり候補者の差でしょう。

吉村氏も35歳の若さで政界入りしています、大阪府議、大阪選出の衆議院議員、そして大阪市長としての実績を積み上げてきました。

特に市長時代には2016年度から5歳児の幼稚園・保育所の保育料を無償化など子育て支援に取り組み、大阪市民からその政策は圧倒的に支持されてきました。

演説もすばらしく上手で、ルックスもご覧のとおり精悍であり、多くの大阪府民にこの人に投票しよう、大阪の未来を委ねてみよう、と期待させたのでありましょう。

吉村洋文氏には夢も華も(経験も)あったということです。

よいタマ(候補者)が用意できれば、自民党系候補もダブルスコア近くですっ飛んでしまうということであります。

まとめます。

「安倍一強」などとメディアで揶揄されるこの自民党「選挙無双」状態なのでありますが、自民党が強いというよりも野党が弱すぎるというのが実情のようです。

そしてなぜ野党はここまで選挙に弱くなってしまったのか?

要因のひとつには間違いなく、よいタマ(候補者)が用意できていないからなのだと考えます。

地方選は、タマが良ければ党派性は二の次の結果が生じやすいのであります。

北海道知事選の鈴木直道氏や大阪府知事選の吉村洋文氏のように、有権者に夢を与えてくれるような情熱ある若い候補者が野党系(大阪維新を除く)に絶対的に不足しているのであります。

日本の野党弱体化、その真の問題はその深刻な人材不足にあると考えます。



(木走まさみず)