木走日記

場末の時事評論

真にリセットされるのは腐りきった「日本のリベラル勢力」だ

 「国難突破解散」であります。

 そして民進党の事実上、「希望の党」への吸収解党でございます。

 こたびの「動乱」、ふたつの点で、当ブログの「予言」通り、想定通りであります。

 ひとつは民進党の末路であります。

 ひと月前、民進党はもうおしまい、これが最後の党首選だと、エントリーさせていただきました。

2017-08-22 またあう日まで、さらば民進党〜おそらく最後だろう民進党代表選におもう
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20170822

 当該エントリーの結びより抜粋。

 もう民進党というどろ船はとうに沈み始めており、汚らしい小物のネズミ共が逃げ始めています。

 沈没は避けれないでしょう。

 この二人、今だドロ船民進党に執着しているところが、政治家としての最大の欠点でしょう、こんなドロブネになんでしちゃったんだ、そしてなぜ放置し続けたんだ、政治家として重要な資質である危機管理能力がうたがわしいのであります。

 そして矛盾しますが、人間としての最大の長所は、逃げ出した卑怯者たちとは違い、ドロ船民進党と共に最後まで一緒にしずまんとしている、その潔さにありましょう。

 つまりお二人とも、人間としてはよく理解できますが、政治家としては危機管理能力に難があり、です。

 おそらく民進党としての最後の代表選でありましょう。

 お二人、そして代表選に関わる民進党の党員・党友のみなさま。

 ご苦労さまであります。

 またあう日まで、さらば民進党

 あっけないものですね。

 さて、もうひとつは小池さんの「傍若無人」ぶりであります。

 そもそも小池さんがいた東京10区は私の地元であり、親族に小池百合子地元後援会幹部もいます当ブログは、12年前の小泉郵政解散のときの刺客「落下傘」候補第一号のときから、ブログで取り上げてまいりました。

2005-09-13 東京10区徹底検証〜百合子降臨で興起玉砕
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050913

 当時の小池旋風の異常さを分析している箇所を抜粋。

 得票数字の単純比較からだけでも驚くべき選挙民の動きが分析できます。

 小池氏が獲得した109,764票がどこからもたらされたのか分析しましょう。

 まず、前回の得票総数181,440票に対し、今回の得票総数は219,318票であります。投票率のUPによるこの39,000票の新たな票がほとんど小池氏一人がさらっていったことがわかります。

 また、小林氏陣営からはなんと同氏支持層の5割近くの41,000票が小池氏に動いたのです。さらに民主党鮫島氏支持層からも27,000票が小池支持に、なんと共産党支持層からも1,000票余りの票が小池氏に動いていることがわかります。

 小池氏は膨大な「無党派層」もほぼ完全に取り込んだだけでなく、保守支持層だけでなくリベラル支持層にまで雪崩をうつように小池支持層を取り入れていたわけです。

 この人(小池さんのことです)、とにかく「戦(いくさ)」に強いわけです。

 しかし、「戦(いくさ)」に強いが、仲間には冷たい、まるで「乱世の漢(おとこ)」みたいなその性格を、当ブログは指摘させていただいております。

 例えば3か月前のエントリー、未読の読者は是非ご一読あれ。

2017-06-01 小池百合子都知事「乱世の漢(おとこ)」みたいなその性格
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20170601

 まず小池さんは実は有権者などあまり気にしていないのです。

 小池百合子という人間は、「乱世の漢(おとこ)」のような性格だと、私は見ています。

 実は小池百合子さんは地元民に愛着を有していません。

 というか、地元(豊島区・練馬区)には何も関心はなかったのです。

 それ自体選挙民に迎合しない姿勢として私などは評価しますが、当然ながら地元後援会では顰蹙(ひんしゅく)を買ってたりしていました。

 そもそも神戸出身の関西人だからという指摘もありますが、私は彼女が地元に冷たいのは、より本質的な彼女の有する性格によるものだと確信しています。

 地元(有権者)だけではありません、彼女は所属する組織にも愛着は持っていません。

 彼女は地元だけではない、自分の所属する組織(例えば自民党)にも愛着は持っていません。

 従って、組織防衛などの発想は全くないし、逆に組織を移ることにも精神的ハードルはないのです。

 これは政治家として彼女の強みのひとつとなります。

 組織に愛着を持たない、ロンリーウルフの百合子氏は、自分のポジションにも恋々とはしない、執着などないからです。

 かつて小池防衛相は、2ヶ月で退任します。

 彼女は守屋武昌事務次官を強行的に更迭してしまったからです。

 更迭されたあと守屋氏は国会での証人喚問の後に逮捕されているので、結果的に彼女の判断は間違ってはいなかった。

 しかしそのやり方はあまりにも正直すぎて自民党的秩序を乱したわけです。

 この件では彼女でなければ守屋氏更迭は不可能であったことでしょう。

 彼女は自らのポジションを賭して悪徳事務次官と刺し違えたわけです。

 要するに、彼女はその本質として、「組織人」ではないのです。

 その性格は、まるで戦国の「荒武者」のごとくであります。

 小池百合子という人間は、「乱世の漢(おとこ)」のような性格だと、私は見ています。

 従って、彼女の真価は戦場(いくさば)で発揮されると見ます、わかりやすい「敵」が必要なのです。

 12年前の小泉郵政選挙の時も今回の都知事選挙のときもそうですが、彼女が捨て身の選挙にやたら強いのは、その好戦的な性格から来ているのだと思います。

 従って、彼女は「部下」に恵まれません、組織を大事にしませんもの、当然です。

 彼女は「部下」を平気で切ることができます、躊躇なく「リセット」できるのです。

 彼女は乱世に強いわけですが、逆を言えば平時に弱いわけです。

 それはそうです、彼女の性格から言ってはっきり言って人望がない、彼女には良い人材が集まりません、逆に良い人は彼女から離れていきます。

 都民ファースト見てください、政治的烏合(うごう)の衆です、残念ですね、おときたさん。

 ・・・

 まとめます。

 こたびの「小池」旋風は台風のようなものです。

 しかし、読者のみなさん。

 お気づきですか。

 この新党結成で、小池さんが真にリセットしたのは腐りきった「日本のリベラル勢力」です。

 もし小池新党が野党第一党(もしくは政権党?)になったとしたら、社会党新進党民主党民進党と歴代野党の中で、最も右寄りの野党第一党の誕生です。

 ご承知のように、小池さんはイデオロギー的にはある意味安倍さんより右寄りです、でなければ「こころ」の中山さんが合流するはずがありません。

 これで与党も野党も改憲勢力となり、時期を待たず憲法改正は必至となりましょう。

 繰り返します。

 小池新党の誕生により、真にリセットされるのは腐りきった「日本のリベラル勢力」なのです。


(木走まさみず)