希望の党大敗北の理由を考察する〜全てはリーダーである小池百合子氏の性格に由来する
さて各紙報道によれば、自民が300議席を伺う中で、希望の党の失速が止まりません、小池さんお膝下の東京選挙区でも下手をすると「小選挙区全滅」の予想もで始めています。
東京では全25選挙区で盤石な選挙区は現状では見当たりません。小池氏の地盤だった東京10区を引き継いだ若狭勝氏ですら、時事通信によれば自民前職の鈴木隼人氏と横一線であります。若狭氏陣営は「浮動票が全然来ていない」と危機感を募らせています。
希望への逆風は、民進党リベラル派を「排除する」とした小池氏の発言が響き、「民進再結集」をめぐる内輪もめが追い打ちを掛けている模様です。
(関連記事)
野党分散、自民に利=希望、東京でも苦戦【17衆院選】
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017101500426&g=pol
まあ、立憲民主が予想外(失礼?)の健闘で議席倍増の勢いなので、一部民進党参議院議員などが勘違いしまして、「民進党は不滅です!」などと「民進再結集」を唱え始めたのには、頭を抱えてしまいました。
前回のエントリーで「頭大丈夫ですか?」と批判いたしました。
2017-10-13 出ました!「民進党は不滅です!」論!!〜頭大丈夫ですか、不自由なのですか
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20171013
当該部分を抜粋。
「(左右)両ウイングが結集」って、元の木阿弥(もとのもくあみ)に戻ってどうするんでしょう。
ばらばら離脱者が続出して政党の体をなしていなかったの忘れたのですか?
消費税(8%)に支持率が届かなかったこと、忘れたのですか?
元に戻ったら国民の支持をまた失うだけなのです、そんなの自明でしょ?
そんな単純なこと、わからないんですか?
頭悪いんじゃないですか?
まあ立憲民主は勝手にすればよろしいです。
さて。
「小池劇場」の大失速理由は、おそらく「排除する」発言による悪印象が理由でしょうが、そもそも希望の党の候補者たちが「玉が悪すぎる」のも一因なのでしょう。
私の地元の東京10区で言えば、時事通信によれば若狭勝氏と自民前職の鈴木隼人氏とが横一線と報じられていますが、直近の情勢では若狭勝氏が水をあけられつつあります。
若狭勝氏選対によれば若狭勝氏は党務的な仕事はほぼ全てキャンセルして情勢挽回を図っていますが、劣勢は否めません。
そもそも地元小池後援会を引き継いだもののその地盤はもろく、地元にはほとんどコネクションがない若狭勝氏は地元有力者との交流を重要視してきませんでした。
若狭陣営の内部情報によれば、旧小池百合子氏地元後援会有力会員の半数近くが今回の選挙戦で若狭さんのサポートに動いていません、自民回帰している模様です。
この勢いでは彼はおそらく惜敗率復活がせいぜいでありましょう、他の選挙区の結果によっては、もしやそれも危ないかもしれません。
この小池参謀若狭氏大苦戦は決して例外ではありません。
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当ブログは、若狭氏が希望の党の前身の政治組織、「日本ファーストの会」を設立した2か月前、この組織はこのままでは決して国民の支持を得られないだろうと予言しました。
ハタがない。ハナがない。ハキがない。〜日本ファーストがこのままでは国民の支持を得られないだろう三つの理由
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20170808/1502163670
当時、当ブログは若狭氏たちがダメだろう理由を三つあげました。
理由の一番目、政治集団に最も必要な政策・「ハタ(旗)がない」ことは致命的であります。
まず第一にハタ(旗)がない。
新たな政治集団が心ある同志を結集するには当然ながら、その旗(理念・政策)を高く掲げるべきであります。
それがない。
若狭さんは、設立の動機を「非自民・非民進の新たな国政政党の必要性」に求めていますが、仏作って魂入れずと申しましょうか、手段が目的化してしまっていて肝心の「理念・政策」がまったくないわけです。
政治集団としてこれでは「自分ファースト」の烏合の衆との批判をまぬがれないでしょう。
理由の二番目、玉が悪すぎる、「ハナ(華・顔)がない」ないことです。
第二にハナ(華・顔)がない。
橋下元大阪市長にしろ小池都知事にしろ、好き嫌いは別にして強烈な個性・カリスマ性を有していましたが、この若狭さん他5人の政治家には、
それがない。
失礼ながら、もう一人か二人、ハナのある政治家を巻き込まないと、国民の広い支持を獲得するのは難しいのではないでしょうか。
結局今は小池都知事というハナ(華・顔)ができましたが、そこまでです、他が悪すぎるのです。
そして理由の三番目、「ハキ(覇気)がない」、「覇者になろうとする意気。野心」が感じられないことです。
そして最後、第三にハキ(覇気)がない。
ハキとは少年漫画『ONEPIECE』に登場する特殊能力のことではありません、為念。
そうではなく、「あふれるばかりの意気。意気ごみ」のことです。
「覇者になろうとする意気。野心」です。
ハタもなくハナもない人たちにそれを求めても詮無いことかも知れませんが、当ブログとしては最も政治家(集団)に求めたい、覇気・あふれるばかりの意気・意気ごみが、感じることができなかったのです。
若狭さんの会見から感じたのは、大志ある「戦略」・意気込みではなく、姑息な「戦術」・サバイバル術でありました。
当ブログは一貫して希望の党を批判してまいりました。
当時も今もそうですが、希望の党には確固たるハタ・政策がありません。
そして候補者には小物が多く小池さん以外、ハナがない、裏切り者ばかりが目立ちます、「玉が悪すぎる」のです。
ハタ・政策がなく、ハナのない小物が多く、確固たる戦略がなく生き残ろうとあがく戦術・みぐるしいサバイバル術だけが目立ち、結果そこには政治家として一番必要なハキが全くないのです。
その中で「排除する」発言による失速が起こりました。
あの発言はきっかけに過ぎなかったのでしょう。
希望の党にはハナから夢や戦略などなかったのです。
このような集団が勢いだけで選挙に勝てるほど、この国の国民はバカではない、ということです。
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希望の党のこの体たらく、全てはリーダーである小池百合子氏の性格に由来すると当ブログは確信しています。
小池百合子氏のもとには優秀な部下は集まらない、烏合の衆しか集まらない理由を解き明かします。
すでに触れてきた内容も再掲しますが、お付き合いください。
そもそも小池さんがいた東京10区は私の地元であり、親族に小池百合子地元後援会幹部もいます当ブログは、12年前の小泉郵政解散のときの刺客「落下傘」候補第一号のときから、ブログで取り上げてまいりました。
2005-09-13 東京10区徹底検証〜百合子降臨で興起玉砕
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20050913
当時の小池旋風の異常さを分析している箇所を抜粋。
得票数字の単純比較からだけでも驚くべき選挙民の動きが分析できます。
小池氏が獲得した109,764票がどこからもたらされたのか分析しましょう。
まず、前回の得票総数181,440票に対し、今回の得票総数は219,318票であります。投票率のUPによるこの39,000票の新たな票がほとんど小池氏一人がさらっていったことがわかります。
また、小林氏陣営からはなんと同氏支持層の5割近くの41,000票が小池氏に動いたのです。さらに民主党鮫島氏支持層からも27,000票が小池支持に、なんと共産党支持層からも1,000票余りの票が小池氏に動いていることがわかります。
小池氏は膨大な「無党派層」もほぼ完全に取り込んだだけでなく、保守支持層だけでなくリベラル支持層にまで雪崩をうつように小池支持層を取り入れていたわけです。
この人(小池さんのことです)、とにかく自分の選挙「戦(いくさ)」に強いわけです。
しかし、「戦(いくさ)」に強いが、仲間には冷たい、まるで「乱世の漢(おとこ)」みたいなその性格を、当ブログは指摘させていただいております。
例えば3か月前のエントリー、未読の読者は是非ご一読あれ。
2017-06-01 小池百合子都知事「乱世の漢(おとこ)」みたいなその性格
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20170601
まず小池さんは実は有権者などあまり気にしていないのです。
小池百合子という人間は、「乱世の漢(おとこ)」のような性格だと、私は見ています。
実は小池百合子さんは地元民に愛着を有していません。
というか、地元(豊島区・練馬区)には何も関心はなかったのです。
それ自体選挙民に迎合しない姿勢として私などは評価しますが、当然ながら地元後援会では顰蹙(ひんしゅく)を買ってたりしていました。
そもそも神戸出身の関西人だからという指摘もありますが、私は彼女が地元に冷たいのは、より本質的な彼女の有する性格によるものだと確信しています。
地元(有権者)だけではありません、彼女は所属する組織にも愛着は持っていません。
彼女は地元だけではない、自分の所属する組織(例えば自民党)にも愛着は持っていません。
従って、組織防衛などの発想は全くないし、逆に組織を移ることにも精神的ハードルはないのです。
これは政治家として彼女の強みのひとつとなります。
組織に愛着を持たない、ロンリーウルフの百合子氏は、自分のポジションにも恋々とはしない、執着などないからです。
かつて小池防衛相は、2ヶ月で退任します。
彼女は守屋武昌事務次官を強行的に更迭してしまったからです。
更迭されたあと守屋氏は国会での証人喚問の後に逮捕されているので、結果的に彼女の判断は間違ってはいなかった。
しかしそのやり方はあまりにも正直すぎて自民党的秩序を乱したわけです。
この件では彼女でなければ守屋氏更迭は不可能であったことでしょう。
彼女は自らのポジションを賭して悪徳事務次官と刺し違えたわけです。
要するに、彼女はその本質として、「組織人」ではないのです。
その性格は、まるで戦国の「荒武者」のごとくであります。
小池百合子という人間は、「乱世の漢(おとこ)」のような性格だと、私は見ています。
従って、彼女の真価は戦場(いくさば)で発揮されると見ます、わかりやすい「敵」が必要なのです。
12年前の小泉郵政選挙の時も今回の都知事選挙のときもそうですが、彼女が捨て身の選挙にやたら強いのは、その好戦的な性格から来ているのだと思います。
従って、彼女は「部下」に恵まれません、組織を大事にしませんもの、当然です。
彼女は「部下」を平気で切ることができます、躊躇なく「リセット」できるのです。
彼女は乱世に強いわけですが、逆を言えば平時に弱いわけです。
それはそうです、彼女の性格から言ってはっきり言って人望がない、彼女には良い人材が集まりません、逆に良い人は彼女から離れていきます。
都民ファースト見てください、政治的烏合(うごう)の衆です、残念ですね、おときたさん。
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まとめます。
当ブログは一貫して希望の党を批判してまいりました。
当時も今もそうですが、希望の党には確固たるハタ・政策がありません。
そして候補者には小物が多く小池さん以外、ハナがない、裏切り者ばかりが目立ちます、「玉が悪すぎる」のです。
ハタ・政策がなく、ハナのない小物が多く、確固たる戦略がなく生き残ろうとあがく戦術・みぐるしいサバイバル術だけが目立ち、結果そこには政治家として一番必要なハキが全くないのです。
その中で「排除する」発言による失速が起こりました。
あの発言はきっかけに過ぎなかったのでしょう。
希望の党にはハナから夢や戦略などなかったのです。
このような集団が勢いだけで選挙に勝てるほど、この国の国民はバカではない、ということです。
そして、希望の党のこの体たらく、全てはリーダーである小池百合子氏の性格に由来すると当ブログは確信しています。
残念ながら、小池百合子氏のもとには優秀な部下は集まらない、烏合の衆しか集まらないのです。
(木走まさみず)