木走日記

場末の時事評論

自民党の本音〜小池新党はリベラル勢力とずぶずぶの泥仕合を演じて双方力尽き共倒れしてくれ

 民進党枝野幸男代表代行は2日、新党を結成する方針を決めました、名称は「立憲民主党」であります。

枝野新党の名称は「立憲民主党」有力 午後4時に会見 長妻昭氏ら参加
http://www.sankei.com/politics/news/171002/plt1710020070-n1.html

 さて目まぐるしく日々情勢が動いています、世論もメディアも情勢分析が現実の変化に追い付かず、振り回されているのであります。

 ここまでの動きを当ブログのエントリーも含めて、時系列に簡単に整理しておきましょう。

 まず安倍晋三首相が25日の記者会見で、28日召集の臨時国会冒頭で衆院を解散すると表明し、「国難突破解散だ」と述べました。

 当ブログは憲法改正を目指すならば堂々と正直に9条改正一点突破を主張いたしました。

2017-09-24 憲法改正を実現するための戦術を愚考する〜9条改正だけに絞ってシンプルに堂々と正直に一点突破を目指せ
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20170924/1506261559

 で、この解散にタイミングをかぶせるように、小池百合子東京都知事が新党「希望の党」を結成し、自ら党代表に就くと発表します。

 驚いたのは、参加予定者である若狭勝衆院議員や細野豪志環境相らが取り組んでいた綱領、政策などの作成作業を「リセット」し、希望の党の政策として自ら諸課題を並べます。

 そして民進党前原誠司代表は28日午後、党両院議員総会で、希望の党との事実上の合流を提案、全会一致でこれが承認されます。

 当ブログはこの段階で、小池さんにリセットされるのは「日本のリベラル勢力」だと推測いたします。

2017-09-28 真にリセットされるのは腐りきった「日本のリベラル勢力」だ
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20170928/1506559637

 案の定、小池さんたちは「排除の論理」を全面に打ち出します、民進党リベラル勢力を新党からオミットします。

 しかし、その丁寧さを欠いた子供じみた露骨な排除のやり方に、世間は当惑し始めます。

 当ブログとして、小池さん手下の細野さんの動きがあまりに漫画的で苦笑しながら警鐘を鳴らします。

2017-09-29 気を付けて、細野さん。そのスネ夫的振る舞いは嫌われる!〜「さらさら」とリベラル派を『大量虐殺』する小池百合子
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20170929/1506671790

 さて今回の動乱の裏に小沢一郎氏の影がチラチラ見え隠れいたします。

 当ブログは小沢一郎氏を参加させたら「希望の党」は破綻すると予言します。

2017-09-30 予言しましょう。小沢一郎氏が参加するなら希望の党は破綻する
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20170930/1506731721

 さて小池氏は 「国内総生産で半分に匹敵する都府県で(日本を)けん引する」と、30日夜、大阪府内で共同記者会見します。

 ここで小池氏は「維新との住み分け」として、「大阪の選挙区におきましては、候補者は立てないという形でございます」と突然宣言いたします。

 普通なら数ヶ月を掛けて候補者調整し鞍替えなどじっくり対策を講じるところを、一刀両断で決定します。

 大阪地区の旧民進候補者13名の政治生命をすべて一瞬で絶つその乱暴な手法に、当ブログとして、あきれながらこれじゃ「虐殺」ではないか、とエントリーします。

2017-10-01 小池氏による民進候補者いじめ"The Massacres at Osaka"(「大阪の虐殺」)
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20171001

 小池さんは不必要に敵を作りすぎるきらいがあります。

 このような他者に対する非「寛容」な手法は、因果応報、相手の態度を不必要に硬直化させます。

 最初に戻りますが、小池さんの不寛容な手法・これが民進党枝野幸男代表代行リベラル新党結成を誘発したことは明らかでしょう。

 さて解散以来この一週間で起こったことを簡単に振り返りましたが、いや本当にめまぐるしいです。

 まだこの後も何が起こるか流動的な面もありますが、ここまでの総括として、やはり小池新党はこの国の「リベラル勢力」を「リセット」したのだと言えますでしょう。

 この間、私は「解散で憲法改正を目指せ」と主張すれば「ネトウヨ」評論家と蔑称され、小池さんの手法を乱暴でひどいと批判すれば「典型的なパヨク」と罵られ、右から左まで大きくわれたカテゴライズされてしまっております。

 当ブログの主張はそんなにぶれていません。

 以前よりそもそも小池さんは荒武者のような性格でなおかつ粗忽者(そこつもの)であると分析しておりました。

2017-06-01 小池百合子都知事「乱世の漢(おとこ)」みたいなその性格
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20170601

 今回の「政変」で彼女の手法にその武者のような容赦ない性格がはっきり出過ぎてしまいました。

 このような手法の政党は日本では長くは支持されますまい、日本人の多数はもっと穏健な政策を求めていると思います。

 おそらく今回の小池旋風は台風のようなものであり、一過性のものであると考えます。

 しかし彼女が日本のリベラル勢力を少々乱暴に「リセット」したことはこの国の政治史に残ることでしょう。

 当ブログとしては、繰り返しますが、安倍政権存続しているうちに憲法改正の国会発議を是非とも実現して欲しいと、考えています。

 発議の上で国民投票憲法改正が否決されれば、それは貴重な国民の判断です、その場合ももちろん残念ではありますが、憲法に従います。

 おそらく小池新党は「改憲派」でありましょう、その点では評価するのですが、いかんせんその手法が乱暴すぎるので、「穏健」な当ブログとしては当面は距離を置くということです。

 少なくとも私の地元でもある東京10区(かつての小池さんの選挙区で今は若狭さん)の自民党幹部(私の小学校の同級生)は、こう申しております。

 「小池新党」が「リベラル勢力」とずぶずぶの泥仕合を演じて双方力尽き共倒れしてくれれば一番嬉しい

 おそらく多くの自民党関係者の本音はこの辺(あたり)ではないでしょうか。

 ふう。



(木走まさみず)