木走日記

場末の時事評論

みんなで「力をあわせろ」だと?〜大阪維新圧勝に近代民主主義の全否定を主張する朝日社説

 23日付け朝日新聞社説は数ある朝日社説でも知的レベルの低さでひさびさの「スマッシュヒット」であります。

(社説)大阪維新勝利 対話と融和を最優先に
2015年11月23日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12082021.html?rm=150

 維新圧勝の結果に不満タラタラなのです。

 冒頭から大阪維新の会の勝利は、彼らが主張する大阪都構想の「ゴーサインととらえるのは尚早」とケチを付けます。

 大阪のかじ取りは再び大阪維新の会に託された。

 22日投開票された大阪ダブル選で、大阪維新幹事長の松井一郎氏が知事に再選され、大阪市長には橋下徹氏が後継とした吉村洋文氏が初当選した。

 大阪維新は5月の住民投票で否決された大阪都構想への再挑戦を公約に掲げた。だが今回の結果を、ゴーサインととらえるのは尚早だ。

 低迷する大阪は変えてほしいが、市を解体する都構想が唯一の道ではない。住民投票と選挙の相反する結果は、そういう複雑な民意の表れではないか。

 当選した両氏はまず「都構想に反対する住民の声を聴く」べきだと主張します。

 まずは都構想に反対する住民の声を聴く。松井、吉村両氏は、そこから始めるべきだ。

 前回ダブル選後の4年間、大阪は混迷を極めた。橋下、松井両氏が都構想などの改革を強引に進めたことが大きい。

 橋下氏に欠けていたのは、反対意見を尊重し、誤りがあれば柔軟に修正する姿勢だ。吉村氏は「橋下氏の修正すべき点は修正する」と約束した。今後は対話を優先し、大阪の融和を図ってもらいたい。

 橋下氏にも「あいまいな立場で政治にかかわるのはやめるべきだ」と、とっとと引退しろといちゃもんを付けます。

 橋下氏は住民投票後、「12月の市長退任で政界を引退する」と表明した。ただ、維新の党を割って新党をつくる意向を示してからは「党の法律政策顧問になりたい」と述べている。

 あいまいな立場で政治にかかわるのはやめるべきだ。首長を退いたのに府市の行政に影響力を持ち続ければ、「院政」との批判は避けられまい。

 社説の結びは「今度こそ力をあわせ、解決策を探るべきだ」とあります。

 知事、市長選とも投票率は4年前を下回った。非難合戦で大阪の課題をめぐる議論が深まらなかったことが背景にある。多くの有権者が棄権したことを両陣営は重く受けとめてほしい。

 貧困、少子高齢化、教育、財政危機など、大阪が抱える問題は数多い。今度こそ力をあわせ、解決策を探るべきだ。

 普段、民意、民意とうるさいわりには、橋下維新が選挙で大勝すると、「ゴーサインととらえるのは尚早」「都構想に反対する住民の声を聴け」「橋下はとっとと引退しろ」あげくは、維新は負けた自民共産民主とも「力をあわせろ」であります。
 この朝日新聞社説は、大阪府民、大阪市民の貴重な一票の投票結果つまり民意を無視して従うな、と言ってるのに等しいのです。
 ふう。

 みんなで「力をあわせろ」だ?、何を馬鹿なことをほざいているのか?
 まったく、この近代民主主義を全否定するような馬鹿な論が、日本のクオリティペーパーを自負している大新聞の主張なのですから、呆れてしまいます。
 大阪府民や大阪市民は与野党なれ合いでデタラメな予算消化を繰り返してきた過去に決別したいのです。
 全党「力をあわせる」など望んでいません。
 今回の維新圧勝は維新の政策実行力に期待している、府民・市民は大阪を変革していく具体的な政策実現を希求していると見るべきです。
 朝日社説の知的レベルの低さに呆れてしまいます。


(木走まさみず)