有田芳生先生、産経を「歪曲」報道と叱るの巻!!〜超法規的基準が存在することを、我々は学ばなければならない
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8月31日放送のTBSドラマ「SP八剱貴志(やつるぎたかし)」で、北朝鮮による拉致被害者救出を祈るシンボルであるブルーリボンバッジを贈収賄事件で逮捕される政治家役につけていたことが判明いたしました。
印象操作か? 拉致解決のブルーリボン TBSドラマで悪徳代議士に着用
http://www.sankei.com/affairs/news/150903/afr1509030029-n1.html
これを受けて、拉致被害者の家族会と支援組織「救う会」は4日、TBSに対して、文書での説明を求める要請文をファクスで送付いたしました。
救う会ホームページより要請文を全文紹介。
■貴社ドラマでのブルーリボン着用について
今年8月31日、TBSが放送したドラマ番組「SP八剱貴志」の中で、TBSが贈収
賄事件で逮捕される悪徳代議士役にブルーリボンバッジを着用させていたことに
ついては、すでに色々な報道があり、救う会にも多数の怒りのメール等が来てい
ます。以下は家族会・救う会としてのTBSに対する要請です。
そもそも救う会作成のブルーリボンバッジは、北朝鮮に対して、拉致という人
権侵害を非難し、「拉致被害者を返せ!」と訴えるために、総理や国会議員をは
じめ多くの国民の皆様が付けてくださっているもので、救出運動のシンボルでも
あります。それを悪徳代議士役に付けさせたのは極めて不適切な行為だと考えま
す。産経新聞の取材によるとTBS広報部は、「(バッジは)ドラマの小道具として
他意なく用いたが、配慮に欠けていた。今後は注意していきたい」とコメントし、
バッジ使用の詳しい経緯や理由は「担当者が不在のため答えられない」と述べた
そうです。しかし、TBSの演出は、北朝鮮に対する拉致被害者救出運動をやっているのは
悪い人たちだとの印象を与えた面がかなりあると思われます。また、拉致被害者
の命に係わる救出運動について、TBSが敢えて揶揄しているとも多くの人が感じ
たようです。私たちはTBSに対し、今回のドラマでのバッジ着用に付き、「担当者が不在の
ため答えられない」ではなく、きちんとした説明を文書で行うよう要請いたしま
す。なお、この要請文については救う会のメールニュースでも本日発信予定です。
これに対し、TBSはホームページにて「お知らせ」を掲載いたします。
■ お知らせ
8月31日放送の月曜ゴールデン「SP八剱貴志 (やつるぎたかし)」で、拉致被害者救出活動のシンボルであるブルーリボンバッジを国会議員役の胸に付けました。
全く他意はありませんでしたが、配慮に欠け、拉致被害者のご家族をはじめ支援者、関係の皆様のお気持ちを傷つけたことを心よりお詫び申し上げます。今後はより一層注意して番組制作にあたります。2015年9月4日
まあ、このお知らせが「きちんとした説明を文書で行うよう要請」してきた救う会への回答とすれば、「全く他意はありませんでした」とはずいぶんと手抜きな説明なわけでありますが、「心よりお詫び申し上げます」と一応は謝罪したわけです。
さて一件落着かと思われたそのときに、まったをかけたのが、有田芳生先生なのであります。
武藤貴也議員だって差別主義の在特会だってブルーリボンつけてんじゃんか、TBSは言論に対する圧力に屈するな、とお怒りです。
うむ、先生にしてみれば、この救う会のTBSへの抗議は「言論に対する圧力」に見事に「昇華」するのであります。
さてこの先生の神聖なるささやきを、早速報じるのは、我らが孤高の右派メディア産経新聞であります。
015.9.7 14:51
【TBSブルーリボン疑惑】
民主・有田芳生氏が「武藤議員や在特会もつけてる」とTBSを擁護北朝鮮による拉致被害者救出を祈るブルーリボンバッジが、TBSドラマの演出で逮捕される悪徳政治家の胸につけられていた問題で、民主党の有田芳生参院議員は5日、ツイッターでTBSを擁護するつぶやきを書き込んだ。
この中で、有田氏は、金銭疑惑で自民党を離党した武藤貴也衆院議員の名指しして「ブルーリボンをつけている議員もさまざま。差別主義の在特会(在日特権を許さない市民の会)もつけている」とあげつらった。その上で「TBSは言論に対する圧力に屈してはならない」と投稿した。
この問題をめぐり、拉致被害者の家族会と救う会が4日、TBSに対し、文書での説明を求める要請文をファクスで送付した。菅義偉官房長官も4日の記者会見で「ブルーリボンは拉致被害者の救出を求める国民運動のシンボルだ」と不快感を示した。
(後略)
http://www.sankei.com/politics/news/150907/plt1509070040-n1.html
「民主党の有田芳生参院議員は5日、ツイッターでTBSを擁護するつぶやきを書き込んだ」と事実を淡々と報じていますが、先生、この産経報道にもさっそくお怒りです。
産経報道は「歪曲」していると。
俺はTBSなど「擁護してない」と。
俺は「ブルーリボンをつけて頑張っている議員もいれば問題議員もいる」っていっているんだ、と。
すばらしいです。
このネット時代、誰が何をささやいてきたかすべてトレースできるにも関わらず、自らの過去発言を我々一般人からすれば全否定しているように見えます。
読者のみなさん。
これは先生に比べて私たちや産経新聞が魂のレベルが低いがために起こる現象なのです。
確かに先生はこうささやきました、産経記事より。
この中で、有田氏は、金銭疑惑で自民党を離党した武藤貴也衆院議員の名指しして「ブルーリボンをつけている議員もさまざま。差別主義の在特会(在日特権を許さない市民の会)もつけている」とあげつらった。その上で「TBSは言論に対する圧力に屈してはならない」と投稿した。
だめだな、産経は、レベルが低い(苦笑)。
先生は「さまざま」と表現してるでしょ。
この言葉が今「ブルーリボンをつけて頑張っている議員もいれば問題議員もいる」と「昇華」されているのです。
行間読めよ、ってことです。
魂のレベルが低いから産経は先生のささやきを「歪曲」してしまうんです。
(そんないってもいないことを後付けされてもって?ええい、だまらっしゃい)
「TBSは言論に対する圧力に屈してはならない」って「擁護」したでしょって?
だめだなあ、産経は、これは「TBSを擁護しているのではない」のです。
「叱咤激励」しているのです。
当ブログは長年有田先生の言動をヲッチしてまいりました。
有田先生の崇高な「正義」について語りましょう。
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下々の世界では、一般に同じことをしてもその行為者によって評価の基準が異なることを、二重基準(ダブル・スタンダードdouble standard)と言い、批判の対象になる不実な振る舞いと評価されます。
しかしそれはあくまで下々の世界・俗界でのこと、俗人たちの基準を超越する社会「正義」実現のためには、超法規的基準が存在することを、我々は学ばなければなりません。
たとえば、民主党有田芳生先生の3月1日付けのツイッターであります。
うーむ、何やら少々物騒でありますが、有田芳生議員「ヘイト豚いじめ」に馳せ参じるとのことです。
少し解説が必要です。
「党大会」とは民主党のこの党大会のことです。
民主党広報
【定期党大会】活動方針と予算・決算を承認、自治体議員表彰・統一選候補者が決意http://www.dpj.or.jp/
で、「男組」とはドクロマークのアイコンもおどろおどろしい、在特会系のレイシストたちのデモに対してカウンター行動を展開している集団です。
うむ、サイトの結び、高橋直輝/男組組長の宣言も勇ましいです。
男組はレイシストに対して「超圧力」をかけ続けるために、自らの肉声と肉体をもって日本の反レイシズムと反ファシズムのフロントに立ち、レイシストたちと対峙する。
我々はネットの世界にはいない。男組はリアルである。
「男組は、全力でレイシストを排除する。」(高橋直輝/男組組長)
以上
つまり有田芳生先生は、所属する民主党党大会の終了の後、高橋直輝組長率いる「男組」の呼びかけに応じて「ヘイト豚いじめ」に参加する、助っ人するということであります。
で、有田先生がいじめようとしている「ヘイト豚」は誰かというと・・・
なるほど、差別の煽動者(今日でいえば在特会の高田誠前会長とその一派)を「豚」と呼称すると、「これは国際的な常識」なんであり、「豚」は差別表現ではないのです。
わかりますか。
在特会を「豚」呼ばわりして「いじめ」るのは良いヘイトスピーチ。
「正義」レベルが違うのです。
魂のレベルが違うのです。
有田先生ご本人、または、有田先生の信じる「正義」の賛同者は魂のレベルが高いですから罵詈雑言のような言葉も許されるのです。
例えばです、産経新聞がたいへん残念なニュースを報じています。
首相に「バカか、お前は」 連合主催集会でシールズメンバー 安保法案反対の具体論語らず 「首相はクーデター」「病院に行って辞めた方がいい」http://www.sankei.com/politics/news/150823/plt1508230007-n1.html
「権力者が憲法違反のことをしたらどうなるか。政治家をお辞めになるしかない。それかクーデターだ。そのようなことが起こっている」
「安倍首相がクーデターを起こしている」
「一言でいうと、バカなんじゃないかなと思いながら見ている」
「国会の傍聴には行かない。首相が『どうでもいい』なんてやじを飛ばしたが、ああいうことを見ると、靴でも投げそうになるのでインターネットを通して見るようにする」
「どうでもいいなら首相をやめろ。バカか、お前は」
「『バカか』とかひどいことを言っても、あんまり伝わらない。もうちょっと優しく言えば、僕は首相の体調が非常に心配なので、早く病院に行かれてお辞めになられた方がいい」
うむ、私たち下々の人間にしてみれば聞くに耐えない「罵詈雑言」なわけです。
でも、有田先生はシールズがお好きです。
すると先生の耳にはシールズの「罵詈雑言」が「ひとの心に届く言葉とは単純にして明解でなければならない」と肯定されていきます。
先生のブログより失礼して当該箇所を抜粋。
ときに過激な発言があることをことさら批判するむきもある。運動とはそういうものだ。問題があれば批判をすればいい。誤解してはならないのは、感情の発露の背後には彼らなりの分析と理論があるということである。
スローガンやシュプレヒコールは論文ではない。現場の言葉は「なまもの」であって「干物」ではない。ひとの心に届く言葉とは単純にして明解でなければならない。確信ある言葉でなければ届く前に揮発してしまう。SEALDsの多くの学生たちが本気で運動に参加していることは、その様子を観察していればすぐにわかる。
有田芳生の『酔醒漫録』 より
http://blog.goo.ne.jp/arita0327
とくにここ。
スローガンやシュプレヒコールは論文ではない。現場の言葉は「なまもの」であって「干物」ではない。ひとの心に届く言葉とは単純にして明解でなければならない。確信ある言葉でなければ届く前に揮発してしまう。
すばらしいです。
読者の皆さん、産経新聞さん、わかりますか。
在特会を「豚」呼ばわりして「いじめ」るのは良いヘイトスピーチ。
シールズの学生が首相に「バカか、お前は」、「病院に行って辞めた方がいい」というのは、「ひとの心に届く言葉とは単純にして明解でなければならない。確信ある言葉でなければ届く前に揮発してしまう」からなのです。
ふう。
「正義」レベルが違うのです。
魂のレベルが違うのです。
下々の世界では、一般に同じことをしてもその行為者によって評価の基準が異なることを、二重基準(ダブル・スタンダードdouble standard)と言い、批判の対象になる不実な振る舞いと評価されます。
しかしそれはあくまで下々の世界・俗界でのこと、俗人たちの基準を超越する社会「正義」実現のためには、超法規的基準が存在することを、我々は学ばなければなりません。
特に、当ブログと産経新聞は学ばなければならないのです。
ふう。
(木走まさみず)
※補記
エントリー中で使用されている「魂のレベル」について詳しく知りたい読者は下記エントリーをお楽しみください。
2007-02-04■内容が嘘であっても関係ない無責任な娯楽番組の中の人たち〜「地獄に落ちない」ために、細木数子氏と江原啓之氏はしっかりリテラシーしようの巻
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20070204