木走日記

場末の時事評論

「国際刑事裁判所に桜を植えて歴史洗浄を狙う日本」〜心情察するに余りある痛々しい朝鮮日報コラム

 今回は小ネタです。

 厚生労働省の「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」は心の健康や病気、支援やサービスに関するウェブサイトでありますが、お役所のページとはとても思えない(失礼?)たいへんユーザーフレンドリーなサイトであります。

■知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス

http://www.mhlw.go.jp/kokoro/index.html

 ここでは心の病気や症状がたいへんわかりやすく説明されております。

 いくつかご紹介。

強迫性障害

強迫性障害では、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまうことで、日常生活にも影響が出てきます。意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。たとえば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。
こころの病気であることに気づかない人も多いのですが、治療によって改善する病気です。「しないではいられない」「考えずにいらない」ことで、つらくなっていたり不便を感じるときには、専門機関に相談してみましょう。

http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_compel.html

統合失調症

統合失調症は、こころや考えがまとまりづらくなってしまう病気です。そのため気分や行動、人間関係などに影響が出てきます。統合失調症には、健康なときにはなかった状態が表れる陽性症状と、健康なときにあったものが失われる陰性症状があります。
陽性症状の典型は、幻覚と妄想です。幻覚の中でも、周りの人には聞こえない声が聞こえる幻聴が多くみられます。陰性症状は、意欲の低下、感情表現が少なくなるなどがあります。
周囲から見ると、独り言を言っている、実際はないのに悪口を言われたなどの被害を訴える、話がまとまらず支離滅裂になる、人と関わらず一人でいることが多いなどのサインとして表れます。早く治療を始めるほど、回復も早いといわれていますので、周囲が様子に気づいたときは早めに専門機関に相談してみましょう。

http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_into.html

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 さて、日本の安倍政権による「歴史洗浄」「歴史ロンダリング」を憂える韓国は朝鮮日報の政治部=イム・ミンヒョク部長のコラムがたいへん興味深いのです。

(参考記事)

【コラム】国際刑事裁判所に桜を植えて歴史洗浄を狙う日本
政治部=イム・ミンヒョク部長
朝鮮日報朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/07/14/2015071401013.html

 正確な文章はリンク先で直接御読みいただくとして、朝鮮日報コラムのオマージュ(尊敬の念を込めて芸術作品を模倣する作品)として、私が要約いたしましょう。

マネーロンダリング」とは、脱法的あるいは違法な方法で集めた汚い金を海外口座などを活用して洗浄し「きれいなお金」にごまかすことを言う。

 今、日本の安倍首相が目指しているのはまさに我が韓国にターゲットを絞った国家を挙げた「歴史ロンダリング」「歴史浄化」である。

 血塗られた日本の暗黒史をまさにあらゆる手段で「美化」しごまかそうと企てているのだ。

 オランダ・ハーグでは、日本が昨年、国際刑事裁判所ICC)新庁舎の周囲を桜の木で囲むことを提案した。

 たった数本の木に我が韓国は日本の「歴史ロンダリング」という意図があることを見抜いた。

 日本の桜は近代の歴史で軍国主義の象徴であり、帝国主義国日本は「天皇のため桜の花びらのように散れ」と扇動して若者たちを戦場に追いやり、第二次世界大戦時の日本の自殺特攻隊「神風特攻隊」の戦闘機には桜の花が描かれ、軍人の階級章も桜、日本の女性たちは学徒兵たちに桜の枝を渡して戦場に送り出したのだ。

 ほかでもない戦争犯罪を扱う国際刑事裁判所をこのような桜で囲もうという試みは、日本が「戦争加害者」としての歴史を水に洗い流そうとしているからだ、と気づいた我が韓国は桜の花を植えることは「絶対反対」と声を上げ、今、韓日間の「桜をめぐる外交合戦」を展開中だ。

 ほかの国の人々に「韓国にも桜はたくさんあるのに、なぜそう言うのか」と聞かれたら、韓国の外交官はこうした歴史的背景を説明し、「『日本の桜』の意味合いは違う。戦犯裁判所に戦犯の象徴があってはならないではないか」という論理で対抗している。

 見事な正論である。

 日本が明治時代の産業施設を世界文化遺産に登録する過程でもあらためて明らかになったように、日本の「歴史ロンダリング」や正当化工作は最近、緻密(ちみつ)かつ広範囲に行われている。

 日本は昨年、米国の教科書出版社に対し、「従軍慰安婦南京大虐殺に関する記述内容を削除してほしい」と要請、ドイツの出版社にタイしても同様の動きを見せている。また、日本の歴史関連研究や記録を「修正」する目的をもって、米国など各国の学界に莫大(ばくだい)な資金をばらまいている。

 「このような動きの背景には、修正主義歴史観に基づく安倍晋三首相の強い信念がある」というのが世界の常識だ。

 日本政府が今回の世界遺産登録に産業遺産とあまり関係がない私立教育機関松下村塾」を入れたのも、安倍首相の個人的な信念によるものだ、我が国への嫌がらせに他ならない。

 松下村塾の創設者・吉田松陰は、安倍首相が「最も尊敬している」と語った人物だ。吉田松陰征韓論大東亜共栄圏などを提唱、朝鮮の植民地化を含む日本の帝国主義政策に理論を提供したのだ。

 安倍政権は昨年、小中学校の道徳教材に吉田松陰に関する内容を盛り込ませた。

 今後も日本の「歴史ロンダリングの暗礁」は繰り返し浮上する可能性が非常に高い。

 今この瞬間にも世界のあちこちで日本の外交官が安倍首相の指示に従い、自分たちだけの『歴史見直し』案を練るため額を突き合わせているのは、世界の常識だ。

 どこで始まるか分からないこの日本の不当な攻撃に備え、韓国外交当局は緊張を緩めてはならないということだ。

 うむ、独自の世界観が実に興味深いのであります。

 桜の花ひとつとっても「反日」という、「意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考え:強迫観念」が「そのことが頭から離れない」心の有様が、実によく理解できます。

 そして絶えず「どこで始まるか分からないこの日本の不当な攻撃」に怯えている図は、「実際はないのに悪口を言われたなどの被害を訴える:被害妄想」「周りの人には聞こえない声が聞こえる:幻聴」のような状態なのですね。

 心情お察しいたします。

 ふう。

 しかし、痛々しいなあ・・・



(木走まさみず)