木走日記

場末の時事評論

「今回の強行採決は認められない」(岡田代表)〜民主党よ、ブーメランもたいがいにしなさい

 さて、民主党辻元清美議員は15日午前、衆院安保特別委員会の安全保障関連法案の締めくくり総括質疑で、「今日採決するのは本当に愚行の極みになる。断じて認められない」と、自公による「強行採決」を強く批判いたしました。

民主党
2015年07月15日 16:58
衆院安保特】辻元議員、「憲法違反の法律を見過ごすことは、これに加担すること」

http://blogos.com/article/122777/

 民主の岡田克也代表は記者団に「違憲の疑いが極めて濃い法案が強行採決されたことに強く抗議する」と語っています。

 また岡田代表は「今回の強行採決は認められないということで一致した」と述べ、職権で開会が予定されている明日16日の衆院本会議への対応について協議した結果、政府案の採決については出席せず退席することを党首間で確認したことを明らかにしました。

民主党
2015年07月15日 18:18
野党5党党首会談 安保関連政府案の本会議採決「一致して退席する」確認
http://blogos.com/article/122789/

 民主党長妻昭代表代行も国会で「国民の理解が得られていない中での強行採決は到底認められない」と批判しています。

 今回の「強行採決」は民主主義の否定であると、安倍政権の暴挙を許すなと、民主党はお怒りです。

 ふう。

 そうですか。

 与党は法案の審議時間は14日までに113時間を超えて審議は尽くされたと主張したのですが、民主党は「審議は尽くされていない」の一点張りであります。

 では、民主党政権時代はどうだったのか、すこしばかり古い5年前の記事を見てみましょうか。

郵政法案たった6時間で強行採決 野党激怒「前代未聞の暴挙」
2010/5/31 19:10

米軍普天間基地の移設問題の影に隠れて目立たないものの、国会では、異例のペースで法案の強行採決が行われている。特にそれが際だつのが郵政改革法案で、審議入りしたその日に、わずか6時間の審議で強行採決。「前代未聞の暴挙」(共産党)をはじめ、野党側が激しく批判しているのはもちろん、与党側の一角からも疑問の声があがっている。

今国会の衆院委員会では、2010年5月12日には国家公務員法改正案、5月14日には地球温暖化対策基本法案、5月25日には放送法改正案などが、相次いで強行採決されている。

(後略)

http://www.j-cast.com/2010/05/31067690.html?p=all

 どうでしょう、審議入りしたその日に、わずか6時間の審議で強行採決ですよ、民主党さん。

 しかも、これ記事にもありますけど、この月は「2010年5月12日には国家公務員法改正案、5月14日には地球温暖化対策基本法案、5月25日には放送法改正案などが、相次いで強行採決」、都合民主党政権としての「強行採決10回目」であります。

 日本の憲政史上、強行採決を連発して最も民主主義の否定に走ったのは実は民主党政権時代なのであります。
 その回数、1200日余りで実に21回です。
 今回の第二次安倍政権では、933日(7月16日現在)で1回だけです。

内閣 FROM TO 日数 強行採決回数
鳩山由紀夫内閣 2009年(平成21年)9月16日 2010年(平成22年)6月8日 266 9
菅直人内閣 2010年(平成22年)6月8日 2011年(平成23年)9月2日 452 8
野田佳彦内閣 2011年(平成23年)9月2日 2012年(平成24年)12月26日 482 4
民主党政権 2009年(平成21年)9月16日 2012年(平成24年)12月26日 1200 21
第2次安倍晋三内閣 2012年(平成24年)12月26日 933 1

 ・・・

 民主党よ。

強行採決」は民主主義の否定であるとするならば、あなたがた自身が民主主義の否定そのものですから。

 ブーメランもたいがいにしなさい。

 ふう。



(木走まさみず)