木走日記

場末の時事評論

消費税が「安定財源」である限り消費税増税はダメダメな理由

 消費税は安定財源とかほざいている消費税増税賛成派は信用しなくていいです。

 彼らはただの嘘つきか、でなければ中学生でも分かる簡単な数学を理解できていないだけです。

 総務省の資料によれば、現在5%の消費税の税収はここ10年ほど10兆円前後でたしかに推移しています。

http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei/04.htm

 しかし、これを「安定財源」と肯定的に表現するのは間抜けとしかいいようがありません、そうではなく、これはこの10年間の名目成長率がほぼ毎年ゼロであり日本国内市場が完全に成長を止めて停滞してしまっているなによりの悲しい証(あかし)なのです。

 デフレ経済の下、日本経済がまったく成長を止めてしまった証(あかし)なのです。

 現行5%の消費税で10兆円の税収ということは、1%当り2兆円の割合だから、1%消費税をUPすれば2兆の増収が見込まれると民主党政権は単純なまやかしを唱えていますが、冗談じゃない、そんな積み木の足し算のようなことはデフレのもとで増税して起こるはずがありません。

 デフレの中増税をすれば、起こることは経済を萎縮させるだけです。

 中学生でも分かる単純な計算ができない人が、政治家や評論家やメディア関係者にごろごろいることがこの国の不幸なのです。

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 現行5%の消費税で10兆の税収が続いているということは単純に逆算すれば日本の国内市場は200兆(税込みで210兆)規模であることが理解できます。

 政府案では、消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%へ2段階で引き上げるわけですが、多くの評論で積み木を付け足すように14年4月の8%では16兆、15年10月の10%では20兆に、消費税税収は伸びるような表現が見受けられます。

 これは完全詭弁であり、現在210兆の市場規模がこの4年間で220兆に成長する、すなわち4.76%の成長を前提としてるのです。

 過去10年ほとんど成長していない日本市場が増税すると同時に4.76%成長することなどありえないのです。

 これは中学生でも理解できる自明なことです。

 下図のような税収の足し算はデフレ下ではあり得ないのです。

 起こることは、現在購買力が維持されたとしても、確実な市場規模の縮小です。

 マイナス成長ではなく現状維持前提だとしても、200兆から190.9兆へ、4.6%も市場規模が縮小するのです。

 デフレ経済のもとで消費税増税などすれば、国民生活を直撃、税率を上げれば上げるほど、国内消費は冷え込みます。

 デフレ経済の中で増税するのは愚かとしかいえません。

 増税して市場が成長することなどあり得ません。

 消費税が「安定財源」に成り下がっている限り、消費税増税はまったくダメだということです。



(木走まさみず)