木走日記

場末の時事評論

自分達だけ難を逃れようと必死なマスメディアを信じるな〜読売はすでに財務省天下りメディアだ

 連日、消費税増税に突き進めと全紙社説にてメディアスクラム狂態なわけです、31日付け各紙社説から。

税制改革の法案提出―やはり消費増税は必要だ
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
消費税法案提出 首相は審議入りへ環境整えよ(3月31日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120330-OYT1T01164.htm
社説:消費増税法案決定 民・自合意に全力挙げよ
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20120331k0000m070160000c.html
消費増税法案 与野党で修正し成立図れ 首相は最低保障年金の撤回を
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120331/plc12033103150008-n1.htm
首相はぶれずに突き進め
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE6E2E2E1E6E2E5E2E1E3E2E1E0E2E3E08297EAE2E2E2;n=96948D819A938D96E38D8D8D8D8D

 いつからこの国は異論を認めぬ言論統制国家になったのでしょうか。

 「社会の木鐸」として国民利益のために本来国家権力と批判的に対峙すべきチェッカーの役割が求められるメディアが、スクラム組んで政府の悪政を賞賛しているのです、ひどい惨状です。

 読者の皆さん、どうか騙されないでください。

 TVや大新聞がこぞって「日本の財政再建のためには消費税増税が絶対必要」だの、「もう待ったなし」だの「社会保障の安定財源のためだから国民の利益にかなう」とか、もっともらしい戯言(ざれごと)を垂れ流していますが、すべて詭弁(きべん)です。

 前回のエントリーで試算しましたが、たかだか3%や5%の消費税UPでは、プライマリーバランスの単年度赤字ですら解消できません。

2012-03-29 無借金国家ニッポン100年計画
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20120329

 従って「財政再建のため」にも「社会保障の安定財源」にもまったく役立たずであり、逆にこのデフレ経済のもとで消費税増税などすれば、国民生活を直撃、税率を上げれば上げるほど、国内消費は冷え込みますし、そうなれば企業の海外移転が加速して、失業率も悪化していきます。

 消費税が5%に上がった翌年、日本で初めて自殺者が年間3万人の大台を超えました。内需縮小により、中小企業の倒産が増えたり、大企業でもリストラが加速した事で、自殺する人が増えたからです。もし消費税を10%以上に上げれば、自殺者は5万人を超えるとの予想もあり、間違いなく国民生活は破綻してしまいます!

 消費税増税だけで約23兆の現在の単年度赤字を解消するには今すぐ17.5%と現5%の消費税を3.5倍にしなければ間に合わないのです。

 しかも毎年1兆づつ増え続ける社会保障費の抜本的改革には未着手なのに、なぜ8%なのか、10%なのか、数値の根拠すらいっさい示さずに、いや示すことができずにいる政府案に、なぜ全マスメディアがスクラム組んで愚かにも財務省がないて喜ぶような媚(こび)を売るのか。

 彼らマスメディアは財務省の走狗(そうく)に成り下がって、ただの財務省スポークスマン民間代表に過ぎません。

 私達国民は今こそしっかりとメディアをリテラシーしてこの異常なメディアスクラムの真の意味を感じ取らなければなりません。

 ・・・

 どのメディアも目くそ鼻くそですが、ここは世界一の発行部数を誇る読売新聞を遡上にあげてみましょう。

 マスメディアがなぜ消費税増税に賛成するのか、そのヒントが読売社説のこの一文にあります。

 低所得者対策として、法案は、減税や現金給付を行う「給付付き税額控除」や、社会保障の合計自己負担額に上限を設ける「総合合算制度」などを盛り込んだ。

 民主党内には、大規模な対策を求める声があるが、必要以上に規模を膨らませ、ばらまき色の強い内容にしないことが大切だ。

 欧州では、家計負担を軽くするため、食料品など生活必需品の税率を低く抑える複数税率を採用している。新聞や書籍も税率をゼロや大幅に低くする国が多い。複数税率導入も検討すべきだろう。

 なんというひどい文章なのでしょう、ようするに低所得者対策などはばらまき色の強い内容にしないで、つまりあまりしなくてよいから、新聞や書籍も税率をゼロや大幅に低くする、複数税率導入に力を入れろと注文しているのです。

 そうなのです、メディアスクラムを組んで財務省に媚を売るマスメディアの狙いのひとつは、新聞購読料の消費税免除にあります。

 この世界一の発行部数を誇る世界一恥を知らないマスメディアは、財務省増税路線を支持する論説を狂ったように連日国民に垂れ流しながら、そして実は財務省OBの天下り先としてそっと受け入れをして、バーターで新聞無税を勝ち取ろうとしておるのです。

 メディアではどこも取り上げてませんが、読売新聞では2010年11月に、同年7月まで財務省事務次官の座にあったT・Yという輩を、社外監査役として受け入れています。

 読売はすでに財務省天下りメディアです。

 そしてどのメディアも目くそ鼻くそです。

 マスメディアは自分達は難を逃れようと競って財務省の走狗(そうく)となっているのです。



(木走まさみず)