木走日記

場末の時事評論

松岡利勝さん、国民を舐めてませんか?〜問われる大馬鹿野郎を権力中枢に登用した安倍総理の任命責任

 あまりに馬鹿らしい問題なので当ブログとしては取り上げるのを控えていたのですが、ご本人がここまで開き直り安倍首相も詳しい説明の必要はないとの考えを示し、ご本人を擁護する姿勢を崩していないとするならば、これは看過できません。

 本日は松岡利勝農水相の政治家として適性、いや人間性の問題にスポットを当ててみます。



●松岡氏 光熱水費問題で「虚偽記載はない」

 昨日(12日)の日本テレビニュースから。

松岡氏 光熱水費問題で「虚偽記載はない」<3/12 22:09>

 松岡農水相が、無料のはずの議員会館の事務所費に水道・光熱費として5年間で約3000万円を計上していた問題で、社民党福島みずほ党首は12日午後の参議院予算委員会の審議で、「虚偽記載だ」などと追及した。しかし、松岡農水相は相変わらず「説明の必要はない」と繰り返した。
 福島党首は「不思議なので聞いているんです。これが虚偽記載なら政治資金規正法虚偽記載、刑事告発の対象です。いかがですか」などと厳しく追及し、松岡農水相の証人喚問を要求した。

 これに対し、松岡農水相は虚偽記載は一切ないと主張し、相変わらず「法に基づき報告しているので説明の必要はない」の一点張りだった。

 一方、与党内からも「内容を説明すべきだ」という意見が出ている。自民党舛添要一参院政審会長は「説明する必要があるかな、という気がする。ちょっと普通の人の常識から外れている気はします」と話している。

 しかし、安倍首相は、詳しい説明の必要はないとの考えを示し、松岡農水相を擁護する姿勢を崩していない。

http://www.news24.jp/79221.html

 「無料のはずの議員会館の事務所費に水道・光熱費として5年間で約3000万円を計上していた」松岡農水相ですが、国会での野党の「虚偽記載だ」という追及に「説明の必要はない」、虚偽記載は一切ないと主張し、相変わらず「法に基づき報告しているので説明の必要はない」の一点張りだったそうであります。

 馬鹿か・・・

 どこの世界にあの狭い議員会館の部屋(2間しかないんですよ、一般的な間取りの言い方なら1DKのアパートと同規模の狭さですよ)の水道・光熱費が、しかも電気・ガス・水道代が国負担で全て無料のはずなのに、年間600万という途方もない水道・光熱費がかかるのを信じる馬鹿がいますか。

 私は本業で某国会議員のHPの運用をさせていただいている関係で、打ち合わせ等でよく議員会館に出入りしておりますが、たとえ水道・光熱費を自腹で払っていたとしても、あの狭い間取りの空間で年間600万も掛かるはずはありません。

 しかも議員会館使用規定では議員特権として水道・光熱費はすべて国負担でまかなわれていて議員側の負担はゼロ円なのに。

 議員会館の議員の部屋ですが、入るとまず通常は秘書の控えている部屋がありまして、そこに簡素な流し台がありますが、通常のアパートの台所にある設備を想定してはいけません。せいぜいお茶を沸かしたり、狭い流しの他は、果物を切ったりするぐらいの小さなスペースがあるだけの一般オフィスの給湯室の情けない版しかないのです。

 お湯を沸かしてカップ麺を食べることぐらいは可能ですが、何か調理するような設備もスペースも全くないのであります。

 議員会館に出入りしたことのある人間ならば、誰しもが年間600万の水道・光熱費などありえない、こんなおかしな話はないと確信を持っていることでしょう。

 しかし。

 上記日テレ記事によれば、我らが安倍首相は「詳しい説明の必要はないとの考えを示し、松岡農水相を擁護する姿勢を崩していない」というではないですか。

 こんな大臣を擁護するとは・・・

 ・・・

 ふう。

 情けないです。



●このような男が国の最高中枢である内閣に存在していること自体、この国にとって不幸

 そもそもこの議員会館経費疑惑問題ですが、松岡利勝農水相の数々の疑惑の氷山の一角のそのまた氷山の一角にすぎません。

 ここ1年半余りでも報道されている疑惑・不祥事は今回を含め5つに上ります。

1.政治資金収支報告書未記載
WBEFから2005年12月1日に100万円のパーティー券収入を得たが、政治資金収支報告書に記載しなかった。しかし、安倍内閣組閣当日の2006年に報告書を訂正した。

2.内閣府へのNPO申請照会、口利き疑惑
WBEFから内閣府に提出された特定非営利活動法人申請について、松岡の秘書が内閣府に対し審査状況について照会していた問題が発覚している。秘書から照会された事実は内閣府の内部文書にも記録されているが、松岡は衆議院での答弁で照会の事実自体を否定しており、食い違いを見せている。

3.事務所費の不透明な支出
松岡の資金管理団体松岡利勝新世紀政経懇話会」が、賃料が発生しない議員会館に主たる事務所を置きながら、事務所費として2003年は2600万円超、2004、2005年は3100万円超、3300万円超と、極めて高額な支出を計上している。また、松岡の政治団体松岡利勝後援会」は菊陽町の主たる事務所はじめ、全4ヶ所に事務所を置いている。しかし、事務所費として2005年に4000万円を超える支出を計上している。
地元関係者から、松岡利勝後援会の事務所費に4000万も費用が発生するはずがなく、「不自然」であると指摘されている。それによれば、菊陽町の主たる事務所の家賃は月額20万円、他の3ヶ所はさらに安いといい、事務所費がなぜ高額になるのかわからないという。

4.資金管理団体の違法な光熱水費計上
2007年3月5日の参議院予算委員会での参議院議員小川敏夫民主党)の質問により、松岡の資金管理団体松岡利勝新世紀政経懇話会」が、水道代、冷暖房費が無料である衆議院第一議員会館に「主たる事務所」を設置しているにもかかわらず、2005年に500万円超の「光熱水費」を計上していたことが発覚した

5.閣僚規範違反のパーティー
安倍内閣農林水産大臣として入閣したにもかかわらず、大規模な政治資金パーティーを開いたため、閣議決定国務大臣副大臣及び大臣政務官規範」(いわゆる「大臣規範」)の1-(5)「パーティーの開催自粛」に違反したと報じられた。

松岡利勝
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
 より抜粋
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E5%B2%A1%E5%88%A9%E5%8B%9D

 これらの疑惑・不祥事の共通点は全てが政治資金がらみ・金がらみの不正・不祥事であることで、さらに時系列的に発生時期を並べてみると繰り返し不祥事を起こしいっこうに改善が見られない点で極めて悪質なのであります。

 そもそもこのような男が国の最高中枢である内閣に存在していること自体、この国にとって不幸であり、恥であると思うのですが、不思議なのはなぜこのような疑惑だらけの人物を安倍さんは大臣に任命したのか、という点です。

 ・・・



●こんな古臭く、骨の髄までの利権政治家に米政策の抜本見直しなんか任せたんでは、稲作農家ばかりか米を主食とする日本民族の名折れ

 ここに5年前の(新聞「農民」2002.8.12付)の記事松岡利勝自民党・農業基本政策小委員会委員長)に任せていいのか」があります。

 たいへん興味深いので、少し長いですが全文ご紹介いたしましょう。

「米政策の抜本見直し」

松岡利勝自民党・農業基本政策小委員会委員長)に任せていいのか

鈴木宗男氏の“一の子分”

 「あんな奴が、米政策の改革だって?」。そんな怒りに満ちた声が、列島のあちこちから聞こえてきそうです。むりもありません。あの疑惑のデパート鈴木宗男氏の“一の子分”で、みずからも幾多の疑惑にまみれた御仁が陣頭に立って、これからの稲作りの基本をつくろうというのですから……。

 その人の名は、松岡利勝氏(57)。熊本三区選出の衆院議員で、自民党農業基本政策小委員会の委員長です。いま、食糧庁の生産調整研究会の中間とりまとめをうけて、米政策の抜本見直しで論議を進めています。

 「松岡氏の地元・阿蘇谷地域の稲作農家は、一戸当たり平均二町の田んぼをもっています。私たちは一町に満たないんですがね。だけどそこでは、農家が基盤整備した田んぼを、償還金が払えなくて売りに出しているという話を聞きます」

 こう話す梅木隆志さん(42)は、松岡氏の選挙区にある熊本県阿蘇郡小国町で、野菜や米をつくっています。

 「米政策の抜本改革というなら、価格問題こそやって欲しいですね。一俵一万三千円ではどうしようもない。その価格を押し下げているのが輸入米です。日本でいま必要なのは、米だけは絶対自給するんだという姿勢です。穀物自給率で見ると、わずか二九%ですよ。なぜこれ以上輸入しなければならないのか。おかしいじゃないですか」

 “農林族のボス”といわれながら、こんな切実な農家の声には、とんと耳を貸そうとしない。松岡氏の行状や地元選挙区の農業の様子にも、それはよく現れています。

 農業対策費の行方

 ウルグアイ・ラウンドで日本は、再三の国会決議も反故にして、「米の輸入自由化」に道を開く合意を受け入れます。そのときに、宗男氏とともに松岡氏が汗を流したのは、その対策費として組まれた六兆百億円の予算の獲得と配分でした。
 「この掴み金の配分の際に、采配を思う存分ふるったのが、この最強のペアである」と「文芸春秋」(二〇〇二年五月号)は書いています。

 それによると松岡氏はその金で、生まれ故郷の阿蘇町に「はな阿蘇美」というテーマパークをはじめ、温泉ランドなどをつくったといいます。

 梅木さんがいいます。「ウルグアイ・ラウンドの農業対策費は、土木事業に回ってしまった。温泉施設のいくつかは、赤字で閉鎖しています。ほかの施設もほとんど採算が合わず、町の予算を食いつぶしている」

 「それに……」と、梅木さんは続けます。

 「地元の新聞で書かれていたことですが、松岡氏の選挙区にある一の宮町で、町の事業として農産物の直売所を作ろうとしたときのことです。町長があいさつにこないということで、松岡氏が県や農水省に圧力をかけて予算が宙に浮いてしまったことがあるんです」

 献金の疑惑次々に

 もちろん、地元の選挙区対策だけではありません。「頼まれて口を利き、見返りに政治献金という名の賄賂をもらう」。そんな実態も次々と明らかになっています。
 談合組織からの献金、がその一つ。林野庁所管の任意団体で、「国有林野測量事業協力会」というのがあります。不特定多数の利益実現を目的とする公益法人です。ところがこの会への入会は、林野庁OBの天下りが条件でした。そこが、国有林野の調査・測量業務などの入札で談合を重ねて不当な利益をあげ、公取委の排除勧告をうけます。松岡氏は、この「協力会」などから、九六年からの五年間で計九百四十二万円の献金を受けていました。この問題を国会でとりあげた日本共産党の緒方靖夫参院議員は、「公益法人が談合組織をつくって不当な利益をあげ、一部を林野行政に強い影響力のある松岡議員に“還流”させていたことは重大だ」と糾弾しています。

 もう一つが、九二年ごろから国有林の違法伐採を続けて、行政処分を受けた製材会社「やまりん」からの献金疑惑。松岡氏が二百万円の献金を受けたのが、九八年の八月四日。彼はその二日後に「林野庁長官を呼び、処分について善処を働きかけたが、拒否された」(日刊スポーツ)といいます。

 やまりんは氷山の一角

 献金疑惑はまだまだあります。
 国土交通省の川辺川ダム(熊本県相良村)関連工事を受注した業者四十二社からも、松岡氏は合計三千三百八十五万円(日本共産党小沢和秋衆院議員調べ)の献金を受けています。

 BSEの発生で、大量の在庫を抱えた食肉業者のために、松岡氏は宗男氏とともに農水省に圧力をかけ、買い上げさせたといいます。「二人は、大阪のハンナン、名古屋のフジチクという日本を代表する食肉卸大手と親密なことでも知られる」(「選択」二〇〇二年五月号)といえば、疑惑の臭いもしてきます。

 また、「FLASH」二月五日号は「松岡利勝代議士に秘書の退職金&給与ピンはね疑惑」と報じています。

 法政大学の五十嵐仁教授(政治学)はいいます。「鈴木宗男氏とか、宮路和明厚生労働副大臣の入試口利きもそうですが、頼まれて口を利き、見返りに政治献金をもらう。本来、公正でなければならない政治が、公正さが損なわれてゆがめられる。それに口利きの結果の事業は、自治体や国の予算を使ってやるわけで、税金の無駄遣いにもなっているんです。こういう政治のスタイル、構造は古く、もう許されなくなってきている」。

 こんな古臭く、骨の髄までの利権政治家に米政策の抜本見直しなんか任せたんでは、稲作農家ばかりか米を主食とする日本民族の名折れです。

(新聞「農民」2002.8.12付)
http://www.nouminren.ne.jp/dat/200208/2002081202.htm

 ・・・

 いやはやなんともであります。

 町の事業として農産物の直売所を作ろうとしたとき町長があいさつにこないということで、松岡氏が県や農水省に圧力をかけて予算が宙に浮いてしまった、という実に下らない政治圧力から、「国有林野測量事業協力会」という公益法人(この会への入会は、林野庁OBの天下りが条件)が、国有林野の調査・測量業務などの入札で談合を重ねて不当な利益をあげ、公取委の排除勧告をうけた際の、松岡氏は、この「協力会」などから、九六年からの五年間で計九百四十二万円の献金を受けていて、日本共産党から国会で追及を受けた重大な疑惑まで、利権がらみの不祥事がてんこ盛りなのであります。

 この記事では、典型的な利益誘導型の利権政治家のその醜い姿が浮き彫りにされています。

 つまり松岡利勝氏は、主に農業行政分野をテリトリーとして利権政治家としてのし上がってきた極めて古いタイプの政治家であると言えましょう。



松岡利勝さん、国民を舐めてませんか(怒〜

 松岡利勝氏のホームページから。

== 環 境 再 生 と 新 エ ネ ル ギ ー 革 命 ==
 
今、世界では人類に壊滅的な打撃を与えかねない化石燃料の大量消費による温暖化を回避しようとする動きが本格化しています。

このために、京都議定書地球温暖化防止国際条約)に各国が合意して2008年度より地球温暖化の原因である二酸化炭素(CO2)の削減に取り組むことになりました。

今地球には、化石燃料の使用を少しでも控えてCO2の発生しない新しいエネルギーが求められているのです。

松岡代議士は、かねてより21世紀は環境問題が主役になる時代だと考えてきました。

このために、その原因である化石燃料の使用を減らし、代わりに植物を中心とした生物資源を有効利用する政策、「緑のエネルギー革命」を立ち上げることにしました。

   《本ホームページ「活動報告」(1月24日付)でも御覧いただけます。》
 
この「緑のエネルギー革命」とは一言でいえば、森林や田畑に生育する日本中の草本性資源(樹木やイネ系植物を始めあらゆる植物)から生まれる植物を原料に、CO2を出さない再生可能なクリーンエネルギーを作ろう、というものです。

この日本“発”の「緑のエネルギー革命」の実現は、地球環境再生の救世主となることは勿論のこと、あるシンクタンクの試算によると、「裾野」まで視野に入れると13兆円以上の市場になるとの予測もあることから、低迷する地方経済をはじめ日本経済全体の活性化にも大きな役割を果たすことは間違いありません。

http://www.matsuokatoshikatsu.org/index1.html

今地球には、化石燃料の使用を少しでも控えてCO2の発生しない新しいエネルギーが求められているのです。

松岡代議士は、かねてより21世紀は環境問題が主役になる時代だと考えてきました。

このために、その原因である化石燃料の使用を減らし、代わりに植物を中心とした生物資源を有効利用する政策、「緑のエネルギー革命」を立ち上げることにしました。

 ・・・

 うーむ、素晴らしい提案でありますね。

 そうですか、「化石燃料の使用を少しでも控えてCO2の発生しない新しいエネルギーが求められている」この時代に、「松岡代議士は、かねてより21世紀は環境問題が主役になる時代だ」と考え、「緑のエネルギー革命」を唱えてらっしゃるわけですね。

 ・・・

 今地球には、化石燃料の使用を少しでも控えてCO2の発生しない新しいエネルギーが求められている、ですか。

 ・・・

 うーん。

 化石燃料の使用を少しでも控えてCO2の発生しない新しいエネルギーを追求している政治家が、事務所で年間600万という途方もない光熱費掛けてちゃ、まったくしゃれにならないんですが?

 松岡利勝さん、国民を舐めてませんか(怒

 ・・・

 ホームページによれば、松岡利勝氏の座右の銘は「真実一路」だそうであります。

 真実一路(しんじついちろ) ひたすら真実だけを求めて生き抜くこと、だそうです。

 ・・・

 ・・・

 ・・・

 ふう。

 この大馬鹿野郎を権力中枢に登用した、安倍総理任命責任こそが、今、厳しく問われているのであります。

 安倍総理は即刻松岡利勝氏を退任させるべきです。



(木走まさみず)