木走日記

場末の時事評論

加藤氏実家右翼放火男などしょせん社会のクズのチンピラ

右翼団体幹部を逮捕 加藤氏実家の放火事件

 昨日(29日)の朝日新聞から・・・

右翼団体幹部を逮捕 加藤氏実家の放火事件
2006年08月29日16時00分

 終戦記念日山形県にある加藤紘一自民党元幹事長の実家と事務所が全焼した事件で、山形県警は29日、現場で腹部を切って倒れていた東京都新宿区歌舞伎町2丁目、右翼団体幹部堀米正広容疑者(65)を現住建造物等放火の疑いで逮捕した。

 火災が終戦記念日に起きたうえ、加藤氏が小泉首相靖国神社参拝などをめぐって批判的な発言を繰り返していたことから、県警は思想的な背景が事件につながった可能性もあるとみて、詳しい動機を追及する。

 調べによると、堀米容疑者は15日午後5時40分ごろ、同県鶴岡市大東町にある加藤氏の実家に侵入して放火し、実家と隣接する事務所「精三会館」の2棟合わせて約380平方メートルを全焼させた疑い。実家には加藤氏の母が住んでいたが、出火当時は散歩中で無事だった。

 焼け跡から油が入っていたとみられる小型の金属缶2個と刺し身包丁が見つかっており、県警は、堀米容疑者が加藤氏の実家に油をまいて放火したあと、割腹自殺を図ったとみている。

 事件当時、堀米容疑者は意識不明の重体だったが、退院したこの日、逮捕された。

http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY200608290250.html

 ようやく逮捕によって日本メディアでも実名報道となった「右翼団体幹部」堀米正広容疑者(65)なのでありますが、「右翼団体」の団体名が大新聞では今だ伏せられているのには苦笑せざるを得ません。

‘가토 집’ 방화범은 우익단체 조직원
15일 야스쿠니 25만명 참배… 작년보다 5만 늘어
가토 “총리의 부적절한 행동으로 亞외교 붕괴”
2006.08.17
http://www.chosun.com/international/news/200608/200608170007.html

 こちらの朝鮮日報記事では17日の段階ですでに堀米容疑者の実名と所属団体名が大日本同胞社と報じられております。

 で、この「大日本同胞社」が政治結社として官報にも報じられているわけですが、その官報に載っている住所が、「新宿区歌舞伎町2-19-17 403」とあります。

平成17年9月30日 官報(号外223号)416ページ
http://www.soumu.go.jp/senkyo/kanpo/shikin/20050930g00223/pdf/20050930g002230416.pdf

 で、一部ネットではこの住所が朝鮮総連の近くであるとして、この「右翼団体」はエセではないか、という議論があるようです。

朝鮮総連 各支部所在地
http://www.chongryon.com/j/cr/map/map_3.html

 まあ確かに、「大日本同胞社」が「歌舞伎町2-19-17 403」で、朝鮮総連新宿支部が「歌舞伎町2-15-3」で、近所と言えば近所なのですが・・・

 18日の毎日新聞から・・・

加藤氏実家放火:東京の右翼団体事務所を捜索

家宅捜索に入る山形県警の捜査員=東京都新宿区歌舞伎町で18日午後2時28分 山形県鶴岡市自民党元幹事長、加藤紘一衆院議員(67)の実家と事務所が全焼した放火事件で、腹を切って現場に倒れていた男(65)が火をつけた疑いが強まったとして、山形県警は18日、男が所属する東京都内の右翼団体事務所など2カ所を現住建造物等放火容疑で家宅捜索、関係者から事情を聴いた。県警は男の回復を待って同容疑で事情聴取する方針。

 家宅捜索は午後3時前から始まり、捜査員計約20人が、男が所属する右翼団体事務所と親団体の右翼事務所のあるビルに入った。捜索は約4時間で終わり、資料約60点を押収した。県警は押収した資料を分析し、放火事件との関連を調べる。

 調べでは、男は加藤氏の実家に灯油のようなものをまいて放火した後、包丁で割腹自殺を図ったとみられる。男は病院で手当てを受けたが、集中治療室に入ったまま意識は戻っていない。

 捜索されたビルに入居する中国人男性は「そんな団体があるとは知らなかった。(メンバーは)見たことがない。首相の靖国参拝に反対する人の家に火を付けたとすれば、そのやり方は良くない」と驚いた様子で話した。近くに住む男性は「戦闘服を着た人たちが出入りしたのを見たことはあるが、事務所に住む男性はおとなしく紳士的な人だ」と話した。【大久保渉】

 ◇右翼団体の代表「一切言えない」

 男が所属する東京都新宿区の右翼団体事務所には18日午後2時半ごろ、山形県警の捜査員約10人が2台の車で到着。7人がビル4階の事務所に入り、家宅捜索を始めた。

 近所の女性によると、この団体が事務所を置いたのは二十数年前で「ほとんど人の出入りはない」という。近くに住む男性は「戦闘服を着た人が出入りしているのを見たことはある。事務所に住む男性はおとなしく紳士的な人だ」と話した。

 団体の代表者の男性は18日、毎日新聞の電話取材に「一切何も言えない。(加藤氏の実家に放火したとみられる男が構成員かどうかは)想像にお任せする。病状も聞いていないし、当局から連絡もない」と話した。

 団体は政治資金規正法に基づく政治団体として82年4月に総務省に届けているが、02〜04年の政治資金収支報告書によると、各年とも収支ゼロだった。公安当局によると、幹部や構成員は78年に沖縄県尖閣諸島魚釣島に上陸し、86年には過激派の事務所を襲撃したが、最近は目立った街宣活動はしていないという。

毎日新聞 2006年8月18日 21時43分 (最終更新時間 8月18日 23時36分)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20060819k0000m040109000c.html

 近所の人の「戦闘服を着た人が出入りしているのを見たことはある。事務所に住む男性はおとなしく紳士的な人だ」発言には笑ってしまうのですが、まあ堀米正広容疑者の所属していた右翼団体大日本同胞社」が「最近は目立った街宣活動はしていない」もののエセではない政治結社だったのは事実でありましょう。

 ネットでは堀米正広が在日韓国人であったとか大日本同胞社朝鮮総連と関係が深いとか未確認情報があるようですが、これらはガセネタのようであります。

 歌舞伎町2丁目のことは「夜のルポライター」不肖・木走にお任せあれ(苦笑)、ってわけではないですが、ご承知の人も多いと思いますが、まあラブホテルや風俗店や飲み屋がごちゃごちゃしている繁華街なわけでして、こんなところに事務所を構えている「右翼団体」ってことは、まあ間違いなく「任侠系右翼団体」つまり暴力団関連なのでありましょう。

 カタギではないヤクザ屋ってことです。

 事実として堀米正広容疑者も19年前に恐喝容疑で逮捕されています。

昭和62年6月5日 朝刊 31ページ
土地ころがししくじったな 右翼が業者から300万円脅し取る
 
地価高騰に目をつけ、土地転がしを図ろうと都心部の土地を共同で買った不動産業者2人がうまく転売できずに内輪もめしているのを知った右翼団体幹部たちが、不動産業者の一方に「転売失敗」の責任を押し付け、300万円を脅し取る事件があり、警視庁暴力団犯罪取締本部と北沢署は、恐喝の疑いでこの幹部ら2人を逮捕、1人を書類送検していたことが4日、わかった。

逮捕されたのは、東京都港区芝3丁目、右翼団体会長尾形憲一(40)と、別の右翼団体本部長の練馬区春日町5丁目、嵯峨山英博(38)。書類送検されたのは嵯峨山の団体の幹部杉並区西荻北2丁目、堀米正広(46)。

調べでは、尾形ら3人は、都内の不動産業者が、別の不動産業者Aさん(50)と共同で、値上がりをあてこんで、11億3000万円を投じて目黒区内の宅地約540平方メートルを買ったものの、転売先を見つけられず不満を募らせているのを知り、Aさんに「責任」を取らせる名目で金を脅し取ろうと計画。昨年12月ごろ、Aさんを世田谷区内の喫茶店に呼び出し、「転売できないのは、お前の判断が悪いからだ。死んでもらうぞ」などといって、300万円を脅し取った疑い。

Let's Blow! 毒吐き@てっく さんより抜粋
http://tech.heteml.jp/2006/08/post_702.html

 所轄が「警視庁暴力団犯罪取締本部」ってことでも明らかなように、堀米正広容疑者自身が正式な組員かどうかはさだかではありませんが、先週発売の「週刊ポスト」や「週刊新潮」にかなり詳しく堀米正広容疑者の経歴が報じられていますが、まあヤクザまがいのチンピラ右翼構成員といったところが正体のようです。

加藤紘一氏宅「右翼放火男」の書かれざる経歴
週刊新潮 8月31日号 p52〜p53

 暴力団のことなら「週刊新潮」が詳しい(なんせデカ上がりのルポライターを抱えておりますから)のでありますが、まあ読みましたが、堀米正広容疑者の生い立ちから子供が3人いるが離婚していることなど、どうでもいいプライバシーまで詳細を暴いていて転載は控えておきますが、記事の結語はこうでした。

 放火事件で死に切れなかった65才の右翼。その孤独な人生は、やけに哀れさを誘うのである。

 ・・・

 ようするに堀米正広容疑者は暴力団がらみのクズ男であり、所属する「大日本同胞社」も、いわゆる任侠系右翼団体なわけです。

 任侠系右翼団体は、役員が暴力団幹部であったり、構成員が暴力団組員やあるいは準組員扱いされていることが多いのですが、何せ政治結社とはいえ暴力団系ですから、その資金集めは「総会屋」として企業を揺すったり、恐喝まがいの手法で金を脅し取ったりと、ほとんどヤクザと同じなのでありまして、警察でも任侠系右翼団体は「警視庁暴力団犯罪取締本部」の括りで監視しているほどなのであります。



●不肖・木走、セイジケッシャからの電話に逆切れス(爆)

 「大日本同胞社」の団体名を目にして思い出したエピソード。

 不肖・木走は小さなIT関連会社を経営させていただいております。

 まあへんてこな営業電話が掛かってくるのは日常茶飯事なのですが、怪しげな投資や先物取引の電話には「ウチは借金だらけでそんな投資に回すお金などないわい」と断り、怪しげなマチ金や融資の電話には「ウチは超優良決済で金庫にお金を腐らせているほどで借金の必要などまったくないわい」と、大ウソ(爆)ぶちかまして断っております。

 で、一年ほど前ですか。事務所にて、うかつにもへんてこな営業電話に出てしまったのでした。

電話の男「もしもし社長さんですか」

木走「はいそうですが」

男「こちらは大日本■■■■会という政治結社の者であるが、本日付けで憂国の思想家▲▲山●夫先生の大日本建国史全10巻を貴社に送付する旨ご通知申し上げる」

木走「はあ、セイジケッシャ? そんな本は頼んだ覚えはないですが」

男「着しだい、全10巻12万5千円の規定の料金を指定口座に振り込み願いたい」

木走「何ですか唐突に。そんな本頼んでいないですよ」

男「手間とらせないでとっとと振り込めばよろしい。みなさんどこの会社の社長も快諾して購入してくれておる。なんだったら、直接アンタの会社に街宣車で出向いてもいいんだよ」

木走「・・・(あああ、ヤクザなエセウヨクダンタイだな、これは)」

男「では本を送付するので着しだい料金の振り込みをするように」

木走「ちょっと待って下さい、ウチは借金だらけでそんな本を購入するお金などないです。申し訳ないですがあたるんならもっと大きい景気のいい会社に当たって下さい」

男「でまかせを言うな。そのくらいの金はすぐ用意できるだろう、調べはついているんだぞ」

木走「・・・(プッツーン)」

 「調べはついているんだぞ」とうそぶく男のふてぶてしい声を聞いた瞬間、不肖・木走の脳の奥で何かがプッツーンと音を立ててキレたのでありました(苦笑)

木走「ほほう、ウチの会社のなにをどんな方法で調べたのか教えてもらいましょうか」

男「なにさからうのか。きさま、こちらが大日本■■■■会という政治結社と知っての狼藉なのか」

木走「どうせヤクザくずれのエセウヨク団体じゃないのですか。健全な政治結社がかたぎの零細企業にこんな恐喝まがいの営業電話をかけるはずがないでしょう」

男「社長、月夜の晩だけじゃないんだぞ。後悔することになるぞ」

木走「ほほう恐喝ですかおもしろい。どちらが後悔することになるのか、出るとこでましょうや。ウチはIP電話で社内通話は全ていったんコンピュータに録音されています。この悪質な電話内容を証拠として公にして争いましょうか。オタクの所在地と連絡先、アンタの名前を教えて下さい」

男「チッ、覚えていろよ、バカヤロー。ガチャン」

 「社内通話は全ていったんコンピュータに録音」などウソ八百(爆)なのでしたが、どうせこんな輩(やから)はタウンページか胡散臭いルートで入手した会社リストかなんかを片手に手当たり次第電話かけまくっているのにちがいないのです。

 セイジケッシャだか、大日本■■■■会かなんだか知らないですが、零細IT企業のオヤジを舐めてはいけませんぞ!!

 こちとら、下請けに対しサラ金より金に汚くヤクザより脅しまくる悪魔のようなベンダーと毎日丁々発止戦ってんじゃい(怒)

 大企業の下請けいじめのほうがよっぽどたちが悪いんじゃい(爆)

 ・・・

 ふう。

 しかしなあ、ほんと腹が立つのですが、電話一本で法外な値段の本を売りつけるなんて、善良な一般市民に対してどう喝まがいの悪徳商法ですよね、つくづく社会のクズだよなあ・・・

 でもなあ、あのようなドスの利いた声で脅かされてしまうと、気の弱い人などついつい購入しちゃうのかも知れないのですね。

 みなさまもこんなエセ団体の悪党商法にはくれぐれも気をつけましょうね。

 ・・・

 少し脱線しましたが、任侠系右翼団体など所詮は、こんな恐喝まがいの犯罪行為で資金集めしている連中なのであります。

 今回の「右翼放火犯」堀米某という大馬鹿者ですが、しょせん社会のクズのチンピラなのであります。



(木走まさみず)