木走日記

場末の時事評論

日本経済新聞の謝罪は却下します(爆笑)〜インサイダーな社長がインサイダー取引した社員の謝罪するなっての!

●この謝罪、却下します(爆笑)

 日本経済新聞記事から・・・

本社社長「信頼裏切り深くおわび」・株取引、内規で自粛

 日本経済新聞社東京本社の広告局社員が東京地検特捜部に逮捕されたのを受けて、杉田亮毅社長が25日、東京・大手町の日経本社で記者会見した。杉田社長は「言論報道機関としてあってはならない不祥事で読者、広告主、投資家はもちろん国民の皆様の信頼を裏切り、ご迷惑をお掛けしたことを深くおわびします」と陳謝した。

 株式の短期売買の制限など株取引に関する内規を強化し、内規がなかった部局でも新たに策定したことを明らかにし、「再発防止に全力で取り組みたい」と強調した。

 杉田社長は「新聞が社会の公器としての役割を果たすには読者や取材先、取引先の信頼が不可欠。今回の不祥事は社員1人の犯行とはいえ、社長の不徳」と事態を重く受け止めていることを表明。社内調査の結果も公表し、「ほかに協力者はおらず、個人的な不正行為と確信しています」と述べた。 (21:10)
 
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060726AT1G2503R25072006.html

 おお、日本経済新聞の杉田亮毅社長がついに記者会見で謝罪しましたか。

「言論報道機関としてあってはならない不祥事で読者、広告主、投資家はもちろん国民の皆様の信頼を裏切り、ご迷惑をお掛けしたことを深くおわびします」

 「ご迷惑をお掛けしたことを深くおわびします」ですか・・・

 ・・・

 この謝罪、却下します(爆笑)

 日経の持ち株で今年も918万円という異常な配当収入を得ている社長の杉田亮毅君や同じく666万円の配当収入を得ている副社長の新井淳一君には、インサイダー取引で逮捕された社員の件で謝罪する資格などありません!!

 読者のみなさん良く覚えておきましょうね。

 日本経済新聞の社長の杉田亮毅君や副社長の新井淳一君は、日経の異常な配当収入を毎年受けていて、今年は杉田亮毅君が918万円で新井淳一君は666万円だったですよ。

 すごいですねえ。



●原点に戻り信頼回復に全力尽くします〜この社説も却下です(爆笑)

 今日(26日)の日経社説から・・・

社説1 原点に戻り信頼回復に全力尽くします(7/26)

 日本経済新聞社の東京本社広告局社員が証券取引法違反インサイダー取引)の容疑で証券取引等監視委員会から告発され、東京地検特捜部に逮捕された。日本経済新聞社はこの社員を懲戒解雇した。経済を中心にした言論報道機関として絶対にあってはならない恥ずべき行為である。個人的な犯行とはいえ不正を見抜けなかった責任は重く、読者ならびに関係者に深くおわびする。一人ひとりが言論報道機関の原点に立ち返り、再発の防止と信頼の回復に全力を挙げる覚悟である。

 監視委の調べによると、この広告局社員は上場5社の株式分割の法定公告を日本経済新聞の掲載前に把握し株式を購入、掲載直後に高値で売り抜けて、3000万円弱の売却益を得たという。この社員は法定公告の業務を担当していなかったにもかかわらず、目的外の利用が禁止されている業務用パソコン端末を操作して、法定公告の掲載情報を事前に入手し、株取引に悪用していた。

 日本経済新聞社は監視委の調査開始で問題が発覚した2月の段階で、事態を深刻に受け止め、広告担当常務が引責辞任するとともに、社長はじめ役員3人の報酬全額を3カ月カットするなど管理責任、経営責任を明確にした。さらに広告局、編集局、論説委員会、販売局の社員には株取引に全面的にかかわらないことを社長名で要請するなど株取引規制を強化した。また全社員にインサイダー関連研修の受講を義務づけ、コンプライアンス教育を徹底するなど再発防止に取り組んできている。

 インサイダー取引はそれ自体、資本市場の健全な発展を阻害する重大な犯罪である。まして多くの情報が集まる経済を中心とした言論報道機関にあっては、インサイダー問題にかかわらないよう、一人ひとりが自らを厳しく律する責務がある。それは日本経済新聞社の全社員に浸透していたはずだった。

 ところが、この社員は「趣味は株取引。ゲーム感覚で、高得点を出すのが喜びだった」と述べている。言論報道機関に働く者の使命感が欠落していた。極めて遺憾である。なぜこうも倫理観なき社員を生んだのか深刻に反省しなければならない。

 この社員の犯行で、日本経済新聞社が長年かけて築き上げてきた信頼が傷つけられたことは否めない。信頼を取り戻すのは、並大抵ではない。経営、管理体制の一層の改革に取り組むとともに、引き続き中正公平な報道で紙面の質を高めることで、読者の信頼を回復し、社会的責任を果たしていきたい。

http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20060725MS3M2500225072006.html

 社説まで使って真摯な謝罪でございます。

 社説の結語。

経営、管理体制の一層の改革に取り組むとともに、引き続き中正公平な報道で紙面の質を高めることで、読者の信頼を回復し、社会的責任を果たしていきたい。

 「読者の信頼を回復し、社会的責任を果たしていきたい」ですか。

 社説タイトルが「原点に戻り信頼回復に全力尽くします」ですか。

 ・・・

 この社説自体、却下します(爆笑)

 だって、真摯な社説にするため文言に知恵を絞ったであろう編集局長の斎藤史郎君だって、社長の杉田亮毅君や副社長の新井淳一君と同じ穴のムジナなんだモン!

 編集局長の斎藤史郎君も日経の異常な配当収入を毎年受けていて、今年は144万円だったですよね、斎藤史郎君?



●7000円台で売買するのが筋の株価を100円に据え置き高配当を生み出すステキなカラク

 からくりをお話ししましょう。

 日本経済新聞社の1株はなんとたったの100円なのですよ。

 発行価格100円のままなのです。

 で今年の配当率は18%の高さなのです。

 普通株の売買価格の目安に「1株当たり純資産を元に算定」する方法があります。

 その単純方法で過去6期の一株当たり純資産を試算してみましょう。

平成11年12月期   4902円
平成12年12月期   7255円
平成13年12月期   7843円
平成14年12月期   8205円
平成15年12月期   7719円
平成16年12月期   7269円

 日本経済新聞社は7000円台で売買するのが筋ですが、非公開株であることをよいことに発行価格100円のまま据え置いているのです。

 そして日本経済新聞社の幹部諸君は役員報酬とは別に毎年高額の配当収入を手にいれているわけですね。

 今年は社長の杉田亮毅君が918万円で副社長の新井淳一君は666万円、編集局長の斎藤史郎君が144万円だったそうですよ。

 さすが株のプロはやることがちがうでしょう、読者のみなさん。

 7000円台で売買するのが筋の株価を100円に据え置き高配当を生み出すとは、なんとステキなカラクリなんでしょう。

 ・・・

 日経だけ140円と10円高いのもうなずけるじゃありませんか(苦笑)。

 ・・・

 正にインサイダーな利益を甘受している社長達が、インサイダー取引した社員の謝罪するってのは、とんだ茶番であります。

 日本経済新聞の謝罪は却下します。

 謝罪するヒマがあるならその胡散臭い財務諸表営業収入内訳(※1)を公開してみろ(怒









<追記>ブックマークのご意見のリクエストに答えてみる 2006.07.26 16:30

 一部のブックマークのご意見で貴重なご批判をいただきました。

はてなブックマーク > 木走日記
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060726/1153887399

「大企業のお偉いへのやっかみ。持株会による定時定額での継続的な自社株購入はインサイダーではない。配当が高いのも問題ない。叩くのならば取得手段に問題がある論拠を提示すべき。」

 「大企業のお偉いへのやっかみ。」とは不肖・木走の人間のスケールの小ささを見事見抜かれており、本当の事を言われると少々照れるのであります(苦笑)。

 いつもブクマやコメントやメールにてご批判をいただいても多すぎて(爆笑)スルーしている木走ですが、このご意見は「叩くのならば取得手段に問題がある論拠を提示すべき」はごもっともと納得いたしました。

 では少し長いですが・・・

■理由1:日刊新聞法で守られている社会の公器たる新聞社が特定株主に利益還元する異常性

 そもそも日経が、新聞社でなく一般企業であり、上場企業並みに自由に株価に関わる情報を公開しておりなおかつ透明性の高い公正なルールに基づく持株会の運用をしておるならば、誰が批判いたしましょう。

 新聞社はいくつもの法律で守られているぬるま湯業界であることは当ブログでも何回もエントリーしてきたことですが、ここに日刊新聞法というカビの生えた56年前の法律があるのです。

 そもそも株式会社は株式の売買が自由で、制限すべきものではないというのが大前提であります。

 これは、第二次世界大戦の敗戦によりGHQの指導で昭和25年に商法の大改正がなされ、商法では譲渡制限を一切認めないことになって以来のことです。

 ところで昭和25年といえばレッドパージの最中で、GHQはメディア(当時は新聞だけ)が共産主義勢力に牛耳られることは困ると考えました。このため、議員立法で日刊新聞法が制定されることになり、商法の特例として日刊新聞を発行する株式会社に限って譲渡制限を設けることになったのであります。

 この日刊新聞法では新聞社は公器とされ、株主利益のみを追求することは許されないことが大前提となり、その前提の上で、日刊新聞の株だけは新聞社自体が譲渡制限可能という、保護策が設けられたのです。

 本来なら高収益を出させる余裕があるなら、新聞代を値下げして読者の負担を軽くするか、取材経費を積み上げてよりよい新聞を作り、読者に提供するか、どちらかの形で社会還元するのが本来の社会の公器たる新聞社の役目でありましょう。

 報酬とは別に庶民感覚からすれば跳んでもない収益を毎年受け取っている日経幹部諸氏は自分たちが株の譲渡制限という特殊な法律で保護を受けている身分であることを知りながら持株会を通じてみにくい利益還元のからくりを構築しているのです。

■理由2:日経筆頭株主「日経・共栄会」の胡散臭い運営

 日本経済新聞筆頭株主は「日経・共栄会」という持株会です。

 日経OBの情報によれば、共栄会会員は役員・社員に限定されているそうですが、その配当収入をどう何に使ったのか極めて不明瞭なのです。

 最大で年間6,500万円もの配当収入はどう分配され使われているのか、一般社員会員からは極めて不透明で15人の理事がいるそうですが会合が開かれた形跡すらないそうです。

 ある日経OB氏によれば、「共栄会から何回か文書をもらったが、封筒には事務所も電話番号さえない。理事長は日経の経理局長級が、常務理事は社長の側近中の側近である秘書室長が兼務している。理事長は「権利能力なき社団」と言うが、共栄会は幽霊団体なのである。」と言い切っています。

 そのような状態の中で日経新聞は平成15年に資本金を20億円から25億円に増資しています。

 日本経済新聞社の未上場株式は現在資本金25億円つまり2500万株、額面100円でありますが、そのうち5億円分は平成15年に現役社員・役員だけを対象に増資を強行したのです。

 この増資は株主構成是正を名目に実施されたものの、真の狙いは平成15年3月に表面化した株主代表訴訟原告団による帳簿閲覧権行使(発行株式の3%60万株主の同意が必要)のハードルを75万株主に高くし帳簿閲覧をさせないためという胡散臭いものでした。別の側面から見ると、5億円の増資は多くの客員・社友株主が知らないまま強行されたのであります。

 この経緯により日経役員達の配当収入も急増したのです。

 実は現在、日本経済新聞および日経・共栄会は、一部の日経OB株主との間で訴訟関係にあります。



<追記2> 2006.07.26 23:50
※1:コメント欄のご指摘により「財務諸表」を「営業収入内訳」に訂正いたしました。
 財務報告をしている株式会社組織だとご自慢の日経でした。しかし、営業収入の内訳である購読料と広告収入の額すら明示されていません。




(木走まさみず)



<関連テキスト>
●読売社説の欺瞞〜タブー中のタブーを抱えながら詐欺師が何をほざいているのだ!
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060221
●これはメディア談合だ!!〜正論振りかざすなら財務諸表公開してみろ!
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060316
●新聞休刊日の七不思議〜北朝鮮も真っ青なスバラシイ言論統率!
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060410
●腐臭放つ日本新聞協会の対公取勝利宣言〜日本マスメディアが自ら醜い欺瞞を永遠に刻印した日
http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20060603/1149310808