木走日記

場末の時事評論

よいこの政党入党マニュアル〜やっぱ党派性を追求するなら政党党員だよね

●人は群れたがる〜党派性をあるがままに肯定的に捉えてみよう

 最近のネット上の論争を見ていると「党派性」という言葉がキーワードだと感じてしまいます。

 たとえばホテルルワンダパンフ論争にしても、肯定派と否定派にほぼ2分されて議論されたわけですが・・・

 ルワンダの虐殺を関東大震災時の朝鮮人虐殺事件に結びつける是非が問われているこの論争などを傍観していると、やはり肯定「派」と否定「派」がつながっていきそれぞれがグループをなして(少なくともリンク、トラバ、コメント等で連帯しているように見える)、ひとつの「派」を形成しています。

 一部のまじめなブログではこの「党派性」に関して憂いを持って真摯に考察されているようですが、どうなんでしょう、哲学的な考察が苦手な不肖・木走としては、そのような真摯な有意義な論考はそれなりの人たちにお任せするとして、ここは人間の「党派性」を単純に肯定しきっちゃおうと思います。

 所詮、人間は群れることを好む社会性を有するご先祖様(猿人)のDNAを引き継いでいるのだと単純に解釈します。

 ホモ・サピエンスという種は、「森の哲人」といわれる単独行動中心のオラウータンよりも、群れて行動するチンパンジーやゴリラに近い社会性を有しているのは明らかなのであり、私たち人間のDNAには善し悪しは別として「群れることで安心を得る」「群れることを欲する」気持ちが本能的にあるのでしょう、しかもそれは無意識のうちで・・・

 人は群れたがる・・・

 それを「党派性」と呼ぶならば、ここはひとつ冷静に人間の心の属性のひとつである党派性をあるがままに肯定的に捉えてみましょう。

 で、党派性を追求するならばその最たるモノは政党の党員になってしまえば、最高の「党派性」を獲得(苦笑)できるわけであります。
(↑出た! 「木走日記」名物の論理の超ワープ(爆))

 というわけで、今回は『よいこの政党入党マニュアル』と題して、どの党に入党すればどういう特典があるのか、どの党がもっともお安く党員になれるのか、等々、不肖・木走の独断と偏見によるリサーチをご紹介して参りましょう。

(パチパチパチパチ)

 だいたい日本の政党の党員てどんな感じなんでしょうかね。

 党員数とか、党員になるのにどんな資格がいるのかとか、入党手続きとか、党費とか党員の義務とか、どんな感じなんでしょうかね。

 それでは不肖・木走の独断と偏見によるリサーチをご紹介いたします。



●党員数って意外と調べるのが難しい〜やっぱ大きい群れがいいよねということで党員数ランキング

 まずはどうせ「党派性」を獲得して群れるのなら大きい群れが一番だというよいこのために党員数でランキングしてみましょう。

 で、ちょっと各政党の党員数を調べてみたのですが、なかなか一覧ではないのですよね。
 少し古い情報ですが

2001年参議院選
http://www.ptp.co.jp/item.php3?cat_id=592&item_yn=y

 こちらには当時の党員数が載っていますね。

 うーん、自民の237万(2001年当時、2006年2月時点で122万)もどこまでちゃんと党費払っているまともな党員なのかはさだかじゃないですが、最近できた国民新党新党日本新党大地の党員数はお手上げですねえ。
 国民新党に関しては毎日記事で党員数が載ってましたね。

国民新党:4月に初の政治資金パーティー
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060219k0000m010096000c.html

 この記事によれば「現在約5000人」だそうです。
 まとめるとこんな感じですか。

党員数
自民 約122万人237万5千人
共産 約37万人
公明 約33万3千人
民主 約4万人
社民 約4万人
国民新党 約5000人
新党日本 不明
新党大地 不明

 党員数から見れば「腐っても鯛」じゃなかった「寄らば大樹の陰」じゃなかった、やっぱ政権党自由民主党が一番ですよね。

 もちろんレアな小グループがお望みとあれば、新党大地さんなんかもお奨めではありますが・・・

 ていうことで党員数ランキング1位は自民党でした。

 自民党さんおめでとうございます。

 (パチパチパチパチ)



●入党資格にはナニが問われるのか〜入りやすい政党はここだランキング

 まず自民党ですが党則によれば

第一章の二  党   員
第  三 条 本党は、本党の目的に賛同する日本国民で、党則の定めるところにより忠実に義務を履行するとともに、国民大衆の奉仕者として積極的に党活動に参加するものをもって党員とする。

第 三条の二 党員は、次の各号に掲げる権利を有する。
一  党内の選挙権及び被選挙権を有すること。
二  役員の選出及び候補者の決定に参加すること。
三  党の政策に関し、提案すること。
四  党の会議又は出版物を通じて、党の活動に関する自由な討議に参加すること。

第 三条の三 党員は、次の各号に掲げる義務を有する。
一  党の理念、綱領、政策及び党則を守ること。
二  各級選挙において党の決定した候補者を支持すること。
三  積極的に党活動に参加すること。
四  党費を納めること。

自由民主党党則より抜粋
http://www.jimin.jp/jimin/jimin/tousoku/index.html

 なるほど、日本国民で党則を守るのであればOKのようですね。
 ただ、実際は紹介党員が必要みたいです。

◎ お申し込みには、紹介党員が必要です。お知り合いに党員がいない場合や支部の所在がわからない場合には、ご地元の支部連合会にご連絡ください。

自民党入党案内より抜粋
http://www.jimin.jp/jimin/jimin/campaign/nyuutou.html

 で、民主党

第2章 党員等

(党員)
第3 条 本党の党員は、本党の基本理念および政策に賛同する18歳以上の個人(在外邦人及び在日の外国人を含む)で、入党手続きを経た者とする。
2  党員は、本規約および党の諸規定にもとづき、党の運営と活動および政策等の決定への参画、ならびに代表選挙が実施される場合は代表選挙規則の定めにもとづき選挙権を有する。
3  党員は、いずれかの地域組織に所属し、所定の党費(本部登録料を含む)を納めなければならない。
4  党員の入党手続き、登録、党費の納入等については、組織規則で別に定める。
5  党員のうち、地方自治体議員の入党手続き、登録、党費の納入等については、組織規則で別に定める。
6  国会議員が入党しようとするときは、幹事長に申し出て、役員会の議を経て常任幹事会の承認を得ることを必要とする。

民主党規約より抜粋
http://www.dpj.or.jp/seisaku/unei/kiyaku.html

 ほほう、本党の基本理念および政策に賛同するならば国籍は問わず、ということでありますが、18歳以上という年齢制限があるようです。

 次公明党

公明党の党員について(ID:05)
質問
公明党の党員になるにはどうすればいいのですか?
回答
公明党の綱領及び規約を守り、政策および諸決議を実現するために党活動に参加しようとする18歳以上の人は、国籍を問わず党員になることができます。また、党員になろうとうする人は、党員2名以上の紹介により、所定の事項を記載した入党申込書を支部長を通じて都道府県代表に提出し、その承認を受けなければならないことが党規約に定められています。

公明党よくある質問より
https://c.fresheye.com/p/faq/faq_detail.asp?dept=komeitou&disp=form001&faqid=05

 民主と同様で「18歳以上の人は、国籍を問わず党員になることができ」るようですが、党員2名以上の紹介が必要なようですね。

 共産党はこんな感じ。

日本共産党に入るには

 18歳以上の日本国民で、日本共産党の綱領と規約を認める人は、党員になれます。

 日本共産党員としての活動とは

入党が決まれば、職場、地域、学園などいずれかの支部に所属し、その一員として活動します。
支部は、それぞれの職場、地域、学園などで党を代表して活動します。支部では、まわりの人びとの利益のためにどんな活動をしていくのか、どんな党をつくるのかをみんなで相談し、方針や計画をもち、分担して活動します。
党員はつぎの4つのことを大切にしています(「4つの大切」)。
 ○「しんぶん赤旗」を読む
 ○支部会議に参加する
 ○学習につとめ活動に参加する
 ○党費をきちんと納める
 入党のお申し込みは

 入党申込書に必要な事項を記入し、お知り合いの党員2人の推薦をうけ、入党費300円をそえて申し込みます。

 お知り合いの党員がおられない場合は、お近くの日本共産党事務所にご相談ください。
日本共産党 入党の呼びかけより抜粋
http://www.jcp.or.jp/jcp/touin/index.html

 基本的には18歳以上の日本国民とありますが、党員2人の推薦が必要なようです。

 あ、あと入党費300円が必要か(苦笑

 社民党

第2章 党 員
第4条〈党員資格〉
1 本党の党員は、党員及び協力党員とし、本党の基本理念及び政策・党則に賛同する18歳以上で日本国籍を有する者及び18歳以上で、日本に3年以上定住する外国人で、入党手続きを経た者とする。
2 入党しようとする者は、入党申込書に必要な事項を記入し、支部、総支部支部連合及び都道府県連合のいずれかに提出する。支部、総支部支部連合及び都道府県連合は、承認手続きの後、全国連合に報告するものとする。
3 除名、除籍者の再入党は各都道府県連合の執行機関の承認を受ける。
4 入党手続きその他党員及び協力党員の資格に関し必要な事項は、本党則に定めるもののほか、別に定める規則による。

社会民主党党則より抜粋
http://www5.sdp.or.jp/central/03tousoku.html

 「18歳以上で日本国籍を有する者及び18歳以上で、日本に3年以上定住する外国人」ですか。

 国民新党

本党は、本党の目的に賛同し、所定の手続きを経た者を党員とする。

国民新党党則より抜粋
http://www.kokumin.biz/tousoku.html

 ん? みじか(爆

 「所定の手続きを経た者」は党員ですと(苦笑

 なんかこのへんからいい加減になってきますねえ。

 次、新党日本

 ん?

 スミマセン、新党日本の党則が見当たりません(爆笑)

 かわりにサポーター制度があるようです。

出来たばかりの政党だからこそ、一緒に取り組める政治
裏切られ続けた「お任せ民主主義」から脱却し、「行動民主主義」へ

新党日本」は、
愛する日本を再生しようという
熱き志を有する同士を募集します。

サポーター年会費 二千円

2006年度サポーターになると
先着1000名様に限り、特製ピンバッジをお送りいたします。

2006年度サポーター募集中
http://www.love-nippon.com/supporter.htm

 ふーん、「先着1000名様に限り、特製ピンバッジ」とありますが、千人達したんかい?(苦笑)

 しかし、サポーターは党員に比べ「群れ度」具合としては弱いですよねえ。

 最後は、新党大地だ。

党員募集中!!!
新党大地理念

大地に還り大地に学ぶ

北海道から変わりましょう

新党大地では党員を募集しております。次の要件を満たす方で、新党大地の理念に賛同される方、新党大地を応援して下さる方は、是非ともご入党下さい。

1.  わが党の綱領、主義、政策等に賛同される方。
2.  満18歳以上で日本国籍を有する方。
3.  他の政党の党籍を持たない方。

入党頂いたあかつきには、党員証を発行し、現在毎月第三土曜日に開催しております大地塾など、新党大地の会合をご案内させて頂きます。入党ご希望の方は、札幌の新党大地党本部または東京の議員会館までご連絡下さい。なお、党費は年間1千円になります。

新党大地党員募集中より抜粋
http://www.muneo.gr.jp/daitisaishin17-11-25.html

 満18歳以上で日本国籍を有する方ならよろしいようですが、「他の政党の党籍を持たない方」って条件は、ムネオ先生らしいというか小政党らしいですねえ。

 ・・・

 ふう。

 ちょっと表でまとめるとこんな感じですか。

政党名 国籍 年齢制限 党員推薦 その他条件
自由民主党 日本人 問わず 有り
民主党 問わず 18才以上 無し
公明党 問わず 18才以上 2名
日本共産党 日本人 18才以上 2名 入党費300円
社会民主党 日本人 18才以上 無し
定住外国人含む)
国民新党 問わず 問わず 無し
新党日本 ??? ??? ???
新党大地 問わず 18才以上 無し 他政党の党籍禁止

 サポーター制度の新党日本は論外として、一番はいりやすいのは国民新党の「本党は、本党の目的に賛同し、所定の手続きを経た者を党員とする。」なのはそうでしょうが、これじゃアバウトすぎて「所定の手続き」の意味することも気味悪いし、「群れ度」としてはダメだしさせていただきます。

 で、入りやすい政党はここだランキングは、不肖・木走の独断で新党大地さんに決定。

 ていうことで、入りやすい政党はここだランキング1位は新党大地でした。

 新党大地さんおめでとうございます。

 (パチパチパチパチ)



●党費とグッズ〜お安い政党はここだランキング

 党費ですが面倒くさいので引用は端折って、リサーチ結果だけ表にまとめてみました。

政党名・資格 年額
自由民主党・一般党員 4000円
自由民主党・家族党員 2000円
自由民主党・特別党員 20000円以上
民主党・党員 6000円
民主党・サポーター 2000円
公明党・党員 不明(3000円ぐらいか?)
共産党・党員 実収入の一パーセント
社会民主党・一般党員 12000円〜24000円(年齢により3段階あり)
社会民主党・協力党員 6000円
国民新党・一般党員 1000円(一口:何口でもよい)
国民新党・党友 5000円(一口:何口でもよい)
新党日本・サポーター 2000円
新党大地・党員 1000円

 うーん、不親切なのは公明党なのでして、

■第十一章 財政及び会計

第百二条 党財政は、党費、寄附金及び機関紙誌の発行事業収入、政党交付金等によって賄われる。
第百三条 党費は、都道府県本部を通じて党本部に納める。
2  議員及び地方公共団体の長は、別に定める規定により特別党費を納める。
3  党費に関する細則は、別に定める。
第百四条 寄附金その他の受領に関する細則は、別に定める。
第百五条 わが党の会計年度は、毎年一月一日より十二月三十一日までとする。

公明党規約詳細より抜粋
http://www.komei.or.jp/about/what/rules/rules2.html

 党費の年額は「党費に関する細則は、別に定める」ということで記載されていません。ネット上色々調べたのですが確証は得られませんでした。
(↑情報提供あれば訂正したいと思います)

 うーん、難しいのは共産党員でして、「実収入の一パーセント」って、年収1000万円の人なら10万円だし、ニートな無職の人なら0円なんですよね、さすが共産主義政党であります(苦笑)

 それはさておき、党員の特典(グッズ)はこんな感じ

政党名・資格 権利・グッズなど
自由民主党・一般党員  総裁選挙の有権者・機関紙「自由民主」党員版
自由民主党・家族党員  総裁選挙の有権者
自由民主党・特別党員  総裁選挙の有権者・機関紙「自由民主」党員版
民主党・党員 メンバーズカード・民主党機関紙プレス『民主』
民主党・サポーター 党代表選挙で投票参加
公明党・党員 不明
共産党・党員 不明
社会民主党・一般党員 「党員証(カード)」
社会民主党・協力党員 「党員証(カード)」
国民新党・一般党員 支部を作ることが可能
国民新党・党友 不明
新党日本・サポーター 先着1000名様に限り、特製ピンバッジ
新党大地・党員 党員証・大地塾に参加

 ちょっとここでも公明党共産党の党員グッズが情報開示されていないのでよくわからないのですが、共産党の場合、権利と言うよりも

党員はつぎの4つのことを大切にしています(「4つの大切」)。
 ○「しんぶん赤旗」を読む
 ○支部会議に参加する
 ○学習につとめ活動に参加する
 ○党費をきちんと納める

 義務がけっこうありそうなんで、規則に縛られたいそういう結束力の強い「群れ」を望むよいこにはいいかもですね(苦笑

 どうでしょう、党費と権利(グッズ)を比較して、単純にお安い政党はここだランキングしてみると、やはり年間1000円の国民新党新党大地がお安いですかね。

 ただ、国民新党の「支部を作ることが可能」な権利も得体が知れなくて捨てがたい(爆笑)ですが、やはりここはレアな「党員証」がもらえる新党大地に軍配を挙げておきましょうか。

 ていうことで、お安い政党はここだランキング第一位は、入りやすい政党はここだランキング1位に続き新党大地でした。

 新党大地さんおめでとうございます。

 (パチパチパチパチ)

 ・・・

 よいこのみなさん、参考になりましたか。



(木走まさみず)



<お願い>
 政党関連のみなさま、既存党員のみなさま、情報提供のご協力をお願いいたします。当エントリーでは、記述誤りや追加情報は、よいこのみんなのために、どんどん更新していこうと思っています。

<修正履歴>
2006.3.10 15:30 自民党の党員数を訂正しました。
2006.3.10 17:30 民主党のサポーター情報を追加しました。